2024年7月10日
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■ 試合データ
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米国時間:2024年7月9日
日本時間:2024年7月10日(水曜日)
7時40分開始
ロサンゼルス・ドジャース
対フィラデルフィア・フィリーズ
@シチズンズ・バンク・パーク
【MLB.JP 戦評】
日本時間7月10日、ドジャースは敵地シチズンズバンク・パークで強豪フィリーズとの3連戦がスタート。その初戦はカイル・シュワーバーとブライス・ハーパーが戦列復帰したフィリーズの強力打線を相手に、先発のボビー・ミラーが4回10安打9失点と大炎上し、1対10の完敗を喫した。フィリーズ先発のザック・ウィーラーは5回3安打1失点で10勝目(4敗)をマーク。9失点ノックアウトのミラーは2敗目(1勝)を喫し、防御率は8点台(8.07)となった。
注目された強豪対決3連戦の初戦は、ミラーの大炎上により、大差がつく大味な試合展開となってしまった。初回の先制機を逃したドジャースは、2回裏二死から2本のタイムリーで3失点。3回表に大谷翔平がヒットと盗塁で作ったチャンスも生かせず、4回裏にはヨハン・ロハスのタイムリー、トレイ・ターナーの8号グランドスラム、ブライソン・ストットの6号ソロで一挙6点を失った。5回表にキャバン・ビジオの3号ソロで1点を返したものの、反撃はこの1点だけ。試合途中で主力選手を続々と交代させ、7回裏にはブランドン・マーシュに8号ソロを浴び、1対10の大敗を喫した。
ドジャースの大谷は「1番・DH」でスタメン出場。フィリーズ先発のウィーラーの前に、初回の第1打席は3球で空振り三振に倒れたが、3回表の第2打席はレフト前にポテンヒットを放ち、今季21個目の盗塁も決めた。5回表の第3打席は四球を選び、大量ビハインドの展開となったため、7回表の第4打席は代打オースティン・バーンズを送られて途中交代。2打数1安打1四球1盗塁で連続試合安打を3に伸ばし、今季の打撃成績は打率.315、出塁率.401、OPS1.037となっている。
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■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)
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【スタメン】
1番DH
【出場成績/打者】
2打数 1安打 1三振 1四球 1盗塁(21個)
通算打率・315
OPS1・037
◆第1打席:
(結果)空振り三振
(状況)1回無死走者なし
(投手)ザック・ウィーラー右
※フォーシーム2球で追い込まれた3球目、内角高めの97・6マイル(約157キロ)のフォーシームにバットが空を切ると大歓声が上がった。
◆第2打席:
(結果)レフト前ヒット
(状況)3回1死走者なし
(投手)ザック・ウィーラー右
※1ストライクからの2球目、内角高めの91・5マイル(約147・3キロ)のカットボールを逆方向へ。フラフラと上がった打球は遊撃手と左翼手の間にポトリと落ちた。二死後、フリーマンの3球目に二盗に成功。今季21盗塁目でこの時点でリーグ3位タイ。
◆第3打席:
(結果)四球
(状況)5回2死走者なし
(投手)ザック・ウィーラー右
※ストレートの四球で歩いた。
◆第4打席:
(結果)代打・オースティン・バーンズ
(状況)7回無死1塁
(投手)グレゴリー・ソト左
※大差の展開に7回無死一塁で代打を送られると敵地ファンからもブーイングが上がった。
【コメント】
◯ なし
【NEWS情報】
◯ エンゼルスでチームメートだった大谷とブランドン・マーシュが9日、試合前に再会し、互いに笑顔でハグをして旧交を温めた。
「彼がドジャースに入って幸せそうで、僕も嬉しい。彼が幸せなら僕も幸せ。僕は彼の大ファンだし、彼は僕にいろんなことを教えてくれたからね」
「飛び抜けているとしか言いようがないね。ベストの中のベスト。これ以上、彼が打席で何ができるのかわからない。でも、我々は彼の活躍を最小限に抑えるようにやっていかないといけない。ここの場所だけは打たないでもらいたいね」
「(ドジャースとフィリーズはどちらも地区首位と好位置。10月のプレーオフでも戦う可能性があるが)今はそのことは考えたくない。目の前の試合に集中したい」
◯ 3連戦を前に球場の公式ストアでは大谷とフ軍の主砲ハーパーのコラボレーショングッズが登場。ペナント(14・99ドル)、ボール(14・99ドル)、マグネット(9・99ドル)、缶クーラー(7・99ドル)、ピンバッジ(11・00ドル)が陳列され、多くのファンが手に取っていた。
◯ 株式会社伊藤園が展開する無糖緑茶飲料ブランド「お~いお茶」は10日、大谷とともに取り組む社会貢献プロジェクト「Green Tea for Good」を同日始動すると発表した。同プロジェクトの第1弾として「お~いお茶」ブランドの飲料、リーフ製品の売り上げの一部などを活用し、日本及び海外の森林、水、生物多様性を始めとする保全活動などを行う。今年度は「お茶で世界を美しく。」を合言葉に、グローバルアンバサダーの大谷とその輪を海外へ広げていく予定だといい、大谷の故郷である岩手県からスタートする。
また、この取り組みの一環として大谷のバストアップ画像が「お~いお茶 緑茶」のパッケージに描かれた特別なボトル、通称「大谷翔平ボトル」を日本では8日から期間限定で販売し、海外でも順次販売する。「大谷翔平ボトル」の売上の一部も活動に使用するという。15日からは世界1店舗限定で、「NewDays 新宿南口中央」を丸ごと「茶殻再生紙」を使用した「Green Tea forGood」のビジュアルでフルラッピングし、同店を含んだ新宿駅内のNewDays5店舗で特設販売コーナーを展開。
4本まとめ買いの景品として大谷の限定クリアファイル(全2種類)を先着順でプレゼントするキャンペーンをNewDaysの一部店舗を除く全店で、16~29日の期間限定で実施する。また、「茶殻再生紙」を使用した屋外広告を15日から新宿三丁目駅構内で掲出し、名刺風のデザインを基調とした世界で唯一の大谷のプロモーションカードを数量限定で配布する。
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■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)
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【コメント】
デーブ・ロバーツ監督:
「(大谷の交代は点差が開いたからか?)そうだ。He is fine(彼は大丈夫だ)」
「(先発ミラーについて)序盤は変化球をうまくコントロールできなかった。良い投球もあったと思うが、一貫性やカウントの優位性があるときに打者を追い詰めるという点では、できなかった。投球数が増え、相手を追い詰めることができず、良い打席を重ねられた。これから時間(オールスター休暇)を使って本来の自分を取り戻すという点では良い時間になる。メカニズム(投球フォーム)の部分も、精神面の部分もあると思う。自信など、全て修正して、きれいにしなければならない」
「今夜は見苦しかった。野手を使ったことについては恥ずかしいとは思っていない。別の投手を温存するために、私がそうすることを選んだ」
「まだこのシリーズを勝ち越すチャンスがある。今は、今夜の試合のことは水に流して明日の試合に集中しようとしている。明日失点を防ぐのに戦力は十分だと感じている。初対戦の投手相手に打線をつないで得点しなければならない」
【NEWS情報】
タイラー・グラスナウ投手:
◯ 日本時間7月10日、ドジャースはタイラー・グラスナウを腰の張りにより15日間の故障者リストに登録したことを発表した。デーブ・ロバーツ監督によると、グラスナウは2日前から腰の張りを訴えていたという。指揮官は「オールスター・ブレイクのあと、彼がいつ投げるかはわからない。でもそんなに長い離脱にはならないだろう」と話しており、軽症で済む見込み。今季のグラスナウはキャリアハイを大幅に更新するペースでイニングを消化しているため、今回の故障者リスト入りはグラスナウに休養を与える意味合いもあるとみられる。
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■ 球界情報
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上沢直之投手:
◯ レッドソックスは9日、上沢をメジャー出場前提の40人枠から外したと発表した。DFAと呼ばれるもので、「事実上の戦力外」とも表現される。今回はトレイ・ウインジェンター投手をメジャー昇格されるため、上沢は40人枠を空けるためにDFAとなった。上沢に残された道筋は他球団への移籍、マイナー残留、解雇の3つだ。今回はマイナーにいながら40人枠を外れたため、レッドソックスでのメジャー昇格は厳しい道のりとなる。メジャーでの成績は2試合に登板し勝敗などは付かず、防御率2.25。
レッドソックスのコーラ監督はこの日「ロースターの入れ替えは私の管轄外だが、その決断はシーズンが進むにつれて、タフになっていくもの。彼が3Aで(救援投手として)取り組んでいたことは聞いていたが、我々は、厳しい決断を迫られた」
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■ 注目記事&コラム
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◆ 大谷翔平と笑顔でハグ「大ファンだから」 元エ軍の弟分が語る「ド軍で嬉しそう」
(小谷真弥氏/フルカウント)
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フィリーズのブランドン・マーシュ外野手が9日(日本時間10日)、ドジャースの大谷翔平投手への思いを語った。エンゼルス時代の2021年から2022年途中までチームメートだった。試合前の再会ではハグをかわし、ツーショット写真にも収まった。「ドジャースに移籍して、嬉しく思っているように見える。彼がハッピーなら僕も嬉しいよ。彼の大ファンだから」と、人懐っこい笑顔を見せた。
エンゼルス時代は打撃のアドバイスをもらうだけでなく、休養日に焼き肉屋へ繰り出すなど良きチームメートだった。「彼はたくさんのことを僕に教えてくれた。僕にとってのブラザーさ。ハッピーな姿を見ることができて僕もハッピーさ」。兄貴分の躍動に表情を緩めた。
大谷は昨年9月に右肘の手術を受け、今季は打者に専念している。それでも、打率.315、28本塁打、65打点と3冠王を狙える成績を残している。「目を見張るね。あれが自分のスタッツだったらと思うよ。最高の中の最高。傑出している選手で、驚異的。今年彼がしていることはとても特別で、気づかれるべきだ。誰もが気づいていると思う。今年とても良い成績を残すよう願っている。でも、ここフィラデルフィアではやめてほしいね(笑)」と笑った。
小谷真弥 / Masaya Kotani
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◆ グラスナウの離脱は、ドジャースの夏のトレード補強に影響を及ぼすのか
(宇根夏樹氏/スポナビ)
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7月9日、ロサンゼルス・ドジャースは、タイラー・グラスナウを6日まで遡って故障者リストに入れた。腰の張りによるものだ。
ドジャースのローテーションからは、山本由伸とウォーカー・ビューラーも離脱している。クレイトン・カーショウとダスティン・メイは、今シーズンの開幕を迎えていない。
ただ、ドジャースは、ナ・リーグ西地区の首位に立っている。シーズン55勝は、フィラデルフィア・フィリーズの59勝に次ぎ、ナ・リーグで2番目に多い。夏の補強がなくても、ポストシーズンに進むことはできそうだ。
現時点のローテーションには、ギャビン・ストーン、ジェームズ・パクストン、ボビー・ミラー、ランドン・ナックの4人に、今月7日にメジャーデビューしたジャスティン・ウロブレスキーが並んでいる。こちらもルーキーのストーンとナック――ストーンはメジャーリーグ2年目――は、それぞれ、先発16登板で防御率3.03と先発7登板で防御率2.86を記録している。
グラスナウの離脱が長引かず、少し長めのオールスター・ブレイクといった程度で済めば、ドジャースの夏の補強計画に変更はないような気がする。
ドジャースがローテーションに誰かを加えるとすれば、ポストシーズンで勝ち上がり、ワールドシリーズで優勝するためだろう。
先月末、USAトゥディのボブ・ナイテンゲールが報じたところによると。ドジャースは、シカゴ・ホワイトソックスにギャレット・クローシェイの獲得を申し出て、断られたという。
今シーズン、クローシェイは、先発19登板で105.1イニングを投げ、奪三振率12.47と与四球率1.97、防御率3.08とFIP2.43を記録している。FIPは、フィールディング・インディペンデント・ピッチングの略。ざっくり説明すると、守備の要素をできる限り排除した防御率だ。
7月8日の時点で、クローシェイの奪三振率は、チームの試合数×1.0イニング以上の投手のなかで最も高い。2位は、11.81のグラスナウだ。FIPは、2.25のクリス・セール(アトランタ・ブレーブス)に次いで低い。
また、クローシェイは、25歳と若い。FAになるのは2026年のオフだ。この点も、来シーズン以降も勝ち続けようとしているドジャースにフィットする。
もっとも、ドジャースが見返りを上積みしても、クローシェイを手に入れることができるかどうかは、わからない。当然ながら、クローシェイを欲しがる球団は多い。しかも、ホワイトソックスは、この夏の放出を見送ったとしても、まだトレードの機会はある。
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■ NOTE