2024年6月29日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年6月28日

日本時間:2024年6月29日(土曜日)

11時15分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対サンフランシスコ・ジャイアンツ

@オラクル・パーク

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間6月29日、ドジャースは敵地オラクル・パークでのジャイアンツ3連戦がスタート。同地区対決3連戦の初戦は3対3の同点で迎えた9回裏にジャイアンツのブレット・ワイズリーが3号サヨナラ2ランを放ち、ドジャースの連勝は4でストップした。ジャイアンツ3番手のカミロ・ドバルは1点のリードを守れなかったが、3勝目(1敗)をマーク。ドジャースはミゲル・ロハスの「不敗神話」が崩れ、5番手のブレイク・トライネンがサヨナラ弾を浴びて2敗目(2勝)を喫した。

 

 両軍無得点で迎えた5回表、ドジャースはギャビン・ラックスのタイムリー二塁打で先制。その後、ウィル・スミスにもタイムリーが飛び出し、2対0とリードした。しかし、ジャイアンツは直後の5回裏にルイス・マトスの4号ソロで1点を返すと、6回裏一死1塁からマット・チャップマンの10号2ランで逆転に成功。9回表にドジャースがジェイソン・ヘイワードの犠飛で追いついたものの、9回裏にワイズリーの3号2ランが飛び出し、ジャイアンツが劇的なサヨナラ勝ちとなった。今季のドジャースはロハスがヒットを放った試合で24戦全勝だったが、その記録がついにストップ。5失点はすべて本塁打によるものだった。

 

 ドジャースの大谷翔平は「1番・DH」でスタメン出場し、3打数1安打1四球(申告敬遠)。日本時間6月17日のロイヤルズ戦から10試合連続打点を継続していたが、その記録をさらに伸ばすことはできなかった。8回表の第4打席でファーストへの内野安打を放ったことで連続試合安打は3に伸び、今季の打撃成績は打率.322(メジャー1位)、出塁率.403(リーグ3位)、OPS1.043(リーグ1位)となっている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

1番DH

 

【出場成績/打者】

3打数 1安打 1三振 1四球

通算打率・322

OPS1・043

 

◆第1打席:

(結果)見逃し三振

(状況)1回無死走者なし

(投手)ローガン・ウェブ右

※史上4人目の3試合連続先頭打者弾が期待された初回は大ブーイングを背に打席へ。2球で追い込まれた3球目、外角高めの94・5マイル(約152キロ)のシンカーを自信を持って見送るも球審は「ストライク」のコール。大谷はあぜんとした表情でベンチに戻った。中継局の映像では明らかに外れているように見えた。

 

◆第2打席:

(結果)ショートゴロ

(状況)3回1死走者なし

(投手)ローガン・ウェブ右

※3回一死無走者も2ボールから2球続けて微妙な判定でカウント2―2の5球目、外角高めの93・1マイル(約149・8キロ)の外角シンカーを強打。中前へ抜けようかという打球速度107・1マイル(約172・4キロ)の弾丸ゴロを遊撃手が好捕。快足を飛ばして一塁を駆け抜けるも間一髪、アウトだった。

 

 

◆第3打席:

(結果)申告敬遠

(状況)5回1死3塁

(投手)ローガン・ウェブ右

※1点を先制した直後の5回一死三塁は申告敬遠。

 

◆第4打席:

(結果)ファースト内野安打

(状況)8回無死走者なし

(投手)タイラー・ロジャーズ右

※2―3の8回先頭は2番手の右腕T・ロジャーズと対戦。2ストライクからの3球目、内角高めの82・6マイル(約132・9キロ)のシンカーをフルスイング。詰まったゴロは一塁手が捕球するもベースカバーに入った投手への送球がそれて、内野安打となった。

 

 

【コメント】

なし

 

【NEWS情報】

◯ 大リーグ公式サイトの公式Xはジャイアンツ戦前に球場入りする大谷の私服姿を投稿。ブランドアンバサダーを務める「BOSS」の白いTシャツにチノパンを合わせ、帽子を後ろ向きに被るカジュアルな通勤スタイル。首元にはネックレスが光り、本塁打を量産するたくましい二の腕も目を引く。

 

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◯ 26日のホワイトソックス戦でファウルボールから大谷を守ったバットボーイのハビエル・ヘレラさん(38)が28日、敵地でのジャイアンツ戦前に取材に応じた。ホワイトソックス戦の3回に大谷は三塁ベンチ内におり、打席のキケ・ヘルナンデスが打った強烈なファウルボールがベンチに向かって飛んで来た。20歳から18年、ドジャースの用具係とバットボーイを務める背番号94のユニホーム姿のヘレラさんは、飛んで来たボールを素手で両手でキャッチ。すぐ背後にいた大谷は慌てて避けたが、ボールをキャッチしてうなずいているヘレラさんに気付くと笑顔で感謝を伝えた。

 

このファインプレーについて、ヘレラさんは「ただ自分の仕事をしただけだよ。打球はしっかり見えていたがかなり揺れていた。痛かったかどうかは覚えていたない。その夜、知り合いから映像が送られてきて100回くらいは見た。うれしかった。翔平からは"サンキュー"と言われ、僕はあなたを守ると伝えた」と振り返った。一躍人気者になり、この日は日米メディア計20人ほどによる囲み取材を受け、「緊張している。恥ずかしい」と照れ、ドジャーススタッフも大盛り上がりだった。また、大谷からのお礼については「ポルシェはもらってないよ。おもちゃのポルシェももらってない。噂だね(笑い)」と否定していた。

 

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◯ 大谷が29日、インスタグラムのストーリーズを更新。自身とポルシェの新型Taycanとの2ショットを紹介した。大谷が登場したのはポルシェジャパンのインスタグラム。グリーン系のボディに寄りかかるように立つ大谷は茶系の革ジャンを着用している。

 

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◯ 試合前は右翼付近で70球のキャッチボールを行った。両足を固定して上半身の動きだけで約20球、左足を後ろに引いた状態で右足を前に一歩ステップして約10球、両足を開いたまま体重移動を意識して約15球、3、4歩ステップして約10球、セットで約15球と、右肘手術からの投手復帰を目指してスローイングプログラムを実施した。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「粘り強く戦い、(守護神の)ドバルから得点して勝つチャンスもあった。いい仕事もしたが、十分ではなかった。(先発ウェブは)ボールがよく動き、攻略は難しかった」

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ドジャース・大谷翔平、ストライク判定に泣いた 3戦連続先頭弾ならず…連続打点も10戦でストップ 

竹濱江利子氏/サンスポ)

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ジャイアンツ5x-3ドジャース(28日、サンフランシスコ=竹濱江利子通信員)米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)はジャイアンツ戦に「1番・DH」で出場し、3戦連続の先頭打者本塁打が懸かった一回に3球三振に倒れるなど、3打数1安打。球団記録だった連続試合打点は10で止まった。ミゲル・ロハス内野手(35)が安打した試合は今季24戦全勝だったが、チームは3-5でサヨナラ負けし、連勝は4でストップした。

 

大ブーイングで迎えられた第1打席。2試合連続で先頭打者本塁打を放っていた大谷の活躍は、同じナ・リーグ西地区のライバル、サンフランシスコのファンは熟知している。カウント2ストライクから、先発右腕ウェブの投じた94・5マイル(152キロ)の高速シンカーは外角高めのボールゾーンへ。しかし、球審は見逃し三振をコールするなど判定にも泣かされた。

 

「良い試合だったし、得点も返して粘り勝つチャンスもあったが、十分ではなかった。今日は得点できる機会があまりなかった」

 

ロバーツ監督はサヨナラ負けした試合を静かに振り返った。得点圏は4度のみで適時打は1本だった。九回に追いついたが、その裏にワイズリーに右越え3号2ランを浴びた。

 

ロハスが安打を打てば24連勝中だったが〝不敗神話〟も途切れた。「7番・遊撃」で出場し、五回先頭で右前打を放っていた。球団新記録の10試合連続打点を挙げていた大谷は八回に一塁内野安打を放ったが、本塁打、打点ともになかった。

 

「得点のないときは、全てのプレーがより重要になる。完璧ではなかったら負けてしまう」と指揮官は惜敗を悔やんだ。 大谷は打率、本塁打でトップに立ち、初の三冠王を射程に捉えるが、この日、打率・303、20本塁打、58打点のハーパーが左太もも裏痛、17本塁打、49打点のシュワバー(ともにフィリーズ)が股関節痛で10日間の負傷者リスト(IL)に入った。ライバルが離脱する中、打率・311、11本塁打、23打点をマークする6月は残り2試合。絶好調の大谷には29日(日本時間30日午前8時15分開始)のジャイアンツ戦で、右翼場外のマッコビー湾に飛び込む「スプラッシュ・ヒット」が期待される。打てば日本選手として初。チームを勢いづけるアーチで連勝街道に導く。

 

■大谷救ったヘレラさん「MY HERO」

 

一躍〝時の人〟となったドジャースのバットボーイ、ハビエル・へレラさん(38)が試合前に異例の取材対応。26日のホワイトソックス戦で一塁ベンチに飛び込む強烈なファウルボールを素手で捕球し、背後にいた大谷への直撃を防いだ動画がX(旧ツイッター)などで拡散されていた。「自分の仕事をしたまでだよ」と照れ臭そうに話した。大リーグではバットボーイが球団職員として帯同し、用具係などを兼務することが多い。ヘレラさんは20歳から現職を務め、18シーズン目。大谷は自身のインスタグラムに「MY HERO」とストーリーを投稿し、感謝を示した。

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◆ ストライク判定の正確性はなんと68%!大谷翔平が微妙判定に泣いた一戦の球審を米サイト数値化

(日刊スポーツ)

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 球審の判定の正確性を数値化する米サイト「Umpire Scorecards」が更新され、ドジャース大谷翔平投手(29)らが微妙な判定に苦しんだ一戦のジャッジが可視化された。

 

 球審を務めたのは28歳のエドウィン・ヒメネス氏。この日のストライク、ボールの誤審は同サイトによると計17度を数えた。ストライク判定の正確性は平均の88%を大きく下回る68%で、40球あった見逃しストライクのうち、13球がボール球と認識された。ボール判定の正確性は同97%を下回る94%だった。

 

 ヒメネス氏は19日(日本時間20日)のメッツ-レンジャーズ戦でも球審を務めている。その際にはストライク判定の正確性は平均の88%を下回る80%。ボール判定も同97%を下回る93%だった。また、ストライク、ボール判定の誤審は16度を数えていた。

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◆ 大谷翔平もビックリのストライク判定 球審はベネズエラ出身28歳、米サイトで正確性の数値が…

(日刊スポーツ)

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 ドジャース大谷翔平投手(29)が球審の微妙な判定に泣いている。

 

 第1打席でボール気味の球が2球、ストライクとコールされ見逃し三振。第2打席でも際どい球がストライクと判定された。微妙な判定に大谷も驚きの表情を見せていた。また、試合全体でも、微妙なストライク判定が相次いでいる。

 

 この試合の球審はABEMAによると、ベネズエラ出身のエドウィン・ヒメネス氏(28)が務めている。

 

 ヒメネス氏は19日(日本時間20日)のメッツ-レンジャーズ戦でも球審を務めている。球審の正確性を数値化する米サイトUmpire Scorecardsによると、この試合でのストライク判定の正確性は平均の88%を下回る80%。ボール判定も同97%を下回る93%だった。また、ストライク、ボール判定の誤審は16度を数えていた。

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◆ 大谷翔平が発言「彼にはかなわない、負けたと思いました」青森にいた“怪物中学生”…なぜプロ野球を諦めたのか? 本人語る「大谷と初めて話した日」

中村計氏/NumberWEB)

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 今年、30歳を迎える大谷翔平世代、いわゆる1994年度生まれの代。振り返れば小・中、高校時代には「大谷以上の怪物」といって差し支えなかった男たちがいた。大谷世代の“天才たち”の人生と、愛憎混じる野球への思い――「大谷に“かなわない”と思わせた」大坂智哉の証言。【全4回の1回目/2~4回も公開中】

 

◆◆◆

 

 白いユニフォームにオレンジ色の「55」が映える。その日、お目当ての選手は女川の町民野球場にいた。

 

 仙台駅から仙石線、石巻線と乗り継ぎ、約1時間半で女川駅に到着した。球場はそこから車で約5分のところにあった。

 

 女川は2011年の東日本大震災のとき、もっとも被害の大きかった海沿いの街である。街全体が新しく感じられるのは震災時、あらゆるものが津波の被害に遭い、のちに修復および再建されたからだ。

 

 背番号「55」と言えば、ひと昔前までは巨人、ヤンキースで活躍したスラッガー松井秀喜の象徴だった。だが、令和の世の中においてはヤクルトの村上宗隆だろう。左打席に立つオレンジ色の55番も、さほど上背はないものの、いかつい風貌、筋骨隆々とした体型、そして力感のあるフォームはどことなく村上を想起させた。

 

 その選手こそ17年前、あの大谷翔平にかなわないと思わせたという大坂智哉だった。

 

諦めか、嫉妬か…同学年に大谷翔平がいること

 大谷の同学年に話を聞きたいと思った理由。それは大谷のような偉大過ぎるスターが同じ年齢にいるとはどういうものなのかを聞きたかったからだ。

 

 目標になる程度ならまだ励みになるかもしれないが、大谷の偉大さはどう考えてもそんなにかわいいものではない。野球選手にとっては希望どころか、絶望でしかないのではないか。

 

 私は、大谷とほんの一瞬でもすれ違ったことのある同学年プレイヤーたちに何よりも「大谷を見ていて絶望したことはないのか」と聞きたかった。

 

 勘弁してくれ――。

 

 諦観のような、嫉妬のような、そんな遣り切れない、焼け付くような気持ちを抱えているのではないかと想像したのだ。

 

大谷に「かなわない」と言わしめた男

 取材を始めようと資料を渉猟する中で見つけたのが大坂の名前だった。大谷は中学1年の夏、大坂を見て上には上がいることを思い知ったのだという。

 

 2017年夏に発行された『Number』誌933号の中で、大谷はこう言っていた。

 

〈長者レッドソックスに大坂君というピッチャーがいて、これはすごかった。そのときはもう、かなわない、負けたと思いましたね。僕よりでっかくて、体すげえな、すんげえ力だな、すげえ球も投げるなと思って、上には上がいるんだなと……〉

 

 ところが、17年のときを経て、立場は完全に逆転してしまった。最初に会う人物は、大坂を置いて他にいないと思った。

 

大坂と大谷「中1夏の出会い」

 何気ないやりとりだったそうだ。

 

「ホームラン、何本ぐらい打ってるの?」

 

 身長168センチでがっちりとした体格だった一塁手の大坂は、ファーストベースにやってきた170センチ以上はあろうかという、しかし、大坂とは対照的にひょろりとしていた同学年の大谷にこう尋ねた。

 

 大谷はほとんど表情も崩さずに淡々とした口調で返してきた。

 

「35、6本くらいかな」

 

 大坂のリトルリーグにおけるホームラン数は通算28本だった。ただ、大谷のホームラン数を知っても別段、すごいとは思わなかったという。

 

 バケモンとバケモンの邂逅――。それは2007年6月3日、中学1年生の夏のことだった。全日本リトルリーグ野球選手権東北連盟大会の決勝で2人は初めて相まみえた。場所は、福島県郡山市にある2万人弱収容の開成山野球場(現・ヨーク開成山スタジアム)のフィールド上だった。

 

 プロ野球の世界において2007年と言えば、入団3年目で本格化し始めたダルビッシュが沢村賞を受賞し、ルーキーの楽天・田中将大が11勝を挙げ新人賞を受賞した年でもある。

 

青森にいた怪物…大坂の評価

 大坂は青森県八戸市にあるリトルリーグのチーム、長者レッドソックスの「四番・エース」だった。当時、八戸・青森リーグには6チームが所属していた。長者レッドソックスは、その中で抜きん出た存在だった。理由は簡単である。大坂がいたからだ。

 

 長者レッドソックスのライバルチームだった青森山田リトルの元エースで、大坂と同学年だった本間康暉が思い出す。

 

「バケモンでしたね、大坂は。東北大会につながる試合は4回ぐらいやって、全部負けました。大坂に抑えられて、大坂に打たれて負けるんです。真っ直ぐは張っていても打てない。そこに変化球を混ぜられたら、百パーセント空振りです。スコアは、ほぼ1-0だったと思います。だいたい大坂のホームラン1本で負けるんで。2ストライクに追い込んで、外に外そうと思ったら逆方向にバコーンって打たれたこともありました」

 

大坂が初めて大谷を見た日

 大坂は東北大会に出場するまで大谷の存在を知らなかったという。試合後、インタビューのために私の目の前に現れた大坂は打席の中の堂々としたイメージとは打って変わって控えめで、体も打席の中よりも小さく感じられた。

 

「リトルの頃、自分の中では東北大会までいったらすごいことだと思っていて。なので、青森県内のすごいなと思える選手のことは知っていたんですけど、県外の選手のことまではわからなかったんです」

 

 少年と言っていい年代の大坂は、まだ本州最北端の小さな世界で生きていた。

 

 大坂と大谷が初対戦した6月3日は、準決勝2試合と決勝が予定されていた。リトルリーグの大会ではダブルヘッダーはざらにある。

 

 準決勝の第1試合は岩手県の水沢パイレーツと福島リトルがぶつかった。その試合で、大坂はとんでもない記録を目撃することになる。

 

〈つづく〉

 

(「野ボール横丁」中村計 = 文)

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 ■ NOTE