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2024年6月7日

 

日本時間6月7日午前11時過ぎに羽田を出発し、13時間のフライトを経てニューヨーク入り。同日となる米国時間6月7日夜に行われたドジャース対ヤンキース、第1戦の観戦を終えた個人的な備忘録を綴る。

 

『野球翔年』石田雄太氏の妙味

 

今回のニューヨーク行きフライトは、国際線の新型機エアバス、A350-1000 型機に搭乗。今年の1月24日にJALが投入したばかりの最新機種だった。

 

明らかに内装もキレイな機種ではあったが、1つだけ難点があった。自分は足が伸ばせる前に座席が無い窓側3列の一番端をとっていた。

 

ただ、その3列ある座席の中で一番端にだけ、なぜか電源が無かった。CAさんに尋ねてみると、真ん中の座席と共用との説明を受ける。

 

マジ?と思いながら、真ん中の座席に座る乗客が来られる前に、先にスマホの電源を差し込んでおいた。

 

フライト中、特に隣席の乗客が使用されたい雰囲気を察知しなかったが、気を遣う設備だった。最新機種と喧伝しているのに、長時間フライトなのに、あれは無いよなと思った。

 

お昼前の出発ではあったが、ここ最近の多忙が影響してか、ひたすら眠りまくった。寝る、寝る、寝る、もうこれ以上眠れないというくらいまで寝た。

 

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そして8時間くらい経ったところで、機内は暗くされていたが目が冴えてきたので、読書タイムに入る。

 

今回の旅には、石田雄太氏の著作、文春文庫『大谷翔平 野球翔年 Ⅰ 日本編2013ー2018』をもってきた。

 

2018年6月14日に発売された、初版のハードカバー仕様を読んで以来の同作。再発された手軽な文庫本は、購入だけ済ませて本棚に入れてあった。

 

あらためてじっくり読んでみて、特に個人的に印象に残った章があった。

 

2015

①「オトナの僕と、コドモの僕と」

P120・・・

 

この章には、20歳の大谷がクリスマスに休まず練習したことで得られた閃きのエピソードから、練習の絶え間ない継続的な必要性を、石田氏が上手に聞き出している点に始まり。

 

20歳の大人になった大谷に、野球少年の心を忘れないために失いたくないものとして、「どこまでできるかに関しては、憶測で制限はいらない。コドモは制限をかけないから」という言葉まで、上手に引き出している点。

 

普段、大谷が公には語りたがらない人間的な本質部分を、石田氏は上手に引き出している。

 

その上でこの章の締めくくりに石田氏は、この顛末に相応しいストーリーを諺仕立てに紡いでみせる。

 

”サンタクロースは、信じなくなったコドモのところには来なくなる。野球翔年、大谷翔平のところには、どうやら今も、サンタクロースが来てくれているようだ”

 

うまい!かっこいい!

 

だから、定期的に大谷が石田氏の独占インタビューだけは受けるはずだ。

 

 

5年ぶりのニューヨーク

 

大陸横断中に、様変わりする窓外風景を撮った。オレンジ色の山々、大陸の中のポツンと一軒家、真ん中付近は海なし県どころではないなっ!

 

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フライトは、10時41分にニューヨーク・ジョン・F・ケネディ空港の地へランディング。コロナ前年の2019年9月以来、5年ぶりのニューヨーク入り。

 

イミグレーションへ到着後、20分ほど列に並ぶが、受付窓口では、目的?何泊?宿泊先は?、の簡単な3つの質問のみで、1分も要さず通過できた。

 

市内へは事前に調べてきた通り、先ずはエアトレインで、JAMAICA駅へ。

 

そこからメトロ(MTA)のブルーラインEを使い、Lexington Ave(53St)駅へ。グリーンライン6へ乗り換えて、Grand Central(42St)駅で、次にグリーンライン5へ乗り換えて、宿泊先のあるWall St駅まで辿り着いた。

 

ホテルへ到着できたのは、午後1時20分頃だった。

 

チェックイン時刻は午後3時だったが、部屋が出来ていたので入れてもらえた。荷物を置いて、ホテル前にある典型的なアメリカン・ダイナー「Perl Diner」にて腹拵え。

 

チキンバーガーに、チーズのトッピングをつけたら、カロリー満点のすごいジャンクになった!笑

 

普通に美味かった。

 

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お腹を満たすと時差の影響で、やっぱり眠気が襲ってくる。部屋で軽く仮眠をとると、出発予定時刻になっても、全く起きあがれない眠気に襲われる。

 

いつものひとり旅なら絶対愚図ったが、今回は恩師とそのご友人の3人旅ゆえ頑張って身支度し、午後4時50分にはホテルを出た。

 

ヤンキースタジアムのある、161 St-Yankee Stadium駅までは、最寄駅のWall St駅からグリーンライン4を使って、直通1本で約30分程で行けた。

 

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コラボグッズは購入断念!?

 

試合開始1時間30分前に着いたが、もうスタジアム前にはファンの長蛇の列ができていた。

 

そのまま入場すると、真っ先にチームストアへ足を運んだ。事前に告知されていた、大谷とアーロン・ジャッジのコラボグッズを購入するためである。

 

ストアには、524体?と限定販売数が告知されていたボブルヘッドは、どこにも見当たらなかった。

 

Tシャツが僅かにハンガーに残っていて、サイズも合っていたので、一先ず確保した。他のグッズを見ながら購入に踏み切るか思案していたが、結局やめた。

 

白い薄手の生地で劣化が早そうにみえて、着ることなく記念の保管品にしては、価格が49ドル?もしたから。

 

黒だったら、生地もちも良く買っていたかもな。最後は手にとって、写真に収めるだけで満足し、リリースしておいた。

 

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その後、ヤンキースのロゴ入りビール缶を買って、今日の座席へ向かう。

 

3本で53ドルもした!

 

1ドル157円計算で、8320円。1本2770円もする!

 

恩師からは、「いちいち計算するな!笑。1ドル100円で計算したらいいじゃないか」と諭された。

 

今日は、3塁側の内野2階席、セクション277Bの前から3列目を手配していた。

 

ヤンキースタジアムは、防護ネットが低めに設定されている。2階席からはほとんどネットが入らず、ピッチャーズ・マウンドやバッターボックスが観れるのが良い。

 

そして、自分の周辺には、ドジャースのユニフォームを着たファンが多く居た。ビジターにもかかわらず、予想以上の数にびっくり。

 

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由伸登場!

 

今日の先発投手は、山本由伸。

 

試合開始30分前にグラウンドへ登場し、レフトエリアのあたりでウォーミングアップのキャッチボール。弾みなくステップせずに遠投する距離間は、相当のものがある。

 

その後、外野後方のブルペンへ入る。

 

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試合開始10分前には、アメリカ国家の斉唱が行われたが、今回は男性がトランペットで終始演奏。そのままドジャースとヤンキースのラインナップ発表へ入る。

 

大谷はいつもの通り2番DHのスタメン出場が発表されたが、心配されたヤンキースの看板スターのひとり、現在アメリカン・リーグの首位打者、ファン・ソトはラインナップから外れていた。

 

テオスカー・ヘルナンデス、ギャビン・ラックス、ジェイソン・ヘイワード等が最後のウォームアップに姿を見せるが、大谷は出てこない。

 

後でメディア記事をチェックすると、開場早々にキャッチボールを行う様子は見れたようだ。

 

そして、由伸やウィル・スミス等、プルペンで最終調整を行なっていた一行がベンチへ戻り、試合が始まる。

 

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ドジャースVSヤンキース第1戦

 

1回表、先攻のドジャース、MVPトリオの通称ベッタニマンが姿を表す。

 

1番ムーキー・ベッツが見逃し三振に倒れた後、大谷の第1打席。スタジアム内から大きな大きなブーイングを浴びせられる中、いつものルーティーンで登場。

 

相手ベンチに帽子の爪先をもって敬礼。後でメディア記事で読んだが、アーロン・ブーン監督は、この挨拶に拳で応えたそう。

 

粋なセンスだ。

 

大谷は、フルカウントまで粘ったが、最後はシンカーを引っ掛けてセカンドゴロに倒れた。

 

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ヤンキースタジアム初マウンドの由伸は、1回裏、難なくツーアウトまで取るが、3番ジャッジに、レフト線へ2塁打を浴びる。

 

しかしながら、4番ジャンカルロ・スタントンを空振り三振に討ち取り、事なきを得る。

 

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大谷の第2打席は、3回裏二死一塁、ベッツが四球で出塁した後に巡ってきた。

 

この打席は初球から積極的に打ちに行く。

 

少し広角に引いて撮影する。

 

いきなり真ん中低めのシンカーを捉え、センターへ弾丸ライナーを放つ。

 

撮影に夢中の自分は、スクリーン越しに一瞬行ったか!?と思った。

 

しかしながら、打球に角度はついておらず、センターのトレント・グリシャムのグラブにおさまる。

 

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第3打席は、5回表二死一二塁のチャンスでまわってきた。

 

ヤンキース先発のコディ・ポティートは、4四死球を与えるものの、ここまでヒット2本の無失点でドジャース打線を抑えてきた。

 

そんな熱投中のポティートをブーン監督は躊躇なく、左腕のビクトル・ゴンザレスへチェンジしてきた。

 

0対0の投手戦。

 

ここは勝負所と考えたのだろう。

 

一度は打席に向かった大谷が、ベンチ前へ引き返しデータチェック。

 

打席に向かう。

 

1ボールからの2球目、外角低めのスライダーを引っ掛けてしまい、ファーストゴロに倒れた。

 

悔しさを滲ませて、ベンチへ下がる。

 

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由伸は好投を続ける。

 

7回を投げきり、許したヒットは2本のみ。四球2つと奪三振7つで、8連勝中のヤンキース打線を見事ゼロ点で封じ込めた。

 

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0対0の均衡が保たれたまま8回。

 

熱投し終えた由伸に勝ち星を付けたいであろう、第4打席の大谷が先頭で打席に入る。

 

ブーン監督は、ここでまたもや慎重を期し、左腕のケーレブ・ファーガソンを送り込む。

 

大谷はカウント1ー2からの4球目、引きつけた直球を逆方向へもっていく。

 

スクリーン越しの自分は、またもや行ったか!?と早合点したが、打球はフェンスを越えることはなかった。

 

由伸に勝ち星は届けられなかった。

 

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試合は、0対0のまま延長戦に入る。

 

日本のプロ野球ではときおり見かけるが、メジャーリーグではほとんど見かけることが無くなった、両投手が奮闘する投手戦。

 

今季最高の観客数が詰め掛けたというスタンドのファンも、俄然エキサイトする。

 

3塁側にいるドジャース・ファンが、「Let'go Dodgers」チャントを起こせば、掻き消さんばかりの大ボリュームで、ヤンキース・ファンが、「Let’go Yankees」と呼応する。

 

ワールドシリーズをライヴで観戦したことは無いが、そんな一戦じゃないか!?と錯覚するようなスタジアムの盛り上がりの中、延長戦に入っていく。

 

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10回表二死一二塁のチャンス。

 

第5打席の大谷は、カウント1−1からの3球目を強振。一塁側へ強烈な当たりが飛んだようにみえたが、ファーストゴロに終わる。

 

この打席は、願掛けを込めてカメラからスマホ動画に切り替えて期待するが歓喜の一打は拝めなかった。

 

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試合は、ドジャースが11回表にT・ヘルナンデスのタイムリー2塁打で2点を勝ち越して、熱戦に終止符を打った。

 

大谷は、タイブレイク制のセカンドランナーとして、二塁から先制のホームを踏んだが、その表情は心なしか複雑な心境にみえた。

 

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勝利のハイタッチ。

 

兎にも角にも、強敵ヤンキースの8連勝をストップさせて、カードの初戦をとった。

 

大谷は、5打数0安打だったこともあろう。

 

思慮する表情が多くみえた気がする。

 

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試合後、あらためて入場したときとは別の大型チームストアに寄ってみた。

 

そこには、コラボグッズが複数陳列してあったが、ボブルヘッド以上に欲しくなるグッズが見当たらず、写真のみ撮ってスルーした。

 

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駅までの周辺道路は大混雑。

 

ホームへたどり着くまで随分時間を要したが、メトロに乗れば、宿泊駅まで1本で帰ることができた。

 

便利なところに宿を取ったが、金融ビジネスのオフィスがメインとなるウォール街であったため、夜に開いているお店がほぼ無くて、キッチンカーのケバブやチキンを買い部屋飲みで、初日を終えた。

 

大谷の活躍はみれなかったが、由伸の素晴らしいピッチングと、強豪同士の緊迫感ある投手戦が、第1戦目からみられたことは、最高の思い出になった。

 

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