2024年5月27日
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■ 試合データ
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米国時間:2024年5月26日
日本時間:2024年5月27日(月曜日)
2時40分開始
ロサンゼルス・ドジャース
対シンシナティ・レッズ
@グレートアメリカン・ボールパーク
【MLB.JP 戦評】
日本時間5月27日、4連敗中のドジャースは敵地グレートアメリカン・ボールパークでのレッズ3連戦の最終戦を迎え、1対4で敗戦。レッズに3連戦をスイープされ、今季ワーストの5連敗となった。レッズ2番手のニック・マルティネスは4回1/3を1安打無失点に抑える好投で2勝目(3敗)をマークし、4番手のアレクシス・ディアスが10セーブ目を記録。ドジャース先発の山本由伸は5回100球を投げて被安打6、奪三振8、与四球2、失点4という内容でデビュー戦以来の2敗目(5勝、防御率3.51)を喫した。
今季11度目の登板となった山本は3回裏に2本のヒットと四球で二死満塁のピンチを招き、ジョナサン・インディアとニック・マルティーニに連続タイムリーを浴びて4失点。5イニングを投げ切るのに100球を要した。試合は6回表開始前に悪天候で1時間9分の中断となり、ドジャースは9回表一死2塁からフレディ・フリーマンのタイムリー二塁打で1点を返すのが精一杯。投手陣は4回以降、レッズに追加点を与えなかったものの、打線がわずか5安打1得点と振るわず、敵地での3連戦で3連敗を喫した。
ドジャースの大谷翔平は「2番・DH」でスタメン出場し、最初の3打席はファーストゴロ、セカンドゴロ、空振り三振で凡退。しかし、9回表一死走者なしの第4打席でファーストへの内野安打を放ち、守備側の無関心で二塁へ進んだあと、フリーマンの二塁打で生還した。4打数1安打で2試合連続安打とし、今季の打撃成績は打率.336、出塁率.403、OPS1.024となっている。
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■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)
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【スタメン】
2番DH
【出場成績/打者】
4打数 1安打 1得点 1三振
通算打率・336
OPS1・024
◆第1打席:
(結果)ファーストゴロ
(状況)1回無死1塁
(投手)ブレント・スーター左
※先発はオープナーの左腕スーター。16日のレッズ戦の初回に、左太ももにけん制球を直撃して打撲させた因縁の相手だ。初回無死一塁は初球、外角の79・3マイル(約127・6キロ)のスライダーを強打。痛烈なゴロは一塁手のミットを弾くも二塁手の前に飛んで二ゴロとなった。打った直後は全力でダッシュしたが、間に合わないと判断するとスピードを落とした。
◆第2打席:
(結果)セカンドゴロ
(状況)4回無死走者なし
(投手)ニコラス・マルティネス右
※2番手の右腕マルティネスと対戦。カウント2―2から外角の80・6マイル(約129・7キロ)のチェンジアップに泳がされて二ゴロだった。
◆第3打席:
(結果)空振り三振
(状況)6回2死走者なし
(投手)カーソン・スピアーズ右
※3番手・右腕スパイアーズがカウント2―2から投じた5球目、内角低めの83・6マイル(約134・5キロ)のスイーパーに空振り三振に倒れた。
◆第4打席:
(結果)ファースト内野安打
(状況)9回1死走者なし
(投手)カーソン・スピアーズ右
※カウント2―1からの4球目、ほぼ真ん中の86・2マイル(約138・7キロ)のチェンジアップを強振。打球速度113・5マイル(約182・6キロ)の弾丸ライナーは一塁手のミットを弾き、当初は一失とされたが、一塁強襲安打に訂正された。続く、フリーマン打席では初球から3球続けて二塁へスタート。いずれもファウルだったが、左太ももに問題はないようだ。4球目に二塁へ進んだが9回で4点差のため、盗塁は付かなかった。フリーマンの左中間への適時二塁打で全力疾走せずに生還した。
【コメント】
◯ なし
【NEWS情報】
◯ 球団公式TikTokが、大谷が少年から求められたサインに応じる様子を撮影。その動画の再生回数は約190万回を超えている。異例の対応だった。スタジアムの中に立つ警備員に“要求”。スタンドで待つ少年に手が届くように、客席部分を一部解放し、ペンとボールを受け取った。そのままボールにサインを入れ、少年に戻すと歓喜の声が広がった
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■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)
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【コメント】
デーブ・ロバーツ監督:
(試合前)
「(大谷に休養を考えたか)ノー。全然考えなかった。昨日言った通り、2日前より昨日は良くなっていた。彼は、90%くらい回復していると感じており、回復に向かっているようだ。私は、彼がやり過ぎず、気を利かしたプレーをすることに自信を持っている。彼のラインナップにおける存在価値が、全て」
(試合後)
「(ラミレス投手のハグについて)新しく加入して、いいところをみせようと頑張っていたが、この前も制球に苦しんでいた。彼が感情的になっていると思ったし、重圧を取り除いてあげたかった。彼に、自信を持って欲しかったし、我々は君を愛しているよと伝えたかった」
「準備不足が原因ではないことは理解しているけど、肝心なのは結果で、それがついてきていない」
「打線は冷えていた。打てないと、活気がない。クラブハウスにいる全員がそれを理解している。やり続けるしかない。同情してくれる(対戦相手の)チームなどいない。大人がやる野球なんだから、解決策を見つけ出さないといけない。打てる球がきたら打たないといけないし、ストライクゾーンもコントロールしないといけない」
「(先発の山本は3回に捕まり、2死満塁から2本の適時打で4点を失った)彼らは追い込まれても戦い方を見出してきたということ。(タイムリーを打たれた)3本とも2ストライクからだった。彼らは幸運だった。それらを除いたら、ヨシは素晴らしかったと思う。相手を褒めないといけない」
山本由伸投手:
「多少もちろん違いはありますけど、しっかり試合に備えて合わせていけたので。そこは大丈夫だったかな」
「感覚は今日わりと良かったので、あのイニングがすごく悔いが残ると言いますか、すごく良くない状況になってしまいました」
「このカードも3連敗するのと1勝2敗で終わるのはもちろん違うと思いますし、なんとかそういったピッチングができたら良かったかなと思います」
フレディ・フリーマン内野手:
「まだ5月だし、これが野球だ。僕たちはシーズン162試合を戦う。2週間前はどの試合も勝っていた。こういう時期もあるし、もしかしたら明日から好転していくかもしれない」
ギャビン・ラックス内野手:
「今より良くなっていくと信じているけど、前も言ったようにこれが野球だ。本当にいいラインナップだし、必ずこれから好転するだろう。自分自身にもっと多くを期待しているし、みんなもそうだと思う。きっとうまくいく。時間の問題だ」
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■ 注目記事&コラム
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◆ 沈黙のロッカー、指揮官から漏れたため息と本音 5年ぶり屈辱…大谷翔平に求められる責任
(川村虎大氏/情報:フルカウント)
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取材対応が終わると、被っていた帽子を脱ぎ、大きなため息をついた。26日(日本時間27日)、ドジャースはレッズに1-4で敗れ、2019年以来となる5連敗。5年ぶりの屈辱にデーブ・ロバーツ監督からも疲れが見えた。
ここまで5連勝中だった山本由伸投手でも止められなかった。3回に4安打を浴び、一挙4失点。最もそれ以上に打線が沈黙。2日間でわずか2得点。大谷翔平投手も4打数1安打1三振で8試合ノーアーチとなった。
ここまで33勝22敗と地区首位を独走しているが、直近5試合は3、0、6、1、1得点と持ち前の打棒は影をひそめる。中でも得点圏は26日(同27日)の9回1死二塁でフリーマンが適時二塁打を放つまで22打数ノーヒットだった。
試合後のは沈黙が漂った。大谷は山本に声をかけていたが、いつもの特徴的な笑い声はなし。ベッツは無言でクラブハウスを去った。「まだ5月だ。野球だから、(シーズン)162試合ある。2週間前は毎試合勝っていたよ」。フリーマンが前向きに取材に応じる声が、普段以上にクラブハウスにこだました。
11年連続でプレーオフに進出し、昨オフは総額1800億円以上の補強を行ったドジャースは常勝が求められる。ましてや大谷ら高額の契約を結んだ選手は少しの期間不調が続いただけで指摘される。「準備不足が原因ではないことは理解しているけど、肝心なのは結果で、それがついてきていない」。指揮官は本音を漏らしていたが、まさに言う通りで、ファンは例年以上に結果を見るだろう。
27日(同28日)からニューヨークでメッツとの3連戦に臨む。辛抱する時期はどのチームにもあるだろう。ただ、豪快な一発で厳しい声やチーム状況を払拭するのも、7億ドル(約1085億円)男の役目でもある。
川村虎大 / Kodai Kawamura
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◆ 大谷翔平、ダルビッシュ有とも縁のあるDバックスコーチが見た王者ドジャースと「それがベースボールだ」の意味
(奥田英樹氏/情報:webSportiva)
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ナ・リーグ西地区で首位を独走するロサンゼルス・ドジャースだが、5月20日からのアリゾナ・ダイヤモンドバックスとの3連戦に負け越してから今季初の5連敗。Dバックスは、昨季、ポストシーズンで3連敗を喫した因縁の相手ゆえ、本拠地でのリベンジを目論んでいたはずが、返り討ちに遭った格好だ。
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そのDバックスのコーチには、大谷翔平のメジャー移籍時に積極的に興味を示し、監督としてダルビッシュ有の復帰期間に携わった生粋の野球人がいる。
はたして彼にとって、ダルビッシュの日米通算200勝、メジャーを代表する選手となった大谷、ライバルとしてのドジャースをどう見ているのか。現地で聞いた。
【ダルビッシュ200勝を称えた恩師】
昨季のナ・リーグ王者、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの参謀役を務めるジェフ・バニスターベンチコーチは2015年から18年までテキサス・レンジャーズの監督で、ダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)が右ヒジ側副靱帯再建術(通称トミージョン手術)からカムバックした時期にチームを率いていた。筆者は当時、ダルビッシュ担当だったので、毎日お世話になっていた方だ。
5月19日(日本時間20日)にダルビッシュが日米通算200勝を成し遂げた翌日、バニスターコーチは、元監督の立場から笑顔でその偉業について話してくれた。
「トミージョン(手術)で1年間投げられなかったが、しっかり復活して、偉業を成し遂げた。誇りに思う。有は素晴らしい才能に恵まれた投手なので、肩、ヒジの大ケガさえなければこのリーグで長く投げられる。当時の私は短期的なことだけでなく、長期的なことも考えなければならないと思っていた。200勝は、私にとってもうれしい」
バニスターは、1986年に高校から捕手としてピッツバーグ・パイレーツに入団。以来、選手として8年、コーチ、監督として30年、この世界だけで生きてきた生粋の野球人である。
ダイヤモンドバックスは昨季の公式戦ではドジャースに16ゲーム差をつけられ、ナ・リーグ西地区2位。ポストシーズンには滑り込みでの進出だった。しかしながら地区シリーズでドジャースと対戦すると3連勝のスイープ。公式戦は5勝8敗と相性が悪かったのに、ポストシーズンでは一度もリードされることなく圧倒した。
「ドジャースは伝統あるすばらしい球団。選手層も厚いし、スーパースターたちもいる。しかしながら野球というゲームは、スーパースターが集まれば勝てるというものではない。チームとしていかにうまく機能するか。私がベースボールというゲームを好きなのはそういう部分だ」と長年の経験から語る。
今季も層の厚いドジャースには、公式戦ではかなわないかもしれない。だがポストシーズンに出れば、「短期決戦だと、何が起こるかわからないからね」と言う。
ダイヤモンドバックスは5月19日時点で22勝25敗の借金生活だった。先発右腕のメリル・ケリーは右肩の痛みを訴え、左腕エデュアルド・ロドリゲスは腱板筋の損傷、遊撃手のヘラルド・ペルドモが右ヒザの半月板損傷、中堅手のアレク・トーマスが左太もも裏の負傷でそれぞれ戦線離脱している。
「言うまでもないが、うちでは誰ひとり、現状に満足はしていない。でも言い訳もしない。今いるメンバーでチームに勢いをつけ、勝ち星を積み重ねていきたい」
【大谷奮闘も因縁の先発投手を崩せず】
その意味で、5月20日から22日の対ドジャース3連戦はとても重要だった。強いドジャースを敵地で倒すことができれば、手ごたえを得て、上昇機運に乗れる。第1戦は山本由伸に7回途中まで2点に抑えられ4対6と敗れたが、第2戦は7対3、第3戦は6対0で連勝した。
第2戦は2回に1死から若手のドジャース先発右腕ギャビン・ストーンを攻略。ゲームプランどおり、下位打線がスライダーを主とする変化球を反対方向にはじき返し、4連打で2点を先制した。ダイヤモンドバックスの先発は右腕ブランドン・ファット。昨季の地区シリーズ第3戦でドジャースを5回途中まで2安打無失点に抑えた。ドジャースの打者はリベンジのチャンスだったが、この日も抑えられた。
ドジャースが攻略の糸口をつかんだのは、昨季はチームにいなかった大谷翔平。4回先頭でチーム初安打となるレフト左への二塁打。1死後12個目の盗塁を、今季初の三盗で決め、昨季ゴールドグラブ賞を獲得した捕手ガブリエル・モレノの悪送球を誘って1点を返している。
さらに6回は1死三塁の好機で、2ボールからファットのチェンジアップを捉えると痛烈な打球が一二塁間を抜け、三塁走者を迎え入れた。さらに次打者フレディ・フリーマンの打席で二盗に成功。ウィル・スミスの適時二塁打をおぜん立て。これで3対4と追い上げ、終盤の逆転劇が期待されたが、ドジャースのリリーフ、マイケル・グローブが低めのスライダーをジョク・ピダーソンに3点本塁打とされ、試合が決まった。
デーブ・ロバーツ監督は「翔平はアメージング。(劣勢でも)盗塁を決めてチームにエネルギーをもたらし、いけるという肯定的な気分にさせてくれた。バットでも足でもゲームの流れを変えられる」と称えたが、ファットにリベンジできず、声が沈んでいた。
【昨季の番狂わせが再び?】
第3戦、ドジャースの先発はエースのタイラー・グラスノー。ダイヤモンドバックスは左打者対策でオープナーとしてブランドン・ヒューズを起用し、2番手は若手右腕のライアン・ネルソン。その時点まで7試合で2勝3敗、防御率7.06だから、当然ドジャースが勝つべきマッチアップだった。
しかしそのネルソンを、ドジャース打線は攻略できなかった。4回は1死二三塁のチャンスにアンディ・パへスが96マイルの直球に空振り三振、ジェイソン・ヘイワードも直球で追い込まれ、チェンジアップで一ゴロ。5回は無死一二塁のチャンスだったが、フリーマンが直球に空振り三振、スミスも右飛だった。
「いくつも得点のチャンスがあり、ネルソンはその度に速球を投げてきたが、私たちが対応できなかった。うちらしくなかった」とロバーツ監督は首を傾げた。
対するダイヤモンドバックスは少ないチャンスをものにした。5回1死一塁で、ケビン・ニューマンの中前打が出たが、一走の捕手モレノが好判断で三塁を陥れた。コービン・キャロルが1-2からの甘いカーブを右中間三塁打で均衡を破っている。さらに次打者の時にカーブがワイルドピッチとなり、キャロルも生還、3対0とリードを広げた。
キャロルは昨季のナ・リーグ新人王でチームの看板選手だが、今季は打率1割台の不振。それでもベンチは辛抱強く起用する。
「キャロルが素晴らしい選手なのは、すでに証明されている。どんなによい選手でも活躍すれば翌年は徹底的に研究され、苦労を強いられるが、アジャストし返せば良いだけのこと。実際この7、8試合は良いスイングをしている」とバニスターコーチ。前日の二塁打に続き、この日は適時三塁打でヒーローになった。
ドジャースはその後も得点できず、シャットアウト負け。ダイヤモンドバックス相手に本拠地で1点も取れないのは2017年9月4日以来だった。昨年の地区シリーズの完敗を彷彿とさせる負け方で、試合後のクラブハウスは静まり返っていた。番狂わせはたまたまではなく、同じことが起きる可能性があると証明されたからだ。
ロバーツ監督は「ダイヤモンドバックスの先発投手はケガに見舞われているが、ブルペンは本当に良いし、打者も大事な場面で大きなヒットを打った。彼らが良いチームで、うちに対して良いプレーをするかは分かっている」と悔しそうに話している。
バニスターコーチは、あらためて大谷の才能に印象づけられたと振り返った。
「覚えているだろ? 大谷がメジャーに移籍した時、レンジャーズもとても積極的で私も監督として面談に参加した。フィールドでなんでもできる選手で、しかもそれを楽しんでやっている。今やメジャーを代表する選手で、大きな契約も勝ち取った。しかしながら現場の人間はお金のことを考えてプレーしたりはしない。うちにも才能のあるいい選手がたくさんいる。みんなが焦点を絞り、個々の役割を果たし、チームとしてきちんと機能できれば誰にも負けない。それがベースボールなんだ」
5月26日現在、ダイヤモンドバックスは同じナ・リーグ西地区のサンフランシコ・ジャイアンツ、パドレスに1.5ゲーム差以内の4位。ドジャースへの挑戦権をめぐり、しのぎあいを続けている。
奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hideki
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◆ イチローの恩師が分析…大谷翔平が高打率を残せる理由 2冠も現実的、昨季との違いは?
(橋本健吾氏/情報:フルカウント)
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いったい、どこまで進化するのか。ドジャース・大谷翔平投手は、ここまで打率.336、13本塁打の成績を残しタイトル争いを繰り広げている。昨季は日本人初の本塁打王に輝くなど異次元のパワーを見せつけたが、、今季は高打率もキープしている。メジャー解説者の新井宏昌氏にハイアベレージを残す理由を聞いた。
今季の大谷は右肘のリハビリ途上で、打者一本でプレー。開幕当初は本塁打が出ず、自己ワーストの41打席目にして1号を放ったが、そこから一気に調子を取り戻すと、名門・ドジャースの主力として文句のつけようがない成績を残している。
自慢の長打だけでない。ここまで両リーグトップの打率.336に達し、日本選手2人目の首位打者も狙えるペースで安打を量産している。昨季にメジャーでは初めて3割打者の仲間入りを果たしたが、新井氏は「打撃は年々、進化しているが、今は自分の打撃スタイルを確立できているように見えます。3割を打ったことで、さらに自信がついたのでしょう」と指摘する。
エンゼルス時代は3度のMVPを獲得したマイク・トラウト外野手がラインナップに入っていたが、怪我で離脱することも多く大谷にマークが集中していた。さらに勝負を避けられることも多く、「自然と力みも出て、本来の打撃に集中できないこともあった。自分が決めないと点が入らない重圧もあったでしょう」と、際どいボール球に手を出し凡打する場面が見られたという。
だが、新天地のドジャースではムーキー・ベッツ内野手、フレディ・フリーマン内野手らタレント揃い。打線が線となり攻撃のリズムが生まれ、自身の打撃だけに集中できる環境が整った。昨年までとは違い勝負される回数が増えたことで、シンプルに打席に向かうことができている。
「3割打者と2割打者の大きな違いはアウトの内容です。イチローにも言えることですが、試合を重ねながらレベルアップしていく。そのなかで好打者は凡打でも強い打球、芯で捉える確率が高い。アウトになっても、それを続けることができる打者は率が上がっていきます」
ボール球に手を出さず、打つべき球を逃さない。「昨年も想像を超える成績を残しましたが、今年は打者に専念することでワンランク上の成績を残す可能性は十分にあると思います」と新井氏。メジャーリーグの常識を覆し続ける大谷なら、首位打者と本塁打王のダブル受賞も夢ではない。
橋本健吾 / Kengo Hashimoto
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■ NOTE