2024年5月22日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年5月21日

日本時間:2024年5月22日(水曜日)

11時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対ダイヤモンド・バックス

@ドジャースタジアム

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間5月22日、ドジャースは本拠地ドジャー・スタジアムでのダイヤモンドバックス3連戦の2戦目を迎え、2度1点差まで追い上げたものの、結局3対7で敗戦。連勝を5に伸ばすことはできなかった。ダイヤモンドバックス先発のブランドン・ファートは6回4安打3失点(自責点2)と役割を果たし、2勝目(3敗)をマーク。ドジャース先発のギャビン・ストーンは6回8安打4失点の力投を見せたが、2敗目(4勝)を喫した。

 初回の先制機を生かせなかったドジャースは、先発のストーンが2回表一死から4連打を浴びて2失点。4回裏に大谷翔平の三盗に捕手ガブリエル・モレノの悪送球が絡んで1点を返したが、5回表に1点、6回表にもクリスチャン・ウォーカーの9号ソロで1点を追加され、3点ビハインドとなった。6回裏に大谷のタイムリーとウィル・スミスのタイムリー二塁打で1点差に詰め寄ったが、2番手のマイケル・グローブが7回表にジョク・ピーダーソンに6号3ランを被弾。7回以降は得点を奪えず、3対7で敗れた。

 ドジャースの大谷は定位置の「2番・DH」でスタメン出場。初回の第1打席は空振り三振に倒れたが、4回裏の第2打席はレフトへ二塁打を放ち、三盗と捕手の悪送球で生還した。6回裏の第3打席ではライトへのタイムリーを放ち、この試合2つ目の盗塁にも成功。スミスのタイムリー二塁打でホームインした。8回裏の第4打席はライトフライに倒れ、4打数2安打1打点2盗塁。今季の成績は打率.356、13本塁打、13盗塁、OPS1.080となり、史上6人目の「40本塁打&40盗塁」を狙えるペースとなっている(現時点で41本塁打&41盗塁ペース)。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

4打数 2安打 1打点 2得点 1三振 2盗塁

通算打率・356

OPS1・080

 

◆第1打席:

(結果)空振り三振

(状況)1回無死1塁(盗塁2塁)

(投手)ブランドン・ファート右

※相手先発は2年目の右腕ファット。初回無死一塁はフルカウントからの8球目、内角ヒザ元に食い込んできた84・6マイル(約136・2キロ)のスイーパーに空振り三振。

 

◆第2打席:

(結果)レフト線2塁打

(状況)4回無死走者なし

(投手)ブランドン・ファート右

※初球、外角よりの95マイル(約152・9キロ)のフォーシームに差し込まれながら逆方向へ。打球速度94・2マイル(約151・6キロ)のライナーは左翼線に落ちて二塁打となった。今季17本目。一死後、4番スミスの2球目に意表を突いて三塁へスタートし、今季12個目の盗塁に成功。捕手の悪送球を誘い、本塁に生還すると地元ファンから大歓声が送られた。ユニホームの左ヒザが破れる激走だった。

 

 

◆第3打席:

(結果)ライト前ヒット

(状況)6回1死3塁

(投手)ブランドン・ファート右

※2ボールからの3球目、外角低めの87マイル(約140キロ)のチェンジアップをバットの先で拾って振り抜いた。打球速度102・6マイル(約165・1キロ)の痛烈なゴロは右前へ抜けた。マルチ安打はメジャートップの22度目。続くフリーマンの6球目に二盗に成功。今季13個目でメジャー通算99盗塁とし、100盗塁に大手をかけたフリーマンは空振り三振に倒れるも4番スミスの中堅右への適時二塁打で生還して、3―4とした。またしても足で得点を奪った。

 

 

◆第4打席:

(結果)ライトフライ

(状況)8回1死走者なし

(投手)ジョセフ・マンティプリー左

※初球、内角の77・4マイル(約124・5キロ)のカーブを豪快にすくい上げた。打球速度107マイル(約172・2キロ)で右翼上空に高々と上がったが、伸びを欠き、右飛に倒れた。

 

【コメント】

なし

 

【NEWS情報】

◯ もうチャンスに弱いとは言わせない。大谷は6回に右前適時打をマーク。4月までは得点圏での成績に苦しんでいたものの、この1本で5月の得点圏打率は.461と、無類の強さを発揮している。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「ショウヘイはアメージングな野球をする。本当にそうだ。とてもいい打席で、必要な時に四球で出塁し、盗塁もする。チームにとって前向きなエネルギーを与えてくれる。1点目は、ショウヘイだけで奪ったもの。バットでも、足でも、ゲームを変えられる資質を持っている」

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平、なぜ得点圏でノーアーチ? 感じたアプローチの変化…あえて狙わない豪快弾

川村虎大氏/情報:Full-Count)

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 ドジャース・大谷翔平は21日(日本時間22日)、本拠地・ダイヤモンドバックス戦で4打数2安打1打点2盗塁の活躍を見せた。5月に入り、得点圏打率は.462(13打数6安打)とチャンスで好結果を出しているが気になるのが本塁打。放った13本のうち、得点圏ではゼロとなっている。

 

 4月終了時点で.184(38打数7安打)と苦しんでいた得点圏でのアプローチは徐々に改善。この日も6回1死三塁の第3打席では右前適時打を放ち、打点を稼いだ。ロバーツ監督も「この4週間、彼のストライクゾーンがとても不変的で、打てる球を振っている」と19日(同20日)の試合後にほめたたえていた。一方で、チャンスでの特大アーチは未だない。

 

 大谷はここまでナ・リーグ2位の13本のアーチを放っている。内訳をみると、ソロが8本、2ランが5本。2ランはいずれも一塁に走者を置いた場面だ。昨季は44本のアーチのうち得点圏は7本だった。

 

 20個の敬遠を受けた昨季と、前をベッツ、後ろをフリーマンが打つ今季では、同じアプローチをした場合、後者のほうが得点圏でアーチをかける機会は多いようにも思える。にもかかわらず、得点圏で未だ本塁打が出ないのは、大谷自身が本塁打を狙っていない打席が多いようにも思える。

 

 20日(同21日)には3回1死一、二塁で際どい低めの球を見逃し、四球を選び、フリーマンの満塁弾を呼び込んだ。また、21日(同22日)の適時打もボール球を2球見逃し、低めのチェンジアップを軽打していた。

 

 大谷自身も今季は打線を意識する発言が増えている。松井秀喜に並ぶ米通算175本塁打を放った際にも「ホームランを特に狙いにいく打席はない」と断言していた。サヨナラ打を放った際には「その状況、状況に合ったバッティングはあると思う」とも。ファンは豪快なアーチを期待するが、7億ドル(約1095億円)契約を結んだ男の使命はチームを勝たせること。本塁打が出ていないのは、チーム打撃ができている証でもあるように見える。

 

川村虎大 / Kodai Kawamura

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◆ ドジャース移籍が大谷翔平に意識変化をもたらした“繋ぎ役”としての打撃

菊地慶剛氏/情報:スポナビ)

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【今季生まれた大谷選手に関する新たな楽しみ】

 今シーズンも相変わらず、日本人選手を中心にMLBをフォローする日々を過ごしているが、ただ大谷翔平選手に関して新たな楽しみが生まれている。

 

 昨シーズンまでとは比較にならないほどメディア対応が頻繁に行われ、大谷選手が事あるごとに自分の言葉で説明してくれるようになり、これまで想像の域を超えなかった大谷選手の思考について個人的に答え合わせできるようになったためだ。

 

 メディア対応している最近の大谷選手の様子を見ていても、メディアの前に立つことを忌避しているような様子はまったくない。今更ながら、エンジェルス時代はなぜ極端にメディア対応を制限していたのか謎でしかない。

 

 実は最近も大谷選手の言葉を聞いて、ドジャース移籍後に見られる大谷選手の意識変化を確認することができたと感じている。

 

【ドジャース移籍後初のサヨナラ打を放った後の言葉】

 それは、ドジャース移籍後に初のサヨナラ打を放った5月20日のレッズ戦後に、メディア対応した際にサヨナラ打を放った場面について説明した大谷選手の発言内容だ。

 

 「長打ではなくて単打をしっかり打つスタイルというか、そういうバッティングだったので、いい結果になって良かったです」

 

 この発言を聞く限り、大谷選手は自分で決めようというよりも、走者がホームに戻ってこられなくてもいいから、出塁することでチャンスを広げようとする意識で打席に立っていたことが窺える。

 

 この発言を裏づけるように、今シーズンの大谷選手の変化を確認できる打撃データがあるのをご存じだろうか。

 

【走者の有無別成績で浮かび上がる過去との違い】

 メディアの間でシーズン開幕直後から、今シーズンの大谷選手は得点圏で結果を残せていないという指摘がなされてきた。

 

 確かに5月20日現在で、打率。240、OPS(出塁率と長打率を足したもの).610と、これまでチャンスに強かった大谷選手の成績としては物足りなさを感じてしまうかもしれない。

 

 だが少し視点を変えて、走者の有無で条件分けした大谷選手の成績を見てみると、かなり違った景色が見えてくる。

 

 以下の表を見てほしい。MVPを受賞した2021年と2023年に今シーズンを加えた3シーズンにおける走者の有無別で打撃成績を比較したものだ。あくまで打率だけではあるが、今シーズンはMVP受賞した2シーズンを上回っており、決して打てていないのが理解できるだろう。

 

 

【同じ2番打者でもエンジェルス時代とは違う】

 それ以上に注目して欲しいことは、2021年と2023年では走者ありの方が打率、出塁率、長打率すべてにおいて走者無しの成績を上回っているのに対し、今シーズンに関しては完全な逆転現象が起こっている点だ。

 

 中でも長打率に関しては、走者ありの場面ではMVP獲得シーズンから明確に低下しているのが分かる。

 

 そこで前述の大谷選手の言葉に戻ってみよう。これらのデータから推測できることは、件の発言は単にサヨナラ打を狙える場面を捉えたものではなく、走者を置いた場面で大谷選手が常に意識していることだと考えると、辻褄が合わないだろうか。

 

 ちなみに大谷選手は、2021年では117試合に、また2023年も71試合で2番打者を務めており、今シーズンと打者としての役割に大きな違いがあったというわけではない。

 

 それではなぜ今シーズン意識変化が生じているかといえば、エンジェルス時代は走者ありの場面で、大谷選手以外に得点機を生かせる打者が少なかったのに対し、ドジャースでは信頼できる後続打者が何人も揃っているため、繋ぎ役に徹することができるからに他ならないからではないだろうか。

 

 そうした意識の違いが打撃に影響し、こうしてデータの違いを生んでいるように思う。

 

【繋ぎ役として2ストライク後の打率も向上】

 繋ぎ役という意味においても、大谷選手の打撃に変化が生じている。

 

 以前本欄で、今シーズンの大谷選手が空振り率と三振率が大幅に改善されていることを指摘させてもらったが、それに伴い、2ストライクに追い込まれてからの打撃も改善傾向が見られる。

 

 2ストライクになってからの打率を見てみると、2021年は.138で、2023年が.180と、かなりの低調だったが、今シーズンは.257まで上昇しているのだ。それだけ粘りを見せていることを裏づけているし、より“功打者”へ進化しようとしていると考えていいだろう。

 

 打者としての進化という面からも、大谷選手のドジャース移籍は大正解だったといわざるを得ないようだ。

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 ■ NOTE