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2024年5月13日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年5月12日

日本時間:2024年5月13日(月曜日)

5時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対サンディエゴ・パドレス

@ペトコパーク

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間5月13日、パドレスは本拠地ペトコ・パークでのドジャース3連戦の最終戦を迎え、先発のダルビッシュ有の好投もあって4対0で勝利。同地区対決3連戦を2勝1敗の勝ち越しで終え、貯金1とした。ダルビッシュは7回101球を投げて被安打2、奪三振7、与四球1、無失点という素晴らしいピッチングで3勝目(1敗、防御率2.43)を挙げ、日米通算200勝に王手。ドジャース先発のウォーカー・ビューラーは4回途中5安打3失点で降板し、今季初黒星(0勝)を喫した。

 パドレスは1回裏二死からフェルナンド・タティスJr.の8号ソロ、ジェイク・クロネンワースの7号ソロと二者連続アーチで2点を先制。タティスJr.はこれがメジャー通算114本目の本塁打となり、同名の父の本数(113本)を超えた。ダルビッシュの好投が続くなか、4回裏一死満塁からルイス・アライズの内野ゴロの間に1点を追加すると、5回裏にはザンダー・ボガーツの3号ソロで4点目。ダルビッシュが7回まで無失点に抑えたあとはワンディ・ペラルタ、ロベルト・スアレスとつなぎ、4安打完封リレーでドジャースを破った。

 今季8度目の登板となったダルビッシュは5回表二死まで打者14人をパーフェクト。5回表二死1・2塁、6回表一死2塁のピンチをいずれも無失点に抑え、今季最多の101球で7イニングを投げ抜いた。故障者リストから復帰後は3試合で合計17イニングを無失点に抑えており、防御率は離脱時点の4.18から2.43まで大きく向上している。なお、腰の張りを訴えていた大谷翔平(ドジャース)はスタメンを外れてベンチスタートとなり、今季2度目の欠場。松井裕樹(パドレス)にも登板機会がなかった。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

ベンチスタート

※代打出場もなし。中継映像で映し出された大谷はヒマワリの種を何度も口に運んでいた。

 

 

【コメント】

試合前

――母の日。連絡したか。

「してないですね。まだ寝ているんじゃないですか」

 

――ロバーツ監督が欠場させると示唆した。

「昨日のゲーム前からトレーニングで違和感があったので。今日は、僕は出られるかなという感じでしたけど、まぁ大事をとって、という感じです」

 

――違和感はいつ感じたのか。スイングで感じたのか。

「ゲーム前のトレーニングですね」

 

――試合中に悪化したのか。

「悪化というか、張りが強く。なんていうんですかね……。やった直後というか、ちょっと間が空いた方が、ちょっとずつ症状が出てくるので。今日はだいぶ改善されている。そういう意味ではよかったかなと思います」

 

――いつも通り試合に入る準備はできたか。

「さっきもやって、今日ここに来ているので。全部一通り。トレーナーにも見てもらって。一通りやってから、ここに来ました」

 

――プレーオフに出るチームだから、ある意味でスタメンを外れることを認められたのか。

「連戦が結構ここは続くと言っていたので。どっちみち(休養日を)1日入れようかなとみたいなことを言っていたので。今日それが早めに入って、という感じです」

 

――ダルビッシュと対戦できない。

「同地区ですけど、今まであまりやることがなかったので、そういう意味ではすごく楽しみにしていた。今後もあるとはいえ、少ないチャンスではあると思うんですけど、楽しみにはもちろんしています」

 

――代打で準備するか。

「一応、そのつもりでは行きますけど、どうなるかは。展開も分からないですし、一応、そのつもりでは準備します」

 

――敵地のサンディエゴの雰囲気は。

「熱気はもちろんありますし。ドジャースのファンもかなり入っているので、裏にいるとどっちがいいプレーをしたか分からないくらい。どちらのファンも熱狂的だなと思います」

 

――体のケアはどのような感じか。

「昨日、今日は、電気治療だったりとかストレッチだったりとか。急性期なのであまり無駄に動かし過ぎないように」

 

――ケアはいつもより長めか。

「どうなんですかね。急性期に対する、痛みに対する治療はしましたけど。凄い何か違うことしたということはありません」

 

――母へメールとか言葉をかけることは。

「花束はないかな。一言二言じゃないですか」

 

――1日に休みがあったが、以前から腰に関して兆候は。

「そんなすごく何か大きく痛みが出たという感じではないので。トレーニングの中で、『なんか嫌だな』と、違和感があった感じなので。昨日、今日休みを取るって感じだったかと思います」

 

――投球プログラムとの兼ね合いは。

「そこはないです。トレーニングは例年よりピッチングの方がない分ある程度、シーズン中もできているかなと思うので。そういうところで逆に昨日はやっているときに、試合以上にある意味負荷がかかるところではあるので。そこで多少、違和感はでたかなと思います」

 

――今まで同じような違和感は。

「ありますね。長いことシーズンをやっていれば、必ず何かしらはでると思うので。早い段階で長引かないように。先手先手が大事かなと思います」

 

――サンディエゴはプレーオフのような緊張感だった。

「プレーオフを知らないので。まあ本当に半々くらいで。距離的にも近いというのもありますけど、ドジャースファン、パドレスファンが半分半分くらいの感じで。独特の雰囲気だったかなと思います」

 

――ポストシーズン含めると180試合くらい戦う。休むことの重要性は。

「今年に関してはDHだけではあるので。あまり体的にすごくしんどい日がある感じはしないですし。どちらかというとキャッチャーのウィル(・スミス)だったり、(ムーキー・)ベッツ選手もそうですけど、そういう選手との兼ね合いだったりとか。連戦でのどういう風に出ていくのかは監督が考えていくことなので。言われたところでプレーしていけたらと思います」

 

――生活環境が変わったが、睡眠はしっかりとれているか。

「比較的とれているかなと思います」

 

――打った時とかで興奮で寝れない時もあるか。

「バッターはないですね。ピッチャーは良いピッチングするとなかなか寝れない日とかはありますけど」

 

――トータルでどれくらい寝ているか。

「トータルで10(時間)くらいじゃないですか。1回起きてご飯を食べたりするので」

 

――先発としてダルビッシュが登板。

「もちろんテレビで見てきた選手という感じなので。一緒にグラウンドの中でプレーできるだけでもうれしいですし。毎年毎年、衰えているどころか進化している印象なので。見ていて楽しいですし、実際に打席には今日入れないですけど、外から見ていてまた勉強になることもたくさんあるかなと思います」

 

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【NEWS情報】

◯ 大谷翔平が4歳の時に撮られた母・加代子さんとのツーショットが「母の日」の12日(現地時間)、MLBの公式インスタグラムにアップされた。この日、MLB公式では「Moms make us into who we are today. Happy #MothersDay from Major League Baseball!」(今の私たちがあるのは、お母さんのおかげ。母の日おめでとう。MLB)とのメッセージのもと、計10人のスター選手の母との写真を投稿。大谷と加代子さんの写真は「99年5月14日」の日付け入りで大谷が4歳の時のもの。大谷母子の写真は全体の1枚目として取り上げられている。

 

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

(試合前)

ーー大谷の様子は? 彼は今日もプレーしたいと監督に言ったか

「いいや、ノーだ。彼の状態は今日は(昨日より)いいようだ。体が動き続けるように(あえて)動き回っている。彼が今日出場しないことについて、私は(昨夜)かなりクリアだったからね。13日間連続で試合が続くので、どこかで彼に一日オフを与えるつもりだったので、こういう状態の時に休ませた」

 

ーー明日は出場するのか

「ああ、そのつもりだ」

 

ーーレントゲンを撮ったりは

「とっていない」

 

ーー大谷に休みを伝える時のプロセスはどういう感じか

「昨夜トレーナーのトムと私で話して、休ませる判断をした。その情報を得て(昨夜の)最後の打席に入れないことも決めた。私としては、今日がナイター翌日のデーゲームであることも(彼を休ませる)理由の一つになった。我々は彼に長期間健康でいてほしいので、1試合だし、最も重要なのは彼の健康状態なので、ここで出場をプッシュする必要はないと考えている」

 

ーー彼を監督室に呼び出して休みを伝えたのか

「いや、違う。私はそれをウィル(アイアトン通訳)に言った」

 

ーーそれは昨夜言ったのか

「昨夜そうなるだろうとのプランを伝えて、今朝それを確認した。昨夜伝えたのは、今日プレーするつもりでいないようにするためだ」

 

ーー大谷はエンゼルス時代に試合を休みたがらなかった。そんな彼にどうやって休みを納得させるのか

「リアルタイムでだろう。それに慣れること、互いの関係性をつくること。彼は自分の体のことを熟知している。この13日間連続の期間中だから、少し大事を取って休ませたが、これから先、チームと彼本人のベネフィット(得)のために、時には休むこともインプットされるだろうし、私と彼の信頼関係もできていくだろう」

 

ーーこれから定期的に月一度とかでオフを取らせるとかを考えているのか

「いや、アリゾナ(現地1日のDバックス戦)の時はオフデーの前に休めば2日連続になるからそうしたが、これはたまたま。私は、彼には休みが必要だと思えば休ませればいいと思っているから、予定しているオフデーはない。この13日間連続が終われば、(チームが)オフデーがたくさんあるスケジュールになる」

 

 

(試合後)

ーーダルビッシュの投球について

「うまく球種をミックスしている。うちに対しては他球団に対するより、より速い球を多く使ってくる。高めなどうまく制球している。スライダーも良かった。うちは何もできなかった。彼はリズムが良かったし、ゾーンに入っていた感じ。しかもゲームの早い段階で打線の援護を得たから、我々は彼を脅かすことは全くできなかった」

ーーパドレス3連戦を通して

「予測のつかない攻め方をしてきた。うまくうちの打者の弱点を突いてきた。何とかこのシリーズは勝ちたかったが、今日はダルビッシュがすごく良かった。昨日のウォルドロンも、2日前のキングも良かった」

 

ーー大谷の代打の可能性はあったか

「今日はリカバリーする日だと思うが、必要であれば(大谷の代打は)可能だった。(次戦について)何か変わったことがない限り、私の期待としては出ると思っている」

 

 

ダルビッシュ有投手:

ーー7回無失点
「良かったですね。自分が勝ったこともそうですけど、シリーズ(3連戦)ちゃんと勝てて、先発陣もみんないい仕事できたと思いますし、全体的に良かったと思います。」

ーー直球の走りが良かった
「良かったと思いますね。前回から結構フォームをガラッと変えて。前回は手探りというか、だったんですけど。今日はもっとこう、全体的な一連の流れで、いろんなことができてたので、真っすぐもあんまり力入れずに、ちゃんと球速も出ていたかなと思います。」

ーー6回はピンチを抑えて2度ほえた
「いや、やっぱりドジャース後半強いので、7、8、9回強いですし。そこで例えば1点ぐらいと思ってやってしまうと、やっぱり後々きつくなってくるなって思ってましたから。そこでちゃんと0点に抑えられたっていうところがすごくうれしかったです。」

ーー大谷翔平が出場せず
「昨日からちょっと腰がちょっとあんまりみたいなこと言ってたんで。でもまさか出ないとは思ってなかったし、何週間前もからドジャース戦投げるだろうなと思ってすごく楽しみにしてたので、すごく残念ですけど。早く良くなってほしいです。」

ーー大谷がダルビッシュの投球を見てるだけで勉強になると
「それはないと思うんですけど(笑い)。自分がどっちかって言うと大谷くんの動作とか走り方もそうですけど、見ながら勉強してるんで。リップサービスだと思いますけれども。でも、良いピッチングができたと思います。」

ーードジャース相手に力で押せた
「でも結局変化球狙いだと思うんで。相手の逆をついたから押せたっていうところはあると思いますし、向こう(ドジャース)も真っすぐ一本で来てたら、押せる球ではないと思うので、なんて言うのかな、相手の裏をかきながらなんとかやっていくんですけど、結果的に勝てたと思います。」

ーー日米通算200勝へ王手
「あんまり考えすぎると、やっぱり勝てなかったりすると苦しくなると思うので。それはもうちょっとなるべく忘れて、今日のことをしっかり反省して、次またもっと良くなれるように頑張りたいと思います。」

ーー今日は母の日。思いはある
「もちろんありますね。やっぱり自分も夫になって、妻のこと、母をやっぱり近くで見てるので、どれだけ犠牲にして子供たちを育てているかなと思ってますし。じゃあこの年になってどんどんその母親が自分にしてきてくれたことっていうのを実感できるので。そういうところでもやっぱり感謝の思いを持ってマウンドに上がりました。」

ーーご家族も見に来て力が入った
「そうですね、そうだと思いますね。変なピッチングできないと思ってましたし、見に来るっていうのも分かってましたから。」

ーー特別にお母さまや奥さまには何か
「自分の母親にはメッセージとお花を贈ったのと、自分の妻には今日の朝プレゼントと、さっきちょっとお花をプレゼントしました。」

ーーバッター24人に初球ボールが6人だけ
「いや、特に意識してなかったですね。やっぱり置きに行ったら打たれてしまうんで、とにかく初球からちゃんと腕を振って投げるっていうことを意識しました。」

ーー22年のフォームを意識して変えたと言っていた。思った通りにできている
「まだできることはたくさんあると思いますし、今日たまたま良かっただけかもしれないので。明日もう1回キャッチボールで自分の動作をしっかり確認して、もっとより良くしていきたいなと思います。」

ーーフォームを変えた理由として体の強さの割に球速が出てないと
「簡単に言うと、筋肉を使って投げるっていうよりかは、体をうまく使って投げるというか、ちょっと言葉が難しいんですけど。昨日僕がツイートした(アスレチックトレーナーの)前田さんに教えてもらったことをもう1回ちょっと復習してというか、僕というよりか、その人(前田氏)に聞いた方が早いかなと思います。」

ーートレーニングのドリルは何に役立つ
「ひねった状態から、左肩を中心に動かすんですけども。ぼくは結構手投げになるので、もっと胸郭を使いながら、上半身をうまく使いながら投げる練習というか。自分はすごい下手くそなんですけど、それを今ちょっとまたもう1回練習してます。」

ーー2年前の動きはすんなりできる
「練習すれば。体が覚えてるんで、そんなまだ、そういう動きができないほど体がボロボロってまだわけじゃなかったので。」

ーー負傷者リストから帰ってきてから無失点が続いてる要因は
「最初の試合はそんな良くなかったですし、コントロールでなんとか抑えたっていうのがあったんですけど。最初の2試合はちょっとイニング少なかったってのもありました。でも今日はやっぱり自分のやりたいことが割とできて、抑えられたので、過去2試合より良かったですけど、要因はちょっと分からないです。」

ーーフォームでは体の連動を使って無駄なく使う動きを
「無駄もそうですし、やっぱり動作でいろいろ問題があったので。それによって、やっぱり骨盤の開きはちょっと早くなってて、バッターがより見やすい球になってたので。だからムーンメンメントがどうだとか、球速がどうだとかよりも、やっぱり思ったより空振り取れないとか、ハードヒットされるっていうところを。前回のブルペンからすごく骨盤の開きはだいぶ抑えられたので、だいぶ見えづらくなってるかなと思うんですけど、今日はそれがちゃんと反応として見られた。」

ーー体の使い方というより形の問題
「使い方も形も、いろいろあります。」

ーー昨日は山本由伸のブルペンを見に行った。興味が
「興味です。どんな球投げてるんだろうと。球が強烈だったので、間近で見たいっていうのがあって。それで見てました。」

ーー自分に生かす
「もちろん自分に生かすというところで。チームに何か『こんなことやってよ』じゃなくて。どういう体の動きだとか、ブルペンでどういうことを意識してるのかなみたいなことをちょっと理解できたらっていうところで。」

ーー昨日は大谷とどんな会話を
「基本的には自分はもう野球の話しかしてないので、野球とかトレーニングとか、そういう話をずっとしてましたね。」

ーートレーニングの種目の話か
「種目がどうとかっていうより、(大谷は)今トミー・ジョン(手術)でどうとか。で、バーベルスクワットができなくて、セーフティーバー使ってるとか、そんな簡単なことでしたけど。何話したか覚えてないな、今言われると。でも、いろいろ話しました。」

ーー38歳を迎えるが、体の衰えを技術でカバーしている
「やっぱり悪いフォームで投げてると体張りますし。やっぱり疲れるので、体のサイズとかも落ちていきますし。でもちゃんと自分に合ってるフォームというか、無駄のないフォームにすることによって、意外とその落ちていくのはちょっと食い止められるのかなっていう気はしました。まだ分からないですけど。」

ーー今日は今年一番スピードが出ていた。もっと球速は出る
「自分の体重移動というか、足を上げて、お尻からこう出ていって、倒れていくんですけど、自動的に。そのスピードをある程度確保できて、そのスピードを落とさないでちゃんとリリースにこうつなげられていたので。」

 

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平が“積極的休養”「言われたところで取る」ロバーツ監督との意思の間に適度なバランス

斎藤庸裕氏/情報:日刊スポーツ)

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 大谷の休養日は度々、決定の経緯が問われる。多少の張りや負傷箇所があっても、出場意欲を燃やすのが選手。大谷も例外ではなく、むしろ、その気持ちが強い。一方で、監督やチームの方針で休ませる場合も。どちらを優先するのか、そのバランスについてロバーツ監督は「(相手を)よく知り、信頼関係を築いた上でついてくるもの。彼も自分の考えを持つべきだし、私も彼を信頼すべき。今は、この休養が有効になることを彼も理解しているはず」と、見解を語った。

 

 ともに「大事をとって」と言った。エンゼルス時代は、その認識にズレがある時もあった。「最終的な目標を理解して、ショウヘイをシーズン通して準備ができている状態に。10月まで万全の状態にすること。今後、我々も対話を続ける」とロバーツ監督。プレーオフ進出、ワールドシリーズ制覇へ、同じ目標を共有できている。

 

 シーズン終盤になれば、主力野手をDHで起用し、休養させなくてはいけない状況も出てくるだろう。他の選手との兼ね合いを十分に理解している大谷は「連戦で必ず入るオフをどういう風に入れていくか、監督が考えるところではあると思う。言われたところで(休養を)取るべきかなと」。大谷とロバーツ監督の意思の間に、適度なバランスがあった。【MLB担当=斎藤庸裕】

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◆ 今季最高の大谷翔平…衝撃の“2本塁打4安打”を激写! 筋金入りドジャースファンのオオタニ評「冗談抜きでベーブ・ルース」「王の風格を感じる」

南しずか氏/情報:NumberWEB)

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 5月5日(現地時間)のブレーブス戦で1試合2本塁打を含む4安打の“大爆発”をみせたドジャース大谷翔平。大谷にとって今季ベストともいえる試合を撮影したフォトグラファーの南しずか氏が、ドジャー・スタジアムに詰めかけたファンの声も捉えながら徹底レポート! 

 

 試合の結果からプライベートのことまで、連日のように大谷翔平のニュースが流れている。それは、私を含め大谷関連のニュースを流す日本の報道陣が働いているからだ。では、実際のところ、ロサンゼルス・ドジャースのファンは大谷をどう思っているんだろう? そんな疑問を直接、現地でファンに聞いてみることにした。

 

 5月5日、ドジャー・スタジアム。カリフォルニアらしいカラッとした晴天の下、試合開始の約3時間前、続々と人々がスタジアムに向かっている。まず目につくのは、「17」、「OHTANI」の文字。大谷翔平のユニフォームを着ている人が本当に多い。

 

 もう何も言わずとも、現地での人気度は一目瞭然である。

 

 私の直感を裏付けてくれるように「今年は大谷選手関連のグッズが一番売れています」と売店の女性スタッフが教えてくれた。

 

 さらに「5月16日は大谷選手のボブルヘッド・デーです。同日のチケットは、ほぼほぼ完売と聞いています」。ボブルヘッドとは首振り人形のこと。モデルとなる人物に似てるようで似てないのがチャームポイントだ。ファンサービスの一環であり、ボブルヘッド・デーに来場すると、ボブルヘッドを貰える。「(その日は)売店もいつも以上に忙しいと良いですね」と女性スタッフは期待を寄せた。

 

大谷のユニフォームを選ぶ理由は?

 人々に聞く前から大谷の人気度を感じたので、「大谷選手のユニフォームを選んだ理由はなんですか?」と尋ねてみた。青のユニフォームを着た男性は気さくに答えてくれた。

 

「僕は地元のヒューストン・アストロズのファンだったんだけど、カリフォルニア州に引っ越してきたら、友達のお父さんから『カリフォルニアのチームを応援しようぜ』と言われて。だったら、ドジャースと大谷選手を応援しようと。(大谷選手は)エンゼルスにいた時から好きな選手だったんです。冗談抜きで現在のベーブ・ルースだと思う。打撃もすごいけど、また投手として投げる日が待ち遠しいよ」 

 

 青のユニフォームの男性をドジャースファンへ勧誘成功した年配の男性は、白のユニフォームを着用。

 

「うちは昔からドジャース一筋でさ。今まで買ったユニフォームはドジャースで引退した選手のユニフォームばかりだよ。だって、現役の選手は移籍することがあるじゃないか。初めて現役の選手で買ったユニフォームが大谷なんだ。ドジャースに入団したら、すぐに買ったんだ。買った理由? だって、すごい選手だからさ」

 

家族で「ドジャース17」のユニフォーム着用も!

 筋金入りのドジャースファンから気に入られているとは。他のドジャースファンはどうだろうか? 

 

 カリフォルニアで生まれ育ったという男性は、大谷ではなく、コービー・ブライアントの背番号が入ったユニフォームを持っていた。コービーは、ロサンゼルス・レイカーズに20年在籍した元バスケットボール選手である。「僕は、地元の全てのプロスポーツチームを応援している。一番好きなアスリートは(亡くなった)コービー・ブライアントさん。今も尊敬している。大谷選手? カリフォルニアに来たんだから、もちろん応援してるよ」と好意的に受け止めてくれていた。

 

 この日は、「ユース・野球/ソフトボール・デー」ということで、ユニフォームを着た野球/ソフトボールの子供たち、その両親ら、コーチなど大勢の人たちが試合観戦を楽しんだ。ある家族は両親と息子2人で来場。長男が自身のチームのユニフォームを着て、両親と次男が大谷のユニフォームを着ていた。

 

 ブカブカのユニフォームに身を包んだ次男くんは「(大谷選手の)バッティングもピッチングも両方好き!」とニッコリ。両親のユニフォームも「次男が選んだ」とのこと。だが、お父さんの本音は「僕はメキシコ系だから、本当はメキシコ系の選手のユニフォームを買いたかったんだけど。今、ドジャースにはメキシコ系の選手がいなくて、大谷も素晴らしい選手だと思うけど」と、ちょっぴり残念そう。

 

 また、別の家族は両親と息子一人で来場し、父親が大谷のジャージー着用。やはり、息子が大谷のファンだと言う。「息子が僕の分を選びました。(息子は)少年野球のチームでピッチャーをやっていまして、打席にも立ちます。投打で結果を残している大谷翔平選手は、息子にとって理想的で模範的な選手です。『大谷選手が頑張ってるんだから、お前も頑張ろう』と息子を励ますこともあります」

 

大谷には「王の風格を感じます」

 2人とも大谷のユニフォームを着た、あるアメリカ人のカップルも「大谷は投打にすごい」と感心した。さらに、「去年10月に日本へ旅行しまして、どのくらい日本国内で人気があるか分かりました」と日本人ファンの熱量を感じたらしい。

 

 球場にいると、ちらほら日本語も聞こえてくる。ゴールデンウィークを利用して、日本から観に来たというファンもいた。ある女性は、大谷に感謝していることがあると言う。「大谷選手がロサンゼルス・エンゼルスに在籍していたからマイク・トラウトのファンになり、エンゼルスの結果もチェックするようになりました。トラウト選手のことを知るきっかけとなったことを大谷選手に感謝しています」。現在、トラウトは怪我でチームを離脱し、エンゼルスも低迷してることに対し、「そうなんですよね……」とちょっとしょんぼり。

 

 日本人男性2人組もゴールデンウィークと有給を利用して渡米。一人は山本由伸のユニフォームを、もう一人が大谷のユニフォームを着ていた。大谷ファンの男性は、大谷の「力強いところ」が好きだと言う。「(大谷が)結果を出しはじめてから良い選手だなと意識するようになりまして。(今の大谷には)王の風格を感じます」

 

 ある年配の日本人男性は「実力があるから好きだ」と語ってくれた。「大谷選手が高校の時から良い選手だと思っていた。(二刀流を含め)こんな選手は現れないと思う。今年は三冠王を取ると信じている。あとは怪我さえなければと願う」

 

 当の大谷は、その実力を存分に発揮した。ドジャース対ブレーブス戦、2番指名打者で出場し、今季初の1試合2本塁打を含む4打数4安打。まずは1回無死一塁、フリードのカーブを捉えた。

 

 今季9号は先制の2ラン。入ったと分かった瞬間から観客席は大いに盛り上がる。大谷も一塁を回ってから、右手を突き出した。ベンチでチームメートらに祝福されると、満面の笑みを見せた。その後も大谷は絶好調。3回に左前打、6回に中前打。

 

試合後、リトルトーキョーに向かうと…

 さらに4-1とリードして迎えた8回無死。ミンターの初球を捉え追加点となる10号ソロを放った。生還するとチームメートのテオスカー・ヘルナンデスからお決まりのひまわりの種シャワーで祝福された。

 

 ドジャースがブレーブスに5-1で勝利し、試合後のフィールドで大谷はインタビューに答えた。インタビューが終わると、観客席の歓声に応えて、すっと手を上げてから、颯爽とクラブハウスへ引き揚げた。

 

 試合後、筆者はロサンゼルス市の日本人街リトル・トーキョーへ向かった。日系のホテル「都ホテルロサンゼルス」の壁に巨大な大谷翔平が描かれている。スマホで撮影している日本人の方がいたので、声をかけてその姿を撮らせてもらった。試合を観に行ったというので、大活躍しましたね、と言うと、そうそう! と笑顔でうなづいてくれた。

 

 翌日、大谷はドジャースに移籍後初めてナショナルリーグの週間最優秀選手「週間MVP」に選ばれた。4月29日~5月5日の対象期間中の5試合で21打数11安打の打率5割2分4厘、3本塁打、7打点を記録した。

 

 大谷は、国境を越えて、その実力で野球ファンを魅了し続ける。

 

(「メジャーリーグPRESS」南しずか = 文)

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 ■ NOTE

 

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