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2024年4月22日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年4月21日

日本時間:2024年4月22日(月曜日)

5時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対ニューヨーク・メッツ

@ドジャースタジアム

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間4月22日、ドジャースは本拠地ドジャー・スタジアムでのメッツ3連戦の最終戦を迎え、5回裏に一挙8点を奪うなど、10対0で快勝。メッツ3連戦の被スイープを回避し、連敗を3でストップした。ドジャース先発のタイラー・グラスノーは8回101球を投げて被安打7、奪三振10、与四球0、失点0の好投を見せ、4勝目(1敗)をマーク。メッツ先発のエイドリアン・ハウザーは5回途中7安打8失点で降板し、2敗目(0勝)を喫した。

 

 3連敗中のドジャースは、3回裏一死1塁から大谷翔平の5号2ランで先制。グラスノーの無失点ピッチングが続くなか、5回裏にはムーキー・ベッツのタイムリー、フレディ・フリーマンの2点タイムリー二塁打、ウィル・スミスの2点タイムリー二塁打、アンディ・パヘスの1号3ランと打線がつながり、大量8点を追加した。グラスノーは8回表二死満塁のピンチでタイロン・テイラーを空振り三振に仕留め、8回10奪三振無失点の好投。ドジャースが投打両面でメッツを圧倒し、3連戦の被スイープを回避した。

 

 ドジャースの大谷は「2番・DH」でスタメン出場し、3回裏の第2打席で8試合ぶりの一発となる5号先制2ラン。これがメジャー通算176号となり、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜さんを抜いて日本人単独トップに浮上した。5回裏の第3打席で内野安打を放ったほか、6回裏の第4打席では四球を選んで出塁し、3打数2安打2打点1四球の活躍でチームの勝利に貢献。連続試合安打を7、連続試合出塁を20に伸ばし、今季の打撃成績は打率.368、出塁率.431、OPS1.094となっている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

3打数 2安打 2打点 2得点 1三振 1四球 1本塁打(5号)

通算打率・368

OPS1・094

 

◆第1打席:

(結果)空振り三振

(状況)1回1死走者なし

(投手)エイドリアン・ハウザー右

 

◆第2打席:

(結果)ホームラン

(状況)3回1死1塁

(投手)エイドリアン・ハウザー右

※ゴジラ超えの一発が出たのは3回一死一塁だった。相手先発の右腕ハウザーの1ストライクからの2球目、真ん中の81・7マイル(約131・5キロ)のスライダーを豪快に振り抜いた。角度30度、打球速度110マイル(約177キロ)でカリフォルニアの青空に打ち上げた瞬間、ドジャー・スタジアムは大歓声、右翼手は全く反応しなかった。5号先制2ランは右翼席中段に着弾。飛距離423フィート(約128・9メートル)の特大の一発だ。

 

 

 

 

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◆第3打席:

(結果)ピッチャー強襲ヒット

(状況)5回無死1、2塁

(投手)エイドリアン・ハウザー右

※カウント1―2からの5球目、内角低めの92・8マイル(約149・3キロ)のシンカーを中堅返し。打球速度101マイル(約162・5キロ)の弾丸ゴロはマウンドのハウザーを直撃する投手強襲安打となった。マルチ安打は3試合ぶり、今季11度目だ。続くフリーマンが右翼へ2点適時二塁打とMVPトリオ全員が打点を記録。

 

◆第4打席:

(結果)四球

(状況)6回1死走者なし

(投手)グラント・ハートウィグ右

 

◆第5打席:

(結果)代打オースティン・バーンズ交代

(状況)8回1死走者なし

(投手)マイケル・トンキン右

 

【コメント】

試合後

――松井選手を抜いた176号について。

「素直にうれしいですし、前回のホームランから(時間が)かかってはいるので、早く打ちたいなと思ってはいたので。今日まず打てて安心と喜びとどっちもあるかなと思います」

 

――記念球については。

「僕はゲームをしていたので、何も聞いていないです」

 

――松井さんの175号を抜くのはひとつの目標でしたか。

「最近になって松井さんがどのくらい実際に打っていたのかを知ったので。初めからではなかったですけど、知ってからは目標にしていましたし、早く打ちたいなと思っていました」

 

――次の目標はポストシーズンで活躍することか。

「その前に監督の記録(ドジャースの日本選手最多本塁打7本)を抜きたいと思います(笑)」

 

――日本の野球界にはどういう意味で変わるか。

「長打を持ち味にして打っていくスタイルというのは、サイズがないとなかなか難しいとは思うので。そういう意味ではバッティング自体の目標の幅が広がっていくのではないかと思います」

 

――後輩が記録を目指すようになるが、次はどんな記録を残したいか。

「個人的にはもっともっと沢山打つつもりでいるので。それは全部が終わった後に考えればいいと思います」

 

――ボールは手元に置いておきたいか。

「この間(1号)も頂けるという話だったのでもらったんですけど、食い違いがあったらしいので。今回はわからないですけど、話を聞いてみてかなと思います」

 

――今年はダッシュでアップするのが、少ない印象だが。

「中では走っています。直線で走るスペースがドジャースは中にあるので。そこで走って試合に臨んでいます」

 

――松井さんのピンストライプの印象とワールドシリーズは見ていましたか。

「ワールドシリーズをリアルタイムで見ていたかどうかは記憶にないですけど、ピンストライプのユニホーム。僕は巨人よりもヤンキース時代のほうがイメージは強いので。そちらのほうのイメージがメインかなと思います」

 

――ホームランを打つのはどんな位置づけにあるか。

「ホームランだけを狙っているわけではないですし、バッティング自体は可能性を広げていく作業だと思っているので。その中では四球もあるし、単打もあるし、二塁打もあるし、ホームランもあるしということだと思っているので。その可能性を広げる中で、ホームランがあるかないかは、相手側からのプレッシャーは違いますし、来るボール自体にも多少影響するので。そういう意味では大事に。自分の長所でもあるので。大事にしたいと思います」

 

――記念球を都度交換するのは打者としてプレッシャーか。

「早く打ちたいなとは思っていますし、なんか申し訳ないなというか。間延びもするので、ピッチャーもそうですし、キャッチャーもそうですし。アンパイヤもわざわざ変えないといけないので、早く打って普通のリズムにしたいなと思っていました」

 

――記録更新で連敗ストップしたが。

「打線も素晴らしかったですけど、グラスノー投手が素晴らしいピッチングをすることで流れが来ていると思うので。今日はそこに尽きるかなと思います。」

 

――ドジャースで優勝するプレッシャーは。

「僕はエンゼルスに所属していてエンゼルスという球団ももちろん好きですし、ファンの人も大好きですし、プレッシャーがかかる、かからないとはないので。それはエンゼルスに対して失礼なんじゃないかなと思うので。そこはそこ、ここはここで。プレッシャーかかる、かからないではなくて。1打席1打席が大事かなと思います」

 

――打った後走っている間に何を考えていたか。

「先制点だなという。その時はそういうことを忘れていたので。先制点を取れていいバッティングかなと思います」

 

――通過点と思うんですけど、176号はどういう意味を持つか。

「個人的には特別な1本でしたけど、これからシーズンはどんどん続いていくので。明日はオフですけど、ロードに行ってゲームは続いていくので。早く切り替えて次に望みたいなと思います」

 

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【NEWS情報】

◯ 大谷が21日(日本時間22日)、本拠でのメッツ戦前に昨年9月の右肘手術後12度目となるキャッチボールを行い、前回に並ぶ最多の60球を投げた。 試合前に一般のファンがグラウンドを歩けるイベントのタイミングと重なり、大谷のキャッチボール相手側から至近距離で球筋を見られる貴重な体験となったもよう。「ショーヘー!」と大歓声が飛び、大谷も手を振っていた。3月25日に術後初めてキャッチボールを行って以降、中1日や中2日でキャッチボールを継続しており、距離は11、12メートルほどでこれまでと変わらず。

 

◯ 日本ハムの栗山英樹CBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)が22日、大谷を祝福した。球団を通じ「我々は松井(秀喜)さんがメジャーにデビューして以来、ホームラン打者として活躍する姿に夢や希望、笑顔をもらっていました。いかにメジャーでホームランを打つことが大変かということを、感じさせてくれた存在でもあったと思います。翔平は独自の道を進んで、その一つの節目に到達しました。これからも、松井さんと同じように、ホームランで多くの人に夢や希望を与えていってほしいです」とコメント。

 

◯ 米大リーグは21日(日本時間22日)に予定されていた全15試合が終了し、大谷が打率・368をマークし、メジャー7年目で初めて首位打者に立った。打率・368はア・リーグ首位打者のクワン(ガーディアンズ)の・358を上回って両リーグトップ。ナ・リーグでは2位の同僚ベッツに1分3厘差をつけている。大谷は安打数(35本)と二塁打(11本)でも両リーグ単独トップ。出塁率(・31)、長打率(・663)、OPS(1・094)の3部門はいずれもナ・リーグ3位につけている。直近15試合の打率は驚異の・431をマークしている。韓国で迎えた開幕戦からちょうど1カ月。昨季の本塁打王が打者に専念する今季は首位打者争いにも注目だ。

 

◯ 大谷とベーブ・ルースの本塁打ペースが、ここまで酷似しているとXなどで話題。大谷は通算725試合(登板のみの試合を除く)で176本塁打。ルースも725試合時点(当時1922年)で176本だった。投手の通算勝敗も似ており、大谷が481回2/3で38勝19敗、ルースは同じ投球回の時点で37勝19敗で1勝しか違わない。最終的にルースは40歳までプレーし714本塁打、本格的には24歳で終えた投手で94勝46敗だった。今年7月で30歳になる大谷はルースの記録まで538本塁打、56勝。日米通算だと224本塁打(日本48、米国176)、80勝(日本42勝、米国38勝)でルースまで490本塁打、14勝となるが、どこまで迫れるか。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「彼は〝次は私(ドジャースの日本生まれの選手最多7本塁打)を追いかける〟と言っていた(笑)(松井氏を抜いたことに)松井秀喜は偉大な選手、偉大なホームランバッターで、ワールドチャンピオンも経験した。ドキュメンタリー番組を見て、翔平が彼を尊敬していたことは知っています。だから、翔平が松井の記録を破ったことは大きなことだ。この先、どんな記録が翔平の前に立ちはだかろうと、全てを打ち破るだろう」

 

タイラー・グラスノー投手:

「(大谷の記録について)グレート。素晴らしい。私がここでプレーしている間、今後もたくさんの記録を打ち立ててくれるだろう。本当に素晴らしい選手だ。(大谷が先制弾を放ったことに)ショウヘイありがとう。感謝しているよ」

 

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 ■ 球界情報

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松井秀喜氏:

◯ 米国野球殿堂博物館が「野球とベースボール、太平洋を越えた日米の野球交流」と題した企画展を来年7月から開催することを受け、プロ野球巨人で10年、ヤンキースなど大リーグで10年プレーした松井秀喜さんが21日、ヤンキースタジアムで記者会見し「両国でできたこと、歴史ある巨人、ヤンキースでできたことを誇りに思う」と話した。大谷が21日に大リーグ通算176号本塁打を放ち、松井さんの持っていた日本選手最多記録を更新した。松井さんの会見は本塁打より前だったが「彼の存在の大きさ、選手としての素晴らしさを私の数字と比べる必要は全くない」と話した。

 

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平の記念HR球を売却へ ド軍は交換依頼も…初観戦48歳が決断「適切な持ち主へ」

小谷真弥氏/情報:Full-Count)

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 ドジャース・大谷翔平投手が21日(日本時間22日)、本拠地のメッツ戦に「2番・指名打者」で先発出場し、3回に8試合ぶりの5号2ランを放った。メジャー通算176号本塁打に伸ばし、松井秀喜氏を抜いて日本人歴代1位に。大谷のホームラン球を見事にゲットした48歳のジェイソン・パティーノさんだが、この記念球のオークション出品を前向きに検討していると明らかにした。

 

 ロサンゼルス郊外メニフィー在住のパティーノさんは、48歳で初めての野球観戦。右翼スタンド中段の通路付近で観戦していたところ、大谷のホームランボールが転がってきた。「E6」と刻印されたボールをキャッチした後は、警備員に連れられて一時退席。球団からサインボールとの交換を依頼されたが、「キープ」を決断。試合後に球団側と“再交渉”すると明かしていた。

 

「ボールは現時点で私の手元にあります。何か他の物とは交換していません。このボールの持つ重要性や価値を理解しています。今は記録を達成したボールを査定していて、適切な持ち主へ売却するつもりです。これは起きたばかりのこと。このボールの価格や価値について話し合う用意があります」

 

 ボールには本物を示すホログラム付き。球団関係者は「あのボールは価値があるものになるだろうね」と語っていた。大谷の移籍1号のボールには、一部で1500万円を超える価値と言われたが、米国では松井超えの記念球はそれほど話題にあがっていないのも事実。果たして本当にオークションに出品されるのか、そして、いくらの価値がつくのか。目が離せない展開になってきた。

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◆ 歴史刻んだ大谷翔平、理想は究極の打者「可能性広げていく作業」打率・安打・二塁打リーグトップ

斎藤庸裕氏/情報:日刊スポーツ)

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 大谷はきれいな弧を描いた打球を見上げた。青空に舞い上がった白球を、歩きながら眺めていた。日本人の歴史を刻む1発の余韻に浸ったのは一瞬だった。ダイヤモンドを一周しながら「まぁ、先制点だなと、その時は。あまりそういうこと(記録)は忘れていて、先制点取れて、いいバッティングだったなと」。3回1死一塁からハウザーの真ん中スライダーを捉えた決勝2ラン。記念の“価値”ではなく、チームの“勝ち”が何よりうれしかった。

 

 少年の頃から憧れた松井氏を超え、日本人の歴史を塗り替えた。12日のパドレス戦以来、38打席ぶりのアーチ。もっとも、意識したのは「最近になってどのくらい松井さんが実際に打っていたかを知ったので、初めからというわけではなかった」という。「最近知ってからは目標にしてましたし、早く打ちたいなとは思っていました」。個人の数字が二の次になったのはチーム打撃を優先してきたからこそだった。

 

 昨季、日本人初の本塁打王を獲得した。リーグMVPは過去2度。悲願のプレーオフ進出とワールドシリーズ制覇を目指す中、理想とするのは究極の打者だ。

 

 「ホームランだけを狙っているわけではないですし、バッティング自体は可能性を広げていく作業。四球、単打、二塁打、ホームランもあるし、ということだと思っているので。その可能性を広げる中で、ホームランがあるかないかで相手にかかるプレッシャーも違う。来るボール自体にも多少影響する。そういう意味では自分の長所でもあるので、大事にはしていきたい」

 

 現時点でリーグ首位打者に加え、安打数と二塁打数もトップ。さらに今季は盗塁増を狙い、走塁改革にも取り組んだ。全てにおいてトップを目指せば、層の厚いド軍なら自然と勝てる試合も増えていく。「個人的には特別な1本でしたけど、これからシーズンはどんどん続いていくので。早いところ切り替えて次に臨みたい」。メジャーでは、ここまで4・1試合に1本のハイペースで176本を積み上げたが、今後、求めていくのは本塁打の数よりも質。勝利に直結する場面で、どれだけ打てるかに重きを置く。

 

 個人記録への感情は、後になって湧き出た。「素直にうれしいですし、ちょっと前回のホームランから(時間)かかってはいるので、早く打ちたいなと。今日打てたので良かった。まずは安心と喜びがある」。3連敗で沈んでいたチームを一気に盛り上げた豪快弾。究極の打者を目指しながら、最高の形で節目の本塁打を飾った。

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◆ 数字が示すドジャース大谷翔平の好調ぶり 三振率が改善、ハードヒット率が上昇

浅野英介氏/情報:産経新聞)

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米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(29)が21日に行われたメッツ戦で、日本選手単独最多のメジャー通算176本塁打となる5号2ランを放ち、松井秀喜氏(元ヤンキースなど)の記録を抜いた。新天地のドジャースで打率3割6分8厘、5本塁打(21日時点)と好スタートを切った大谷だが、今季はここまで「三振率」が改善され、強い打球を示す指標の「ハードヒット率」も上昇。米大リーグ機構(MLB)が公表しているデータからも、好調ぶりが示されている。

 

打席数に占める三振の割合を示す三振率を巡り、大谷は、2021年=29・6%▷22年=24・2%▷23年=23・9%-と改善傾向にあったが、今季はここまで17・9%(20日時点)と昨年以上に改善されている。

 

三振率が改善されている点について、大リーグ評論家の福島良一さんは「あらゆる球種にしっかりとコンタクトできている証拠。これまで以上に打撃技術が向上しているのでは」と指摘する。

 

打球の初速が95マイル(時速約153キロ)以上の打球速度であることを示すハードヒット率は、全打球における強い打球の割合を示す指標で、長距離打者ほど割合が高いとされる。今季の大谷で注目されるのは、このハードヒット率が向上している点だ。

 

ハードヒット率は、21年=53・6%▷22年=49・8%▷23年=54・2%-で推移していたが、今季は60・0%(20日時点)と上昇。MLB全体でも5位とトップクラスに位置している。

 

福島さんは「大谷選手の場合はしっかりとコンタクトしながらも、強い打球を打つことができるのが最大の特徴」と指摘。「エンゼルスでは勝負を避けられるケースも多かったが、ドジャースでは勝負されるケースが増えたことも大きい。また、ストライクゾーンでの好球必打に徹しているともいえる」と話している。(浅野英介)

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◆ 大谷翔平、ゴジラ超え176号も“辛口”地元紙は「10月に成功を収めるまでは松井秀喜が何枚も上手だ」と厳しい報道

(情報:中日スポーツ)

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 ドジャースの大谷翔平選手はメッツ戦で先制2ランを放ち、松井秀喜(元ヤンキース)が持っていたメジャー日本選手の最多記録を更新する通算176本塁打とした。この日は3打数2安打、2打点、1四球。

 

 3回1死一塁。相手先発ハウザーが真ん中に投じた131キロのスライダーをたたいた大谷は、確信して打球の行方をじっくり見守った。右翼席中段に吸い込まれる飛距離129メートルの先制2ラン。8試合(38打席)ぶりの今季5号が『レコードブレーカー』の一発となった。

 

 それでも、辛口の球団地元紙ロサンゼルス・タイムズは手放しで称賛はしなかった。「2021、23年にア・リーグMVPを獲得した大谷翔平は、野球においてほぼ全ての面で松井秀喜を上回っているが、10月に何らかの成功を収めるまでは『ポストシーズンの役者』という点で、松井の方が二刀流の天才より何枚も上手だ」

 

 さらに具体的に「松井は10月でこそ最高の仕事をした。ポストシーズン通算56試合で打率3割1分2厘、10本塁打、15二塁打、39打点。2009年はフィリーズとのワールドシリーズで打率6割1分5厘(13打数8安打)、3本塁打、8打点をたたき出してシリーズMVPとなり、ヤンキースを優勝に導いた」

 

 一方、「大谷はエンゼルスでの6年間でポストシーズン出場どころか、シーズンで勝ち越した経験さえない。だが、ドジャースでは初めて10月の舞台を踏むことが見込まれている」とした。

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◆ 大谷翔平、「松井秀喜超え」に感慨…「個人的には特別な1本」…ピンストライプに魅了された少年時代【番記者は見た】

阿部太郎氏/情報:中日スポーツ)

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 日本勢最多本塁打の新記録は3回に飛び出した。1死一塁。1ストライクからの2球目、真ん中に入ったスライダーを見逃さなかった。迷いなく振り切ると、右翼席へ一直線。打った瞬間に分かる一発に、大谷はつかの間、打球を見つめながら確信歩きし、「ホームランアーチスト」だけに許される時間を楽しんだ。

 

 松井秀喜に並ぶメジャー通算175号を放ってから7試合ノーアーチだった。「早く打ちたいなと思っていた。今日打てたので安心と喜びがある」。大谷らしい豪快弾で記録に花を添えた。ベンチに戻ると、T・ヘルナンデスから「ひまわりの種」シャワーを浴びた。

 

 小さい頃から見ていたヤンキース松井のピンストライプは脳裏に焼きついている。「僕は(松井さんは)巨人よりもヤンキースのイメージの方が強い」。抜群の勝負強さでヤンキースの主軸を担った背番号「55」は、打者・大谷の憧れだった。

 

 メジャー通算100号を放った2年前、松井について語る時に理想の打者像を明かした。「(松井さんは)タイプ的に、僕より率も高いし、総合的に高い打者。目標にずっとしてきたし、そういう選手像の中で、なおかつホームランが多く打てるのが自分でも理想。率も残るし、四球も取るし、なおかつ長打を打てるのが一番いい選手」。今や率も残し、一発も打てる「メジャー最強打者」との声もあるほどに成長した。

 

 何より、自身の一発が連敗を3で止める先制の2ランになったことが大谷の中では大きい。松井がそうだったように、大谷もチームが勝つことが一番の喜びだ。「個人的には特別な1本だが、これからもシーズンは続いていく。明日はオフだが、早く切り替えて次に臨みたい」。「176」という数字は通過点。これからもチームの勝利につながるアーチを多く打ち、ワールドシリーズ制覇を目指す。(阿部太郎)

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◆ ドジャース投手陣の苦しい台所事情 再構築のカギは山本由伸以外の新戦力と若手の台頭

奥田秀樹氏/情報:webSportiva)

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ロサンゼルス・ドジャース通信簿 投手編

 

 ワールドシリーズ制覇に向け、今シーズンのスタートを切ったロサンゼルス・ドジャースだが、シーズンの約8分の1を消化した時点で当初の思惑どおりに事は運んでいない。4月に入ってからの3連戦5カード中4カードで負け越し、23試合を終えた時点で12勝11敗。この状態が続いていくとは考えにくいが、ドジャースに何が起こっているのか。まずは投手陣について分析する。

 

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【先発・ミラーが離脱、リリーフ陣も乱調】

 

 ロサンゼルス・ドジャースとロサンゼルス・エンゼルスの違いは、選手層の厚さである。

 

 マイク・トラウト(32歳)、アンソニー・レンドン(33歳)、大谷翔平(29歳)のいたエンゼルスが毎年負け越していたのとは対照的に、アンドリュー・フリードマン編成本部長率いるドジャースは、勝ち越しは言うに及ばず、過去7年間で5度も公式戦100勝以上をあげてきた。勝利への鉄則はお金がないチームでも不変で、フリードマンが立て直した低予算チームのタンパベイ・レイズも選手層を厚くすることで、2008年から13年までの6年間で5度90勝以上をあげた。

 

 選手層が厚いほうがいい理由は3つ挙げられる。第一に主力選手のケガや疲労などの不測の事態に備えられ、そのうえ競争が激しくなることで選手がポジションを確保するために一層の努力を重ねる。さらにいろんなタイプやスキルを持つ選手を起用でき戦術的な柔軟性も高まるため、優位に立てる。

 

 2024年、オフに12億ドル(約1800億円)の補強をしたドジャースに早くも選手層の厚さを問われる事態が訪れた。主力投手陣にケガ人が続き、スランプに陥った。

 

 まず先発投手では100マイル(160km)の快速球を誇るローテーション3番手のボビー・ミラー(25歳)が肩の違和感を訴え、4月10日のミネソタ・ツインズ戦を最後に戦線離脱。サンディエゴ・パドレスとのシリーズでは、12日は2番手の山本由伸(25歳)、13日は5番手のギャビン・ストーン(25歳)、14日は4番手のジェームズ・パクストン(35歳)が先発。15日からのワシントン・ナショナルズ3連戦は、初戦にエースのタイラー・グラスノー(30歳)が先発したが、16日、17日の先発投手起用にはデーブ・ロバーツ監督も頭を悩ます事態となった。ミラーが抜け、山本はメジャーに慣れるまでは一般的な中4日でなく、日本時代と同じ中6日で登板させる方針だからだ。ロバーツ監督は15日に「山本の中4日登板は、しばらくは考えていない」と明言している。

 

 加えてリリーフ陣も安定せず、12日の試合では昨季途中から加入し役割を果たしたライアン・ブレージャー(36歳。元広島で日本での登録名はブレイシア)が3失点の誤算で延長の末パドレスに敗れ、14日は5投手がトータル14四球を出す乱調で完敗。先発もリリーフも再構築の必要に迫られた。

 

【苦しい投手陣編成を迫られた4月中旬】

 

 15日には前日の試合にリリーフ登板して1死しか取れず、3失点で負け投手になったジョナサン・フェイエレイセン(31歳)をマイナーに降格。代わって右腕リッキー・バナスコ(25歳)を昇格させた。

 

 迎えた15日のナショナルズ戦では先発グラスノーの後、左腕ニック・ラミレス(34歳)とバナスコがリリーフし、ともに2回無失点の好投を見せている。

 

 ラミレスはニューヨーク・ヤンキースの40人枠(球団がメジャー契約できる選手の上限枠。ベンチ入りの上限枠は26人)から外れたために、トレードで4月2日に獲得した選手。バナスコは去年ひざの手術を受け、5月にテキサス・レンジャーズの40人枠を外れ、やはりトレードで獲得した若手だ。バナスコは90マイル台半ば(152km前後)の速球と縦に割れるカーブが武器で、今季はマイナーリーグの3Aでも4回を投げ8奪三振、防御率2.25だった。こういった他球団で枠からはみ出した選手にドジャースはしっかりアンテナを張っている。

 

 だが、ふたりは翌16日、そろって3Aに降格となった。メジャーではベンチ入りできる投手は13人限定。契約上マイナーに落とせないベテランが多いため、調子が良くても入れ替えられてしまう。代わりに2021年にトレードで獲得し、ファームで育成してきた右腕カイル・ハート(26歳)を昇格させ、16日に先発させた。ハートは去年9月にメジャーデビュー、今年3月のソウルシリーズ(対パドレス公式戦)でもベンチ入りし、3月に2度登板、複数イニングを投げたが、31日にマイナー降格となっていた。

 

 ハートは45球の球数制限があったため2回3安打無失点の好投のあと、24球で交代。スイングマン(先発、リリーフを両方こなす投手)の左腕ライアン・ヤーブロー(32歳)がロングリリーフし、勝ちを収めた。この試合ではキャンプでマイナー契約の招待選手だったベネズエラ出身の右腕エドゥアルド・サラザール(25)も40人枠に入れ、ベンチに入れていた。

 

 17日、そのサラザールを1日で3Aに降格、代わってランドン・ナック(26歳)を昇格させた。ナックは2020年のドラフト2巡指名、昨季2Aと3Aで22試合に登板し防御率2.51、ドジャースのマイナーリーグの年間最優秀投手に選ばれていた。ナックはメジャーデビュー戦で5回4安打2失点と好投している。

 

【メジャー昇格の若手が刺激になるか?】

 

 フリードマン編成本部長の当初のプランでは、こういった若手は4月の時点ではまだマイナーリーグにいたはずだ。しかしオフに計画したとおりにいかないのは、メジャーリーグの常。ブルペンについては、昨年24セーブをあげたクローザーのエバン・フィリップス(29歳)とともに、ブラスダー・グラテロル(25歳)とブレイク・トレイネン(35歳)が軸になるはずだったが、グラテロルは肩のケガで60日間の負傷者リスト入り、トレイネンはオープン戦でピッチャー返しの打球を受け肋骨を骨折した。

 

 ベテランのジョー・ケリー(35歳)は防御率7.27、ブレージャーは5.00の不振。先発投手も5番手のストーンは3試合で防御率6.14と不安定。そのストーンと5番手の座を争っていたエメット・シーハン(24歳)は前腕の痛みで60日間の負傷者リストに。マイケル・グローブ(27歳)はブルペンに回ったが、6試合で防御率6.75だ。

 

 ドジャースは格下のはずのナショナルズに本拠地で1勝2敗と負け越すなど、直近の5シリーズで4度も負け越した。チーム状態は良くない。しかし先発ではハートとナック、リリーフではラミレス、バナスコが昇格し好投したのが好材料。彼らがチームに良い刺激を与えたことで、不振のベテランも負けじと奮起してくれるだろう。

 

 2022年に肘側副靭帯再建術(通称トミージョン手術)を受けた元エース、ウォーカー・ビューラー(29歳)も間もなく復帰してくる。ケガ人が戻り、それぞれの調子が上がってくれば、もっと強いチームになるのは間違いない。

 

奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hidek

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◆ ベッツ、大谷翔平、フリーマンの脅威は下位打線の大不振で減少? ドジャース打線の現状と今後

奥田秀樹氏/情報:webSportiva)

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ロサンゼルス・ドジャース通信簿 打者編

 

 故障による投手陣の離脱者が相次ぎ、苦しい台所事情のなか、ロサンゼルス・ドジャースの打線はどのような状況だろうか。開幕前から注目を集めてきたムーキー・ベッツ、大谷翔平、フレディ・フリーマンのMVPトリオで形成する上位打線は相手に大きなプレッシャーとなっているが、深刻なのは7~9番の下位打線。選手層の厚さを活かし、新たな戦力の台頭を待ちながらシーズン前半戦を戦うことになりそうだ。

 

【MVPトリオの脅威を活かせない7~9番】

 

 ロサンゼルス・ドジャースの打線は、前評判どおりのプレッシャーを相手チームに与えている。ムーキー・ベッツ(31歳)、大谷翔平(29歳)、フレディ・フリーマン(34歳)のMVPトリオで構成する1番~3番に関しては、MLB最強と言いきって構わないだろう。

 

 大谷は偉大な打者ふたりに挟まれる恩恵を受けている。今季は23試合終了時点で11四球とシーズン77四球ペース、敬遠もゼロだ。エンゼルスにいた昨季はしばしば相手投手に勝負を避けられ、91四球、21敬遠だった。投手がストライクゾーンに投げてくる確率も50.4%で、MVPを受賞した2021年の43.5%、2023年の45.4%よりも多い。ここまで得点圏打率は.095とはいえ、打率.356、出塁率.400、長打率.622と好調を維持しているだけに、もっと数字を上げていけるはずだ。

 

 だが、ドジャースの問題はそんな上位打線と対照的に、7番~9番の下位打線がまったく打てていないことだ。今季、この打順が多い打者の打率を見ると、ジェームズ・アウトマン(26歳)が.190、エンリケ・ヘルナンデス(32歳)が.182、ギャビン・ラックス(26歳)が.153、クリス・テーラー(33歳)が.053だ。おかげで今季絶好調の1番・ベッツが2巡目以降、打席に立った時に、ランナーが塁上にいないことが多い。

 

 ロバーツ監督は下位打線について「かなり過去の実績を下回っているが、まだ試合数も少ないから」と今後に期待している。果たしてどうなのか。

 

 ラックスは2016年のドラフト1巡指名選手で長く期待されてきた。2023年に遊撃手のレギュラーポジションを与えられたが、オープン戦でひざの前十字靭帯断裂の大ケガを負い、シーズンを棒に振った。今季もレギュラーの予定だったが、送球難でキャンプ中に遊撃手から二塁手へと配置換え。開幕を迎えはしたものの前述の打率で、長打も二塁打1本だけ。

 

 首脳陣にとって悔しいのは、1月にシカゴ・カブスにトレードしたマイケル・ブッシュ(26歳)が5試合連続本塁打を放つなど、打率.328、出塁率.405、長打率.656、6本塁打、15打点と大暴れしていることだ。ブッシュもドジャースでは2019年のドラフト1巡で期待されていたが、昨季昇格させた時には27試合に出て、81打席で打率.167、2本塁打、7打点と結果を残せなかった。そのため、オフにドジャースはFAのテオスカー・ヘルナンデス外野手(31歳)の獲得などで40人枠を空ける必要があり、エンシー・アルモンテ投手(29歳)とともにブッシュを放出、10代の若手ふたりと交換した。

 

 ブッシュは、2022年はドジャース傘下のマイナーで32本塁打、23年は27本塁打とパワーは証明されていたが、守備は二塁と一塁であまり得意ではない。ドジャースの指名打者は大谷だし、一塁にはフリーマンがいる。そしてその時点で二塁はベッツに任せると決まっていた。守る場所がないからトレードしたのだが、現在、ベッツは遊撃手で、ラックスは二塁に回ったが打撃不振。

 

 ドジャースは2016年にも同じような経験をしており、現在はMLBでトップ5に入る強打者となったヨルダン・アルバレス(26歳)と契約しながら2カ月でアストロズにトレードしてしまったことがある。ブッシュのカブスへのトレード放出は、それに次ぐ失敗になってしまうかもしれない。

 

【マイナーで控える次代のプロスペクト】

 

 とはいえ、こういったことは起こりうる。大切なのは、どれだけほかにも選択肢を用意しているかだ。

 

 ドジャースは4月16日、右打者の外野手、アンディ・パヘス(23歳)を昇格させた。大リーグ公式サイトの有望株ランキングトップ100に入っている選手で、ドジャース内では3位。2023年は右肩の大手術でほとんどプレーしておらず、2024年も復帰できるかどうか定かではなかったが、オープン戦で17打数8安打、2本塁打と活躍し、首脳陣に印象づけた。開幕は3Aスタートだったが、ここでも62打数23安打(打率.371)、5本塁打、15打点で、OPS(出塁率+長打率)は1.146をマークしている。

 

 ドジャースはパヘスを将来の正右翼手と見なし、今季は3Aで育成を続ける予定だったが、ベテラン右翼手のジェイソン・ヘイワード(34歳)が腰痛で戦線離脱し、アウトマン中堅手が打てていないことで(特に対左投手)、中堅でパヘス起用を考えた。

 

 ロバーツ監督はキャンプ中、「才能は確かで、このレベルでプレーできるし、今季いずれかの時点で昇格しても驚かない」とパヘスについて話していたが、早くもその機会が訪れた。

 

 ミゲル・バルガス(24歳)も控えている。父親はラザロ・バルガス。1992年のバルセロナ五輪で五輪史上初のサイクル安打を放ち、2度のオリンピックで金メダルに貢献したキューバの英雄だ。ミゲルは今3Aで打率.286、3本塁打、17打点と虎視眈々と昇格の機会を伺っている。

 

 ドジャースが近年強かった理由のひとつは、クリス・テーラー(33歳)やエンリケ・ヘルナンデス(32歳)のような複数のポジションを守れるユーティリティ選手が大暴れしていたからだ。WAR(打撃、走塁、守備を総合的に評価して代替可能選手=Replacementに比べてどれだけ勝利数を上積みしたかを統計的に推計した指標)では、テーラーは2017年に4.6、2018年は3.6、ヘルナンデスは2018年に2.8だった。WARは一般的に4点台であればオールスター級、3点台は好選手、2点台は先発級と見なされる。しかしふたりともここ数年は数字が下降気味で、年齢も30代であることを考えると、今後は多くを望めないのかもしれない。それでもいろんなポジションを守れるし、野球巧者ではある。

 

 ベテランか、若手か。7番~9番問題を解決するのは誰か? 4月、5月は現有戦力の奮起に期待する。それでダメなら6月、7月はトレードなど他の手段を講じることになる。

 

 MLBではどの球団でも、オフに描いた青写真のように進まないことが多い。アトランタ・ブレーブスはスペンサー・ストライダー投手(25歳)、クリーブランド・ガーディアンズはシェーン・ビーバー投手(28歳)と、肘のケガでエースを失った。それでも両チームはここまで14勝5敗、15勝6敗と好成績を残している(現地4月20日時点)。

 

 強いチームは、層が厚いのだ。ドジャースもMVPトリオを筆頭に1番から6番は良いし、グラスノー、フィリップスと投手陣も牽引車的存在がしっかりしている。今は12勝11敗と苦しいが(それでもナ・リーグ西地区首位)、戦いながらチームとしての機能を高めていければいいのである。

 

奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hideki

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◆ 記者は見ていた!水原一平容疑者の不可解電話姿 今春キャンプで…韓国でも練習中に…

広瀬真徳氏/情報:東スポ)

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【球界こぼれ話】ドジャース・大谷翔平(29)の元通訳・水原一平容疑者(39)の巨額窃盗疑惑と違法賭博問題がわずか1か月の間に急速な進展を見せている。

 

 水原容疑者が大谷の口座から盗んだ金額は窃盗が明るみに出た3月中旬当初、450万ドル(約6億8000万円)程度と報じられていた。ところが、4月に入るとその金額が1600万ドル(約24億5000万円)だったことが判明。さらに12日(日本時間)に行われた米連邦検察の会見では、水原容疑者が2021年12月から今年1月までの2年間で約1万9000回にわたり違法賭博行為をしていたことも明かされた。野球に関する賭博はなかったようだが、その負け総額は実に280億円以上。損失は62億円に上るのだから恐ろしい。

 

 ただ、スポーツ史に残るであろう今回の問題。日本ハムの通訳時代から本人と面識がある身としてはいまだに信じ難い。先月までの行動を見る限り、巨額賭博を1人で行うような人物には決して見えなかったからだ。

 

 日ごろから物腰が低く、質問にも丁寧に応対。今春の米アリゾナキャンプでは時間があると気軽に雑談にも応じていた。そんな人柄とはいえ、今思えば不可解ともとれる行動を何度も目撃したことがあった。その1つが水原容疑者の「頻繁に電話をする姿」だ。

 

 基本的に大谷がグラウンドにいる際は傍らに寄り添う水原容疑者が、なぜか今春キャンプでは1人で電話する姿が目立っていた。しかも人目を避けるようにクラブハウス外の倉庫付近で長時間電話をすることもしばしば。この行動は周囲の番記者内でも一時話題になり「一平さんっていつもあそこ(倉庫)で電話してない?」とウワサされていたほどだった。

 

 水原容疑者の「電話姿」はドジャースの開幕戦が行われた韓国・ソウルでも変わらず、エキシビションゲームの日にはチームの試合前練習中にもかかわらず記者席近くで電話をする様子も見られた。一度あいさつがてら「なぜここ(記者席)に? 誰か探しているの?」と本人に声をかけたが、その際、水原容疑者は「いや、大丈夫です」と笑顔で会釈。その後、再び記者席裏に隠れるようにして電話をかけ始めた。

 

 当時は大谷が結婚を発表して間もない頃。夫妻の一挙手一投足が注目されていた時期でもあり「大谷の代わりにいろいろと奔走しているのだろう」。そう勝手に解釈していたが、改めて思うとわざわざ水原容疑者がチーム練習中に記者席で電話をする必要があったのか…。やはり不自然だったと言わざるを得ない。

 

 長年連れ添った“相棒”の背信行為に大谷のショックは計り知れないだろうが、身近で取材をする報道陣も少なからず衝撃を受けた今回の問題。水原容疑者の処遇は今後司法に委ねられるが、本人には猛省の上、真摯な姿勢で罪を償ってもらいたい。

 

広瀬真徳

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(氏/情報:)

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 ■ NOTE

 

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