2024年4月18日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年4月17日

日本時間:2024年4月18日(木曜日)

4時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対ワシントン・ナショナルズ

@ドジャースタジアム

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間4月18日、ドジャースは本拠地ドジャー・スタジアムでのナショナルズ3連戦の最終戦を迎え、打線が5安打に封じられて0対2で完封負け。3連戦を1勝2敗の負け越しで終え、パドレス3連戦に続いて2カード連続の負け越しとなった。ナショナルズ先発のジェイク・アービンが6回4安打無失点で今季初勝利(1敗)を挙げ、4番手のカイル・フィネガンは7セーブ目を記録。ドジャース先発のランドン・ナックはメジャー初登板で5回4安打2失点の力投を見せたが、援護がなく敗戦投手となった。

 

 ドジャースは26歳の新人右腕ナックがメジャー初登板初先発。初回にCJ・エイブラムスの5号先頭打者アーチとジョーイ・メネセスの犠飛で2点を失ったが、2回以降は落ち着きを取り戻し、5回までの4イニングを最少打者数の12人で抑える好投を見せた。しかし、ドジャース打線がナショナルズ投手陣から得点を奪えず、0対2で完封負け。1回裏一死1・2塁で無得点に終わったのをはじめ、得点圏の場面ではチーム全体で7打数ノーヒットに終わり、ナックを援護することができなかった。

 

 ドジャースの大谷翔平は「2番・DH」でスタメン出場。1回裏一死走者なしの第1打席でライトへのヒットを放つと、3回裏一死走者なしの第2打席はレフトフライに倒れたが、6回裏先頭の第3打席でもライトへヒットを放ち、2試合連続のマルチ安打となった。8回裏二死走者なしの第4打席ではセンターへヒットを放ち、今季3度目の1試合3安打をマークするとともに、今季4個目の盗塁にも成功。4打数3安打1盗塁の活躍を見せ、打率を.360、出塁率を.400、OPSを1.040としたが、チームの勝利にはつながらなかった。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

4打数 3安打 1盗塁(今季4個)

通算打率・360

OPS1・040

 

◆第1打席:

(結果)ライト前ヒット

(状況)1回1死走者なし

(投手)ジェイク・アービン右

※相手先発の右腕アービンの1ストライクからの2球目、内角高めに食い込んできた92・3マイル(約148・5キロ)のカットボールを強打。甲高い打球音を発した打球速度107・9マイル(約173・6キロ)の弾丸ライナーはあっという間に右前に弾んだ。

 

 

◆第2打席:

(結果)レフトフライ

(状況)3回1死走者なし

(投手)ジェイク・アービン右

 

◆第3打席:

(結果)ライト前ヒット

(状況)6回無死走者なし

(投手)ジェイク・アービン右

※カウント1―2からの4球目、外角低めの80・6マイル(約129・7キロ)のカーブをバットの先で拾って振り切る技ありの一打。打球速度106・7マイル(約171・7キロ)で右前に運んだ。マルチ安打は2試合連続、今季10度目。

 

 

◆第4打席:

(結果)センター前ヒット

(状況)8回2死走者なし

(投手)ハンター・ハービー右

※98マイル(約157・7キロ)台のフォーシームで押し込まれるも力負けしなかった。カウント2―2からの6球目、98・6マイル(約158・7キロ)の外角フォーシームにバットを合わせて押し込んだ。打球速度99マイル(約159・3キロ)の痛烈なライナーは中堅左に飛んだ。続くフリーマンの3球目に二盗に成功したが、得点につながらなかった。3安打は5試合ぶりで今季3度目。31安打は試合終了時点で同僚のベッツ、アストロズのアルテューベと並んでメジャートップタイ。打率を3割6分に上げ、ナ・リーグ4位につけている。

 

【コメント】

なし

 

【NEWS情報】

◯ 試合前、エンゼルス時代のメジャー1年目に監督のマイク・ソーシア氏(65)が始球式で捕手役を務めた。同氏は大谷の活躍について「信じられないアスリートであり、メジャーリーグで最高の球団の1つであるここで、素晴らしいキャリアを築くだろう。彼が来年、投げるのを楽しみにしているよ」と、二刀流の復活に期待していた。

 

 

◯ 三菱UFJ銀行のYouTubeチャンネルが18日までに更新され、同行と「ブランドパートナー」契約を結ぶ大谷が登場した。ドジャースのユニホーム姿の大谷は、MUFG代表執行役社長兼グループCEOの亀澤宏規氏とロサンゼルスで対談。「三菱UFJ銀行のブランドパートナー」と紹介された大谷は、現地の子供たちも同席する中で「挑戦」「スポーツからの学び」を語った。

 

 

◯ 米メディア「ハワイニュースナウ」は17日、大谷がハワイ島のマウナケアリゾートに別荘を購入したと報じた。オーシャンビューを臨む14区画ある高級一戸建ての1つで、価格は約1700万ドル(約25億5000万円)。シーズン前の練習のため、プライベートな打撃および投球施設も完備される予定という。ウォールストリートジャーナル電子版も「新しい高級コミュニティーで最初の住人となることと引き換えに、一等地の不動産契約を結んだ」と伝えた。

 

◯ 『MLB.com』による最新の打者パワーランキングが、現地17日に発表され、大谷は前回から順位を3つ上げ、4位にランクインした。記事では、「オオタニにとって、ここ4年で3度目のMVPを獲得するのはタフなものになる」と伝えた。そして、「これまでのところ、最善を尽くしている。彼のwOBA期待値は.470だが、実のところ、これは彼の2023年の数字よりも43ポイント高い」ことをその根拠とている。同僚のムーキー・ベッツは、引き続き1位の座を堅持し、2位にはフアン・ソト、そして3位には元同僚のマイク・トラウトがランクインしている。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「翔平はファンタスティックだった。素晴らしい仕事をした。ストライクゾーンの球に対して強い打球を放った。これを続ければ、もっと良くなる」

 

「何度か得点のチャンスがあった。(ナショナルズ先発のジェイク・アービンが)いざという場面でよく投げていた。三振もソフトコンタクトも多かった。明らかに、うちの選手は球をよく見ていなかった」

 

「彼らは必死だ。準備や努力が足りないわけではない(再び本拠地でメッツとの3連戦)ここでリセットして新しいチームを迎えるのはいいことだ。次はメッツ戦。我々の準備はできている」

 

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 ■ 球界情報

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ロバート・スティーブンソン:

◯ 日本時間4月18日、米公式サイト「MLB.com」でエンゼルスを担当するレット・ボリンガー記者はエンゼルスの右腕ロバート・スティーブンソンが右ひじの故障により2024年シーズンを全休する見込みであることを報じた。スティーブンソンはエンゼルスの今オフ最大の補強として、3年3300万ドルの契約を結んで新加入。クローザーのカルロス・エステベスにつなぐセットアッパーとしての働きを期待されていた。しかし、右肩の炎症で離脱し、マイナーでのリハビリ登板で右ひじを故障。結局、移籍1年目は1試合も登板できないまま終了となった。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷メジャー1年目指揮官・ソーシア氏の優しさ変わらず 「翔平が来年投げるのを見るのが待ち切れない」

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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 【ヤナギタイムズ】日本ハム時代の13年12月からドジャースの大谷翔平投手(29)を本格取材し、TBS系情報番組「ひるおび」、「ゴゴスマ」などに随時出演する本紙MLB担当・柳原直之記者(38)の連載コラム「ヤナギタイムズ」。今回は大谷の“恩師”に迫った。

 

 優しい笑顔は変わっていなかった。元エンゼルス監督で現役時代に捕手としてドジャースでプレーしたマイク・ソーシア氏(65)が、元球団職員の始球式で捕手役を務めた。大谷のメジャー1年目の18年にエ軍監督を務めたソーシア氏は「翔平は偉大なキャリアを築くだろう。今季もMVP級の成績を残すと思う」と期待した。

 

 当時のソーシア監督は日本ハム流を踏襲し、休養日を設けながら二刀流で起用した。慎重な一方、フル回転を期待する際は「セイゲンナシ」と日本語で語って場を盛り上げるのが定番だった。開幕直後は極度の不振に陥ったが、潜在能力を疑わず、起用し続けた。6月に右肘じん帯損傷が判明して10月に手術となったが、新人王を獲得。21、23年の満票MVPはこの時の経験なくしてないだろう。

 

 この日は「翔平が来年投げるのを見るのが待ち切れない」と2度繰り返した。18年の手術の責任を感じていたのかもしれない。タイミングが合わず、ソーシア氏と大谷の再会はかなわなかったが、いつかまたツーショットを見てみたい。

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◆ ドジャース・大谷 全米トップ並んだ31安打! 今季3度目3安打で打率・360 4盗塁目も決めた

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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 ドジャースの大谷翔平投手(29)は17日(日本時間18日)、ナショナルズ戦で今季3度目の3安打を放った。31安打は両リーグトップに並び、打率・360はナ・リーグ5位に浮上。今季19打数1安打の得点圏では一度も打席が回ってこなかったが、今季4盗塁目の二盗を決めるなど、躍動した。チームは今季初の零敗を喫し2カード連続の負け越しとなったが、孤軍奮闘した。

 

 カリフォルニアの日差しに、自然と力がみなぎる。大谷は初回に右腕アービンの内角カットボールを右前に運ぶと、6回もカーブを最後は右手一本になりながら拾い右前打。8回は右腕ハービーの98・6マイル(約159キロ)直球を中堅左にはじき返し、4万4428人の大観衆を沸かせた。

 

 タイミングを外されても食らいつき、剛速球にも振り負けない。柔と剛を掛け合わせた内容で、8回は捕手に送球を諦めさせる完璧なスタートで今季4盗塁目の二盗も決めた。デーブ・ロバーツ監督は「ファンタスティックだった。素晴らしい仕事をしてくれた」と称賛。4試合連続安打で、17試合連続出塁。打率は・360まで上昇し、リーグ5位に浮上。31安打はアストロズ・アルテューベ、同僚のベッツと並び両リーグトップに立った。

 

 元々好相性のデーゲームは、今季31打数14安打でリーグトップの打率・452と打ちまくっている。これまでデーゲームに強い理由を「たまたまじゃないですか」と語ってきたが、もう“たまたま”では片付けられない。睡眠時間を確保しづらいナイター後のデーゲームでも、スケジュール管理を徹底。結婚後も生活リズムを変えず「ギリギリまで寝る」ことが信条だ。この日も開始2時間40分前の午前9時30分に球場入り。いつも通り、蓄積疲労回避のため屋外には出ず、室内調整に専念した。

 

 16日は3打席連続で得点圏で凡退し、今季の得点圏は19打数1安打(打率・053)。試合後のロバーツ監督も「好機で積極的になり過ぎている部分はある」と渋い表情だった。松井秀喜(ヤンキースなど)の日本選手最多175本塁打に並んで以降、5試合連続で本塁打は出ていない。それでも指揮官は大谷に「これを続けられれば、一層良くなる」と期待を寄せた。

 

 チームは昨年7月30日のレッズ戦以来、今季初の零敗で、2カード連続で負け越して、地区首位ながら波に乗りきれない状況だが、大谷が孤軍奮闘した。これで年間30本塁打、30盗塁ペースで、日本選手初のトリプルスリーへの夢も膨らむ。

 

 大谷は取材対応がなく、「お疲れさまでした」とだけ話して帰路へ就いた。19日(日本時間20日)からは本拠地でメッツとの3連戦に臨む。豪快なアーチは待たずとも、自然とやってくる。(柳原 直之)

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◆ 水原一平スキャンダルに残された「最後のナゾ」…在米税務コンサルタントが指摘する“会計士の正体”「あれでは職務放棄に近い」

奥窪優木氏/情報:NumberWEB)

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 足枷をつけられたまま無表情に椅子に腰をかける頬のこけた男――。4月12日(現地時間)に、ロサンゼルス連邦地方裁判所で描かれた法廷画には、MLBのスーパースターの腹心から銀行詐欺の罪で訴追されるまでに身を落とした、水原一平容疑者の物悲しい姿が捉えられていた。

 

 その前日には、IRS(内国歳入庁)の特別捜査官を申立人とする水原容疑者の刑事告訴状が公開され、その内容にも衝撃が走った。

 

 水原容疑者が賭博中毒の泥沼に入り込んでいることが伺える、違法ギャンブル業者との生々しいやりとりや、2021年11月から2024年1月までの2年あまりにわたり、大谷の口座から総額1600万ドル(約24億円)に及ぶ預金を横領した悪質な手口が詳細に記されていたからだ。

 

 一方で、賭博への加担疑惑も取り沙汰されていた大谷が「単なる被害者」だったことが証明される結果にもつながった。

 

巨額横領事件に残された「謎」

 

 しかし、これにて一件落着というにはまだ早そうだ。水原容疑者が起こした巨額横領事件には、今なお燻り続ける謎があるからだ。

 

「果たして2年超で総額1600万ドルもの資金が消えていることに、大谷サイドは誰も気づかないものなのか――?」

 

 刑事告訴状の内容が報じられると、アメリカのネット掲示板やSNS上ではそんな疑問が次々に投げかけられた。

 

 もちろん水原容疑者が大谷の口座から横領した手口は巧妙かつ狡猾だったのは事実だ。

 

 刑事告訴状によると、大谷名義の銀行口座のひとつ、「x5848」の連絡先として自身の電話番号やメールアドレスを登録。さらに、違法ギャンブル業者への送金を依頼するため、大谷になりすまして銀行の担当者に電話をしていたことも明らかにされている。

 

 また、ドジャースで大谷の同僚でもあるタイラー・グラスノーがウェブメディアのインタビューに対して「アスリートのほとんどは自分の口座をいちいちチェックしたりしない。信頼できる人間たちに全部任せている」と述べたように、大谷本人が気づかないこと自体は十分、あり得ることだろう。

 

 一方で、大谷にはその多額の収入や資産を管理する資産管理チームが編成されていたことも刑事告訴状に記されている。主要メンバーは、会計簿記係、金融アドバイザーB.L、納税や申告を行う会計士の3人だ。

 

 このうちK.Fというイニシャルで登場する会計士は、水原容疑者が手を付けていたx5848口座について、2022年10月に「口座の資金に利息が生じたり、贈与が行われたりしている場合には誤った税務申告をしてしまう可能性がある」と懸念を表明し、水原容疑者と会合を持って取引履歴を開示するよう求めている。

 

 これに水原容疑者は「大谷翔平はA銀行の口座をだれにも知られないようにしたがっている」「利息も贈与もない」と開示を拒否している。この会合には当初、大谷自身も出席する予定だったが「体調不良により参加できない」と水原容疑者が伝えていたという。

 

 さらにK.F氏は、「大谷選手と会ったのは過去一回だけで、それ以外は(代理人のネズ・)バレロ氏か水原容疑者を介して指示を受けていた」とも証言している。

 

なぜ会計士は水原容疑者の言葉で引き下がったのか?

 

 会計士という立場にありながら、本人への確認も行わず水原容疑者の一言だけで引き下がるのは、不自然にも思える。地元紙LAタイムズに至っては、こうした資産管理チームを編成させたとみられるバレロについて「解任されるべき」とまで厳しく糾弾している。

 

 ニューヨークに拠点を構える日系会計事務所、ユニヴィス・アメリカのマネージング・パートナーの小林賢介氏はこう実情を明かす。

 

「おそらく会計士が受任した当初の段階から、『大谷選手に関するやり取りは全て水原氏が代理で行なう』という話になっていたと推察されます。つまり会計士としては水原氏=大谷選手と捉えていたわけです。契約内容が明らかでない以上、断言はできませんが、会計士の業務が個人の税務申告に限定されていたと仮定すると、会計士は監査人と異なり依頼人に雇われている側ですので、依頼人に『これ以上、所得はない』と言われれば、それに従って申告をするのみの対応をとっていたと考えられます。口座へのアクセス権も与えられていない状況だったとすれば、会計士に責任の一端を求めるのは酷だと思います」

 

 ただ、K.F氏は大谷にとって単に個人の収入の会計と税務申告を代行するだけの存在ではなかった。

 

 2022年10月、カリフォルニア州で「2WP.INC」なる会社が設立されている。

 

 その登記情報には、CEO、CFO、秘書の欄にそれぞれ「Shohei Otani」の名が記載されている。そこに「登録代理人」として名を連ねているのが、K.F氏だ。

 

 カリフォルニア州在住のビジネスコンサルタントが解説する。

 

「カリフォルニア州では会社登記の際に、『登録代理人』を選定する必要があります。税務や法務関連の通知や書類を受け取る連絡窓口とされていますが、実質的に会社の身元保証人のような存在でもある。代理人代行サービスに依頼するか、顧問となる弁護士や会計士が務めることもあります」

 

 つまりK.F氏は大谷個人だけではなく、大谷が代表を務める法人とも密接な関係があることになる。

 

担当会計士は「地元では大物税務コンサルとして有名」

 

 また前出のコンサルタントはK.F氏について、「地元では大物税務コンサルタントとして名を馳せている人物」とも明かす。

 

 K.F氏の事務所のホームページには、「25年以上にわたり、富裕層個人および非上場企業に税務コンサルティングおよびコンプライアンス・サービスを提供」「エンターテインメント・プロフェッショナル、プロ・アスリート、および関連事業体に対する豊富なサービス経験を有している」などと書かれており、いわゆる“セレブリティ”を顧客として抱えていたことが窺える。

 

「K.F氏は会計士業務にとどまらず、大谷の税務コンサルタントを務めているという噂は以前から耳にしていました。会社設立も、彼からの節税アドバイスによるものではないでしょうか。しかし刑事告訴状に書かれている内容は、そんな敏腕税務コンサルタントのイメージからあまりにも程遠い。

 

 法的な責任問題はともかくとして、単純にその手腕には疑問符が残ります。大谷選手の収入がいかに莫大であっても、そのうち1600万ドルもの大金が消えていることに気づかないなど、あまりにも杜撰すぎるからです」(前出・コンサルタント)

 

水原容疑者が盗んだ額は「年間所得に相当」

 

 移籍に際し、ドジャースと7億ドルの巨額契約を交わして話題となった大谷だが、そのほとんどは2034年以降に受け取ることになっている。『MLB.com』や『フォーブス』の報道を総合すると、大谷の2021年から2023年までに得た収入(選手としての年俸+広告出演料など)は、およそ1億ドルと見積もられる。

 

「カリフォルニア州の高額な所得税や、代理人やマネジメント会社、弁護士や税務スタッフへの支払いを差し引くと、手元に残るのは4000万ドル~5000万ドルの間だったと試算されます。つまり水原容疑者が大谷選手の口座から盗んだ1600万ドルは、この3年間の平均年間所得に相当するほどの額なのです。x5848口座には少なくともそれだけの金額が入金されていたことになる。

 

 告訴状によるとK.F氏はx5848以外の口座の取引履歴は全て把握していたとされているので、x5848口座にどれだけ多額の金額が入金されていたかは、球団サイドから送られてくる源泉徴収票などを確認すればわかるはず。もし水原容疑者の言うように利息や贈与がなかったとしても、口座の資金で不動産を購入していた場合などは節税につなげるアドバイスもする必要がある。仮に大谷選手本人の意思だとしても、それだけの規模の口座を自らの管轄から外すというのは税務コンサルタントとしては職務放棄に近い」(同前)

 

 かつては同じアメリカスポーツ界でも、NBAのスター選手だったケビン・ガーネットが「総額7700万ドル(約115億円)の資産を使い込んだ資産管理人を野放しにしていた」として、資産管理チームの別の会計士を訴えたケースもあった。

 

 最近の大谷の成績を見るに、“水原ショック”からはすでに抜け出したように見えるが、だからこそ「チーム大谷」の今後についても再検証が必要なのかもしれない。

 

(「メジャーリーグPRESS」奥窪優木 = 文)

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 ■ NOTE