2024年4月13日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年4月12日

日本時間:2024年4月13日(土曜日)

11時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対サンディエゴ・パドレス

@ドジャースタジアム

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間4月13日、ドジャースは本拠地ドジャー・スタジアムで同地区のパドレスとの3連戦がスタートし、その初戦は延長11回までもつれる熱戦の末に7対8で敗れた。勝利したパドレスはリリーフ陣が合計6イニングを1安打無失点に抑える好投を見せ、7番手のロベルト・スアレスが今季初勝利(0敗)をマーク。ドジャースはリリーフ陣が山本由伸の2勝目を消してしまい、7番手のアレックス・ベシアに2敗目(0勝)が記録された。

 

 マイケル・キングと山本の投げ合いで始まった一戦は、1回表にパドレスがマニー・マチャドの3号2ランで先制。ドジャースは1回裏に大谷翔平の4号ソロで1点を返したが、2回表に金河成(キム・ハソン)に2号ソロを浴び、再び2点ビハインドとなった。しかし、直後の2回裏にマックス・マンシーの3号ソロとムーキー・ベッツの6号3ランで4点を奪い、逆転に成功。3回裏にはテオスカー・ヘルナンデスも5号2ランを放ち、7対3とリードを広げた。

 

 ところが、ドジャースのリリーフ陣が踏ん張れず、6回表にジェイク・クロネンワースの3号ソロで1点を返されると、7回表にはフェルナンド・タティスJr.の5号2ランなどで7対7の同点に。試合はそのまま延長タイブレークに突入し、11回表にジャクソン・メリルのタイムリーで勝ち越したパドレスが8対7で勝利した。

 

 ドジャース先発の山本は2本塁打を浴び、5回91球、被安打4、奪三振6、与四球1、失点3で降板。勝利投手の権利を持っていたが、リリーフ陣が同点に追いつかれたため、2勝目を挙げることはできなかった(1勝1敗、防御率4.50)。

 

 ドジャースの大谷は「2番・DH」でスタメン出場し、初回の第1打席で4号ソロ。これがメジャー通算175本目の本塁打となり、松井秀喜の日本人最多記録に並んだ。その後、2本の二塁打を放ち、日米通算1000安打も達成。長打を3本放ち、5打数3安打1打点で今季の打率は.353、OPSは1.098となっている。

 

 パドレスの松井裕樹は7対7の同点に追いついた直後の7回裏に3番手として登板。大谷に二塁打を浴び、一死2塁のピンチを招いたが、無失点で切り抜けた。1回15球を投げて被安打1、奪三振2、与四球1、失点0で4試合連続無失点となり、今季の防御率を1.08としている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

5打数 3安打 1打点 1得点 1本塁打(4号)

通算打率・353

OPS1・098

 

◆第1打席:

(結果)ホームラン

(状況)1回1死走者なし

(投手)マイケル・キング右

※2点を追う初回一死無走者で相手先発は右腕キング。1ボールからの2球目、外角高めのフォーシームを逆方向へ。角度25度、打球速度107・3マイル(約172・8キロ)で左中間に伸びるとそのままスタンドに飛び込んだ。飛距離403フィート(約122・8メートル)だった。大谷が7年目でゴジラに並んだ。716試合、2941打席目の到達は松井をはるかに上回るスピード。

 

 

 

◆第2打席:

(結果)センターライナー

(状況)2回2死走者なし

(投手)マイケル・キング右

※あわや左中間を抜けるかという104・9マイル(約168・8キロ)のライナーを中堅手がダイビングキャッチしていた。

 

◆第3打席:

(結果)レフト線2塁打

(状況)5回無死走者なし

(投手)マイケル・キング右

※カウント1―2からの4球目、外角低めのシンカーに態勢を崩されるも泳ぎながら何とかバットを当てた。左翼線にフラフラと上がった飛球は切れずにフェアグラウンドに落ちた。メジャートップの今季9本目の二塁打はメジャー通算704本目の安打。日本での296安打と合わせて日米通算1000安打を達成した。

 

◆第4打席:

(結果)ライト線2塁打

(状況)7回1死走者なし

(投手)松井裕樹 左

※松井裕樹と2度目の対戦が実現し、甘く入ったスプリットを右翼線に弾き返して2本目の二塁打とした。

 

 

◆第5打席:

(結果)センターライナー

(状況)9回1死走者なし

(投手)トム・コスグローブ左

 

 

【コメント】

試合後

――松井秀喜氏の記録に並んだ

「率直にうれしいですし、日本の野球界にとっても大きいことかなと思います」

 

――山本由伸投手の投球は

「決して悪い投球ではなかったと思います。たまたま大きいのがが出て失点しましたけど、比較的テンポよく投げていたと思います」

 

――チームの戦いぶりは

「毎回のようにチャンスになりますし、1人1人が仕事をしている。なかなかかみ合うというか、競った試合を落としたのは残念ですが、比較的いい粘りだと思うので、また切り替えて頑張りたいと思います」

 

ーー訴追について・・・?

(球団広報)野球の質問のみにしてください。

 

――松井秀喜氏と並んで

「個人的にも、日本の野球界にとっても大きいことかなと思います。個人的にはまた次の1本。切り替えてまた頑張りたいと思います」

 

――175本への思いは

「知ってはいましたけど、次の1本、次の1本というのが考え方なので。1本打ったら次の1本が大事かなと思います」

 

――松井氏の存在について

「長距離打者として、僕が小さい頃から見て来て、同じ左バッターとして憧れの存在です。そういう方に記録で並べたのは幸せなことだと思います」

 

ーードジャースの日本生まれのホームラン記録は知ってるか

わかんないです。(笑)

(記者)ロバーツ監督です。

 

――日米通算1000安打に到達した

「アウトの打席もいいというのが一番。それだけ(安打の)チャンスにもなる。ヒットになった以外の打席も良かったと思います」

 

――日本選手トップの本塁打

「具体的に何打席で何本塁打とか分からないので、正確には言えないですけど、体も大きいですし、長打は1つの売りではあるので、その強みを生かしていきたいと思います」

 

――本塁打の打席を振り返って

「プレートからちょっと外れている難しいボールだったので、そこをホームランできたのは基本的にはいいスイング軌道だなとは思いますけど、ボール球を見送るのは鉄則なので、その観点では手が出ているので、良い所と悪い所があると思います」

 

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【NEWS情報】

 

◯ 大谷が放った新天地での1号本塁打をキャッチしたアンバー・ロマンさんが12日(日本時間13日)、パドレス戦前にクラブハウスの外で大谷との対面を果たした。自身のX(旧ツイッター)に、家族と一緒に大谷と対面し記念撮影をした様子を投稿した。Xでは記念撮影の写真とともに「生涯最高のバースデーでした!」と投稿した。

 

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◯ 松井秀喜氏がヤンキース、エンゼルス、アスレチックス、レイズで10年かけて積み上げた本塁打数に大谷は7年で到達。そんな頼もしい後輩を松井氏も心から祝福した。「大谷選手は昨年、メジャーリーグでホームランのタイトルを取ったほどのパワーも技術もある選手です。私のメジャーリーグで打ったホームラン数は私自身誇れる数字ではないと感じていますので、今後も大谷選手が200、300、400本と日本の野球ファンの皆さまが喜ぶ数字を残していく事を私も応援しております」とコメントを発表。

 

◯ 松井秀喜氏に並ぶ日本選手最多の通算175本塁打。このメモリアル球をキャッチしたのが、ロサンゼルス在住のアレン・カマチョさんだ。「本当にうれしいよ」と声を弾ませた。彼女のクリスタル・ベネガスさんと左翼スタンドから観戦した。大谷の記念球とあって周囲から熱い視線が注がれ、「500ドル(約7万6000円)」と“競売”が始まった。それでも、カマチョさんは「売らないよ。キープするつもりだ」と断言。「S1」と刻印の入ったボールを左手に握りしめた。ベネガスさんも大興奮。実は「2年ほど前」にホームランボールを取り損ねたという。「長い間、この時を待っていたの。これを売ったりしないわ。特にオオタニの一発。うれしいわ」と声を弾ませていた。

 

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◯ 大谷がフランスの老舗スポーツ紙「レキップ」が発行する週刊誌の4月12日号で表紙を飾った。ドジャースのユニホーム姿でバットを構えた写真に、大きな赤い文字で「SHO」と見出しがついている。フランスで野球はマイナースポーツ。日本人選手がスポーツ界で世界最高額の契約を結んだことで、異例の注目を集めているようだ。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「少し明確になって、ショウヘイが前進できることを嬉しく思っている。最終的に決断が下され、彼(大谷)は無罪となり、私たちはそれを信じていた。もう過去のこととして、野球をプレーするために前進できることを望んでいる」

 

「ショウヘイがこのような重荷を背負っていることに私は同情している。彼はそれをうまく対処し、パフォーマンスに影響を出さなかった。正直なところ彼はとても良い選手だと思うよ。ポーカーフェイス(苦笑)とは言いたくないけど、彼はとてもストイックなんだ。彼はただプロで野球がしたいだけなんだ」

 

山本由伸投手:

「(パドレスとは)2度目の対戦にはなりましたけど、特にそこは気にすることなく、しっかり自分のピッチングをすることに集中して試合に入りました。カウントがフルカウントになるバッターも多かったですし、もっともっとストライク先行していけたらよかったかなと思います。次に繋げたいです」

 

「(ホームランを打たれた)途中からはなんとか立て直せて、なんとか粘って投げられたので、次はもっと立ち上がりからしっかり良いボール投げてもう少し長いイニング投げていけたらもっとチームに貢献できるかなと思います」

 

「松井さんは僕が子供の頃からずっと活躍していた方で、凄さは十分にわかっている。そこに翔平さんが今回並んだというのは本当に凄いことだなと思います」

 

松井裕樹投手:

「(大谷との勝負)映像を見たらど真ん中だったんで、あのクラスのバッターは逃してくれないなというのはあるので、ボール先行カウントになってしまったので、その辺りも次にしっかり生かせるようにしていきたいです」

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷 メジャー通算175号 松井秀喜に並んだ日本選手最多タイ 事件も野球も「一区切り」

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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「区切り」の一発だ。ドジャースの大谷翔平投手(29)が12日(日本時間13日)、パドレス戦で松井秀喜(ヤンキースなど)の日本選手最多に並ぶメジャー通算175号の4号ソロを放った。日米通算1000安打目の二塁打も記録するなど3安打1打点。銀行詐欺容疑で訴追された元専属通訳の水原一平容疑者(39)が裁判所に出廷し、事件が節目を迎えた中、新たな一歩を踏み出した。

 

 外角高め、それもボールゾーンだった。初回1死。大谷は右腕キングの95・4マイル(約153キロ)を振り抜き、左中間席の最前列に着弾させた。日本選手最多に並ぶメジャー通算175号のメモリアルアーチ。大型ビジョンに「Congratulations」の文字が躍り、球場が祝福ムードに包まれた。

 

 「個人的にももちろんうれしいけど、日本の野球界にとっても大きいこと」

 

 自身の節目を喜ぶだけでなく、日本球界の未来の扉をこじ開けたことに意味があった。「(本塁)プレートからちょっと外れている難しい球。それを本塁打にできているのは基本的に良いスイング軌道」。松井が量産した引っ張った一発ではなく、大谷が「調子のバロメーター」とする逆方向への一発だった。

 

 同じ左打ちのスラッガーである松井を、エンゼルス時代の公式ガイドに「好きな打者」として挙げていた。初対面は15年3月21日。東京ドームでデレク・ジーター氏も出席したチャリティーイベントに、当時20歳の大谷も参加した。直接キャッチボールも行い「体が大きくてオーラがあった」と感激した。「長距離打者として小さい頃からずっと見てきた。同じ左打者として憧れの存在。そういう方に記録で並べたのは凄く幸せなこと」と言った。天性の能力も求められる本塁打。「体も大きいし、長打が一つ売りではあると思うので、そこの強みを生かしていきたい」とうなずいた。5回には日米通算1000安打目の左翼線二塁打。7回のパドレス・松井との日本人対決でも右翼線二塁打を放った。

 

 「区切り」の一日だった。試合前に自身の口座から不正送金した銀行詐欺の疑いで訴追された元通訳の水原容疑者が裁判所に出廷。ロサンゼルス・タイムズ紙の取材に応じた大谷は「捜査に感謝している。個人的には一区切りとし、野球に集中したい」と語った。日本ハムに入団した13年に出会ってから11年。交錯する思いをバットで断ち切った。

 

 初回に失点した先発の山本を援護するアーチで一時逆転へ勢いづけたが、試合は延長11回タイブレークの末に敗れた。本塁打の打席に関して「基本的にはボールを見逃すのが鉄則。手は出ているので良いところと悪いところがある」と反省も忘れなかった。「どこを目指すとかではなくて、一本打ったら次の一本が大事」。常に高みを目指す大谷らしい言葉を紡いだ。(柳原 直之)

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◆ 大谷翔平に厳戒態勢 試合後囲み取材で野球以外の質問禁止…米記者からは質問飛ぶも広報が制す

(情報:スポーツ報知)

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 ドジャース・大谷翔平投手(29)が12日(日本時間13日)、本拠地・パドレス戦に「2番・指名打者」でフル出場し、松井秀喜氏の持っていた日本人メジャー最多の通算175本塁打に並ぶ3戦ぶりの4号ソロを放ち、日米通算1000安打に到達するなど、5打数3安打1打点だった。

 

 この日の試合前には、元通訳の水原一平容疑者(39)が、米カリフォルニア州ロサンゼルスの連邦地裁に出廷。不正送金で銀行詐欺容疑で米連邦当局に訴追され、解雇直前の3月20日以来、約3週間ぶりに公の場に姿を見せた。水原容疑者がおおむね容疑を認めている事から、大谷の潔白も改めて証明された。

 

 試合後の囲み取材では、事前に広報が「野球のことだけで」と告知し、水原容疑者への質問を制限し、それでも米記者からは関連質問が出たが、広報が制す厳戒態勢だった。

 

 試合前にロサンゼルス・タイムズ紙は、大谷が「司法省の捜査には非常に感謝しています。私個人としてはこれで一区切りがつき、野球に集中したいと思っています」との声明を発表したと報じた。

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◆ それでも“オオタニ主犯説”を捨てられないアメリカ人が見た“事件の闇”「MLB最大の隠蔽だ」「カネで買収したニオイがする」

飯塚真紀子氏/情報:文春オンライン)

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〈《全37Pの訴状を読む》水原一平容疑者が“ギャンブル沼”に堕ちたワケ「くそう、全部負けた」「これが本当に最後の1回だ」「アメリカに戻ったら返済する」〉  から続く

 

 現地時間4月12日、大谷翔平選手(29)の元通訳の水原一平容疑者(39)は司法当局に身柄を拘束された。大谷選手の銀行口座から24億5000万円以上不正に送金を行なった疑いで訴追されたのである。

 

 ただアメリカ人の中には保釈された水原容疑者ではなく“大谷主犯説”を捨てきれない人もいるというのだが……。ロサンゼルス在住のジャーナリストが伝える“アメリカ人が見た事件の全貌”。(全6回の6回目/ 前回を読む )

 

◇◇◇

 

銀行員をだまし大谷選手の口座から大金を送金

 2018年3月、大谷選手は、MLBの給料入金用の銀行口座を開いたが、それを手伝ったのが水原容疑者だった。水原容疑者は、この口座から、2021年11月15日、ペイパルのXoom.comを通じて、初めて、40,010ドルの不正送金に成功している。

 

 また、水原容疑者は大谷選手のふりをして、銀行の従業員を騙すことにも成功していた。2022年2月2日、水原容疑者は大谷選手のふりをして銀行に電話、大谷選手の自動車ローンを送金すると嘘をついて胴元に電信送金しようとしたが、上手くいかず、銀行はオンライン取引を一時停止した。しかし、大谷選手の個人情報を把握していた水原容疑者は、個人情報に関するセキュリティーの質問に答えて、オンライン取引の一時停止を解除、大金の送金に成功した。

 

 大谷選手の口座へのコンタクト先も、水原容疑者の携帯電話や水原容疑者に繋がる匿名のメールアドレスに変更され、大谷選手には銀行からコンタクトが行かないように操作していた。

 

 水原容疑者は、大谷選手の代理人や財務アドバイザー、会計士を騙すことにも成功している。

 

 その背景には、大谷選手が代理人とミーティングする際には、水原容疑者が常に大谷選手に同伴して通訳し、代理人は個人的に通訳を雇うなどして直接大谷選手とやりとりすることがなく、常に水原容疑者を通じてやりとりするという状況があった。彼らは、大谷選手が絶大な信頼を置いていた水原容疑者の言うことを信じ切っていたわけである。

 

税金申告の打ち合わせに「大谷選手は病気で参加できない」とウソ

 問題の大谷選手の口座についても、彼らは税金申告上の問題が生じないか懸念し、水原容疑者に何度も問い合わせていたが、水原容疑者は「口座は個人的なもので、大谷選手は口座を誰にもモニターされたくない」と言って、口座を見せなかったという。税金申告を前に予定していた会計士とのミーティングには、水原容疑者は一人で姿を現し、「大谷選手は病気で参加できない」などとも話している。

 

 水原容疑者は、野球カードを転売してお金を稼ごうともしていたようだ。2024年1月から3月にかけて、大谷選手の口座から、野球カードの売買がよく行われているeBayとWhatnotのサイトに32万5000ドルが送られていた。水原容疑者は「ジェイ・ミン」という偽名でドジャースのクラブハウス宛に約1000枚の野球カードを郵送させていたという。

 

 大谷選手と水原容疑者との間で交わされた約9700ページに及ぶテキストメッセージも調査されたが、スポーツ賭博に関する話や胴元に関する言及、大谷選手が水原容疑者の賭博のことを知っていたことを示唆する話、口座を個人的なものにして代理人らには公開しないとする話は交わされていなかった。

 

 何より、水原容疑者自身が、大谷選手の口座からお金を盗んだことを認めていた。ロサンゼルス・タイムズが水原容疑者の賭博スキャンダルを報じた件については、3月20日、「記事を読んだか?」と問うた水原容疑者に対し、胴元は「ああ、あれはみな出鱈目だな。君が盗んでいないことは明らかだ。君が(オオタニのことを)かばっていることは完全に理解しているよ」と答えたが、水原容疑者は「厳密に言えば、僕は彼から盗んだんだ。僕はもう終わりだ」と告白している。

 

それでも大谷選手が関わっていると考えるアメリカ人の言い分

 さすがに、これだけ詳細な訴状が出たら、これまで「オオタニを刑務所に送れ」などと言っていた人々もぐうの音も出ないだろうと思ったのだが、そうでもないことに驚かされている。「かわいそうなショーヘイ。イッペイは極悪人だ。彼はショーヘイの友達ではなかった、友達のフリをしていただけだった」「オオタニの潔白が証明された」と大谷選手に同情を示したり潔白に安堵したりする声はあるものの、Xにはそれでもまだ、大谷選手も関わっていたと考える“オオタニ・ヘイター”がいるのだ。

 

「オオタニが賭博をしていたんだ」「1600万ドルという大金がなくなったのに気づかないのはおかしい」「無実の男がマルチ・ミリオネアーの罪を被ろうとしている」「MLB最大の隠蔽だ」「金で買収したにおいがする」「オオタニは有罪だ」といった声や「通訳はオオタニの名誉を汚さないために罪を被っている。日本人がとてもやりそうなことだ」と日本人に批判的な声もある。

 

「オオタニはFBIやIRS(アメリカ内国歳入庁。日本の国税庁に当たる機関)も買収した」「FBIは、MLBがオオタニ陰謀論を隠蔽するのを助けようとしている」と米政府も事件に加担しているという声まである。米国民の政府に対する不信感はそれだけ根深いのかもしれない。

 

 いまだに大谷選手を疑う声があがり続けている状況を、陰謀論を捲し立てるドナルド・トランプ氏のせいにする見方もある。

 

「非常にはっきりした。オオタニは被害者だ。(オオタニの)ヘイターたちは彼は被害者ではないと言い続けるだろうが、トランプ時代にいるので、どうしようもないな」

 

 大谷選手が疑問に答えていないと批判的だった米メディアは、今や「オオタニは潔白」と明言している。大谷選手が胴元への送金を知らなかったことに懐疑的な見方をしていたロサンゼルス・タイムズのコラムニスト、ビル・プラシュケ氏は「オオタニの無実は証明され、彼の伝説はギャンブラーとしてではなく、野球スターとして続く」と題されたコラムを掲載し、「被害者だ。オオタニは野球賭博をしなかった。彼はスポーツ賭博をしなかった。彼はこの胴元で賭博をしなかった」と被害者であることを強調している。

 

アメリカ人が考える「大規模窃盗が起きたワケ」

 もっとも、同氏は大谷選手の問題点について言及することも忘れていない。「明らかに、オオタニは起きている時間のほとんどを史上最高の野球選手になることに捧げているため、他の生活にはあまり注意を払っていない。それが問題だ」と述べ、「この大規模窃盗は、お金を無視している世間知らずのお金持ち、正真正銘の子供であるオオタニがぼんやりと傍観している間に起こった」と皮肉な指摘もしている。

 

 この事件を教訓に、大谷選手が正真正銘の子供から野球以外の生活にも注意を払うことができる“大人”に成長するのか、アメリカ社会は注目している。

 

飯塚 真紀子

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◆ 水原一平容疑者の代理人が声明を発表「大谷氏に謝罪したいと望んでいる」

(情報:中日スポーツ)

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 ドジャースの大谷翔平選手の銀行口座から1600万ドル(約24億5000万円)以上を不正に送金した銀行詐欺容疑で訴追された水原一平容疑者が12日、捜査当局に出頭し、身柄を一時拘束された。その後、ロサンゼルスの連邦地裁に出廷し、2万5000ドル(約380万円)の保釈金支払いなどを条件に保釈が認められた。

 

 水原容疑者の代理人を務めるマイケル・フリードマン弁護士が声明を発表。「本日、水原氏は自首し、初出頭し、連邦政府との合意通り保釈された。 水原氏は引き続き法的手続きに協力するとともに、一日も早く本件を解決し、責任を取って合意できることを望んでいる。 彼は、大谷氏、ドジャース、メジャーリーグ、そして彼の家族に謝罪したいと望んでいる。 法廷で述べたように、ギャンブルの治療を受けることも望んでいる。 現時点ではこれ以上のコメントは控えるが、法的手続きが進めば、改めてコメントを発表する予定」とした。

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