2024年4月10日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年4月9日

日本時間:2024年4月10日(水曜日)

8時40分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対ミネソタ・ツインズ

@ターゲット・フィールド

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間4月10日、ドジャースは先発のタイラー・グラスノーが7回88球を投げて被安打3、奪三振14、与四球0、失点0という素晴らしいピッチングを見せ、ツインズに6対3で勝利。明日の最終戦を残し、敵地ターゲット・フィールドでの3連戦の勝ち越しを決めた。キャリアハイに並ぶ14奪三振をマークしたグラスノーは3勝目(0敗)を記録。ツインズ先発のルーイ・バーランドは4回表と5回表にそれぞれ3ラン本塁打を浴び、5回7安打6失点で2敗目(0勝)を喫した。

 

 ドジャースは序盤から毎回のように走者を出しながらもなかなか得点できなかったが、4回表一死1・2塁のチャンスでジェームス・アウトマンが2号3ランを放ち、3点を先制。5回表一死1・2塁の場面ではウィル・スミスに1号3ランが飛び出し、リードを6点に広げた。先発のグラスノーはツインズ打線に散発の3安打しか許さず、7回14奪三振無失点と素晴らしいピッチングを披露。リリーフ陣がツインズ打線に3本塁打を浴び、3点を返されたものの、6対3で勝利した。

 

 ドジャースの大谷翔平は「2番・DH」でスタメン出場し、見逃し三振、ライトへの二塁打、レフトフライ、空振り三振、セカンドゴロで5打数1安打。連続試合安打を6に伸ばしたが、連続試合マルチ安打は5でストップした。今季の打撃成績は打率.333、出塁率.369、OPS1.019となっている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

5打数 1安打 2三振

通算打率・333

OPS・1.019

 

◆第1打席:

(結果)見逃し三振

(状況)1回無死1塁

(投手)ルイ・バーランド右

※カットボールに反応できず見逃し三振。

 

◆第2打席:

(結果)右中間2塁打

(状況)3回2死走者なし

(投手)ルイ・バーランド右

※無死走者なしからバーランドの2球目のカットボールを芯で弾き返すと、火の出るような打球が一、二塁間を破り、あっという間に右翼フェンスまで到達。打球速度183キロの〝弾丸ゴロ〟二塁打で規格外のパワーを見せつけた。

 

 

◆第3打席:

(結果)レフトフライ

(状況)5回無死1塁

(投手)ルイ・バーランド右

※初球の内角高めフォーシームを打ち上げて左飛。

 

◆第4打席:

(結果)空振り三振

(状況)6回2死1、2塁

(投手)ブライソン・サンズ右

※スプリットに空振り三振。

 

◆第5打席:

(結果)セカンドゴロ

(状況)8回2死満塁

(投手)ブロック・スチュワート右

※内角カットボールに手が出て二ゴロ。

 

【コメント】

なし

 

【NEWS情報】

 

なし

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「彼は明らかに本当に才能のある投手。我々は何年にもわたってタイラーを相手側から見てきたが、1球目から90球目(正しくは88球目)まで彼は完全にゲームをコントロールしていた。無四球だったことも素晴らしい。試合を支配していた。彼は大リーグのどのチームでもエース。今日それを実証した。グレートジョブだった」

 

「(スミスにもようやく今季初本塁打が飛び出した)スミスも間違いなくBIG3の後ろの選手として必要な選手」

 

「(大谷が175HRに迫っていることに対して)松井は傾向としてはプルヒッターで、大谷が逆方向や真ん中よりに打つことが多い。松井は素晴らしい選手で、対戦できたことは光栄に思うが、彼の記録はまもなく破られるね」

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ドジャース・大谷 球団124年で初!デビュー14戦で長打12本 183・4キロの超速二塁打

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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 ドジャースの大谷翔平投手(29)は9日(日本時間10日)、ツインズ戦で6試合連続安打となる右翼線二塁打。ド軍初出場から14試合で12長打となり、1901年以降の球団新記録となった。両リーグ最多タイの20安打、単独トップの8二塁打と好調をキープ。チームの連勝とナ・リーグ10勝一番乗りに貢献した。

 

 強烈な衝撃音を残した打球が、一気に右翼フェンスに到達した。わずか3・75秒。しかも一塁線ではない。一、二塁間を抜けて右翼手が追いつくことができなかった、打球速度114マイル(約183・4キロ)の超速二塁打。存在感を見せつける一打で連続試合安打を6に伸ばした。

 

 歴史的一打だった。これで開幕から14試合で12本目の長打。大リーグ公式サイトのサラ・ラングス記者によれば、ド軍選手の初出場から14試合での12長打は1901年以降初めての快挙だ。12長打は、すでに5本塁打の同僚ベッツらの9本を上回る両リーグトップ。20安打は打率・400をマークする4番スミスらに並ぶ両リーグトップタイで、8二塁打は単独トップだ。

 

 「彼は非常に安定している。まさに我々が3人の後に必要とする選手だ」とデーブ・ロバーツ監督。ベッツ、フリーマンのMVPコンビと、この日、5回に3ランしたスミスの主軸に、大谷が今季加わった意味の大きさを改めて認めた。自己最長を更新する6試合連続マルチ安打、松井秀喜に並ぶ日本選手最多のメジャー通算175本塁打はならなかったが、厚みを増した打線でこの日も勝利。リーグ10勝一番乗りを果たして、ナ西地区では唯一の貯金生活となる貯金6で、首位をキープする。

 

 「調整法を含めて(打撃)ケージでのドリルもいろいろ試しながらやっている」と7日からはクリケット用のバットを打撃練習で使用して好調さを加速。この日の二塁打が今季自身2番目に速かった打球速度では、ここまで今季チームトップ10のうち9を占める。

 

 日米通算1000安打まではあと3。新天地の記録を塗り替えながら、大谷のバットがさまざまな数字を積み重ねていく。(柳原 直之)

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◆ 「負担増えている」発言、大谷翔平は3回繰り返した…ピッチクロックへの意見を米国メディアも注目「がっかりした」ケガ人続き、スター選手も不満

生島淳氏/情報:NumberWEB)

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 けが人、けが人、またけが人。

 

 メジャーリーグでは開幕前、そして開幕して2週間も経っていないうちに、エース級の投手の戦線離脱が相次いでいる。

 

 ゲリット・コール(ヤンキース)、スペンサー・ストライダー(ブレーブス)、シェーン・ビーバ―(ガーディアンズ)、ユーリ・ペレス(マーリンズ)、フランバー・バルデス(アストロズ)といった一線級の投手たちが、ローテーションから離脱することになってしまった。

 

 優勝争いに大きな影響を与えかねない故障が相次いでいることに対して、メジャーリーグの選手会は、昨季から導入されたピッチクロックが影響しているのではないか、という声明を出した。

 

 メジャーリーグでは昨季から試合時間の短縮を意図して、走者がいない場合に投手は15秒以内、走者ありの場合は20秒以内に投球動作に入らなければならないというルールを定め、実際に時間短縮に大きな効果があった。そこに味をしめたメジャーリーグは、今季から走者がいる場合の制限時間を18秒へと短縮した。

 

「選手会」vs「MLB機構」

 この“改革”は選手の健康を損ねているのではないか? そうした声が上がっていたが、メジャーリーグの選手会は、4月6日、「回復時間が短くなったことで、体への影響は深まっている」とし、「変化の影響を認めたり、研究したりするのにリーグが消極的なのは、選手にとって前例のない脅威だ」と容赦がない。

 

 興味深いのは、選手会の声明に対してメジャーリーグ機構側が即座に反論したことだ。

 

「選手会の声明は、腕の怪我と高い相関関係にある球速と、スピンレートの上昇という経験的証拠と数十年にわたる重大な長期的傾向を無視している」

 

 つまり、ピッチクロックよりも投手の出力増大が故障につながっていることを、「お前さん方、無視しちゃいけませんぜ」と反論を展開したのである。

 

 もっとも、メジャーリーグ機構も「誰も投手の故障を望んでいない」とし、長期的なスパンでの故障者の増加について調査を行った結果、「ピッチクロックが故障を増加させたという主張を支持する証拠は見つからなかった」とした。

 

「ケガの最大の理由は球速」

 一方で冷静な論評もある。

 

「ジ・アスレティック」のユーノ・サリス記者は、「故障の最大要因は、球速の上昇」とハッキリと書いたうえで、「フライボール革命」を経て打者が有利になってきた趨勢で、投手たちは常に全力で投げることが必要となり、その結果として平均球速は上昇し、けがのリスクが増大したと書いている。

 

「現在の野球は最大限の努力が求められるゲームになった」

 

 という言葉は、ひじょうに重い。速球を投げられる天賦の才に恵まれた者ほど、リスクが高い。なんと切ないことか。

 

「負担は増えている」大谷翔平は3回繰り返した

 そしてこの件について大谷が口を開いた。4月8日、記者団とのやり取りのなかで、このように答えた。

 

「間違いなく負担は増えている。それは間違いないとは思うので、レスト、リカバリーというか、体への負担自体、短い時間で多くの仕事量をこなすというのは、負担自体は間違いなくかかっているとは思います。それがどの程度、今回のに反映されているかっていうのは確証はないですし、自分の感覚として、それはあるんだろうなと思いますけど」

 

 さらに、球速やスピンレート、それに加えてピッチクロックが故障に影響しているのかについて質問を受けた大谷はこう答えた。

 

「球質自体を上げていくという作業もそうですし、なおかつ自分のベストのボールを投げ続けなければいけない。もちろん僕はピッチャーをやっているので、手を抜くではないですけど、軽く投げていくシチュエーションというのは、先発ピッチャーでもなかなか少ないというのはもちろんそうだと思いますし、ピッチクロックというのは間違いなく、体への負担自体は増えていると思います」

 

「がっかりした」スター選手の不満

 今回、大谷が自分のスタンスを表明したことには大きな意味があると思う。昨季、大谷自身が故障し、手術を受けた当事者であり、その言葉は説得力を持つ。事実、今回の発言はロサンゼルスのメディアだけでなく、アメリカで広く報じられることになった。

 

 メジャーリーグ機構も、球界を代表するスターの発言については軽々しく扱うことはできない。大谷の他にも、ゲリット・コールはESPNの取材に対して「がっかりした」と前置きしたうえで、

 

「野球という産業、プロダクトにおいて、選手というものは最も重要な資産だ。そして選手のケアについては、メジャーリーグ側にとっても、そしてわれわれ選手にとっても本当に大切なことなんじゃないのか」

 

 とピッチクロックへの不満をあらわにした。

 

 大谷、コールといった球界を代表する選手の発言は変化を促す可能性はある。

 

 それでも、ピッチクロックの短縮と故障の因果関係の証明はなかなか難しいから、今季中のルール変更は難しいと思われ、メディアではこの問題がシーズンを通して議論されていくと思われる。

 

 もし、これからも投手たちの故障があいつぐようだとすると――。試合時間の短縮で喜んでいたメジャーリーグ側も、さすがにルールの再検討をせざるを得なくなるかもしれない(ただし、統計的に3月、4月に故障が多いのもまた事実である)。

 

プロ野球への影響はあるのか?

 さて、この問題で気になるのは日本への影響である。

 

 日本の試合はアメリカより長い。2023年、NPBの平均試合時間は3時間7分だった(9回試合のみ)。過去10年を見てみると、2013年、2014年は3時間17分だったから、10分ほど短縮されていることにはなる。ただし、テンポの良いメジャーリーグの試合を午前中に見てしまうと、日本の試合は冗長に感じてしまう。

 

 NPBも試合時間短縮には積極的に取り組んでおり、今季からは選手の登場曲の長さを「10秒以内に徹底」することを決めた。もともと「試合時間短縮に向けての施策」の中で、

 

「選手が打席へ向かう際に流す場合、テーマソングの演奏時間は、試合時間短縮を考慮して(中略)可能であれば10秒以内に抑えること」

 

 と明文化していた。しかし、運用面で徹底されることはなかったため、昨年11月のオーナー会議で、10秒以内というルールを「厳守」することが確認され、今季から実施されている。

 

 私からすると、「そこじゃないだろ」とツッコミを入れたいところだが(実際に球場で聞くと、物足りなさを覚える)、試合時間の短縮を本気で考えるなら、個人的にはピッチクロックの導入は不可欠だと考えていた。しかし、アメリカから今回のような問題が提起されると、簡単に導入のための論陣を張ることは難しくなる。

 

 ましてや、海の向こうで大谷が声を上げたとなると――回りまわって日本球界にも影響を及ぼすことになる。

 

 ピッチクロックと故障という新たな問題。大谷翔平の発言の意味は決して小さくはない。

 

(「スポーツ・インテリジェンス原論」生島淳 = 文)

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 ■ NOTE