2024年4月9日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年4月8日

日本時間:2024年4月9日(火曜日)

8時40分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対ミネソタ・ツインズ

@ターゲット・フィールド

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間4月9日、ドジャースは敵地ターゲット・フィールドでのツインズ3連戦がスタート。その初戦は6回表に1点差を追いつくと、7回表に2本のソロ本塁打で勝ち越しに成功し、4対2で逆転勝利を収めた。ドジャース先発のジェームス・パクストンが6回3安打2失点の好投で2勝目(0敗)を挙げ、4番手のエバン・フィリップスは4セーブ目を記録。ツインズは先発のベイリー・オーバーが5回3安打1失点と好投したが、2本塁打を浴びた3番手のジェイ・ジャクソンが今季初黒星(0勝)を喫した。

 

 ドジャースは初回に大谷翔平の二塁打などで無死2・3塁のチャンスを作り、フレディ・フリーマンの犠飛で先制。3回裏にマニュエル・マーゴの1号2ランで逆転されたが、6回表に大谷の二塁打から無死1・3塁とし、ウィル・スミスのタイムリーで2対2の同点に追いついた。そして、7回表先頭のジェームス・アウトマンが1号ソロを放ち、勝ち越しに成功。二死後、大谷にも逆方向への3号ソロが飛び出し、4対2で勝利した。

 

 4試合連続マルチ安打と打撃好調の大谷は「2番・DH」でスタメン出場し、5打数3安打1打点の活躍。初回と6回表の二塁打、7回表の3号ソロと放った3安打はいずれも長打だった。マルチ安打を5試合連続に伸ばし、1試合3安打は今季初。今季はここまで全13試合に出場し、打撃成績は打率.345、3本塁打、8打点、OPS1.056となっている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

5打数 3安打 1打点 2得点 1三振 1本塁打(3号)

通算打率・345

OPS・1.056

 

◆第1打席:

(結果)センターオーバー2塁打

(状況)1回無死1塁

(投手)ベイリー・オーバー右

※一塁に四球のベッツを置いて打席へ。先発・オーバーの5球目の148キロのストレートを叩くと、強い打球がセンター後方に転がり、余裕で二塁を陥れた。無死二、三塁とチャンスメークし、続くフリーマンの右中間への中犠飛で先制点を挙げる。

 

 

◆第2打席:

(結果)センターライナー

(状況)3回2死走者なし

(投手)ベイリー・オーバー右

 

◆第3打席:

(結果)左中間2塁打

(状況)6回無死走者なし

(投手)スティーブン・オカート左

※2番手・オカートのインハイに来た初球シンカーを左翼線に落として2本目の二塁打。フリーマンの右前打で三塁まで進むと、スミスが右前に適時打を放って同点のホームを踏んだ。

 

 

◆第4打席:

(結果)ホームラン

(状況)7回2死走者なし

(投手)ジェイ・ジャクソン右

※二死走者なしからジャクソンの4球目の137キロの真ん中に入ったスライダーをとらえ、高々と左翼席まで3号ソロを運んだ。この日はすでに2安打してメジャー自身初の5試合連続マルチ安打をマークしており、3安打目で逆方向に特大アーチを描いてみせた。

 

 

 

◆第5打席:

(結果)見逃し三振

(状況)9回1死1塁

(投手)コディ・ファンダーバーク左

 

【コメント】

試合前

――移籍後初アーチから好調だが、きっかけは。

「いろいろ変えたりとか、調整法も含めて(室内練習場の)ケージでのドリルも含めていろいろ試しながらやっています」

 

――5~7日に初めてプレーしたリグリー・フィールドの風や球場の雰囲気はどうだったか。

「打者目線では今回、風が厳しかったですけど、クラシカルな球場の雰囲気は個人的には好きなので、きれいな昔ながらの美しい球場だと思いました」

 

――この2日間の間に投手の肘のケガが多くなって、原因の1つにピッチクロックが挙がっている。

「間違いなく負担は増えている。それは間違いないと思う。レスト(休養)というかリカバリーというか、体への負担は、短い時間で多くの仕事量をこなすというのは負担自体は間違いなくかかっていると思う。ただ、それがどの程度今回のに反映されているかは確証はない。自分の感覚としてそれはあるんだろうなと思います」

 

――今の投手は球速やスピンレートを追い求める傾向があるが、ピッチクロックが負傷の要因につながっていると思うか。

「球質自体を挙げていく作業もそうですし、なおかつ自分のベストのボールを投げ続けなければいけないというのも、もちろん僕はピッチャーをやっているので、手を抜くではないですけど軽く投げていくシチュエーションが先発ピッチャーでもなかなか少ないのももちろんそうだと思います。先ほど言いましたけど、ピッチクロックは間違いなく体への負担は増えていると思います」

 

――本塁打を打ったことによって心の余裕はできたか。

「それはあると思います。1本出るかどうかっていうのも全然違うと思うので。打席の中での余裕ももちろん違いますし、メンタルの部分で余裕を持って打席に入れるのは大きな違いかなと思います」

 

――元通訳の水原一平氏が違法賭博問題で解雇され、試合前や試合中の準備への影響は。

「まだ数週間で、今は遠征に来ているのでホテルで何かをするということもないですし、今のところは自分で球場に来て、何かやったりとか練習したりというところで。もちろんチームのみなさんのサポートもありますし、コーチ陣のサポートもすごく感じているので、そこは凄くありがたいと感じています」

 

――グラウンド外でいろいろ起きた中、どうやって集中力を保っているか。

「野球をやるときはそのことは考えていないですし。変な話、やってきた技術は基本的には変わらないと思うので、それを信じてグラウンドの中で100%表現するのが僕の仕事なのでグラウンドの外で何があってもかわらないところかなと思います」

 

――スローイングのリハビリが始まって、どのような状況か。

「今は順調に。昨日も投げましたけど、本当にスモールステップですけど、徐々に徐々に強度も延ばしながら、球数も延ばしながら順調にきているかなと思います」

 

――どの練習方法を活用し始めてスイングが良くなったか。

「動画を撮って、ここをこうしようああしようと話していますし、昨日2回凡退した後はクリケットのバットで打ったりとか。ハハッ。昨日2安打したので今日もやろうかなと思っています」

 

――負傷した原因の因果関係か分からないが、投球フォームでこれを残そう、残さないとかは考えているか。

「投げ方で軽減できる範囲がどの程度なのか、球速との因果関係が結構強いと思うので。例えば160キロ投げるのと同じ投げ方じゃなかったとして、160キロ投げられるのがどの程度動き方によって軽減できるかは正直クオリティーの方が僕の感覚ですけど、どの投げ方というよりかはしょうがない部分がある。そのクオリティーをどの程度保証していくかというか、1試合の中でマネジメントしていくかっていう方が、ケガをしない観点で見ると大事かなと思います」

 

――負担を軽減できるフォームがあるとするなら、それを可能とする体にするために取り組んでいることは?

「それはやっぱり全体で分散していくしかないと思うので。昔で言えば、例えば下半身で投げなさいよみたいなことが感覚的に言えばそうなるんでしょうけど。それを全体で分散していく。投げ方によってはどこかに頼って投げていくこともありますし。球速とかに関して言えば、どちらかといえば動き方もそうですけど、イメージというかこういうふうにいけそうだなというイメージがあれば、どんな投げ方でも意外に速く投げられると思うので。それを効率良く分散していく投げ方というのは、大事なんでしょうけど、昨季も言いましたけど、クオリティーが上がるとどうしても負担が出る場所があるのかなと思うので」

 

――打撃に関して、最初の構えが大事だと話していた。力を伝えるための最後の場所が右腕になると思うが、どうすれば納得のいく打球が打てる?

「打球の角度自体はスイング軌道で決まるとは思っているので、そのスイングの軌道は構えから決まっています。なので、構えが大事だっていうのが僕の考え方ではあるので。構えが決まれば軌道もよくなるし、力の伝わるスイングになるしっていうところですね」

 

――いつも打撃の最後に構えを確認するのは自分の考えを整理するため?

「そうですね。直後じゃないと、今のがどうなっていて、どういうふうな見え方で、軌道で振った方がいいのかってイメージしておかないと。やった直後が一番落とし込めるかなと思います」

 

――クリケットのバットは通常のバットより太いが、使う効果は?

「クリケットのバットは面になっているので、面で捉えていくというか。どちらかというと体を振って、(好調になる前はバットを)返しているのが早いスイングではあったので、握った時に練習の一環として良さそうだなと思ったのでやりました」

 

――昨季との違いとして、グラウンド外では奥さま、愛犬がいる。生活の変化は。

「基本的な生活のリズムは変わっていないです。ギリギリまで寝て来る感じなので、基本的には変わっていないですけど、ここ数週間いろいろあったので、隣に誰かいるかどうかはだいぶ違う。そういう意味ではいてくれてよかったなと思うときはあったかと思います」

 

――食事は以前自分で食べてからきたが、結婚して食生活は? 

「今はいろいろ今回のあれでもそうですけど、決まっていたことをいろいろ変えなきゃいけなかったりとかしているので、まだそんなに生活の基盤ができていない。リズムができていない。今は普通に作ったりとかはなくて、何か頼んだりということで食事はしています」

 

――現在、メジャー通算173本塁打まできているが、松井秀喜さんの日本選手最多の175本への思いは?

「もちろん早く打ちたいなって。そこまでというより次の1本、次の1本っていうことだと。シーズン中は特にそうだと思うので。今日もし打ったら、また明日打てるように。その次の日もその次の日もっていう感じなので。もちろん特別な数字ではあるので早く打ちたいなと思います」

 

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【NEWS情報】

 

◯ 大谷の3号ソロをキャッチしたのはツインズファンのディラン・シャックさん(20)。彼女でドジャースファンのエリー・キャンペルさんとともに観戦に訪れ「かなり非現実的なことが起こった。俺に一体、何が起こったんだ。翔平はネクスト・ベーブ・ルース。絶対、売らないよ」と大興奮。移籍後1号は大谷の手元に戻り、2号は敵地カブスのファンがグラウンドに投げ返したため、初めてファンが持ち帰る本塁打球となった。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「ショウヘイは好調をキープしている。センター方向へ打てているし、打ち取ることが難しい。彼ほどいい打者はいない。素晴らしいことだ。秘密兵器のクリケットバットを使う選手が出てくるだろう」

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ドジャース大谷 ピッチクロックにもの申す!「間違いなく負担は増えている」投手故障者続出の原因「ある」

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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 ドジャースの大谷が米球界に一石を投じた。試合前に行われた取材対応。大リーグで投手の故障が相次いでいる原因に、投球間に時間制限を設ける「ピッチクロック」が挙げられることについて意見を求められると、口調は自然と強くなった。

 

 「間違いなく負担は増えている。レスト(休養)、リカバリー(回復)、短い時間で多くの仕事量をこなすことで(体への)負担自体は間違いなくかかっている」

 

 「投手・大谷」は昨季からピッチクロックによる体への負担を実感。右肘のじん帯損傷を招き、2度目の手術を経験した。「どの程度、今回(の故障者続出)に反映されているか確証はない」とした上で、「自分の感覚として、それは(原因がピッチクロックに)あるんだろうなと思う」と言い切った。

 

 近年の大リーグはデータ分析やトレーニングが進化し、投手の100マイル(約161キロ)超えが珍しくなくなった。体への負担が大きくなった要因とされ、大谷は「球質自体を上げ、なおかつベストのボールを投げ続けなければいけない。軽く投げるシチュエーションが先発投手でもなかなか少ない」と言う。

 

 翌年からの投手復帰へ向け、始動に大きな変化を加えている。以前はセットポジションで両足を平行にそろえて立っていたが、今は左足を一足分、前に置く。スムーズな体重移動、右肘への負担軽減、ピッチクロック対策で“始動”を分かりやすくするなどさまざまな狙いが考えられる。

 

 大谷は「間違いない」という言葉を4度も繰り返した。今や「メジャーの顔」である大谷が断言した意義はとてつもなく大きい。(柳原 直之)

 

 ▽ピッチクロック 試合時間短縮を目的に投球間に制限時間を設けるルール。MLBが昨年から採用した。投手は捕手から球を受けてから走者なしの場合は15秒。ありの場合は昨年より2秒短い18秒以内に投球動作を始めないと1ボールが宣告される。打者は残り8秒までに打つ準備を整えなければ1ストライクが宣告される。

 

 ≪ダルも苦言「しんどいですよ」≫パドレスのダルビッシュがピッチクロックについて言及した。「しんどいですよ、やっぱり。体のダメージが年齢なのか自分はかなり微妙なところにいる」。メジャー全体で投手の故障が急増している背景も分析。「16年ぐらいから、ボールが飛ぶようになった」とした上で、「ピッチャーはもっと球を速く投げたり、全力で投げにいかなきゃいけない。それは危ないと思っていました」と持論を展開した。

 

 ≪バーランダーは球速や回転数の増加も関連と指摘≫大リーグでは今季も投手の故障が相次いでいる。昨季サイ・ヤング賞のコール(ヤンキース)は右肘痛で離脱中。前日には昨季20勝のストライダー(ブレーブス)の右肘じん帯損傷が発表された。選手会は6日にピッチクロックを批判する声明を発表し、「回復する時間が十分でない」と警告。一方で、現役最多257勝のバーランダー(アストロズ)は「ピッチクロックのせいにするのは簡単だが、実際は全てのことが少しずつ影響している。一番は投球スタイルの変更で、みんな全力で高回転で投げている。まさにパンデミックだ」と球速や回転数の増加も関連していると指摘した。

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◆ 大谷翔平「今回のアレ」 水原一平氏を指す単語なし…記者が感じた“騒動のショック”

小谷真弥氏/情報:Full-Count)

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 ドジャース・大谷翔平投手の複雑な思いがにじみ出た。元通訳の水原一平通訳が違法賭博の疑いで解雇となってから約3週間。8日(日本時間9日)の敵地・ツインズ戦の3時間前に囲み取材が行われた。ビジターにも関わらず、日米メディア約30人超が集まった異様な注目度。当然、騒動に関連する質問も全17問のうち4問ぶつけられた。

 

 3月25日(同26日)の騒動に関する声明発表では水原氏について、「信頼していた方」「彼」「一平さん」と呼び名が変化。大谷の動揺もうかがえたが、この日は違った。「そのこと」「今回のアレ」と話すのみで、水原氏を指す単語を発する回数はゼロ。もう水原氏を思い出したくないのか、気持ちを切り替えようとしているのか。さまざまな感情の動きを感じ取れた。

 

「野球をやる時に、特にそのこと(水原氏の騒動)を考えてはいないですし、変な話、やってきた技術だったりというのは、基本的には変わらないと思うので。それをまずは信じて、グラウンドの中で100%表現するというのが僕の仕事なので。そこはグラウンドの外で何があっても変わらないところかなと思います」

 

 水原氏の騒動は米メディアも注目するニュースだ。「どう集中力を保っているか」。上記のコメントはこんな米メディアの質問に対しての回答だ。違法賭博疑惑が解決するまでついて回るスキャンダルとなるが、もう触れたくないのが正直なところか。

 

 これまでの2人の関係を鑑みると、水原氏は大谷の銀行口座の暗証番号なども知っている間柄で、違法ブックメーカーへも独断で振り込める。それだけ親しい間柄だったと思っている。2018年のメジャー移籍後は常に相棒。「今回のアレでもそうですけど、決まっていたことをいろいろ変えなきゃいけなかったりしているので。まだそんなに生活の基盤というのが出来ていない」。食生活の変化について聞いた際のコメントには、ショックの大きさが感じられた。

 

「仕事」では7回に左越えへ3号ソロ、4打数3安打1打点でマルチ安打を自己最長の5試合連続に伸ばした。「もちろんチームの皆さんのサポートもありますし、コーチ陣、フロントのサポートもすごく感じている。今すごくありがたいなと思っています」。1日でも早く心底笑える日を……。そんな大谷をただただ待ちたい。

 

小谷真弥 / Masaya Kotani

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◆ 「オオタニは被害者だ」“水原騒動”に地元ファンはブーイングどころか…「一緒に応援しようぜ」大谷翔平ドジャース“韓国とLA開幕”観戦記

AKI氏/情報:NumberWEB)

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 現地時間8日のツインズ戦で第3号を放つなどホームラン量産体制に入りつつある大谷、2試合連続で好投した山本由伸の活躍で注目が集まるロサンゼルス・ドジャース。MLBフリークかつスポーツメモラビリアに明るいAki氏が、韓国のソウルシリーズとLAでのホーム開幕戦を生観戦した。現地ファンの“リアルなオオタニ評”に加えて、観戦旅行を予定しているファンに向けて、エンゼルスとは違う面など“ドジャースタジアムの歩き方”をレポートしてくれた。(全3回の第1回/第2回、第3回へ)

 

「デビュー戦」というフレーズは心高まるもの。

 

 大谷翔平のエンゼルスでのMLBデビュー戦、初勝利を現地観戦した。だからこそ今回、10年7億ドル(約1015億円)という北米スポーツ史上最高額の契約を結んだドジャースでのデビューを目に焼きつけるため、韓国での開幕シリーズ2試合、そしてドジャースタジアムのホーム開幕戦から4試合を現地観戦してきた。そこで……。

 

〈韓国初戦後の水原氏報道による感情の乱高下や韓国、ロサンゼルスの現地の反応〉

 

〈現地ドジャースショップのグッズの状況や球場内飲食店事情〉

 

〈ドジャースタジアムとエンゼルスタジアムの違いや行き方・手荷物などの注意点〉

 

 今回経験した3つのテーマを、今後ロサンゼルスで観戦される方のために記しておきたい。

 

チケット争奪戦の中で韓国の開幕戦を見られたが

 

 初めて韓国の地で開催された、MLB公式戦。会場となった高尺スカイドームは座席数1万6744席という少なさで、大谷のドジャース移籍によるチケット争奪戦の様子がメディアを賑わせたが――韓国在住の友人がチケットを手配してくれたお陰で2試合を現地観戦する幸運に恵まれた。一方で初戦の翌日、大谷が今まで行動を共にしてきた水原一平元通訳の報道が駆け巡る、衝撃の2日間となった。

 

 初戦はパドレス金河成(キム・ハソン)の凱旋試合ということもあり、試合前から球場の熱量も物凄かった。大谷はダルビッシュ有から移籍後初安打を放つなど、接戦の好ゲームとなった。

 

韓国人女性の友人が残念そうな表情で…

 

 翌日の第2戦こそホームランを、と期待する高揚感に溢れていた――そんな初日だったと記憶している。そんな高揚感から奈落の底に落とされたような気持ちになったのは、2日目の朝7時過ぎのことだった。

 

 えっ、悪い夢? 今日はエイプリルフール? 

 

 当初は前述のニュースを上手く理解することができなかった。

 

 時間が経過するにつれて詳細が明らかになる中で、そんな状況では大谷はスタメンを外れるのでは? 不安を抱えながら球場に向かった。この日もチケットを手配してくれた韓国人の友人と一緒に観戦したのだが……。

 

「何で今日なの? 韓国が終わって米国に戻ってからでも良かったのに」

 

 という彼女の言葉と残念そうな表情が印象的だった。それと同時に韓国の方々に対して、少し申し訳ない気持ちになった。

 

金河成と同等以上に大谷ユニを見ただけに

 

 大谷がスタメンを外れることはなかったが、この日初めて姿を現したのはプレーボール直前のスタメン発表時。もしこの事態がなければ韓国のファンの前でフリーバッティングを披露して、看板に何度も当てるなど衝撃の打撃を見せてくれたかもしれない、と考えた。

 

 試合でもライトへの大飛球がスタンドに一歩届かなかった打席を見て、もし大谷が睡眠時間をしっかりと確保できていたら届いてたのでは……など、どこかモヤモヤした中での観戦となってしまった。それでも韓国のファンは金河成と同等、むしろそれ以上に大谷を温かく迎えてくれたし、ユニフォームの数でも大谷が一番多かったように思う。

 

 今回の韓国シリーズが盛り上がっていたことは間違いない。ただそれだけにもっと純粋に野球だけを楽しめる環境であって欲しかった――そんな韓国の開幕シリーズだった。

 

ドジャースタジアムでの開幕戦、現地の雰囲気は?

 

 そして1週間後、次はドジャースタジアム、ホームでの開幕だ。米国のファンは今回の事態を受けても温かく迎えてくれるのか、ブーイングなどあったらどうしよう? そうなったとしても、全力で声援と拍手を送ろう。そんなことを考えながら、ロサンゼルス行きの便に乗った。

 

 ロサンゼルスでの開幕戦当日、朝はまだ春先ということもあって肌寒い空気だったが、いつものロサンゼルスらしい真っ青な空が広がっていた。開幕戦はデーゲームなので、練習も調整程度だろうと考えながら球場へ向かった。

 

 球場に入ると、大谷待ちと思われる日本の報道陣が多数ベンチ前で待機していた。他の選手はアップを始め、山本由伸もブルペン入りする姿も見ることができたが、大谷は練習時間まで姿を現すことはなかった。

 

 試合開始前の入場ではバックスクリーン後方から青のカーペットが敷かれ、両脇に選手の家族や関係者が見守る中、監督・選手が登場する演出だった。デーブ・ロバーツ監督、ムーキー・ベッツに続いて大谷が登場、2番DHコールの中、球場は大歓声に包まれ、少し安堵したことを思い出す。

 

 この際、大谷の表情には笑顔が溢れていたのがとても印象的だった(この場に真美子夫人やデコピンもいてくれたら……とも想像したが)。

 

「オオタニ、被害者だよね」「一緒に応援しようぜ」

 

 国歌斉唱、セレモニーを経て試合開始。1回裏、ついに大谷の第1打席が回ってくる。実は試合開始前、近くに座る地元ファン数人と話してみた。

 

「絶対に大歓迎だよ」

 

「オオタニ自身は賭けもやってないって言ってたし、被害者だよね」

 

「全く気にしてないよ。一緒に応援しようぜ!」

 

 少なくとも自分が話した限りは、大谷に否定的なファンにはひとりもいなかった。ただ打席となると話は別で多少のブーイングがあるかも……など思いながらその時を待った。

 

歓迎のスタンディングオベーションと「HOT・AIR」

 

「2番DH・SHOHEI OHTANI~!」

 

 1番のベッツが四球で出塁後、球場にコールがなされる。それを掻き消すような地響きのような大歓声が球場中を包む。そして一斉にファンが立ち上がった。

 

 スタンディングオベーションだ。

 

 ブーイングの声は聞こえない。温かい歓迎の空気が広がり、全くの杞憂に終わったと同時に、この瞬間をここで迎えられ、その熱気に触れられたことだけで今回の旅の目的は達成された。そして大谷はそのファンの歓迎に応えるようにホーム初打席で初ヒットを放った。

 

 ほっこりとした気分に浸りながら、この日の熱気をボトルにそっと詰めた。となりに座った女性ファンには「HOT・AIR」と説明しておいた(伝わったかどうかは不明だが)。

 

ドジャースタジアムの熱、そしてショップのリアルを見た

 

 韓国シリーズ2試合、そしてホーム開幕戦からの4試合の計6試合を――家族の大いなる理解もあって――現地観戦し、大谷のヒット計7本を見ることができた。

 

 ホームランを目撃することこそ叶わなかったが、ドジャースでの第1号ホームランの着弾点は筆者が現地ライトスタンドでグローブを構え、観戦していた位置付近だった。もし取ったら大谷へ返却するシミュレーションを入念に行っていたのだが、次回への楽しみに取っておきたいと思う(と同時に、キャッチされた方、本当におめでとうございます)。

 

 そんな大谷と山本が新たな挑戦の舞台に選んだドジャースタジアムでは、ショップにてさまざまなグッズ、“あの日本食”も販売されていた。そしてビールは日本円にして、1杯約2850円――スタジアムで目の当たりにした価格感や注意点なども紹介できればと思う。

 

<つづきは第2回>

 

(「メジャーリーグPRESS」Aki = 文)

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◆ 「ビール1杯2850円、銀だこは…」大谷翔平・山本由伸ユニも物価高+円安「“1万円値上げ”で3万5000円」ドジャース本拠ショップ価格事情

AKI氏/情報:NumberWEB)

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 大谷翔平と山本由伸にとって新たな本拠地となるドジャースタジアム。そのグッズショップや飲食店に関する情報を記しておきたい。

 

「日本円に換算しちゃうと買えないよね」

 

 ドジャースタジアムには入場前でもオープンしているグッズショップが1カ所、入場後のスタジアム内にはスポーツメモラビリア専門ショップなどを含めて複数ある。

 

 今回、全てのショップを見て回ったが、どのショップでも本当に多くの人が大谷や山本のユニフォーム、キャップを吟味していた。

 

 さらに日本人観光客だけではなく、現地ファンで溢れていた。日本では大谷のユニフォームが品薄なようだが、ショップでの現実的な状況としては……飛ぶように売れているというよりは、じっくりと吟味・選別して購入されている印象だった。

 

「日本円に換算しちゃうと買えないよね」

 

「そこは計算しないで勢いで」

 

「せっかくだから買いたいよね~」

 

「あー、でも高いなぁ……どちらか1個だけにしようか」

 

「オンラインでも買えるよねー」

 

 そんな会話が近くでされていたのが印象的だった。

 

 そう、歴史的な円安と物価高で何もかもが高いのだ。実感として去年アメリカに観戦に来た時よりも一段と高く感じた。

 

入団時は“約2万5000円”だったユニが“1万円値上げ”

 

 大谷のユニフォームは、昨年入団発表時に公式オンラインショップで購入したのだが、その時には175ドル(約2万5000円、1ドル=約143円)だった。

 

 店頭に並んでいるものを見ると、232ドル(約3万5000円、1ドル=約150円)と57ドルも値上げされている……さすが商売上手のドジャース、歴史的な売り上げに乗じてさりげなく値上げしていた。日本円に換算すると、この数カ月で1万円値上げの感覚だ。

 

 また、球場内のメモラビリアショップでは大谷のサイン入りユニフォームやパネルなども販売されていた。ただ……。

 

 大谷サインボール:4995ドル=約75万円、サイン入りパネル:7495ドル=約112万円、そして大谷が実際に打ったファールボールにサインされたボールは、なんと1万4995ドル=約225万円。観戦ついでのお土産として購入するには、手を出しにくい価格設定となっていた。

 

 グッズやメモラビリアだけではない。球場内では食事や飲み物の値段も日本円に換算してしまうと、買いにくい状況が待っている。ただそれでもお腹はすくし、買ってしまうのだが……これから観戦される方への参考に記しておきたい。

 

 球場内には複数の飲食店があるが、名物といえばやはり「ドジャードッグ」になるだろう。いわゆるホットドッグで日本のサイズよりは少し大き目、値段は8ドル(約1200円)。少し大き目とはいえ成人男性の夕食としては胃を満たしてはくれない。

 

 そして観戦のお供と言えばビールだが、これも19ドル(約2850円)。日本でも東京ドームなど球場の生ビールは高い(現在の巨人戦では900円)印象をお持ちの方も多いと思うが、この金額感を知ると日本でのビールは安く感じてしまう。

 

「築地銀だこ」6個入りで約2100円、日本なら…

 

 他には、今年から球場に出店された「築地銀だこ」にも長蛇の列が出来ていた。

 

ただ偶然、「銀だこ」を渡米前日に都内で食べていて、LAのたこ焼きにチャレンジする気にはどうしてもなれなかった。なぜなら日本で食べた「ねぎだこ」は8個入りで税抜680円、一方ここでは6個入りで13.99ドル(=約2100円)だったので……。

 

 また、ソフトドリンクはお土産カップ付のドリンクで11ドル(=約1650円)となる。

 

 少しでも節約を考えるなら、未開封のペットボトルやスナックなどは持ち込み可能なので、日本から持参することをお勧めする。筆者はホテルや良席での観戦にお金を懸けたいと考えているゆえ、お茶のペットボトルを毎試合2本ずつ持ち込んでいた。ただ、そこは考え方次第ゆえ、それぞれの最良の選択をしてもらえれば幸いだ。

 

重要:球場内は現金が使用できない+終了後の再入場NG

 

 そのほかにもスタジアム内での観戦において、重要な点を記載しておきたい。

 

 ドジャースタジアム内では、現金は一切使用できないのでクレジットカードの準備をすることも忘れないようにして欲しい。

 

 試合後にも注意点がある。グッズショップでお土産を買いたい方も多いと思うが、試合終了後に一度球場を出てしまうと、どんな理由であっても再入場は不可となる。全てのグッズショップへの導線が球場内からのみで、出口には警備員が立っていて逆流できないのだ。

 

 かく言う私も初日、すぐに外に出てしまった。

 

 シャトルバスを待つ時間が掛かりそうということもあって「トイレにだけ戻らせてくれ」と交渉したものの、一切受け付けてもらえず。「では外にトイレはあるのか?」と聞いたら「それもない」とのこと。ルールとはいえ、厳しすぎる(冷たすぎる)とも感じた。同じように外に出てしまい、ショップに行けない日本人観光客の姿も多数見掛けたので、球場外へ出る前にやり残したことがないか、確認してもらえればと思う。

 

 以上、マイナスに思う点も率直に記したが、このドジャースタジアムはメジャーでも3番目に古く、歴史のある、とても素晴らしい球場である。時間が許す限り、色々と歩き回って楽しんで欲しい。

 

 今回、ドジャースタジアム初観戦ということで、大谷の愛犬「デコピン」と同じく初観戦の証明書をいただいた。初観戦、という方はぜひこちらの入手もお忘れなく。

 

「ロッカーか車に預けて来い!」

 

 そんなドジャースタジアムでは、日本のプロ野球の本拠地、そして大谷がかつて所属したエンゼルスの本拠地エンゼルスタジアムとの違いが数多くある。「ロサンゼルス」という名前がつく中でも観戦環境が大きく異なる注意点をお伝えしていければと思う。

 

 なぜなら、日本人ファンが現地でこのような声を掛けられていたからだ。

 

「ロッカーか車に預けて来い!」

 

<つづきは第3回>

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◆ 大谷翔平応援ボードも大型カメラも「預けてこい!」持ち込みNGでエンゼルスと大違い…治安の悪い地域も《ドジャースタジアムとLAの歩き方》

AKI氏/情報:NumberWEB)

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 この先ドジャースタジアムへ観戦旅行に行かれる方、検討されている方向けに、

 

(1)球場への往復手段に関して

 

(2)ドジャースタジアムの持ち込み手荷物についての注意点

 

 以上2点を、これまで大谷翔平がエンゼルス時代に本拠地として戦った、アナハイムのエンゼルスタジアムとの違いを交えながら説明する。特に今回、多くの日本人が入場に際して苦労する姿を多数見てきたので、皆さんが行かれる際に、楽しい旅が台無しにならないためにも……という思いである。

 

ドジャースタジアムへの移動手段は3つある

 

《ドジャースタジアムへの往復手段に関して》

 

 昨年まで大谷が所属していたエンゼルスは、ロサンゼルス郊外のアナハイムに位置していた。それもあって、球場への徒歩圏内にたくさんのホテルが存在していた。

 

 一方でドジャースの本拠地、ドジャースタジアムはロサンゼルスの中心部にある。ダウンタウン近くの丘の上にあるため、ホテルから球場へ徒歩で向かうということはないはず。基本的にはダウンタウンのホテルに宿泊して球場へ向かうというパターンになると思う。

 

 その際の移動手段としては、

 

(1)無料シャトルバス(ダウンタウン・ユニオンステーション駅からスタジアムまで試合日に無料運行)

 

(2)UberやLyftなどの個人配車サービス

 

(3)レンタカー 

 

 以上の3つが、主な選択肢となる。それぞれのアクセス方法、留意点について触れていく。

 

シャトルバスは無料。ただ試合開始90分前の運航

 

(1)無料シャトルバス

 

 行き:ダウンタウンにあるユニオンステーション駅から無料で球場まで行くことができる。出費を抑えるには一番良い手段だが、デメリットとしては試合開始の90分前からの運航であること。

 

 道が空いていれば15分程度で球場に到着するが、試合直前に空いていることは考えにくく、最低でも30分は要するだろう。開場時間は試合開始の2時間前になるので、少し早めに球場に行ってグッズショップで買い物を楽しんだり、練習を見たい場合は不向きな移動手段となる。

 

 帰り:乗り場は長蛇の列で、シャトルバスに乗るまでに約1時間要した。乗ってからも渋滞でユニオンステーション駅まで30分かかるが、渋滞はどの移動手段にしたとしても変わらない。個人で行かれる方はこの手段が主流になるだろう。

 

 そしてユニオンステーション駅から、後述するUber等の配車サービスでホテルへ戻るのが現実的な選択肢か。いずれにしても試合が終わってからホテルに戻るまで、かなりの時間を要する。ナイトゲームなど遅い時間帯になる場合には、体力を残しておくことが大事になる。

 

行きでオススメしたいのはUberなど配車サービス

 

(2)配車サービス

 

 行き:配車サービスは複数存在するが、Uberはドジャースタジアムのパートナーとなっている。

 

 球場入場ゲートを伝えれば近くまで行って降ろしてくれるので、こだわりがなければUberの利用が良いだろう。ダウンタウンのホテルから10ドル前後(需給のバランスで料金が変動、試合開始が近くなるにつれて価格は上昇する)で球場まで行けるので、シャトルを待つストレスなど考えるとこちらの一択か。

 

 帰り:大渋滞が見込まれるためドライバーも来たがらず配車がしにくいこと、配車できても待っている人が多く車を見つけにくいこと、試合後は高額になってしまうこと、などの理由で帰りの利用はお勧めしない。

 

 ただ前述の無料シャトルには運行時間があるので、ショップなどに寄ったりするなどして既にシャトルがない場合には、Uber乗り場へ行って配車を行なうのがベターな使用方法に感じる。

 

リトル・トーキョーの“大谷さん壁画”もお忘れなく

 

 なお、シャトルが停車するユニオンステーション駅から徒歩約10分のリトル・トーキョーに位置する日系のホテル「ミヤコホテル」には今シーズン開幕に合わせて、大谷の壁画が登場している。ホテル横のQRコードを読み込み、壁画にかざすと大谷が動き出す、というAR体験もできるのでぜひお試しあれ。

 

(3)レンタカー

 

 開始直前や終了直後はかなりの渋滞が発生するので、時間にゆとりをもって行動することが必須となる。また駐車料金は1試合30ドル(=約4500円)など、それなりに掛かるのとゲートでの現金支払いも不可なので注意が必要だ。

 

 近隣に安く提供している非公式の駐車場もあるようだが、今回は利用していないので不明。加えて、ドジャースタジアムの駐車場は数が多く、広大である。試合の入場ゲートを確認した上で停車しないと、かなりの距離を歩くことになるので注意が必要だ。

 

応援ボードに傘…持ち込みNGは数多い

 

《持ち込み手荷物に関して》

 

 エンゼルスタジアムと異なり、ドジャースタジアムの手荷物規制はかなり厳しい印象だ(テロ対策などの側面もあるのだろう)。多くの日本人がそこで止められていたので、主なポイントについて記載しておきたい。

 

《一眼レフ等のカメラ》

 

 大きさの規定が厳格のようで、前に並んでいた日本人のファンも「ロッカーか車に預けて来い!」と係員に突き放されていた。

 

 公式サイトによると〈カメラのレンズは6インチ(=15.24cm)を超えてはならない〉となっている。望遠レンズを伸ばした状態で大きさを測られていたので、エンゼルスタジアムよりもかなり厳しく見られている印象だ。セキュリティも常に定規のようなもので測っていて、確認がほぼスルーだったエンゼルスタジアムとの違いは歴然だった。

 

《応援ボード》

 

 大前提として、ドジャースタジアムでは「いかなる応援ボードの持ち込み・掲出もNG」となっていることを強調しておきたい。観戦に来た日本人家族の子供が一生懸命準備してきたと思われる応援ボードも、止められていた(係員の対応はカメラと同様である)。エンゼルスの中継などで応援を彩る光景として日本ではお馴染みだったこそ、注意が必要だ。

 

《傘》

 

 ロサンゼルスは雨が降らないことで有名だが、スコールはたまに発生する(今回の観戦では実際に雨に降られた……)。ただ球場へは折り畳みを含めて、いかなる傘も持ち込み不可となる。雨が降りそうな場合はレインコートなどを準備して球場へ向かう必要がある。

 

《タバコ/ライター》

 

 ドジャースタジアムは球場内外すべての敷地で禁煙である。愛煙家には辛い観戦になると思うが……タバコだけをロッカーに預けに行けるわけもなく、泣く泣く捨てるファンの姿も見掛けた。

 

中が見られないバックなどはすべてNGなので要注意!

 

《クリアバッグ》

 

 エンゼルスを含めてMLB共通の規定だが、初めてのメジャー観戦の方には注意が必要な規定だ。中が見られる規定サイズ内のクリアバッグのみ持ち込みが許可され、色の付いたバックパックや手提げ鞄は一切許可されない。

 

 こちらも並んでいた日本人が交渉を続けていたが、許可されず。試合開始日には外から入れるグッズショップもあり、そこにクリアバッグの販売もしている。ただし購入、入れ替え、バックパックをロッカーに預けるという行動は大きなタイムロスになるだけではなく、観戦前に気分も下がってしまう。

 

 どのファンも楽しみにして球場に来ると思うので、入場をスムーズに行うためにも規定をしっかりと確認、準備してからの来場をお勧めする。筆者が訪れたMLBのどの球場よりもセキュリティのチェックが厳しく、一度指摘が入ると交渉の余地がない。

 

スキッドロウなど治安が悪い場所は「絶対行くな」

 

 最後に……治安について。

 

 ロサンゼルス中心部の治安はあまり良くない。もっと言えば、場所によってはとても悪い。現地在住の知人からも「スキッドロウ(※リトル・トーキョーよりも南側の地区)や南方面には絶対に行くな、特に夜は地下鉄などでも通るな」とアドバイスされた。これらの地域では地下鉄や路線バスなど安全ではなく、日本と同じように行動していては必ず狙われるとのこと。

 

 アメリカでは「安全はお金で買うもの」というのが当たり前の社会になっている。そのため、夜に出歩く事は極力避ける、試合後等どうしてもという場合、たとえ短い距離でもUber等で移動することを強くお勧めしたいと思う。

 

 以上、これから旅行を計画されている皆さんにとって素敵な旅となりますように。そして第1回でも触れたように――韓国、そしてロサンゼルス観戦でお世話になった皆様に感謝してレポートを締めたいと思う。<第1回、第2回からつづく>

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