2024年4月4日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年4月3日

日本時間:2024年4月4日(木曜日)

11時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対サンフランシスコ・ジャイアンツ

@ドジャースタジアム

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間4月4日、ドジャースは本拠地ドジャー・スタジアムでのジャイアンツ3連戦の最終戦を迎え、接戦の末に5対4で勝利。同地区ライバルとの3連戦をスイープし、連勝を4に伸ばした。ドジャース先発のタイラー・グラスノーは6回100球を投げて4安打3失点で2勝目(0敗)をマークし、4番手のディネルソン・ラメットはメジャー初セーブを記録。ジャイアンツ先発の有望株左腕カイル・ハリソンは5回6安打4失点でマウンドを降り、今季初黒星(1勝)を喫した。

 

 ドジャースは2回裏一死満塁からミゲル・ロハスの内野ゴロの間に1点を先制。3回表にパトリック・ベイリーの1号ソロで追いつかれたが、3回裏にウィル・スミスとテオスカー・ヘルナンデスのタイムリーで2点を勝ち越した。4回裏にはロハスが2号ソロを放ち、4対1と3点をリード。6回表にマイケル・コンフォートのタイムリーで1点差に迫られたが、7回裏に大谷翔平に待望の移籍後初アーチとなる1号ソロが飛び出し、ジャイアンツを突き放した。その後、8回表にホルヘ・ソレアの2号ソロで再び1点差となったものの、5対4で逃げ切り。ジャイアンツ3連戦を見事にスイープした。

 

 大谷は「2番・DH」でスタメン出場し、初回の第1打席は空振り三振。3回裏の第2打席は内野安打で出塁し、スミスのタイムリー二塁打で一塁から一気に生還した。4回裏の第3打席はレフトライナーに倒れたが、7回裏に回ってきた第4打席で待望の移籍後初アーチ。外角高めのシンカーをとらえ、右中間に飛距離430フィート(約131.1メートル)の一発を放った。4打数2安打1打点で今季の打率は.270、OPSは.749に上昇。なお、出場9試合目とシーズン41打席目での1号アーチは、いずれもメジャー7年目で最も遅い記録となっている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

4打数 2安打 1打点 2得点 1三振 1本塁打(1号)

通算打率・270

OPS・749

 

◆第1打席:

(結果)空振り三振

(状況)1回無死1塁

(投手)カイル・ハリソン左

※ジャイアンツの先発はメジャー2年目の有望株カイル・ハリソン投手(22)。初回無死一塁で迎えた1打席目はカウント2―2から低めのチェンジアップに手が出て空振り三振を喫した。

 

◆第2打席:

(結果)ファースト内野安打

(状況)3回無死走者なし

(投手)カイル・ハリソン左

※カウント1―0から149キロの直球をはじき返すと、打球が内野を転がる間に全力疾走し内野安打とした。大谷の安打で勢い付いたドジャース打線。後続も続き、スミスの二塁打の間に一走の大谷が激走して本塁生還。貴重な勝ち越し点を奪うと、直後のヘルナンデスからも適時打が飛び出し、この回2点奪った。

 

 

◆第3打席:

(結果)レフトライナー

(状況)4回2死1塁

(投手)カイル・ハリソン左

 

◆第4打席:

(結果)ホームラン

(状況)7回2死走者なし

(投手)テーラー・ロジャーズ左

※4―3で迎えた7回二死走者なしの場面で迎えた4打席目、ロジャーズの投じた5球目、149キロのシンカーを完ぺきに捉えると、打球は右中間スタンドへぐんぐんと伸びてスタンドイン。移籍後41打席目にして念願の初アーチを描いた。喜びをかみしめるようにゆっくりとグラウンドを駆け抜け、ベンチへと戻った大谷。ナインからはウォーターシャワーならぬ「ヒマワリの種」シャワーをお見舞いされると、大量の大粒のタネが満面の笑みを浮かべた大谷の顔に直撃。思わず目をつぶりながら苦しそうな表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

【コメント】

◯ 試合後

――ボールは戻ってきましたか?

「戻ってファンの人と話して、いただけるということだった。僕にとっては特別なことだったので、ありがたいなと」

 

――初本塁打が出たことについては。

「自分の中ではかなり長い間打ってないなという感覚だった。バッティング自体もそこまで良くなかったですし、まず1本出て安心しているのが率直なところだと思います」

 

――1点差の場面で出た本塁打についてどう思うか?

「結果的に5-4で勝ってその1点で勝てたのは後半のいいところで1本打てたのは良かった。僕だけじゃなくオフェンス全体的に相手にプレッシャーをかけ続けていたのがよかったと思います」

 

――ボールはじっくり見えたか?

「徐々に良くなっていると感じていましたけど、その中で結果につながるかどうかが全然違うと思うので、そういう意味では良かったと思います」

 

――多少フラストレーションは感じていたか?

「そうですね。僕の中では長かったなという印象が強いので、早く打ちたい、早く打ちたいなっていう気持ちがいいアットバット(打席)からかけ離れていくという状態だったので、これを機に自分の打席を継続したいなと思います」

 

――記念球と何か交換したか?

「僕はハット2個とバット1本ですね。サインも書きました」

 

――体調はどうだったか?咳き込んでいるようにも見えたが。

「みんな流行っているので、ここ数日は。だいぶ良くなりました」

 

――ちょっとしたタイミングのズレがあったと言っていたが、アジャストできた?

「タイミングと距離が違うかなと思っていたので、無理矢理早くするのも長期的に見ると自分の打ち方からかけ離れていくという意味ではよくない方向ですし、我慢しながらちょっとずつ調整していくのが大事かなと思います」

 

――ベンチに戻った時にテオスカー・ヘルナンデスからひまわりの種をかけられた。

「僕の中で長い間隔だったので、ああやってやってもらって、グラウンドの外のところでもいろいろみんなからサポートしてもらって、選手、スタッフのみなさんもそうですしありがたいと思います」

 

――ホームランを打つ前にきっかけになるような感触は?

「ケージでもいろいろ試したり、コーチやロバーツ監督もそうですし、バッティングピッチャーもいろいろこれやってみたら、あれやってみたら、ここがどうなってるとか調整法も含めていろいろ話ながらサポートはしてくれている。自分が結果につなげられるかどうかがコミュニケーションの1つとしても大事かなと思うので、そういう意味ではよかったなと思います」

 

――走塁で一塁から一気に本塁生還したが、あそこはいけると思ったか。

「1アウトだったので、ライナーバック。最初はライナーだと思って止まってはいたので、どうかなとは思いましたけど。(三塁コーチも)思い切り回していましたし、僕も行けると思っていました。いい判断だったと思います」

 

――ベッツやフリーマンらが凄く打っていることについてはプレッシャーはあったか?

「そこはないですね。むしろ助けられてるなと。調子が悪い中で無死三塁、1死三塁の状況で、別にヒットじゃなくてもチームに貢献できる状況があったので、むしろ助けられているなという印象ですかね」

 

――技術よりメンタルの方が大きかったか?

「メンタルを言い訳にはしたくないので、そこも含めて技術だと思っています。そこを含めて自分がここまで結果が出ていなかったと思います」

 

【NEWS情報】

 

◯ 大谷は試合後、自身のインスタグラムを更新。「Special moments.(特別な瞬間)」と記し、本塁打の動画や、本塁で迎えるフリーマン、T・ヘルナンデスにひまわりの種をかけられる画像などを投稿した。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

(試合前)

「(大谷は)守備にも就かないで、打つだけに限られているから、少しばかり陸の孤島という感じだ。でも、彼は最善を尽くしているから、私は励ましたい」

 

「(大谷が苛立ちなどを感じているか)最大限の力を発揮したいと思っているから、苛立ちは感じているだろうけど、私たちは試合に勝っている。それが最も重要なことだ。大きな力を貸してくれることを私たちは分かっている」

 

「私たちができる一番のことは、彼をクラブハウスにいる全員と同じように、普通の野球選手のように扱うことだ」と説明。今年、北米プロスポーツ史上最高額となる10年7億ドル(約1060億円)でドジャース入りしたが「特別な才能を持っているから、時に人は(大谷に対して)ためらったり、内気になってしまうことがある。でも、クラブハウスでそれは駄目だ」

 

「会話をする場面が増えている。シーズンを長期的にみれば、それはとても有益なことだ。スタッフやチームメートを含めて会話をする場面が増えてきている」

 

「冗談を言うよ。冗談はぱっと思いつかないけど、いいユーモアを持っている」とし、「とても快適にできていると思うよ。彼に聞いた方がいいと思うけど、気楽に自分の道を進めていると思う。彼から不安だったり、焦りみたいなものは感じない」

 

(試合後)

「本塁打の前の左飛がとても良いスイングだった。(それ以外にも)良い打席がいくつかあったと思う。先発の左腕ハリソンとの対戦は少し難しく、ブレーキングボールを振ってしまった。ドジャースタジアムで彼が初めて本塁打を打てたことは良かったし、ファンは大いに楽しんだだろうが、彼(大谷)が安どしたに違いない。

 

これまでは少しタイミングがズレていただけ。少し遅れていただけ。3打席目の左飛、本塁打の打席は良かった。今後もこれが続くことを願う。新しいチームで良いスタートを切りたいや、契約のことなど頭にあったと思うが、野球の試合に勝つことが一番重要。それが気持ちの面で助けになる。勝ち続ける限り、いつか彼が活躍することは分かっていた。今夜は本当に良いステップになった」

 

「グラウンド内外で何らかの逆境を経験するまでその人自身のことは分からない。そして、彼は何事にも動じない人だということが分かった。最初の9試合は彼は一生懸命にチームの勝利のために取り組んだ。彼の態度、彼の毎日の球場入りの姿、練習などを見ていると、彼は野球とそれ以外のことを上手く切り離していることが分かる」

 

「(本塁へ生還した大谷の走塁について)安打を打って、塁に出ることでチームに貢献してくれるという実感もあった。ベースを走り回って気持ち良かった。あそこで1点を取って本当に大きな得点だった」

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 「いらないっすよ~」ドジャース・大谷に著書手渡し 愛のイジリで発売祝福

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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 【記者フリートーク】3月発売の記者の初著書「大谷翔平を追いかけて―番記者10年魂のノート―」を、試合前にようやく本人に手渡すことができた。

 

 ドジャース・大谷は紙袋を持つ記者が話しかけただけで「いらないっすよ~」と強烈ジャブ。計480ページ、厚さ約3センチの本書を取り出すと「分厚っ!!」と大笑いした。

 

 そして「捨てていいですか?」とごみ箱への“シャドーピッチング”に続き、臨時で通訳を務めるウィル・アイアトン氏に「勝手に金もうけされました!」と告げるなど例のごとくイジリ倒された。

 

 それでも最終的には、しっかりとロッカーの一角に置いてくれた。試合では今季1号の最高の結果で、あるメディア関係者に「本塁打は書籍を読んだ効果だな」とさらにイジられた。ぜひ本人には読書感想文をお願いしたい。(MLB担当・柳原 直之)

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◆ ドジャース・大谷 投げられない分は走って補う 19年同様痛感「打者として出続ける難しさ」

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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【ヤナギタイムズ】日本ハム時代の13年12月からドジャースの大谷翔平投手(29)を本格取材し、TBS系情報番組「ひるおび」、「ゴゴスマ」などに随時出演する本紙MLB担当・柳原直之記者(38)の連載コラム「ヤナギタイムズ」。今回は打者に専念した時の「難しさ」とその打開策に迫った。 

 

 今季同様に右肘手術の影響で打者に専念した19年は打率・286、18本塁打。左膝痛の影響もあったが、新人王に輝いた前年から成績を伸ばせず、ドジャース・大谷は「(二刀流ではなく)打者として出続ける難しさはある」と語ったことがある。二刀流こそ大谷の本懐。打者として結果が出なくても投手で挽回でき、逆も同様。投打を同時にこなすことで気持ちの切り替えも、うまくできていた。

 

 開幕直後。懸念していたその「難しさ」を実感することになった。本塁打の打席まで40打席連続ノーアーチは自己ワースト。この日は「“タイミングと距離”が違うかなと思っていた」と振り返った。「打撃ケージでもいろいろ試した。コーチや打撃投手は調整法を含め、いろいろ話しながらサポートしてくれる」としたが、打者としての練習に限られる分、普段より深刻に考え過ぎる傾向になっていたように感じた。

 

 現状の打開策の一つが走塁かもしれない。同点の3回は、先頭で一塁内野安打。1死からスミスの左翼線二塁打で、一気に生還した。ライナー性でスタートは遅れたが「(三塁コーチも)思い切り回していたし、僕も行けると思っていた。良い判断だった」と激走を見せた。投げられなければ、走ればいい。キャンプでも走塁練習に注力。この走塁で体が温まり、切れが生まれ、7回の移籍後初アーチにつながった可能性も否定できない。周囲が想像できない投打同時プレーで、異次元の数字を残してきた二刀流。投手としての練習量がまだ限られる分を、走ることで補うことができれば好結果につながるかもしれない。

 

 大谷はかつて「走塁は一番、野球勘が出るので難しい」と語ってきた。今季は「投打」ではなく「走打」二刀流で、勝利への貢献と想像できない成績を残すことを期待している。

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◆ 「大谷の会見は失敗でした」米ベテラン作家が見た違法賭博疑惑 水原と大谷2人にベストなシナリオとは

米倉昭仁氏/情報:AERA.net)

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 半世紀以上、日米両国の野球を見てきた作家ロバート・ホワイティングさん。日米文化比較の視点から日本プロ野球を論じた『菊とバット』(1977年)は両国で高い評価を得た。以降も『イチロー革命』『海を越えた挑戦者たち』『なぜ大谷翔平はメジャーを沸かせるのか』など、日本人大リーガーの活躍を書いてきた。ホワイティングさんの目に、元通訳の水原一平氏の違法賭博疑惑に巻き込まれた大谷選手はどう映っているのか。

 

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「まさか、こんなことが起こるなんて想像もしませんでした」

 

 ホワイティングさんは慎重に言葉を選びながら、つぶやくように語った。

 

「大谷の人生はまるで小説か映画のようです。少年時代から野球の腕を磨き、大リーグの名門ドジャースに入団。2月に結婚も発表した。理想的な野球人生を歩んできたと、誰もが思っていた。それが突然、違法賭博疑惑に巻き込まれた」

 

 前人未到の二刀流に加え、全身全霊で野球に打ち込む姿は米国でも尊敬されてきた。“パーフェクトベースボールプレーヤー”。そう感じていた米国人は多かったという。

 

「ところが、3月25日(現地時間)の記者会見以来、『何かがおかしい』『大谷は隠し事をしている』と思う人が増えました。とても残念です」

 

■最初は大谷に同情的だった

 

 水原氏は3月19日に行われたスポーツ専門局ESPNのインタビューで「スポーツ賭博で負った借金の肩代わりを大谷選手に頼んだ」と語った。

 

「大谷にとって水原は単なる通訳ではなく、大切な友人でした。アメリカのファンたちも二人の関係をよく知っていましたから、『大谷は友だちのために金を払った』と、理解されました」

 

 しかし翌日、水原氏は「大谷選手は自分の借金について知らず、大谷選手本人は送金していない」と説明を一転させた。

 

「普通のアメリカ人は、水原が大谷の知らないところで彼の口座にアクセスできる権限を得ていたという主張を不自然だと思いました」

 

 というのも、米国政府は不正送金やマネーロンダリング防止のため、2005年にインターネットバンキングや電子送金の手続きを強化。ユーザーIDとパスワードだけでは口座にログインできないようになっているからだ。

 

 例えば、大手米銀のシティバンクの場合、ユーザーIDとパスワードをネットバンキングの画面に打ち込むと、スマホにワンタイムパスワードが届き、それを入力することで口座にアクセスできる。口座にアクセスすると、利用者にその旨がメールで通知される。送金時も同様だ。

 

「総額400万ドルが違法賭博の胴元に大谷名義で送金されたと報道されていますが、どうやって水原は大谷の銀行口座から本人に気づかれずに複数回にわたって計50万ドルを送金することができたのか。なぜ大谷は2年間もそれに気がつかなかったのか。みんな知りたがっていた」

 

■大谷の金は麻薬カルテルへ?

 

 25日の記者会見で、大谷選手は「通訳が(大谷選手の)口座から金を盗み、うそをついた」「スポーツに賭けたことはない」と、スポーツ賭博への関与を断固として否定した。

 

 一方、質問に応じなかった大谷選手について、記者たちは「疑問点に触れていない」と厳しく指摘した。インターネットの記事には大谷選手の姿勢を疑問視するコメントが数多く書き込まれた。

 

「あの記者会見は失敗でした。恐らく弁護士が『核心部については語らないほうがいい』とアドバイスしたのだと思います。でも、大谷は犯罪を行ったわけではないでしょう。であれば、何も隠す必要はなく、真実を語ればよかった」

 

 現地メディアによると、税を所管する内国歳入庁と国土安全保障省が事件の実態解明に動いている。

 

 国家安全保障局とCIA(中央情報局)に勤めた経験があるホワイティングさんはこう言う。

 

「一般的な事件とは違って、地元警察とFBI(連邦捜査局)は捜査していません。なぜ国土安全保障省が関わっているかというと、マネーロンダリングについて調べているのでしょう」

 

 違法のスポーツ賭博は、メキシコの麻薬カルテルがマネーロンダリングする際に使う手段だ。そして、そこに大谷選手名義の金がまじっていると推察する。

 

■ある小説と大谷の奇妙な共通点

 

 映画にもなった小説「ザ・ナチュラル」の主人公ロイ・ホブスと大谷選手はそっくりだとホワイティングさんは言う。「ナチュラル」とは「天性の才能の持ち主」の意味である。

 

 ロイは小麦畑が広がるネブラスカ州で野球の腕を磨き、やがて大リーグで天才選手と呼ばれて活躍する。ところが、そこに野球賭博の影が忍び寄る、というストーリーだ。

 

 一方、大谷選手は水田に囲まれた岩手県・花巻東高校の野球部で頭角を現した。

 

「ロイは100%野球を愛した純潔な人間でした。大谷もそうです。日本ハム時代、試合が終わると、選手たちは飲みに行ったり、女性と遊びに出かけました。でも、大谷は違った。自分の小さな部屋に戻って野球のトレーニングをした。ロイも大谷も歴史に残る野球選手になるのが人生の目的でした」

 

 神がかったプレーだけでなく、プライベートついては徹底して秘密主義を貫いていることも、二人は似ている。昨年、大谷選手はMVPを受賞した際、写真に写る愛犬の名前をしばらく明かさなかったことが話題になった。結婚発表も唐突だった。

 

「2月に突然、結婚を発表するまで、みんな大谷に彼女はいないと思っていた。彼がプライベートをとても大切にしたいという気持ちは理解できます。でも例えば、彼女と一緒にバスケットボールをするような動画を公開してもよかったと思います」

 

■「60ミニッツ」に出てほしい

 

 ホワイティングさんは、大谷選手を「スポーツ賭博をやるようなタイプの人間ではない」と見る一方、米国でどんな生活をしているのか全くわからないことが、「大谷選手の違法賭博への疑惑につながっている」と指摘する。

 

「大谷はすばらしい野球選手です。でも、何かを隠していると思っている人は少なくない。では、どうすれば現状を打開できるか。ぼくが一番いいと思うのは『60ミニッツ』という番組に出演することです」

 

 CBSの「60ミニッツ」は米国で高い信頼と人気のある調査報道番組だ。

 

「番組スタッフが毎日、大谷が朝から晩までどんな生活をしているかを伝える。そこに大谷のインタビューも盛り込む。理想を言えば、水原と二人で30分ずつ番組に出る。それが大リーグにとってもベストだと思うんです」

 

 今回の違法賭博疑惑がどう決着するか、現段階ではまだ予測できない。

 

「もしかしたら、大谷はこれまで築き上げてきたものを失う結果にならないとも限らない。いずれにせよ、今回の事態はとても残念です」

 

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

 

米倉昭仁

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 ■ NOTE