2024年3月30日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年3月29日

日本時間:2024年3月30日(土曜日)

11時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対セントルイス・カージナルス

@ドジャースタジアム

 

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【MLB.JP 戦評】

 ドジャースは自己最多の11奪三振を記録する好投を見せた先発のボビー・ミラーを打線が4本塁打の一発攻勢で援護。8回表にリリーフ陣が3点を失ったものの、6対3でカージナルスを破り、2連勝となった。ミラーは11個の三振を奪い、6回2安打無失点の好投で今季初勝利(0敗)をマーク。4番手のエバン・フィリップスが今季2セーブ目を挙げ、カージナルス先発のザック・トンプソンは3本塁打を浴びて6回途中6安打5失点で今季初黒星(0勝)を喫した。

 

 ドジャースは初回にムーキー・ベッツの3号先頭打者アーチで先制。ベッツは3試合連発となり、通算49本目の先頭打者アーチは歴代単独5位に浮上、ドジャース移籍後29本目の先頭打者アーチで球団新記録を樹立した。2回裏にはテオスカー・ヘルナンデスが1号ソロを放ち、4回裏にもヘルナンデスが2号3ランを放って5点をリード。7回裏にはミゲル・ロハスにも1号ソロが飛び出した。8回表にノーラン・ゴーマンのタイムリー二塁打などで3点を返されたが、最終回はクローザーのフィリップスが締めくくり、6対3で勝利。明日は山本由伸が初めてドジャー・スタジアムのマウンドに上がる。

 

 ドジャースの大谷翔平は「2番・DH」でスタメン出場したが、セカンドライナー、レフトフライ、セカンドゴロ併殺打、空振り三振で4打数ノーヒット。ソウルシリーズの2試合も含め、開幕から3試合連続安打をマークしていたが、今季初のノーヒットに終わった。ドジャース移籍後の公式戦初アーチは明日以降に持ち越しとなっている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

4打数 0安打 1三振

通算打率・294

OPS・669

 

◆第1打席:

(結果)セカンドライナー

(状況)1回無死走者なし

(投手)ザック・トンプソン左

※先発はメジャー3年目の左腕トンプソン。初対決。初回、ベッツの先制弾の興奮冷めやらぬ中、打席に入った。カウント2―2からの5球目、外角低めの82・7マイル(約133キロ)のスライダーに泳ぎながらバットの先で拾って振り抜いた。右前に抜けようかという痛烈なライナーは二塁手が飛び込んで好捕。遊直だった。

 

◆第2打席:

(結果)レフトフライ

(状況)3回2死走者なし

(投手)ザック・トンプソン左

※2―0の3回二死無走者は1ストライクからの2球目、外角高めの84・5マイル(約135・9キロ)のスライダーを逆方向へ高々と打ち上げると大歓声。詰まった打球は平凡な左飛だった。

 

◆第3打席:

(結果)セカンドゴロ(併殺)

(状況)5回無死1、2塁

(投手)ザック・トンプソン左

※5―0の5回無死一、二塁はカウント2―1から内角高めの81・9マイルのスライダーを引っ掛けて二ゴロ併殺打に打ち取られた。

 

◆第4打席:

(結果)空振り三振

(状況)7回2死走者なし

(投手)ジョバンニ・ガエゴス右

※6―0の7回二死無走者は2番手の右腕ガエゴスと因縁の対決。昨年3月のWBC準決勝のメキシコ戦の9回、先頭打者で初球を右中間二塁打し、村上のサヨナラ打を呼んだ。その初球は83・9マイル(約135キロ)の低めのスライダーを空振り。ファウル、3球続けてボールでフルカウントとなった6球目、内角引くめの83・4マイル(約134・2キロ)の縦スラにバットは空を切った。

 

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【コメント】

なし

 

【NEWS情報】

 

◯ 試合前にはエンゼルス時代の昨季受賞したシルバースラッガー賞の授賞式にベッツとともにグラウンドに登場し、笑顔。記念品を受け取る大きな歓声が送られた。

 

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◯ 前日28日の本拠地開幕戦に続き、真美子夫人、愛犬デコピンがスイートルームから観戦した。試合後は球場内でドローンショーが開催。大谷は球場周辺の渋滞を避けようとしたのか、試合終了12分後に「お疲れっした」と帰路に就いた。髪の毛は濡れたままだった。

 

 

◯ 試合前に約10メートルほどの距離で49球のキャッチボールを行った大谷。キャッチボールをした際に着ていたのが、人気漫画ドラゴンボール風の字体で「LOS ANGELES」、日本語で「ロサンゼルス」と書かれ、ドジャースの打者がヒットを打った際に塁上で行う“フュージョンポーズ”のイラストも描かれていたTシャツ。この日からドジャースのクラブハウスに置かれていた。

 

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さらにロハスらが着ていたTシャツには“フュージョンポーズ”している絵が描かれただけでなく、「YamamOhtani」(ヤマモタニ)と書かれていた。米「ロトウェア社」によるTシャツで、このほかにもMVPトリオ、ベッツ、大谷、フリーマンの「ベッタニマン」と山本の顔が描かれたTシャツもあり、計3種類がクラブハウスには置かれていた。ロハスは「アメージングだね。これを作っている人たち(Tシャツ製作会社)は分かってるよね。これは新しい時代の幕開けだよ。新しくチームに加わった2人を僕らはとても誇りに思っている。彼らにいい気持ちでいて欲しいし、特別だと思って欲しい。このTシャツのように、ここにいることをよく思ってくれたら思う」と目を細めていた。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

(試合前)

「(投球練習)今日は2回目だ。明日は休み。私が理解しているところによると、今後の数週間は1日置きに行う。その後は様子を見ながらやっていく」

 

「(左投手用の先発メンバーか)しばらくはそうなると思う。今日はマンシーが入っているが、たまにジェームズ(アウトマン)が入る。日曜日はおそらくそうなるだろう。(日曜日は左腕の)マッツが先発だが、3日連続でプレーした後、ウィル(スミス捕手)は休み、オースティン(バーンズ)が入る。そうやってたまに変わるが、だいたいは同じだ」

(試合後)

「1番から5番まで、とてもデンジャラス(危険)なバッターがいて、さらにテオスカー(ヘルナンデス)もいる。デンジャラスだ。今日、それを証明した。リードすることができれば、(投手は)積極的に攻めることができる」

 

ボビー・ミラー投手:

「今日は一球一球が本当に良かった。速球が低めに決まった。昨年はスライダーが安定しなくて大きな問題だっだけど、今年は制球が良くなった。投球に自信が深まったよ」

 

ジョバンニ・ガエゴス投手:

「(大谷との対戦について)マウンドにいるときは彼のことを考え過ぎないようにした。彼はリーグ最高級の打者。ただ自分の球を投げただけだ。(フルカウントからスライダーを投じた)速球を打とうとしていたから、スライダーを投げる決断をした。(大谷とはWBC以来の再戦となった)そのことはもう忘れたよ。(WBCは)僕とチームにとって素晴らしい経験だった。優勝した彼ら(日本)にとってもよかったのだろう。ただ、今ではこのチームでのことに集中している。チームの勝利を助け、打者をアウトに取ろうとしている」

 

【NEWS情報】

◯ ドジャースは開幕2戦目の入場券売上数を4万7524枚と発表した。前日の開幕戦は完売の5万2667枚だったが、この日は両外野3階席に空席が目立った。球団の発表を受けてUSAトゥデーのナイチンゲール記者は自身のXで「今季全試合完売という考えは消えた」と残念がり、「彼らは球団記録となる年間400万人動員を願っている」と投稿した。現地でも「金曜日の夜なのに。驚いている」と語っていた。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平の一件は…「もはや『スポーツ界だけの話』ではない」会見に100人以上が集結 在米“非スポーツ部門”の記者が見た「大谷狂騒曲」のリアル

山崎ダイ氏/情報:NumberWEB)

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 3月25日(日本時間26日)にドジャースタジアムで行われた大谷翔平の記者会見には、日米合わせて100人を超える報道陣が集まった。

 

 オフィシャル以外のカメラ撮影は禁止だったためカメラマンは入室しなかったものの、大半の記者は会場に用意された椅子には座りきれず、立ったままだった。会場にはドジャースのスタン・カステン球団社長をはじめ、球団幹部やデーブ・ロバーツ監督、ジョー・ケリー投手ら一部選手の姿もあった。

 

「会見には100人以上記者がいて、運動部だけでなく社会部や政治部の記者も多かった。前日に会見について問われた際に『トゥモロー』発言を本人がしたものの、球団からは日時や会見内容などの公式発表がなく、ギリギリまで全容がよくわかりませんでした。当日の試合の取材申請をした社にバラバラと会見時間の連絡が来るなど、当日までバタバタの中での会見でした」

 

 こう大谷の会見を振り返るのは、ロサンゼルスで働く社会部記者だ。実際には当人が声明を発表する形で質疑応答はない12分ほどの会見だった。

 

すでに事態は「スポーツ」のフィールドを超えた話題に

 現地のテレビ報道では、いまでもトップ級に近い扱いで今回の事件が報じられているという。

 

 これまでも日米含め多くのメディアの注目を集めてきた大谷ではあるが、今回の“事件”はこれまでと毛色が異なる。最大の違いは、会見に社会部や政治部の記者まで取材に訪れていることからも分かるように、アメリカで「スポーツ」の枠を超えた出来事として受け止められていることだ。

 

 会見を受け、前出の記者が続ける。

 

「ロサンゼルスでも野球ファンやスポーツメディアは『話せることは話した』と大谷選手の会見をある程度は評価しています。ただ、その一方ですでに多くの米紙が報道しているように、『通訳の水原(一平)氏がどうやって大谷選手の口座から送金できたのか』という疑問は残っています。そこの追及は緩めず、淡々と問題点を指摘している感じです」

 

 日本ほどアメリカの世論が「大谷擁護」に流れない理由のひとつに、現在の野球という競技そのものの立ち位置も大きく関わっているという。

 

「大谷選手自身は高額契約のニュースなどで一般の人の間でも高い知名度があります。ただ、それとは対照的にそもそもアメリカでは昨今、バスケやアメフトに比べて野球のプレゼンス自体が落ちている。それもあって、今回の一件は『大谷選手の名前は知っているけど特に熱心なファンというわけではない』という関心層が圧倒的に多いんです。結果的にスポーツ選手というより『スターのスキャンダル』的な印象を持たれてしまっています」

 

 特に「MLBでは契約時に賭博に関与しないよう注意喚起をする」という話は一般的にも知られているので、スポーツ関係者の賭博への関与は印象が非常に悪いのだという。

 

「数百ドルの話ならともかく、特に今回は額が大きすぎますから。野球に詳しい人ならば大谷選手のキャラクターや水原通訳との関係性も分かっていますが、当然ほとんどはそうでない。その意味ではドジャースタジアム周辺で取材するのと、普通の街中で取材をするので受け止め方に大きな差が出ています」

 

西海岸と東海岸で微妙に異なる「温度差」

 また、同じアメリカでもドジャースのある西海岸と、ニューヨークやワシントンといった大都市のある東海岸では、今回の件の受け止め方も微妙な違いがあるのだという。

 

 現在、ワシントンDCで勤務する日本のブロック紙の政治部記者はこう言う。

 

「日本人コミュニティが大きい西海岸とでは、そもそも大谷選手の記事のバリューそのものが違います。ただ、だから『東海岸での報道が辛辣』かというと、そこまででもないような気がします。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト等を見ていると、大谷選手そのもののキャラクターというより、そこをフックに過去の野球賭博の問題や今後のスポーツ界がどこに向かうべきなのかといった大枠の話を論じているものが多い。そこが西海岸との違いかもしれません」

 

 畑違いの政治部であっても本件に関しては注意深く推移を見守っているという。

 

「土地柄、政治関係の話題が多いワシントンでも今回の事件は話題になっていますし、実際にそこへの反応を書く社も出てきています。結婚の時はほとんど話題になっていなかったので、ニュースとしてのバリューには大きな違いがありますね。大谷選手は知名度と人気があまりにも高く、こちらでもウーバーのドライバーとの間で話題になるくらいなので、すでに“所詮、スポーツの話”ではないのは間違いないです」

 

 そもそも有名人ということで話題性はあったものの、政治の話題が強いワシントンで記者たちがいま注視しているのが、「事件性」の有無だ。

 

「今後の捜査の展開次第で、大谷選手が直接、送金に関わっていた等で、何らかでも違法賭博への関与があったりすると、社会全体に関わるスキャンダルになり得ます。そうなれば一気に社会部も政治部も本腰を入れて動き出すことになる。今後はそこがポイントでしょうね。逆に言えばいま表に出ている構図に大きなウソがなく、水原氏までで収まれば、スポーツ部門以外での騒動は徐々に収束していくと思います」

 

現地メディアは「最終的には野球の成績次第」

 かように全米のメディアを部署横断で巻き込む大騒動となっている今回の通訳スキャンダル。それでも「最終的には野球の成績次第ではないか」と前出の社会部記者は総括する。

 

「アメリカでは4月半ばまでに外国人労働者は確定申告でIRS(※内国歳入庁、日本の国税庁に当たる)へ資産の申告を出さないといけません。大谷選手も当然、そういった書類の提出をするはずです。そこで今回報じられたような支出に対し、どういった説明をしているのか……といったことも調べられる可能性があります。

 

 ただ、そういった捜査の段階になれば、当然情報はなかなか出てこなくなる。おそらく社会部的な報道はだんだん尻すぼみになっていくと思います。そうなれば、シーズンが開幕してから大谷選手が打つかどうかで現地メディアはかなり論調が変わるでしょうね。打てなければそのことが今回の件と紐づけられて蒸し返されることになりますし、結果を出せれば“悲劇のヒーロー”としてたたえられる。そこは良くも悪くもアメリカという国らしいかもしれません。現状の日本と比べれば厳しく見える論調は、韓国での開幕戦以降、オープン戦でバットが湿っていることも無関係ではないと思います」

 

 思えば日本プロ野球での投打挑戦も、MLBの挑戦も最初は厳しく否定的な声が多く聞かれた。しかし、そういった外野の声を覆してきたのが大谷翔平だ。

 

 本拠地開幕戦となった28日(日本時間29日)のカージナルス戦では2安打を放つなど、ここ一番での強さは折り紙付き。再び逆境に打ち勝てるか、パイオニアが見せるプレーから目が離せない。

 

(「メジャーリーグPRESS」山崎ダイ = 文)

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 ■ NOTE

 

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