2024年3月29日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2024年3月28日

日本時間:2024年3月29日(金曜日)

5時10分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対セントルイス・カージナルス

@ドジャースタジアム

 

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【MLB.JP 戦評】

 パドレスとのソウルシリーズ2連戦を1勝1敗で終えたドジャースは日本時間3月29日、ホーム開幕戦でカージナルスと対戦した。序盤から自慢の上位打線が機能し、3回までに5点を先制。先発のタイラー・グラスノーの好投もあり、7対1で快勝を収めた。グラスノーは6回2安打1失点の好投で今季初勝利(0敗)、2番手のライアン・ヤーブローは3イニングを投げて今季初セーブをマーク。カージナルスの開幕投手を務めたマイルズ・マイコラスは5回途中7安打5失点と精彩を欠き、今季初黒星(0勝)を喫した。

 

 ドジャースは初回にフレディ・フリーマンのタイムリーなどで2点を先制。3回裏にはムーキー・ベッツに2号ソロ、フリーマンにも1号2ランが飛び出し、リードを5点に広げた。4回表にポール・ゴールドシュミットの1号ソロで1点を返されたものの、6回裏にジェームス・アウトマンがタイムリーを放ち、再び5点リードに。7回裏にはマックス・マンシーにもタイムリーが出て、7対1でカージナルスを破った。

 

 本拠地ドジャー・スタジアムで初の公式戦となった大谷翔平は「2番・DH」でスタメン出場。初回の第1打席は二塁打を放つも走塁死となったが、3回裏の第2打席は四球を選び、フリーマンの2ランを呼び込んだ。5回裏の第3打席はライトへのヒットを放ち、今季2度目のマルチ安打を記録。7回裏の第4打席は空振り三振に倒れ、3打数2安打1四球だった。開幕3試合を終えて全試合でヒットを放ち、今季の打率は.385、OPSは.862となっている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

3打数 2安打 1得点 1三振 1四球

通算打率・385

OPS・862

 

◆第1打席:

(結果)ライト線2塁打

(状況)1回無死1塁

(投手)マイルズ・マイコラス右

※ドジャー・ブルーのユニホーム姿の大谷がドジャー・スタジアムに降臨したのは初回無死一塁だった。「ショウヘイ・オオタニ」とコールされるとファンは一斉に立ち上がり、スタンディングオベーション。360度の大歓声に包囲された。

 

初球、91・6マイル(約147・4キロ)の外角シンカーをファウルすると球場はどよめいた。2球目、88・7マイル(約142・7キロ)の内角スライダーをファウル。3球目は外角低めのチェンジアップを見送った。カウント1―2からの4球目、86・9マイル(約139・9キロ)の外角低めのチェンジアップをバットの先で拾って振り抜くと91・5マイル(約147・2キロ)のライナーは右翼線を破った。一塁を蹴った大谷はベッツが三塁に止まっていることに気が付かず、二塁をトップスピードで回ってオーバーランして、走塁死となったが、続くフリーマンの先制打を呼び込んだ。

 

 

◆第2打席:

(結果)四球

(状況)3回無死走者なし

(投手)マイルズ・マイコラス右

※ベッツの2号ソロに続いて打席に立った3回無死無走者は四球。直後にフリーマンが中堅へ1号2ラン。

 

◆第3打席:

(結果)ライト前ヒット

(状況)5回1死走者なし

(投手)マイルズ・マイコラス右

※カウント2―1からの4球目、真ん中低めの87マイルのスライダーを強打。113マイル(約181・9キロ)のゴロはあっという間に右前に抜けた。今季2度目のマルチ安打に大観衆も大興奮。

 

◆第4打席:

(結果)空振り三振

(状況)7回無死1塁

(投手)ライリー・オブライエン右

※3番手の右腕オブライエンと対戦した7回無死一塁はカウント1―2からの6球目、内角高めの90・1マイル(約145キロ)のスライダーにバットが空を切った。大谷が移籍1号を放っていれば3人そろい踏みだったが、次戦以降へのお楽しみ。

 

【コメント】

◯ 試合後

ーードジャース移籍して本拠地で初出場

「ファンの人も多く入ってもらって、敵の時は怖いですけど味方のときは心強く素晴らしい声援をいただいてよかったなと思います」

 

ーーベッツ、大谷、フリーマンの上位打線について

「僕だけ本塁打は打てなかったですけど、比較的いい打席だったと思うので、いいゲームだったなと思います」

 

ーー選手紹介でブルーカーペットを歩いた印象

「ちょっと長いなとは思いましたけど(笑)。ああいう演出もまたかっこ良くて良かったかなと思います」

 

ーー1回の走塁ミスは三塁コーチの動きが見えなかったか

「ちょっと僕のほうが早めにターンしてたのでその分(三塁コーチの)ディーノがジャッジをしたときに僕が止まる、僕が合わせないといけない。そこは、ムーキーに合わせないといけなかったので、そこはまた確認して。キャンプ中にそのシチュエーションがなかったので、修正したいなと思っています」

 

ーー今日の全打席に満足しているか

「比較的、基本的にはいい打席が多かったかなと思うので、欲を言えば最後の打席はつないでいいシチュエーションでフレディ(フリーマン)に回せたら良かったかなと思います」

 

ーードジャースで開幕戦を迎えた心境は

「興奮してましたし、1打席目からヒットが出たので、ちょっと安心ではないですけどスタートとしては良かったかなと思います」

 

ーー2安打放った手応えは

「ヒットが出てるのもそうですし、振る振らないの判断も含めて、比較的クオリティーの高い打席だったかなとは思うので、またそれを継続するのが難しいですし、明日に向けてまた対策したいなと思います」

 

ーー韓国から戻って3試合は安打がなかったが

「体調の管理を含めてちょっと難しいところはあったので、アメリカに戻って来てからの3試合は正直、感覚的には良くなかったですし、やり方的も良くなかったので、その中でいい感覚を1試合目から出せたのは良かったかなと思います」

 

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◯ 試合前、ロサンゼルスタイムズ紙ディラン・ヘルナンデス記者の取材に答えた。

ーー水原氏が銀行口座にアクセスし、何百万ドルもの送金が見逃されたかを知っていたか

「捜査中なので。だから何も言えない。現時点で言えることはすべて話した」

 

【NEWS情報】

 

◯ MLBの公式インスタグラムがリーグ開幕となった29日、大谷を含む9人の選手の球場入りの際の私服コーデを投稿。大谷は、アンバサダーを務めるニューバランスの白いTシャツにベージュのチノパン、ニューバランスの白いスニーカーというシンプルな装いに、黒いリュック。靴紐が白と紺(もしくは青)でポイントとなっている。

 

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◯ 妻・真美子さんも愛犬のデコピンとともにスイートルームで生観戦した。室内には、大谷のドジャースのユニホームに加え、日本ハム時代と侍ジャパンのユニホームが額に入れて飾られており、大谷の代理人、ネズ・バレロ氏の姿も。背番号17の大谷ユニ姿の真美子夫人は、デコピンを抱き、観戦。左手薬指には指輪も光っていた。また、カウンターのようになったテーブルの上には、コーラなどの缶と一緒に、薄茶色の舟形の器が並んでおり、同球場に新出店した「築地銀だこ」のたこ焼きに舌鼓をうったとみられる。

 

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◯ 大谷が29日、この日2度インスタグラムのストーリーズを更新。試合後に観戦に訪れていた愛犬デコピンの写真を5枚“連投”。2度目の更新では、本塁打を放ったフリーマン、ベッツと喜び合う写真など4枚に加え、試合前のセレモニーでブルーカーペットを歩く動画1本が新たに投稿された。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「5万人ほどの観客に見守られ、素晴らしい試合だった。タイラー(グラスノー)は序盤は最高のコマンド(制球力)を出せていなかったこともあったが、本当に上手くボールを投げたと思った。6回まで投げたのは素晴らしかったし、最後のイニングは本当に良かった。(大谷について)ご存知のとおり、韓国でも彼(大谷)は何本かはホームランになっていたと思う打球を放っていたが、アナハイムシリーズでは良い状態には見えていなかった。(初回は)チェンジアップ(打ったのはカーブ)を捉え二塁打、単打(5回の右前打)は明らかにかなり強い打球だった。だから今日はずっと良かった」

 

「(走塁死に)翔平はとても速く走ることができるが、自分の前に走者がいることを理解する必要がある(笑)あれは確かにスタンドアップトリプル(スライディングの必要のない三塁打)。頭を上げておかなければなりませんでした。(MVPトリオが計5安打)間違いなく、どのような議論においても、彼らが野球界で最高の打者であると主張できる。野球界で10人の選手をひとまとめにするとき、彼らはその中にいます。そして幸運なことに、我々はこのうち3人が打順のトップにいる。(「2番」に大谷が入ることに)彼が出塁する時と、翔平の前に誰かが塁にいると、相手にストレスを与えます。さらにフレディ(フリーマン)のような男が彼らの後ろにいて、快適だと思う」

 

ムーキー・ベッツ内野手:

「(1回の走塁後、大谷との会話を問われ)足が速いなと言ったよ。ここはエンゼルスタジアムみたいに大きくないから三塁打になるか分からなかった。得点できる自信がなかった。君のスピードについていけないからスローダウンしてよ、と話した(笑)」

 

タイラー・グラスノー投手:

「スライダーはよく動いていて、ほとんどの状況で今日のベストピッチだった。速球、カーブは後半までそれほどよくはなかったけど、ストライクを投げて、ゾーンの中に投球を保てていたとは思う。(味方打線について)多くの得点をあげてくれた。最高だよ。すごいラインナップ。みんなアウトにするのが難しい。こんな打線に支えられて先発できるのは素晴らしいよ。最高だった。すごかったよ。全体に最高の経験だった」

 

マイルズ・マイコラス投手:

「(大谷との対戦について)いい球を投げられていたと思う。四球になった球も際どかった。あとは緩い打球のヒットと単打だ。また同じ球を投げたとして、毎回ヒットにされるとは限らない。(ただ、今日は)いい球に対していいスイングをした。すごい選手だよ」

 

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 ■ 球界情報

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ロサンゼルス・エンゼルス:

◯ エンゼルスは28日、敵地で臨んだオリオールズとの開幕戦で3-11と大敗した。初回にマイク・トラウト外野手の先制ソロが飛び出したものの、先発パトリック・サンドバル投手が2回途中5失点と炎上。その後も失点を重ねて黒星発進となった。米地元紙は「痛いほど見慣れたストーリー」など、大谷が抜けた後のチームに厳しい言葉を投げかけている。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ドジャース・大谷 一平ショックは自立への第一歩、英語で直接意見交換 指揮官「関係性が良い方に促進」

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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【ヤナギタイムズ】日本ハム時代の13年12月からドジャースの大谷翔平投手(29)を本格取材し、TBS系情報番組「ひるおび」、「ゴゴスマ」などに随時出演する本紙MLB担当・柳原直之記者(38)の連載コラム「ヤナギタイムズ」。今回はベンチでの大谷の様子に迫った。

 

 これまでにはなかった光景だ。初回の二塁打で前の走者ベッツの動きを見ないで三塁へ進み憤死したプレー後、大谷は三塁ベンチでディノ・エベル三塁コーチやベッツと入念に話し込んだ。

 

 専属通訳だった水原氏が解雇され、通訳代行のウィル・アイアトン氏が間に入ったが、同氏を介さずに直接やりとりする場面が目立った。その他にもロバート・バンスコヨック打撃コーチらとタブレット端末を見ながら、バットの構え方を何度も微調整するなど、直接英語で意見を交わしていた。ロバーツ監督も「翔平は常に打撃コーチと一緒にいて、質問している。素晴らしい。良いことしかない」と目を細めた。

 

 26日に指揮官は水原氏を「緩衝材」と表現した。大谷が通訳を介さず直接コミュニケーションを取るようになり「チーム内の関係性が良い方に促進される」。大谷の自立への一歩となっている。

 

 かつて水原氏は大谷の英語力について「翔平は皆さんが思うより3倍以上できる」と語ったことがある。指揮官も「彼がどれだけ英語を知っているのか、みんな驚くだろう」と言う。自らの言葉で伝え、聞き、理解を深める。新天地で迎えた米7年目。波瀾(はらん)万丈のスタートにはきっと意味がある。

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◆ 大谷翔平をLAタイムズ記者が直撃 “水原騒動”で残る疑問に「調査中なので何も言えません」

(情報:スポーツ報知)

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 ドジャース・大谷翔平投手(29)を28日(日本時間29日)、ロサンゼルス・タイムズのディラン・ヘルナンデス記者が直撃し、水原一平元通訳(39)の問題で残る“疑問”をぶつけたという。その時の様子が同紙のコラムで公開された。

 

 この日、大谷は本拠地開幕戦となるカージナルス戦に「2番・DH」でフル出場し、3打数2安打1四球の活躍を見せたが、試合前にヘルナンデス記者が取材した際は“歓迎ムード”で対応したとしている。

 

 水原元通訳の解雇騒動を受けて、大谷は25日(同26日)に約11分間の会見を実施した。それでも、ヘルナンデス記者は「答えない疑問が残っている」と問いかけた。すると、大谷は「現時点で言えることは全て言いました」と日本語で回答したようだ。同記者の言う疑問とは「水原氏がどのように大谷の銀行口座にアクセスしたのか、そして何百万ドルもの電信送金をどうして誰も気付かれなかったのか」。大谷は「調査中なので何も言えません」と話し、「この窃盗疑惑を、誰が調査しているのか知っている」と語ったという。カジュアルな口調を保ち、アイコンタクトを絶やさず、緊張した様子も声も出さなかった大谷は一礼して部屋を出ていったとした。

 

 この日の試合後には大谷を求めてクラブハウスに報道陣50人から100人が殺到。何人かの選手がその混雑ぶりを訴え、イライラしていなかったのは大谷だけだったとヘルナンデス記者は指摘。「疑問が解け、信頼に足る答えが出るまで、この話は彼につきまとうだろう」と締めた。

 

 水原氏に関しては20日の開幕戦(韓国・ソウル)後に米スポーツ専門局「ESPN」や米紙「ロサンゼルスタイムズ」が違法スポーツ賭博に関与した疑いを報じ、ドジャースが水原氏を解雇。水原氏に少なくとも450万ドル(約6億8000万円)の借金があり、大谷の銀行口座から賭け屋のマシュー・ボウヤー氏サイドに送金されていたことが明らかになっていた。大谷は会見の中で「僕自身は何かに賭けたりとか、僕の口座からブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したことももちろん全くありません」などと会見で疑惑を一蹴していた。

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◆ 大谷翔平&水原一平氏の騒動に元エンゼルス監督ショック「2人の話、信じられないよ」マドン氏

(情報:日刊スポーツ)

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元エンゼルス監督のジョー・マドン氏(70)が28日(日本時間29日)、タンパベイ・タイムズ電子版でドジャース大谷翔平投手(29)と元通訳・水原一平氏(39)の騒動に「ショックだった」と心境を明かした。

 

 2020年から3年間、大谷が所属したチームを指揮し、水原氏のこともよく知っているマドン氏は「すべてのことが本当にショックだ。あり得ない。あの2人のそばにいたことのある人間にとっては、こんなことになるなんて想像もできない。2人のどちらの話も、誰も信じられないよ」と驚き。「私だってそうだ。ショウヘイが賭けをするなんて考えられないし、イッペイがショウの信頼を失うようなことをするなんてことも信じられない。彼ら2人と毎日一緒にいたし毎日コミュニケーションを取っていた」と振り返った。

 

 水原氏は違法スポーツ賭博の借金少なくとも450万ドル(約6億7500万円)抱え、大谷の口座から胴元にその額を送金したとされている。大谷は会見で「僕の口座に勝手アクセスしてブックメーカーに送金していた」と話していた。

 

 マドン氏は大谷と水原氏の関係について「2人は切り離せない間柄。周りもそう言っているし、それは真実だ。常に良い関係だった。言い争いや対立をしているのを見たこともない。彼はイッペイと友人だった。イッペイと話せば、なぜショウヘイが彼を信頼しているか分かる」と話した。

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◆ NYポスト記者 大谷翔平に辛辣意見「MLB最高の秘密の守人」「実際には誰も彼のことを何も知らない」

(情報:スポニチ)

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 ドジャース・大谷翔平投手(29)の専属通訳を務めた水原一平氏(39)の違法賭博疑惑をめぐり、「ニューヨーク・ポスト紙」の敏腕記者、ジョン・ヘイマン氏がまたも辛辣(しんらつ)な意見を寄せた。

 

 ヘイマン氏は違法賭博問題が明るみになった直後にも辛辣な記事を執筆。「大谷陣営のストーリーは、長年の通訳である元友人(水原氏)は大谷を何年も騙(だま)してきた素晴らしい俳優であり、おそらく大谷は騙されやすくナイーブで、さらに親友の趣味が本当にひどいというものだ。それは正しい話かもしれない」などと主張していた。

 

 ヘイマン氏は28日(日本時間29日)にも「大谷翔平はMLB最高のシークレットキーパー(秘密の守人)」と題した記事を執筆。「確かにフィールドで7000万ドルを稼ぎ、フィールド外で6500万ドルを稼いでいる男が、相対的なペニー(わずかな金額)を賭けてすべてを危険にさらすとしたら誰もが驚くでしょう。しかし、エンゼルスのチームメートが大谷について何か特別な洞察を持っているかというと、それは非常に疑わしい。彼のチームメートも私たちと同じです。彼の野球での偉業以外に、彼らは大谷のことを知らない。彼が結婚したことを発表したとき、彼にガールフレンドがいることさえ知っていた人はいますか?元チームメートたちもその些細な事に驚いたようだった」とこれまでに大谷がプライベートを明らかにしていなかったことを指摘した。

 

 そして「大谷の最も驚くべき点は、彼の野球の能力を超えて、多くのメディアがあらゆる動きを監視し記録しているにもかかわらず、実際には誰も彼のことを何も知らないことだ。報道内容はたった1枚の大きな美しい写真です。誰も洞察力を持っておらず、ましてや内部情報などありません」と続けた。

 

 さらに「その理由の1つは、彼が話さないこと。例え、話をしたとしても、日本のメディアに対してさえ注目すべきことを何も言わないことだ。もう1つの部分は、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が親切に彼の“緩衝材”と呼んだもので、大谷が周囲の人々と交流するのを避けるよう手助けした、あるいはそうさせなかった元通訳で元親友だ。そのいつもの相棒である水原一平氏は、現在MLBが捜査している賭博スキャンダルで少なくとも450万ドルを盗んだ悪徳オペレーターとして大谷から告発されているが、常に通訳というよりも用心棒のように見えた。彼は大谷のプロテクターの役割を果たし、少なくとも最新の話によれば、大谷はプロテクターからの保護を最も必要としていた」とした。

 

 大谷は25日に会見を開き「結論から言うと、彼(水原氏)が僕の口座からお金を盗んで、みんなにうそをついていたことになります」と声明を発表したが、ヘイマン氏は「野球界の最大の物語に光を当てるためにまだ質問に答える必要があり、私は彼がそれをするかどうか確信が持てない」と指摘。さらに「私は最初の話、つまり大谷が水原氏の借金を気前よく返済した話が正しい話であることを祈り続けるつもりだ」と水原氏が最初にESPNの取材に対して答えた内容を信じると私見を述べた。

 

 そして「大谷が水原氏の被害にあったという新しいストーリーは、彼らが固執しているもののようだが、それは正しいかもしれない。もちろん、それは大谷がお金のことを何も知らないことを意味し(可能性は高い。もし彼がお金に興味があれば、エンゼルスタジアムの駐車場の向かいにある何の変哲もないマンションに何年も住んだりしないだろう)、最悪のファイナンシャル・アドバイザーがいることを意味し(これも可能性は高い)、彼はおそらく、ペテン師であることが判明した友人に秘密の財務情報を渡したのだろう(問題外ではない)。財務管理者は、少なくとも450万ドル(50万ドルの引き出しが9件確認されている)をどのように消失させたかを説明する必要がある。そして、ブックメーカーとされる人物は、なぜ30万ドルから50万ドル(そう、彼は史上最高の報酬を得た野球通訳だったようだ)を稼ぎながら、何百万ドルもの負債を負いながら賭けを続けることが許されたのかを明らかにする必要がある」と指摘した。

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◆ 気になる大谷翔平とベッツ、フリーマンの関係性…日本人の母を持つLAタイムズの“番記者”が感じた変化

(情報:中日スポーツ)

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◇連載「Ohtani Chronicle」第5回・ドジャース編

 

 エンゼルスから10年総額7億ドル(約1015億円=契約当時のレート)という破格の契約でドジャースに移籍した大谷翔平選手(29)の新シーズンが幕を開けた。2度のMVP受賞など、米大リーグでも新たな歴史を刻み続ける二刀流の道のりを改めて振り返る「Ohtani Chronicle(オオタニ・クロニクル)」。5回にわたって“年代記”の最終回は、ロサンゼルス・タイムズで大谷のエンゼルス1年目からドジャース移籍まで追ってきたディラン・ヘルナンデス記者(43)が特別寄稿した。日本人の母を持ち、日本語も堪能、大谷の母校である岩手・花巻東高を訪れ、佐々木洋監督を取材した経験を持つ敏腕記者がドジャース入りした大谷の印象を語った。

 

   ◇   ◇

 

 春季キャンプを見ていて目を引いたのは、大谷選手の表情がすごく明るいこと。エンゼルス時代、特にここ何年かは自分でやらないといけないという雰囲気があって、少し厳しい顔つきだったように思う。

 

 ドジャースとエンゼルスの大きな違いは大谷だけでなく、ベッツ、フリーマン、カーショーら他にもスーパースターがいて、プレーオフのある10月にプレーするのは当たり前だということ。先発ローテーションや遊撃手に懸念材料があるとはいえ、みんな健康だったら120勝するかもしれない。プレーオフになんとか行ければというエンゼルスとは違う。

 

 だから、大谷も自分がやらないといけないという責任もあると思うけど、より野球を楽しめる環境にあるのかなと思う。大谷がメジャーでのプレーを積み重ねて、圧倒的な自信があることも表情に出ている。

 

 チームメートとの関係も良好だ。大谷選手は人を“いじる”のが好きで、フリーマンやベッツもいじり返すのが好き。韓国での3人が出席した会見を見ても、大谷の妻の真美子さんの質問が出た時に、フリーマンがうれしそうに「この話は聞かなきゃ」といじっていたし、ベッツも「カモン」と突っ込んでいた。

 

 最初はベッツとフリーマンが大谷をどう見ているのか、分からない部分もあった。大谷が入って明らかに主役は大谷で、彼らは脇役になったから。プライドが傷つくのではないかと思ったけど、今のところそんな心配はなさそうだ。遊撃へのコンバートを受け入れたベッツの練習の姿勢を見ても、大谷といういい刺激が入って、自分もやらないといけないというふうになったように見える。

 

 ドジャースはSNSなどを通じての映像や写真を世界に発信しているチーム。選手もカメラを向けられていることを理解している。大谷の妻の真美子さんの写真も、積極的に配信した。ファンに見られていることを意識する球団の中で、本物のスター、大谷がどういう活躍、振る舞いをするのか、今後も楽しみだ。

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◆ 大谷翔平の“ビックリ発表”に米名物記者が本音「なかなかやるなと」「センシティブな状況」電撃結婚から水原一平氏の騒動まで“どう見た?”

水次祥子氏/情報:NumberWEB)

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 ニューヨーク・タイムズ紙などに執筆する米国のベテラン野球ジャーナリスト、スコット・ミラー氏。メジャーを深く知る同氏が、スポーツ史上最高額となる10年総額7億ドル契約、エンゼルスからドジャースへの環境変化、まさかの通訳スキャンダル、アメリカにおける大谷翔平への本当の注目度まで……本音と実態を語った。〈全2回の1回目〉

 

 30年以上に渡ってメジャーリーグの取材を続け、現在はニューヨーク・タイムズ紙などに執筆するベテラン野球記者スコット・ミラー氏。専門ラジオ局「MLBネットワーク」のアナリストとしても活躍するなど、MLBを深く知り尽くした同氏にとって、今の大谷はどう見えるのか。

 

疑問と本音「誰も望んでいない」

 

「まず、オオタニを巻き込んだ通訳のスキャンダルに触れなければならないね。オオタニは3月25日(日本時間26日)にスキャンダル発覚後初めてメディアの前で説明会見を行ったが、まだ多くの疑問が残っている。まずオオタニの通訳が、賭博借金のためにどうやって450万ドル(約6億8000万円)ものお金をオオタニの口座から送金できたのかということが大きな疑問だ。今のところオオタニ自身が賭け事をしていた形跡は見当たらないし、個人的にはそれが真実であって欲しいと願っている。オオタニ自身がスキャンダルにかかわっている疑いは何一つないし、彼の素晴らしい野球のキャリアに傷がつくことなど、誰も望んでいない。特に新天地のドジャースで1年目のシーズンという期待が膨らんでいるときだけにね。

 

 ギャンブルに関するスキャンダルは、MLBにとってこれまでも大きな問題になってきた。歴代最多の4256安打の記録を持つピート・ローズも野球賭博で永久追放という重い罰を受けている。1919年のワールドシリーズではホワイトソックスがレッズに3勝5敗で負けた「ブラック・ソックス・スキャンダル」と呼ばれる八百長事件が起こったが、これも賭けのため8選手が賄賂を受け取っていたと発覚して刑事告訴された。リーグ全体を管理するコミッショナー制が設けられたのは、この事件がきっかけだった。

 

 今回のスキャンダルも、非常にセンシティブな状況になっている。野球界最高の国際的スターにかかわる問題だからなおさらだ」

 

結婚発表から通訳スキャンダルまで…どう見た?

 

 大谷にとってアメリカでの開幕戦直前の数週間は、電撃的な結婚発表と新妻お披露目から一転、スキャンダルというジェットコースターのような日々となった。夫人のお披露目は開幕シリーズのため韓国へ渡った際に、自身のインスタグラムに妻が映った集合写真、球団のXにツーショットの写真を公開するというサプライズで、米国や世界のメディアでも大きく報じられた。

 

「オオタニの結婚発表、ワイフのお披露目の仕方は驚いたし、面白かったね。彼はこれまでプライベートな部分をまったく公開していなかったし、個人的にはすべて秘密にし続けるのではないかと思っていたので意外だった。面白かったと言ったのは、誰かに知られる前に彼は自分のインスタグラムで真っ先に発表したから。そんなふうにみんなをあっと驚かせる彼のやり方に、好感を持っている。

 

 結婚に関しては、人によって、育ってきた環境や文化によって考え方が違うかもしれないが、個人的にはプライベートなことだと思うし、どんなに有名人であってもプライベートは守られるべきだと思う。パパラッチにスクープされたり騒がれたりする前に自分の意思で発表したのは良かった。メディアの要求やニーズは大きいと思うし、すべてに対応していたら大変なことになると思うけれど、そんな状況にいながら自分でメディアに出すべき情報をコントロールしている。なかなかやるなと思った」

 

「メディア対応に少し時間を割く必要ある」

 

 エンゼルス時代の大谷は、メディアにほとんど話をしないことで知られてきた。それも大谷流のコントロールの仕方かもしれないが、今後はどうなるだろうか。

 

「ドジャースのオオタニがシーズン中にどれだけメディアの前で話をするか、非常に興味深い。総額7億ドルという巨額契約は、野球のフィールドでの活躍はもちろんのこと、球団の顔になるという点も含めた金額であり、その責任を果たさなければならないということだ。メディアに語ることはつまりファンに向かって語ることでもあるので、しゃべることが球団の顔の務めでもある。

 

 オオタニが野球にどれだけ集中し没頭しているか、パフォーマンスを高いレベルに保つために毎日のトレーニングのルーティーンがどれだけ彼にとって重要なものかはわかっているが、ドジャースではメディア対応に少し時間を割く必要があると思う。彼自身も、それはわかっているんじゃないかな。エンゼルス時代のようにほとんど話をしないということはないと思っていたが、今回のスキャンダルがどう影響するかが気になる」

 

巨額契約…期待される成績は?

 

 常勝軍団ドジャースという新天地でスポーツ史上最高額の10年総額7億ドルという契約を結んで移籍した1年。注目と期待が集まりプレッシャーもかかるが、どれだけの成績が予想されるだろう。

 

「あの大型契約を結んだオオタニは当然、それに見合った『チャンピオン・クラス』のパフォーマンスを要求される。結局、あれだけの年数、あれだけの規模の契約を得られる選手はMLBでもほんの一握り。年齢を重ねていくとパフォーマンスのレベルが落ちていくことは確実なので、長期契約を結べば契約期間中に金額に見合わない時期を迎える可能性が高まる。オオタニの契約は彼が40歳になるまで続く。今から40歳の間というのは、実に長い時間だ。

 

 誰からも『いい契約だった』と言われるものにするためには2つの方法がある。1つはドジャースをワールドシリーズ制覇に導くこと。数年以内にチームをワールドシリーズ制覇に複数回導けば、間違いなく契約に見合ったと評価される。もう1つは自身が圧倒的な結果を出すこと。すでにMVPには2度輝いているが、それを今後、積み重ねていけば契約に見合ったといわれると思う。もし今季、再びMVPに輝けば、別のリーグで2年連続MVPに輝いた選手はまだいないので、史上初の快挙になる。仮に、1シーズンでMVPに輝きチームを制覇に導けば、『野球界史上最高の選手』の座を確固たるものにするだろう」

 

 後編では、アメリカにおける大谷の影響力、ドジャース移籍に伴い一変する環境と注目度を語ってもらった。 

 

〈つづく〉

 

(「メジャーリーグPRESS」水次祥子 = 文)

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◆ 大谷翔平“アメリカ現地の人気度”…実態は? 米記者がズバリ「メッシに匹敵…野球界ダントツ」ドジャース移籍で“ここまで変わった”注目度

水次祥子氏/情報:NumberWEB)

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 ニューヨーク・タイムズ紙などに執筆する米国のベテラン野球ジャーナリスト、スコット・ミラー氏。メジャーを深く知る同氏が語る「大谷翔平の今」。まさかの通訳スキャンダル、エンゼルスからドジャースへの環境変化、アメリカにおける大谷への本当の注目度まで……本音を語った。〈全2回の2回目〉

 

 ドジャースには2018年ア・リーグMVPのムーキー・ベッツ内野手、2020年ナ・リーグMVPのフレディ・フリーマン内野手といったメジャートップクラスの選手が揃い、今季は12年連続のポストシーズン進出も確実視されている強豪。強いチームでプレーすることは大谷にどんな影響を与えるのか。

 

「恐ろしいほど大きな違い」ドジャースの環境

 

「上位打線は1番ベッツ、2番オオタニ、3番フリーマンというMVPトリオが並ぶ。フリーマンの前を打つということは、他のどの選手の前を打つよりも打ちやすい球がくると思う。フリーマンの素晴らしいところは、打者として驚異的なほど万能という点だ。パワーがあるだけでなく野手の間を抜く長打も打てるし、2年前にはリーグトップの安打数、二塁打を記録した。通算出塁率は.388で、打者としてのIQが高く、バットコントロールがずば抜けている。相手ピッチャーは、これだけの打者が後ろに控えている状況で、オオタニに対して際どいコースばかり投げて、もし歩かせでもしたら自分の首を絞めることになる。オオタニにとっては、かなりやりやすくなる」

 

 エンゼルス時代は大谷とMVPに3度輝いたマイク・トラウト外野手のコンビで打線を引っ張ったが、大谷が所属した6年間はすべて地区5球団中3位以下、うち5度が4位に低迷。常勝ドジャースとはまさに対照的だ。

 

「ドジャースとエンゼルスは、同じカリフォルニア州のロサンゼルスで、車で30~40分の距離にある近所同士だが、恐ろしいほど大きな違いがある。ドジャースはMLBの中でもトップクラスの輝かしいブランド価値を持った球団。その一方でエンゼルスは“おまけ”みたいな立ち位置だ。ドジャースの経営陣は当然のように毎シーズン優勝を目指す球団、エンゼルスはアート・モレノというケチなオーナーがいて勝つためのチームの作り方も知らなければ勝つことを何よりも重視しているというわけでもない。エンゼルスは2014年を最後にポストシーズンに進出していない弱いチームだが、そうなるべくしてなったとしか言いようがない。そんな球団からドジャースに移ったということは大変な環境の変化だ」

 

大物ズラリ「MVP競うライバル」

 

 圧倒的な資金力と優秀なフロントで固められたドジャース。大谷にとってはプラスになることばかりだが、エンゼルスが所属するア・リーグからナ・リーグに移籍する影響もあるのか。

 

「ナ・リーグにはスター選手が揃いライバルも多いが、オオタニはその中でMVP争いに加わる力を持っていると思う。ただ今季は投打の二刀流ではなくほぼ指名打者としての出場になるため、他のトップクラスの打者で守備も一流という選手の方が有利かもしれない。ブレーブスのロナルド・アクーニャ外野手は昨季、41本塁打を放ち73盗塁をマークしてナ・リーグMVPに輝いたが、今季もケガなくシーズンを通してプレーすればMVPの最有力候補になるだろう。オオタニの新たなチームメートであるベッツ、フリーマン両内野手も昨季、MVP選出で2位と3位の票を得ているし、今季も候補だと思う。打者に専念するオオタニがこうした強力なライバルを抑えて賞を勝ち取るためには、本塁打、OPS、打率、打点などの数字が圧倒的でなければならない。もちろん、彼ならそれをやってのけることは可能だと思う。

 

「西海岸のファンは東海岸より我慢強い」

 

 ロサンゼルスのファンの期待も大きいだろう。ただ今回のスキャンダルがパフォーマンスに影響する懸念はある。スキャンダルに関して今後出てくる情報によって、オオタニが野球にさらに集中できなくなるような状況に陥る可能性もあるかもしれない。このスキャンダルは今シーズン中、いつ爆発するかわからない爆弾のように居座り続けるだろう。

 

 もし彼の成績が目立って落ちるようなことになれば、ドジャースにとっても野球界にとっても辛いことだ。西海岸のファンは東海岸より我慢強いし、その中でもドジャースファンは特に我慢強いので、オオタニがよっぽどひどい状態でなければ地元ファンからブーイングを浴びることはないと思う。ただ、オオタニにかかるプレッシャーは相当きついものになることは事実。少しでも打撃成績が落ちれば、多くの人々がフィールド外のスキャンダルと結びつけて考えるだろう。彼はメジャーでのここまでの6年間、精神的な強さを示してきた。その強さでこの状況を乗り越えパフォーマンスを維持できるかは、非常に注目される点だ」

 

全試合満席も…スゴい注目度

 

 大谷がドジャースに入団したことによる球団への影響はどうか。今季のドジャースタジアムのチケットの売り上げはこれまでと比較し順調に伸びており、チケット2次市場での価格も高騰していると伝えられている。

 

「ドジャース入りしてからオオタニの注目度はさらに上がったが、それは彼自身の魅力とドジャース自体の魅力、両方の相乗効果があると思う。彼がメジャーでデビューした当初は、本当に投打の二刀流なんてできるのかという懐疑的な見方が優勢だったが、球界にセンセーションを巻き起こすオールラウンドの選手だということをメジャーで証明してみせた。米国ファンは今、彼が特別な選手だととらえている。オオタニという選手のすごさに加えて7億ドルという巨額契約によって箔もついた。注目度の大きさは計り知れない。

 

 そんな選手がドジャースというトップクラスの人気を誇るチームに移籍したのだから、相乗効果は絶大だ。コロナ禍による短縮シーズンだった2020年を除くと1989年以降達成していないワールドシリーズ制覇を果たすチャンス。収容人員5万6000人を誇るメジャーで最も巨大な球場ドジャースタジアムをシーズン毎試合ほぼ満員にする可能性も高まった。

 

「野球界で異例」本当のブランド力

 

『ドジャースのオオタニ』というブランド力は驚異的なもの。その影響力、マーケティング価値という点でも唯一無二の存在になった。MLBで彼に匹敵する選手は誰もいない。世界で匹敵するアスリートを挙げるとすればサッカーのリオネル・メッシ(インテル・マイアミCF)や、たぶんNBAのレブロン・ジェームズかなと思う。五輪選手なら女子体操選手のシモーネ・バイルズや女子サッカー選手のアレックス・モーガンも米国内ではかなり影響力のあるアスリートだが、世界的にどうかというとオオタニにはかなわない。野球界ならなおさらで、オオタニの元同僚でメジャーのトップスターの一人だったエンゼルスのマイク・トラウトでさえ、都市の大通りを歩いていても誰も気づかない。米国での野球選手の知名度というのはそんなもの。そんな中でオオタニがここまで影響力を持つ存在になったというのは、驚くべきことだと思う。

 

 ドジャースとヤンキースは、所属するだけで注目度が一気に上がる球団。オオタニのドジャース入りが決まった瞬間、MLB機構の幹部は大喜びしたのは間違いない。だがスキャンダルが起こると、マイナスの影響もその分すごくなる。今回のスキャンダルは、彼のブランド価値にもやはり影響があるだろう」

 

 波乱の中の新天地でのシーズンスタート。米国開幕前日の3月27日付のロサンゼルス・タイムズ電子版では、大物コラムニストのビル・プラシュキー氏が「ショウヘイ・オオタニを完璧に信じられるとは、今はまだ言えない」とする記事を掲載した。スキャンダルの話題が消えないまま、多くの目が大谷に集まっている。

 

(「メジャーリーグPRESS」水次祥子 = 文)

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 ■ NOTE

 

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