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2024年3月25日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ 大谷の専属通訳だった水原氏の違法賭博問題について、大谷と彼の危機管理チームが今後48時間以内に声明を発表する可能性が高いと24日(日本時間25日)、米全国紙「USAトゥデー」のボブ・ナイチンゲール記者が伝えた。また同氏は、MLBが公式に調査を進めている段階で、事態の進展について「正直に言うと、罰金の可能性以外に大谷には何も起こらない。彼の最大の罪は、単にギャンブル問題を抱えた親友を助けたことと、南カリフォルニアの違法ブックメーカーに借金の資金を提供することが違法であることを知っていたことかもしれない」と、独自の見解を示した。

 

◯ 試合前、クラブハウスに現れた大谷を報道陣が囲もうとしたところ、関係者が制止。そこで大谷が消えかかるような声で「Tomorrow(明日)」と伝えた。25日に取材対応することを示唆した。

 

デーブ・ロバーツ監督が24日のオープン戦前に取材に対応。

 

「(水原氏について)その問題に関しては申し訳ないが、一切コメントすることができない。私はそれについて話すつもりはない。今は話したくない」

「(大谷が真実を自ら明らかにする気持ちを固めたが)彼が自分の知っていることを話し、状況全体について考えを述べてくれるのは嬉しい。私たち全員にもう少し明確さを与えてくれると思う。私が見た限りでは、彼はいつも通りの仕事をしている。だから、明日、彼がきちんとみんなに話すことを待っている」

「クラブハウスの雰囲気は野球の準備をしようという雰囲気だと思う。憶測はあまり聞こえてこない。だからこそ、明日は誰にとっても良い日になると思う。クラブハウスのコーチから選手まで、今週末も同じ試合をプレーし、準備したいという気持ち」

 

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◯ 大谷はドジャースタジアムで行われる古巣エンゼルス戦の試合前、グラウンドに姿を見せ、昨季まで同僚たちと再会した。トレーニングウェア姿の大谷は、ダッグアウトを出ると、右翼ポール際でウォーミングアップ前の投手陣らの輪に合流。サンドバル、エスペデス、ムーアらとハグを交わし、約10分間ほど笑顔で談笑した。キャッチボール中のトラウトら野手陣には満面の笑みを浮かべながら手を振るなど、いつもと変わらない明るい表情を振りまいていた。

 

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◯ 大谷は24日(日本時間25日)、ドジャースタジアムで行われたオープン戦・エンゼルス戦に「2番・DH」で先発出場。移籍後初めて本拠での実戦は、2打数0安打1四球だった。

初回の打席では、韓国での開幕シリーズでも使用したブルーノ・マーズの「24K MAGIC」を登場曲に使用。「it's show time」の軽快な歌詞に乗って打席へ向かったが、1ボールからの2球目を打ち損じて左飛に倒れた。

2回の第2打席は3点リードの2死二、三塁の場面。カウント3-1まで持ち込むと、5球目の外角スライダーも見極めて1球も振ることなく四球を選んだ。続く、3番・フレディ・フリーマン内野手が押し出し四球を選んで追加点につなげた。

 

第3打席は4点リードの4回1死走者なしの場面。カウント3-1から5球目をスイングしたが、これが自打球となり右足くるぶし付近を直撃。激痛に表情をゆがめるシーンもあった。その後、フルカウントからの7球目のツーシームにバットが空を切った。

 

 

◯ 大谷が所属するドジャースと今永昇太、鈴木誠也のカブスが来春に東京ドームで開幕戦を行うことが内定した。USAトゥデイ紙が伝えた。同紙のボブ・ナイチンゲール記者は「カブスとドジャースは非公式ながら、2025年に東京で開幕戦を行うと通達された」と報じた。

 

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 ■ ロサンゼルス・ドジャース情報

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◯ ソウルシリーズを終えてロサンゼルスに戻ってきたドジャースは、毎年恒例となっているオープン戦締めくくりのエンゼルス3連戦がスタート。大谷翔平(ドジャース)は「2番・DH」でスタメン出場し、2打数0安打1四球で途中交代した。試合は2回裏に4点を先制したドジャースが5対3で勝利。ドジャース先発のボビー・ミラーが勝利投手、エンゼルス先発のグリフィン・キャニングが敗戦投手となり、ドジャース7番手のケビン・ガウディにセーブが記録された。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 米経済誌フォーブスが大谷翔平と水原一平・元通訳の問題を分析「金融機関は通常、電信送金の金額に制限」

(情報:スポーツ報知)

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 米経済誌フォーブスが24日(日本時間25日)、同誌のウェブサイトで「大谷翔平がギャンブルスキャンダルで無実を保つのがなぜ難しいのか」との記事を掲載した。

 同誌では事件の流れを整理。違法ブックメーカーに送金された450万ドルが「大谷が支払うことに同意し、2人で大谷のPCで大谷の口座にログインし、50万ドルを8~9回に渡って送信された」のか「大谷はまったくギャンブル行為、借金について知らなかった」のか。水原一平元通訳の当初の証言と、撤回後の証言があり、前者ならば「彼は規則に違反していると思われる。マンフレッド・コミッショナーの裁量で処分の対象となり、罰金や出場停止処分となる可能性がある」と同誌は指摘。「窃盗の被害者であり、紛失した金について知らなかった」とする大谷の弁護士らの主張は「無罪を保てる唯一のシナリオ」とした。

 同誌は「しかし彼は電信送金について知っていて、それに参加したのだろうか」と続けた。「金融機関は通常、電信送金の金額に制限をかけている。多くの身元確認や事務手続きが制限の解除に必要。大谷が数日前まで電信送金に本当に気付いてなければ、水原氏は詐欺と個人情報窃盗に関わる罪が追加される可能性が高い。彼は大谷の法的文書を盗むか、偽造する必要があった。彼らは密接な関係にあり、水原氏がそれらの文書にアクセスできた可能性はある」とした上で「数か月後まで知られずに、他人の口座からで電信でこのような大金を送ることはほぼ不可能だ。大谷がもっと頻繁に口座を確認する様な人だったら、と思う人もいるかもしれない」とした。

 水原氏が追加の容疑をかけられた場合、弁護士を雇い、当初の主張に戻る可能性があると指摘。「その矛盾する説明を整理するのはMLBと政府の捜査当局」と分析していた。

 大谷は25日(日本時間26日)に、この件について初めてメディアに対応する予定。

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◆ 「日本人の入手は難しい」「内野席25万円」自力でチケットを買ったドジャース韓国開幕戦…大谷翔平・ダルビッシュを観に行った“私の生観戦記”

Yuko氏/情報:NumberWEB)

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「日本人が入手するのはほぼ不可能」といわれたチケット争奪戦から、試合前の爆破予告、ダルビッシュと大谷翔平の夢の対戦、そして水原一平通訳の電撃解雇まで。韓国に駆けつけた私は、文字通りの「興奮と絶望」を味わった――。ドジャース対パドレスのMLB韓国開幕戦シリーズ、激動の体験記。〈全3回の1回目/第2回、3回も公開中〉

 3月19日、地方空港から仁川空港へはあっという間に着いた。直航便で3時間弱。飛行機が高度を下げるとなぜかみるみる視界が悪くなる。天気予報は晴れなのに……。

 その正体は黄砂だ。思いがけず、わたしは黄色いソウルの街に降り立った。

 これがわたしにとっての初の韓国である。目的はもちろん、ドジャースとパドレスの2024年ソウル開幕戦を観る! ことだ。 

 周知の通り、ソウルへの切符は簡単には手に入らなかった。

チケットが”プレミア化”するまで


 振り返ると、2023年7月、Number Webの記事で初めてドジャースとパドレスの開幕戦がソウルで行われるという情報を知った。記事は「韓国でオオタニが見られるかも?」と題していた。お隣の韓国でそんなビッグイベントが!? 

「なんだそれ、行きたい!」

 この7月の時点では大谷翔平選手の移籍も、もちろん山本由伸投手の入団も未定。でも、この「メジャーのお祭り」はぜひ観たいと思った。まさかこれほどのビッグイベントになるとは予想だにせず、行くことを決めた。

 12月初め、大谷選手がドジャースへの移籍を発表。スポーツ史上最高額の10年7億ドルでの契約。度肝を抜かれた。12月末、山本投手がドジャースへの入団を発表。銀河系軍団の誕生だ。

 それとともに、マスコミ各社は「じつはですね、ドジャースの開幕戦はソウルでやるんですよ!」という報道をにわかに始めた。知る人ぞ知るイベントは、こうして世の中にばれてしまった。

 ムーキー・ベッツ選手にダルビッシュ有投手、韓国が誇る内野手キム・ハソン選手も観られる。でも座席は1万7000席しかない。チケットは確実にプラチナ化しそうだった。そのくせチケットの買い方は誰も教えてくれなかった。夏から旅行を予定していたわたしは、このにわか報道になんだか腹が立ってきた。それでもチケットが販売されそうなサイトへのsign upは粛々とやっておくことにした。

 

「自力で追い続けて…」どうやって入手? 


 来年予定されている「MLBワールドツアー 日本シリーズ」の参考になればと、以下、今回のチケット購入の試行錯誤を記しておく。

 まず有力な情報だと思えたのは、パドレスのホーム球場ペトコパークの公式ページに「MLBワールドツアーのチケットは例年であれば11月上旬に発売されます。まずはシーズンシートホルダーに先行発売されます」と書いてあったこと。MLBは転売を公式化しているし、きっとマーケットプレイスに出品されるはず……そう考えて「StubHub」「viagogo」などの大手転売サイトに「試合の日付とチーム名(ドジャース、パドレス)」を登録。出品時にメールで通知されるよう設定した(後述するようにこれらマーケットプレイスでチケットは買わなかったが、出品時の通知メールはしっかり送られてきた)。

 後日、「Ticketmasterで売られるのではないか」との情報を目にした。Ticketmasterは、日本でいう、ぴあやイープラスのような正規価格のチケット販売サイトだ。MLBの通年の試合のチケットもここで販売されている。同じように「MLB Ballpark」も定価チケットを販売するサイトだ。このあたりで売られそうな予感がしたので、販売情報を日々チェックしたが、結論から言うとソウルシリーズは販売されなかった。

 12月になり、「どうやらCoupang Playでチケットが売られるようだ」とX(旧Twitter)でささやかれているのを目にし、Coupangのインスタをフォロー。確かにそう告知されていた。Coupangというのは、家電や雑貨、食品、旅行チケットなどを売る、日本の楽天のようなサイト。その会員の中でも「Wow」という有料会員に、このシリーズのチケットが独占販売されるという。

 独占販売……。

 有料会員になれないかトライしてみたが、韓国の電話番号と住民番号が必要であり、日本人の購入は無理だとわかった。さらに入場の際には購入者の身分証(ID)提示が必要とのことであり、単純に転売チケットを買っても入場できない仕組みになっていた。

 ここでいったん行き詰まってしまったが、Xで「MLB ソウル チケット」などのワードを検索すると、韓国の現地ツアーやコンサートチケットを日本人向けに手配する代理店のいくつかが「販売をするかどうかの詳細についてはあらためてご報告します」と書いていた。これらのアカウントをすべてフォロー。そしてそのうちの一つが、「チケット手配料を事前入金いただいた上で、お席の手配を頑張らせて頂きます」と、手配の受付を開始した。「本当だろうか?」とは思ったが、そのサイトの信憑性も吟味し、チケット手配を申し込んだ。受付はすぐ締め切られた。

 

「チケットが手配できました」


 年をまたいで2024年1月末のチケット発売日、なんと代理店から「チケットが手配できました」と連絡がきた。ドジャース側内野席は25万円(1日目)、外野3階席(2日目)は7万円であった。入場の仕方だが(韓国住民番号を有する)韓国人チケットホルダーと同行入場する。その入場をこの代理店が現地でサポートしてくれる、という形であった。

 さきほど記載した海外大手マーケットプレイスでは、転売価格は50~100万円と超高額に跳ね上がっており、しかもチケットホルダーとどう連絡をとり、どう同行入場を行うか事前に相談することができない。通常の試合なら転送されてくる転売電子チケットを受け取るだけでOKだが、今回のような同行入場が必須という特殊な試合では、(もし買える価格のチケットが出品されたとしても)購入リスクが高いと思われた。

 ホームページがあり、LINEを介して日本語で連絡がとりあえる代理店経由での購入が、最も無難と思われた。これらの情報を発売後の短い時間で検討し(迷っている時間はなかった)、上記の代理店からチケットを買うことを決めた。

いざ、球場へ……


 こうして無事、ソウルにやってきたわけだ。思えばここまで、日本人選手の移籍先、ナゾだらけのチケット販売形式、意表をついたス―パースターの結婚発表など、二転三転する情報を追いかける日々だった。今それらの情報はきれいに整理され、チケットもなんとか運よく手にし、新しいシーズンの開幕を楽しめばよいだけとなった。

「オラ、わくわくしてきたぞ!」

 大好きな悟空の気持ちになって、天下一武道会を目前にし、そう叫んだ。いざ高尺スカイドームへ! 

〈つづく〉

(「メジャーリーグPRESS」Yuko = 文)

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◆ 「日本人の方ですか?」韓国人と同行“あっさり入場できた”ドジャース開幕戦…生で見た大谷翔平、ダルビッシュ「ダッシュする人々もいた」
Yuko氏/情報:NumberWEB)

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「日本人が入手するのはほぼ不可能」といわれたチケット争奪戦から、試合前の爆破予告、ダルビッシュと大谷翔平の夢の対戦、そして水原一平通訳の電撃解雇まで。韓国に駆けつけた私は、文字通りの「興奮と絶望」を味わった――。ドジャース対パドレスのMLB韓国開幕戦シリーズ、激動の体験記。〈全3回の2回目/第1回、3回も公開中〉

 3月20日午後3時。高尺(コチョク)スカイドームの球体オブジェの前で、チケットホルダー、代理店の人らと待ち合わせた。試合開始の4時間前という早い集合だが、打撃練習を見たかったのと、入場の身分証の確認に1時間以上要するという事前情報があり、余裕をもってこの時間とした。

電車で直撃「どうやってチケット取った?」


 球場までの電車内で、パドレスファン3人組と乗り合わせた。

「Hi, I'm a sports writer from Japan. Do you live in Seoul?Where are you from today?」

 聞いてみたいことがあったので、話しかけた。

「わたしたちみんな、サン・ディエゴからやって来たんですよ!」 

  と嬉しそうだ。ユニフォーム姿や帽子などからも伝わる、本物のパドレスファンであった。去年ペトコパークに観戦に行ったんです、と伝えると、いいね! と喜んでくれた。

「ところでこの試合のチケット、どうやって取ったんですか? 日本人はなかなか買えずに苦労したんです」

 ずばり聞いた。

「わたしたちは、パドレスのシーズンシートホルダーだから、ふつうに買えましたよ。じつは来週は東京ドームに行って、巨人と阪神の開幕戦を観る予定なんです。そっちも楽しみ」

 この人たち、どうやら野球ガチ勢のようだ。NPBも観にきてくれるなんて嬉しいなあ。

「パドレスでは誰のファンなんですか?」

「えーと、タティスとマチャド、サンダー・ボガーツ、それにもちろんダルビッシュもね」とのこと。

「今年入団したマツイという日本人ピッチャーも注目してください」

 そう伝えると、3人組は「ほおー」という感じで、興味をもったようであった。

 

爆破予告…警察の出動者数がスゴかった


 電車がスタジアム最寄りの駅に着き、わたしたちは別れた。「この試合、楽しみましょう!」と手を振った。

 3月末のソウルは気温10度を切り、まだまだ冷たい風が吹く。だが球場の周囲はたくさんの観客、メディアの人、人、人! でごった返していた。

「レッツゴー・パドレス! レッツゴー・パドレス!」

「レッツゴー・オータニ! レッツゴー・ドージャス!」

「ハッソン・キム! ハッソン・キム!」

 思い思いに好きなチームや選手のコールをするファン。大谷選手への思いをメッセージボードに書いて、メディア取材を受ける人々。タレントのミニタニさんも来ており、「今日はチケットないんですけど来ました!」などと言っていて面白かった(のちに「入手していた」という報道があった)。

 警察の出動者数も多かった。それもそのはず、球場に爆破予告が届いていたのだ。警察車両のみならず、警察犬も警備に出動して、お祭り騒ぎと物々しさが混然一体となっていた。「な、なんか、えらいことになってきた……」。喧噪の中で、こちらまでざわついてきた。

「日本人多数」あっさり入場


 球場内へはわりとあっさり入場できた。住民カードを見せてのID確認はしっかりあったが、同行者のわたしは黙ってリストバンドをもらうだけ。しかも荷物チェックの際、「日本人の方ですか?」などと話しかけられた。日本語対応のスタッフまでいたのだ。

 同行者の確認はあまり重視していないようだった。というより、球場に来ている観客の推定5~10人に1人くらいは日本人だった。記念グッズ販売所にももちろん行ったが、かなりの行列で30分以上は並んだ。ショップに入った途端、ダッシュする人々もいた。

大谷、ダル、松井まで…現地で見た


 試合は19時5分にプレイボール! 席はドジャース側の内野席で、ピッチャーの球威などもよく見えた。この記念すべき開幕戦の見どころは、なんといっても、ダルビッシュ有投手と2番DH・大谷選手との初対決だ。ダルビッシュ投手が韓国入りした際に、現地ファンのカフェを訪問した、というニュースを目にした。MLBの開幕戦で先発するという状況は、どんなにベテランであっても重圧に違いないはず。そんな時でもソウルのカフェに行く、その気さくさと余裕。山本投手がドジャースに入団した際も、ダルビッシュ投手は音声配信プラットフォームで「悲しい」と表現していて、その率直さに共感した。

「どっちもがんばれ! どっちも勝て!」

 大谷選手のヒットとHR、かつダルビッシュ投手のクオリティ・スタート(6回を投げて自責3点以内に抑える)を期待して、この試合を見守った。

 夢の対決の結果は、ご存じの通りだ。大谷選手はショートゴロとライト前ヒット(最終的に2安打1打点1盗塁の活躍)。ダルビッシュ投手は4回72球を投げ、味方のエラー絡みで1点は失ったものの、自責点なしで交代した。今季からパドレスに加入した松井裕樹投手も勝ちパターンの中継ぎで登板し、三振を奪った。試合は5対2でドジャースの勝利。いずれの選手も「こうであったらな」と期待していた結果を出し、本当にうれしかった。

 とにかくほっとしたので、その晩はぐっすり眠った。

〈つづく〉

(「メジャーリーグPRESS」Yuko = 文)

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◆ 「一平さん、嘘でしょ…」チケット代“2日で32万円”韓国行ったファンの本音…水原一平の解雇、心震えた日本人選手への応援「その時、現地は?」
Yuko氏/情報:NumberWEB)

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「日本人が入手するのはほぼ不可能」といわれたチケット争奪戦から、試合前の爆破予告、ダルビッシュと大谷翔平の夢の対戦、そして水原一平通訳の電撃解雇まで。韓国に駆けつけた私は、文字通りの「興奮と絶望」を味わった――。ドジャース対パドレスのMLB韓国開幕戦シリーズ、激動の体験記。〈全3回の3回目/第1回、2回も公開中〉

韓国の新聞で“突きつけられた”現実


 翌3月21日、衝撃のニュースとともに朝を迎えた。通訳の水原一平さんがドジャースを解雇されたというのだ。「一平さん、ウソでしょ……」。ニュースによると、カリフォルニア州で禁止されているスポーツ賭博を行い、送金を大谷選手の口座から行っていたという。

 多くの人も感じたかと思うが、最初はフェイクニュースだと思った。

 ホテルのエレベーターを降り、ロビーに置いてある韓国「中央日報」紙を開く。大谷選手と一平さんの写真付きで「7年をともにした通訳者を解雇」という記事が載っていた。

 友人知人らからもLINEが来た。

「びっくりなニュースだね。何か詳細知ってる?」(友人)

 いや、詳細など知るわけがない。

「お疲れ様です。昨日のスタジアムで何か変化を感じましたか?」(Number Web編集部)

 いや、観客席からは何もわかりませんでした。ただ、スマホで撮った写真を見返すと、一平さんだけ離れたところに立っている。

「ドジャースなんなの? !」(母)

 いや、ドジャースを責めても仕方がない。

 去年7月ドジャースタジアムでエンゼルス戦を観戦したときに知り合った、ロサンゼルス在住の女性からも久しぶりにLINEがきた。「あまりにもショックで連絡してしまいました。あの一平さんが……という気持ちです」と。

 ああ。大谷選手の仰天結婚ニュースの時でさえ、この人たちから連絡は来なかった。野球界隈、震撼という感じだ。一平さん、どれだけ広く慕われてきたんだ……。

気持ちを整理すべく街へ…


 気持ちを切り替える。大谷選手は出場予定である。ほかにも日本人選手がこぞって出場する予定だ。なにせ、支払ったチケット代は、1日目が内野席25万円、2日目が外野3階席7万円であった。楽しまなくてはならない。

 夕方19時過ぎのプレイボールまでの間、鬱屈する思いをリフレッシュすべく、街に出た。歩いてみるとわかるが、ソウルは街の中心部であっても坂道や丘が多い。「近場の韓国旅行は今後の楽しみにとっておこう」と思っていたのだが、足腰が弱ってからだときついかもしれないな、と思った。この起伏に富んだ地形が、ガイドブックに載っている「ビューマッチブ」(景色がおいしいお店)な飲食店の人気の背景にあるのかもな、とわかった。映画で見た「半地下」の建物の構造も、この坂道の地形に由来しているんだろうと思った。

 歩くと、街のあちこちで「Seoul, my soul」という、ソウル市のキャッチコピーを見かけた。「ソウルは私のsoul<魂>を満たす」。素敵な響きだ。

 かなりの距離歩き回り、逆にパワーチャージした。さあ再び、高尺スカイドームへ。

 

「山本投手が通用せずに誰が通用するのか」


 本日の開幕第2戦の見どころは、言うまでもなく、メジャー初登板となる山本由伸投手だ。昨日のダルビッシュvs大谷選手の対決のように、どちらを応援しようかと迷う必要はない。山本投手の応援一択、の日である。

 昨年わたしは、1回だけ、京セラドームに山本投手の登板を見に行けた。あの9月9日のノーヒットノーラン達成の次の登板試合で、山本投手が打たれ、途中降板していた。「山本投手でもこんなことがあるのか」と、ある意味で貴重な試合を見たと思った。

 今日2024年3月21日の山本投手は、おおげさではなく、日本の全野球ファンの期待を背負って登板したと思う。「山本投手が通用せずに誰が通用するのか」と誰も彼もが思っていたに違いない。   

 けれど、1回表で大量5失点を喫し、早々とマウンドを降りた。山本投手らしからぬ制球の不安定さが、センター3階席の素人目でもわかった。ヤマモトー。さぞかし無念だろう。

 試合はいわゆる「打高」な乱打戦となった。途中、松井投手と大谷選手が7年ぶりに対戦する熱い! 場面がおとずれた。大谷選手の大飛球がライトに飛ぶも、フェンス際で補球されアウト。大物を仕留めた松井投手は、この回を計9球で0点に抑えた。試合は15対11でパドレスが勝利した。

韓国で日本人に熱い応援…現地で見た


 今日は朝から晩まで、日本の野球ファンがなんとなくションボリした日だったかと思う。山本投手は、そもそも調整期間が短すぎた。でもこの先きっとメジャーにアジャストし活躍してくれると期待している。大谷選手の様子は球場の大型スクリーンで時々確認したが、表情はいつも通り穏やかであった。

 韓国開幕戦シリーズ2日間。オータニ選手への声援は、自国のヒーローであるキム・ハソン選手と同等か、それを上回っていた。ダルビッシュ、ヤマモト両投手へも、ドジャースファンかパドレスファンかを問わず、たくさんの声援が上がっていた。松井投手が中継ぎ登板したとき、わたしが「松井、行けーー!」と声援を送ると、周りもそれに気づいて「マツイ! マツイ!」と応援を始めた。知名度がそれほど高くなくても、同じアジア(日本)の選手を応援したい気持ちが伝わってきた瞬間だった。

 日本と韓国は、切磋琢磨しあうライバルであり仲間である。そして、日韓の熱いsoulのぶつかり合いが見られるのが、今年のナ・リーグ西地区でもある。大谷選手ら所属のドジャースをはじめ、キム・ハソン選手がいるパドレス、イ・ジョンフ選手のジャイアンツ……。

 今回、現地観戦で目の当たりにした韓国ファンらの日本人選手への熱い応援は、少しションボリしていたわたしのsoul〈心〉を癒してくれた。そのことを忘れないでいようと思う。

(「メジャーリーグPRESS」Yuko = 文)

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◆ 止むところを知らない「一平スキャンダル」。アメリカでの冷めた反応とメディアの過熱

阿佐智氏/情報:スポナビ)

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 今、ドジャース大谷翔平の通訳、正確には元通訳・水原一平氏の話題がメディアを席巻している。水原氏の解雇をドジャースが発表して以降、連日のようにニュース、ワイドショーがこの話題を取り上げ、また、様々な事実(どこまでが事実だか不確定な部分もあるが)が、次々と報じられている。

 私が、この事実を知ったのは、アリゾナのキャンプ取材の時だった。自身の取材日程最後の試合を取材した後、帰国前に一杯やっていこうかと入った取材地だったメサの町のバーでのことだった。

 カブスとアスレチックスの2チームが春のホームを構えているフェニックス西郊に位置するメサ。この町のメインストリートにはフェニックスから通じているライトレールが走っている。試合の行われていたアスレチックスのキャンプ地、ホホカム・スタジアムを真っすぐ南下したこの電車道との交差点辺りがメサの町の中心街で、バーやレストランが軒を連ねている。バーの中には自家醸造のビールを提供するタップハウスも多く、私は野球ファン御用達というこの町で最古を自称するタップハウスに入った。 

 店前のオープンスペースには、この日のアスレチックスの相手だったアリゾナでキャンプを行う15球団から成る「カクタスリーグ」で最も人気のあるカブスのファンがビアグラスを傾けていた。

 店内のカウンターに座り、数多あるビールからピルスナーを注文し、スマホの画面を見ると、そこに速報ニュースの知らせが入った。そこには「大谷通訳、一平解雇」の文字があった。私は、目の前のバーテンダーに「イッペイがクビになったよ」と告げたが、祖父の影響で、パイレーツのファンだというそのバーテンダーは、「イッペイって誰なんだ?」と聞き返してくる。「オオタニの通訳の男だ」と返すと、「本当か?」と自身のスマホを確認し、私の隣の席の男に、「オオタニの通訳がクビになったよ」と伝えた。目の前の大きなテレビ画面では、この日、ソウルで行われたパドレスとドジャースの開幕戦のダイジェスト映像が流れていた。その映像を見ながら、その男は、「ところでオオタニは日本人なのか、韓国人なのか?」とバーテンダーに質問していた。世界中からベースボーラーが集まるメジャーリーグを観ているアメリカ人たちは、外国からやってくる選手の国籍まではいちいち気にしないようだった。ましてやその外国人選手に通訳がついていることなどには興味がなく、一平氏の件についてもその男は興味がなさそうだった。彼らの興味は、自身のひいきチームの今シーズンに向けての調整具合であり、オープン戦を観戦後、バーでジョッキを傾けながら、ひいきチームやそのチームの選手のプレー具合を語り合って一日を終えるのが、アリゾナに集まった野球ファンというものらしかった。皮肉なことに、それまでアメリカ人の興味などさほどひいていなかった一平氏は、このあとアメリカで時の人となる。

 スマホには、次々と続報が入ってくる。その時点では、解雇の理由は「大谷の口座から現金を引き出した」というものだった。私はバーテンダーと顔を見合わせながら、「それなりの金貰ってんのになにやってんだ」とあきれた。

 少なくとも、3月20日時点でのアメリカの野球ファンの一平氏への認識はこの程度だった。

異常なほどの「新ドジャータウン」での一平人気


 私はこの時、もう少しこのスポーツバーが一平氏の話題で盛りあがるのかと思っていたので少し拍子抜けした。この一週間前に目にした光景は、「一平フィーバー」さながらのものだったからだ。

 3月13日のグレンデール。メサとはフェニックスを挟んで反対側の郊外にあるキャンプ施設は、ドジャースとホワイトソックスが共用している。メイン球場の南に広がる広大な敷地は、細長い池を挟んで西側の6面のフィールドをホワイトソックスが、東側の6面をドジャースが使用している。この日は、ドジャースがオープン戦を行う日だったせいもあるが、ドジャース側が大いににぎわっていたのに対し、ホワイトソックス側は実に閑散としていた。おそらくホワイトソックスの試合日であってもここがこれほど賑わうことはなかっただろう。

 日本人の数は目立ったが、集まった観衆の多くはアメリカ人だった。ただ共通していることは、彼らのお目当てが大谷であったことだ。そのことは、彼ら彼女らが身にまとっているTシャツやレプリカユニフォームが物語っていた。もうひとり、日本からやってきた「最強投手」、山本由伸のことは、熱心なファンは知っていても、名前まではなかなか出てこないことはファン同士の会話からうかがえた。この日の試合は、ソウルシリーズに向けて、他球団に先駆けてメジャーキャンプを打ち上げるドジャースにとっては最後の試合。しかも先発は、ソウルに向けて最後の調整となった山本と、日本人が大挙して押しかけるシチュエーションが揃っていた。

 試合前のドジャースベンチのある3塁側スタンド最前列には、ポール際からベンチ横まで大谷や山本を一目見よう、あわよくばサインをもらおうというファンが並んでいた。この一団における日本人の「純度」は、球場外よりはるかに高かった。

 この日、一平氏は、大谷ではなく、山本とともにファンの前に姿を現した。外野でキャッチボールなどの調整を行い、先発マウンドに向けてベンチに向かう山本と並んで歩く一平氏に山本はなにやらレクチャーを受けているようだった。大谷を長らくサポートしてきた彼の存在は、山本にとっても良きアドバイザーだったように見えた。

 フェンス沿いを歩く二人には、日本語の歓声が投げかけられ、山本の名を呼ぶ声と同じくらいに一平氏の名を呼ぶ声が聞こえたが、その歓声が次々とベンチに向かってくる主力選手に投げかけられることはなかった。今にして思えば、ドジャース、おそらくその前はエンゼルスをとりまく環境は、メジャーリーグ、あるいはアメリカ球界のそれとは明らかに異質なものだったのだろう。この空気は、一平氏の感覚をある意味麻痺させたかもしれない。

 メジャーのオープン戦は、5回あたりから空気が変わる。フィールドに向けられていた「ザワザワ感」が外に向けられるのだ。主力選手は出番を終えると次々にファールゾーンからクラブハウスに向かい、招待選手やマイナーからの挑戦者には興味のないファンの多くは球場出口へ向かう。山本の登板後、大谷は彼と同時にクラブハウスへ向かった。報道陣には、山本への囲みインタビューのためにクラブハウスが公開されたが、この日は大谷への会見はなかった。山本のインタビューの横で、キャンプ打ち上げのため荷物をまとめる大谷の姿の横には一平氏の姿があったが、このとき我々には、1週間後を予想させるような雰囲気は感じられなかった。

あまりに順調なキャリアが狂わせた大谷と一平氏の感覚


 この「一平スキャンダル」は、違法賭博や多額の金銭の引き出し、振り込みにとどまらず、一平氏の経歴詐称疑惑など騒動は収まる気配がない。一方で、ことの真相はいまだ明らかにはなっていない。

 しかし、一平氏がカリフォルニア州で違法とされているスポーツ賭博に金をつぎ込み一般人の常識では考えられないような金額の負けを背負い、その穴埋めに大谷の私有財産が使われたことは間違いなさそうだ。結局のところ、このような事態に陥ったのは、大谷というひとりの青年と、その大谷という不世出のアスリートと一蓮托生の関係になってしまった一平氏がともに自らも自覚せぬ間に肥大化してしまったことに遠因があるように思う。

 一平氏の年収は、最高で7500万円と報道がある。別の報道では球団からの報酬の他、大谷個人からもギャラを貰い億単位を稼いでいたという話もある。通訳という職業にしては貰いすぎと言ってもいいだろう。無論、氏は単なる通訳に留まらず、練習相手や運転手もし、大谷のアメリカでのプレーを全面的にサポートしていたのだが、それにしても、日本ではプロ野球選手でもなかなか稼ぎ出せないほど報酬を手にし、億万長者のメジャーリーガーたちに囲まれ、さらには主力選手並みの声援をスタンドから送られれば、様々な部分で自分を見失うこともあるだろう。邦貨にして6億円を超える負けを博打でつくってしまうというのは、金銭感覚が麻痺していたとしか言いようがない。

 一方の大谷も、仮に一平氏に泣きつかれて博打の負債を肩代わりしたというなら、一流アスリートとしてあまりにも軽率と言えるし、知らぬ間に自らの銀行口座から一平氏に金を抜かれていたというなら、30歳を迎える大人としてあまりにも幼いと言えるだろう。確かに、高卒でプロ入りし、以後、その才能故、常に特別扱いで現在に至っていることを考えれば、自身の給与、財産の管理など、社会人として身につけるべきスキルを習得するチャンスがなかったかもしれない。

 ただ起こってしまったことの重大性を考えると、一度自身の口からなんらかの言葉を発する必要はあるように思う。

 とにかくも、大谷には早くプレーに専念できる環境を与えてやって欲しいが、それを与えることができるのは大谷本人でしかない。

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◆ 瀬戸大也が語る大谷翔平秘話 「もう規模が違う…」絶句した会話 「WBC、何で行く?って…」

(情報:スポニチ)

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 ◇競泳国際大会代表選考会最終日(2024年3月24日 東京アクアティクスセンター)

 競泳国際大会代表選考会で3大会連続の五輪出場を決めた瀬戸大也(29=CHARIS&Co.)が24日放送の日本テレビ「Going!Sports&News」(土曜&日曜後11・55)にゲスト出演。交流があるドジャース・大谷翔平投手(29)に仰天した出来事を明かした。

 同じ94年生まれ。瀬戸の盟友でもある東京五輪を最後に引退した競泳の五輪金メダリスト・萩野公介氏を通じて大谷と知り合ったといい「(萩野)公介を通じて紹介してもらって、最初は。ご飯とかもたまーに行くという感じです」と関係性を明かした。

 「(食事は)けっこう前に行ったんですけど…WBCの前くらいだったかな?」と昨年WBC直前に食事したという。

 「トレーニングの話とかもするんですが、その時に面白かったのは『WBC、何で行く?』って話していて。何で行くって当然飛行機だと思うんですけど、『チャーターするか、しないか』の話だったんですよ」と苦笑。

 さらに「(カブスの)鈴木誠也選手も一緒にいて、『誠也も一緒に乗ってく?』って…そんな話をしていて、もう規模が違うねって公介と話していました」と驚いた当時の心境を語った。
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 ■ NOTE

 

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