2024年3月20日

 

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 ■ 試合データ

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韓国時間:2024年3月20日

日本時間:2024年3月20日(水曜日・祝)

19時05分開始

ロサンゼルス・ドジャース

対サンディエゴ・パドレス

@高尺スカイドーム

 

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【MLB.JP 戦評】

 日本時間3月20日、ドジャース対パドレスの韓国開幕戦でMLBの2024年シーズンがスタートした。新天地デビュー戦となった大谷翔平(ドジャース)は5打数2安打1打点の活躍。開幕投手を務めたダルビッシュ有(パドレス)は4回途中2安打1失点(自責点0)で降板し、松井裕樹(パドレス)はメジャーデビューを果たした。試合は8回表に一挙4点を奪ったドジャースが5対2で逆転勝利。ドジャース3番手のダニエル・ハドソンが今季初勝利、5番手のエバン・フィリップスが今季初セーブを記録し、パドレス6番手のジョニー・ブリトーは今季初黒星を喫した。

 

 大谷は「2番・DH」でスタメン出場。最初の2打席はダルビッシュとの日米を通じての初対戦となり、2打席目でライトへのヒットを放ち、今季初盗塁も決めた。8回表一死1・2塁で回ってきた第5打席はレフトへのタイムリーを放って貴重な追加点を叩き出し、チームの勝利に貢献。5打数2安打1打点1盗塁と上々のスタートを切った。

 

 パドレスは4回途中2安打1失点のダルビッシュ、2/3回を無安打無失点に抑えた松井など、投手陣の好投により7回終了時点で2対1とリードしていたが、8回表にキケ・ヘルナンデスの犠飛で追いつかれ、一塁ジェイク・クロネンワースのミットが破れるという珍しいタイムリーエラーで勝ち越し点を献上。大谷にもタイムリーを浴び、2対5で逆転負けとなった。

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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【スタメン】

2番DH

 

【出場成績/打者】

5打数 2安打 1打点 1盗塁(1個)

通算打率・400

OPS・800

 

◆第1打席:

(結果)ショートゴロ

(状況)1回無死1塁

(投手)ダルビッシュ有 右

※2ボール1ストライクからの4球目、外に沈む球にバットを出したが、当てただけの遊ゴロに倒れた。

 

 

◆第2打席:

(結果)ライト前ヒット

(状況)3回2死走者なし

(投手)ダルビッシュ有 右

※カウント2ボール2ストライクからの5球目、ダルビッシュの高めの直球を上からしっかりと叩いて、打球速度181キロの弾丸ライナーで右前に運んだ。すぐさま次打者の初球に二塁盗塁にも成功。これが日米通算100盗塁となった。安打の際には、スタンドで観戦した真美子夫人もガッツポーズし、周囲とハイタッチで笑顔を浮かべた。

 

 

◆第3打席:

(結果)サードゴロ

(状況)5回無死1塁

(投手)トム・コスグローブ左

※カウント1ボールからの2球目、内角の92マイル(約147キロ)に差し込まれ三ゴロに倒れた。

 

◆第4打席:

(結果)ピッチャーゴロ

(状況)7回1死走者なし

(投手)ワンディ・ペラルタ左

※カウント1-1から86マイル(約138キロ)の変化球を引っかけると一塁線へのボテボテの打球に。全力疾走を見せるも、マウンドから駆け降りたペラルタの好フィールディングによって間一髪でアウトとなった。

 

◆第5打席:

(結果)レフト前ヒット

(状況)8回1死1、2塁

(投手)エイドリアン・モレホン左

※3得点して逆転して迎え、なお1死一、二塁の場面で左前打を放ち、移籍後初打点をマーク。新パフォーマンスとなっている一塁ベースコーチとヘルメットをぶつけ合った。しかし直後の走塁では、次打者・フリーマンの大きなフライに反応し、一塁からスタートを切った大谷だったが、フリーマンのフライは右翼手・タティスのグラブに収まり、慌てて帰塁。この際、二塁ベースを回っていたが、ベースを踏まずに一塁へ戻ったとみなされ、アウトの走塁ミスもあった。

 

 

【コメント】

◯ 試合後の一問一答。

――開幕戦を振り返って。

「最初のスタートとしてまず勝てたのが良かったですし、最後まで粘り強くあきらめず、逆転できたのがチームとしてよかったんじゃないかなと思います」

 

――ダルビッシュとの対戦。

「会釈くらいもちろんしたかったですけど、ピッチクロックで時間なかったので塁上からになってしまいました。でも球も素晴らしかったですし、1本何とか打てましたけど。何回もこっからやっていくので、また復習しながら、まずは明日また切り替えて」

 

――キャンプで走塁などトレーニングをしてきた。

「体調がいいのが一番かなと思うので、今日試合に出れて、最後まで出て終わったというのは術後の経過として。そういうスタートを切れたのが、一番良かったんじゃないかな」

 

――ヘッドバンプについて。

「ハンドシェイクみたいなもの。コーチのほうからこれどうだといわれてやりました」

 

――緊張感は。

「ありましたけど、ピッチャーのほうが緊張するのでそれは変わらないですし。そういうのに比べればリラックスしては入れたのではないかなと思います」

 

――韓国での親善試合ではスイングはよくなかったようにも見えた。

「体が硬かったので。構えからちょっと違和感ありましたし、そのせいでゾーンがちょっとずれていたのかなと思って。昨日はケアしてリセットして休んで今日はよかったので。また明日までにリカバリーしっかりとって、集中したいなと思います」

 

――最後の走塁ミスについて。

「(笑い)あれはもう完全に僕のミスなので。僕の中では(二塁を)越さずにタッチして帰ってきたつもりだったんですけど、判定が越しているということだったので。そこらへんはまた反省しながら明日やりたいと思います」

 

――山本由伸投手が初先発。送った言葉は。

「ないですね。本人も緊張しなさそうなタイプだと思うので、リラックスして入れると思いますし。今日まず勝ったのでそれもまたリラックスしては入れる要因じゃないかなと思いますし、早い回で援護できればいいんじゃないかと思います」

 

――デビューしてみて。

「まずは勝てたのが一番かなと思いますし。終盤で逆転できるのが強いチームじゃないかなと思いうので、こういう試合が増えれば、おのずと勝ちが増えていくんじゃないかなと思います」

 

――緊張感は。

「あまりピッチャーに比べてバッターのほうはあまり緊張しないので、リラックスしては入れました」

 

――強力打線を証明できたか。

「もっともっと点の入るシチュエーションが、例えば、ムーキー(・ベッツ外野手)が出た後に、僕がもう少しつないでいたかとか。もう1本出ていればとか。もっとよりいい得点の仕方があったかと思いますので。どこからでも得点が入るような雰囲気を持っているのが、自分としても心強いなとは思います」

 

――ダルビッシュと初対決。

「1球1球、気合が入っていたと思いますし、素晴らしい球が来ていたので。2打席ともに2ストライクからの安打。どっちも追い込まれた打席だったので僕にとっては苦しい打席でしたけど、何とか1本出てよかったと思います」

 

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【NEWS情報】

 

◯ 試合前練習ではグラウンドで行われた野手組のアップに参加し、ストレッチや短距離ダッシュなどで体を動かし、スタンドのファンから大きな声援を浴びていたが、アップ終了後にクラブハウス裏に戻ると、そのままグラウンドに姿を見せることはなくドジャースの練習時間が終わった。屋内でティー打撃などを行って調整したとみられ、フリー打撃は見られなかった。韓国入り後は公式練習、エキシビションマッチでいずれもフリー打撃は行っていない。

 

◯ 大谷が米スポーツ専門誌「スポーツイラストレーテッド」の最新号の表紙に登場。同誌の特集でデコピンとの暮らしを語った。表紙では、ドジャースのユニホーム姿で、バットを持ってカメラに鋭い視線を向けている1枚。「MONEY CAN WAIT. WINNING CAN’T(お金は待ってくれるが、勝利は待ってくれない」との見出しが。デコピンとの出会いについて、手術明けで自宅療養を余儀なくされることになった時、野球好きの犬のブリーダーと出会ったといい、大谷は「(犬を飼うには)完璧なタイミングだと思いました」と回想。「家の目の前にドッグパークがあるんです。昼と夜の2回。その間に帰ってきてリハビリして。時間を合わせて一緒に食事をするんです。ドジャースと契約するまでは、それが日課みたいになっていました」と語った。

 

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ニューバランス社が契約するドジャース・大谷のシグネチャーロゴを発表した。ベースを回る際のスケッチで、常に先の塁を狙いベースを蹴る姿をイメージ。大谷は「僕の野球人生における歩みを視覚的に表現したもので、このロゴを世界と共有できて興奮しています」とコメントした。

 

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◯ 契約する人材サービス事業のディップ社は、大谷の新テレビCMを20日から全国で放映すると発表した。

 

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 ■ 試合情報(ドジャース関連NEWS)

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【コメント】

デーブ・ロバーツ監督:

「素晴らしかった。ダルビッシュに対して良いアプローチができ、ブルペンを早めに引き出すことができた。(第2打席で打球速度119マイルの特大ファウルを放った大谷について)1度のスイングで本来の姿を取り戻すことがある。オープン戦でも安打を打っていたが、1本引っ張ってファウルになった良いスイングがあった。それが良い影響を与えてヒットにつながり、終盤でも安打が生まれたんだと思う。ショウヘイにとってまたしても素晴らしい夜だった」

 

「大きな市場を持つロサンゼルスのチームで、(大谷という)一世代に1人の才能を持つ選手が所属している。より多くの注目がドジャースとMLBに集まっている。ショウヘイの他にも良い選手がそろっている。(先発の)タイラーも試合を作り、打線も終盤につながった。いい試合だったし、今後もこのような試合ができることを期待している」

 

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タイラー・グラスノー投手:

「何もかもタイミングに合わせてやった。計画通りの投球をするために努力した。最大限ミスを防ぐために努力した。とてもユニーク。海外での開幕戦。マイペースでうまくやれた。アメリカに戻って良い投球ができれば。(応援など違う環境での登板にも)チャントは音が聞こえていた。興味深い時間を過ごすことができた」

 

ダルビッシュ有投手:

――特別な環境での開幕だったが、初登板を振り返って。

「時差もあったり、違う国での開幕といろいろありましたけど、楽しめたと思います」

 

――球数はプラン通り?

「球数はそうです。もうちょっといけたと思いますけど、時差もあったり、前回の登板から開いてるのもあってこれくらいかなと思います」

 

――カーブを多く投げていたようにも見えたが、今日の投球は?

「状態は絶好調ということではなかったですけど、いろいろと粘りながら試合はつくれたと思います」

 

――大谷選手との第1打席を振り返って。

「一緒にトレーニングしていた時期もありましたし、今までのいろんな関係というか、そういうのもあって不思議な感じがしました。ピッチクロックがあるので投げなきゃいけないので、ゆっくり楽しむことはできなかったです」

 

――2打席目はライト前ヒットを打たれた。

「最後はツーシームを内の高めにいこうとしたんですけど、抜けてしまって曲がりもあまり曲がっていなかったのでちょっと弱い球になってしまった。強い打球を打ってさすがだなと思いました」

 

――同地区のドジャースとのこの先の対戦に向けて。

「強いチームですし、こういう試合が多い。終盤に確実に点を取ってくるチームにどうやって勝つかが自分たちのチームにとってはチャレンジになる。学んでまた次につなげたいと思います」

 

――松井投手の初登板をどう見た?

「スコアボードにパドレスの帽子を被っている写真がありましたけど、そこに立つまでに人生の中でいろんなことがあって立っているんだなって見たときにちょっと泣きそうになっちゃいました」

 

――終わってからは何か声はかけたか?

「メジャーリーグデビューおめでとうということと、お疲れさまでしたと伝えました」

 

――ドジャースの1~3番と対戦してみて。

「1番と3番はずっと対戦しているので、そこは特に変わりないですけど、大谷君が入ることによってああやって走ることもできますし、いろんなことができるようになったなと感じました」

 

――大谷選手のインサイドにいっていたが、情が入ることは?

「それはないです。なかったですけど、ヒット打たれた後、自分の中ではニコっとしてしまってなんだかんだ情は入ってたんだろなと(笑)」

 

――韓国の応援は独特だがどうだったか?

「エキシビションゲームからそうですけど、日本とは似ていますけど、違う。楽しそうに応援されていたので、自分の中ですごく貴重な経験というか楽しかったです」

 

――応援にやりづらさはなかった?

「やりにくくはなかったですけど、独特だなとちょっとは気になりました」

 

――ピッチクロック違反があった。

「イニングが始まる前にもピッチクロックがあるんですけど、今日はなかった。それでゆっくり時間を取ってやっていて、その形でいってしまってすごくもったいないことをしました」

 

――今年からランナーが出てからの時間も短くなったが。

「スプリングトレーニングからやっているので問題はないです」

 

――昨日もマウンドを確認していたが、実際にマウンドに立ってみてどうだった?

「昨日は整備されていなかったので、グラスノー投手もそうでしたけど、最初の1回、2回は凄く濡れていてスパイクの歯について、滑りやすかったのがだんだんとれて硬くなってきてちょっと独特なマウンドでした」

 

松井裕樹投手:

――登板を振り返って

「緊張しましたね、久しぶりに下半身があんまり使えないというかそれぐらいフワフワした気分になったのは本当に久しぶりだなと思うので。そういうのも含めて凄いいい刺激を受けましたし、また明日からは少し落ち着いてできるのかなと思います。僕のことを知ってくれている日本のファンの皆さまは、フォアボールを出して三振取って、まぁ僕らしいと思ってくれるのかなと思います。なるべくランナー出さないで明日以降頑張りたいです」

 

――手応え、収穫は

「今日に関してはゼロで帰ってきたことぐらいですかね」

 

――ベンチに帰るときに誰もいない方へ行きかけた

「いや、あっちから必ず帰らなきゃいけないとかはちょっと分からなくて。みんなが“あっち”って。出迎えてくれたので良かったです」

 

――ピッチクロックへの対応は

「やっちゃったーと思って。意識がもちろんバッターにいくんですけど、その中でタイムの意識が一瞬、あの球だけですかね、ちょっと飛んじゃって」

 

――タイマーは気にしながら

「そうです、はい、あの球だけ、なんか飛んじゃいました」

 

――ダルビッシュはマウンドの姿を見て涙が出たと

「本当にダルさんに支えてもらって、ようやくメジャーのマウンドに立てたので、本当にありがたい存在です。これからも背中を追いかけていきたいです」

 

――投げ終わりでかけられた言葉は?

「普通にナイスピッチングと」

 

――1点リードの場面で起用されて

「大事な開幕戦で勝っている展開で使ってもらったというのは本当に意気に感じますし、その中で何とか、アウト2つですけど取って帰ってこれたので、最低限の仕事ができたのかなと思います」

 

――開幕戦のホールドは日本選手初めて

「そうなんですか?ありがとうございます」

 

――登場曲のあいみょんはこだわり

「そうですね、アメリカの皆さんに知ってもらいたいです」

 

【NEWS情報】

松坂大輔氏:

(スポニチ)

「さすがだなと思いましたね。あの2試合があって自分の修正ポイントやっぱり理解していたと思うので、それをしっかり直してこの開幕戦に臨んできたなと思いました。開幕戦からヒットも出たし、タイムリーも出て、盗塁もあって今シーズンどんな成績を残すかなという楽しみが更に大きくなりましたね。

 

ダルビッシュ投手がいろいろボールを散らしながら投げてる姿を見るとやはり抑えるのが大変な打線だなと改めて見て思いましたね。本来だったら大谷選手を歩かせて、次の打者で勝負っていうケースが増えるかなと思うんですけど、そうさせてくれないバッターが前にも後ろにも並んでるんで、本当に手強いです」

 

谷繁元信氏:

(日刊スポーツ)

「大谷の修正力を見ることができた。8回の第5打席で、初球の内角球を逆方向へ運ぶ適時打。それまでの打席は右肩の開きが少し早かったが、最後の打席は、ちゃんと右肩が残っていた。

 

 開きの早さは開幕戦だけにしょうがないと思いながら、見ていた。キャンプ序盤は逆方向へのバッティングが中心。そこから、ほぼ振れる状態になってこの日を迎えた。それで初回から引っ張りにいったのだろうが、まだタイミングにずれがあった。ダルビッシュとの最初の対戦は、初球の内角真っすぐが効いた。最後は外の沈むボールに遊ゴロを打たされた。3回の第2打席は右前打でやり返したが、その後は代わった投手に内野ゴロ2つ。そうして迎えた最終打席。得点圏に走者がおり、それまでと状況が違ったとはいえ、試合の中で修正できるのはさすがだった。

 

 ダルビッシュの投球からは、何としても強力ドジャース打線を抑えるという意気込みが伝わってきた。今月上旬、渡米してパドレスのキャンプを取材した。ダルビッシュとも話したが、開幕カードに向けて相当、研究していた。各打者のデータに応じて自分の球筋や球種、球速に変化を試みていた。相手の長所を避け、弱点を突こうという意思は、投球内容に表れていた。

 

 大谷に対しては、内角球を効かせて抑えた第1打席からの流れで、3回も内角中心に攻めたのだろう。ただ、内を突きすぎた分、最後は外への逆球を右に運ばれた。

 

 大谷の後を打つフリーマンに対しては、初回は見逃し三振。内からゾーンに入れるフロントドアだった。3回は一転、外の変化球中心に攻めたが、四球を与えてしまった。相手に向かっていく意思はあっても、それがうまく表現できなかった。開幕戦独特の緊張感もあったのだろう。ただ、ピンチを招いても最後はマンシーを空振り三振。ガッツポーズを見せ、チームを引っ張っていく気迫が伝わってきた。

 

 メジャーデビューを果たした松井も合わせ、3人の日本人選手を見られた。面白い開幕戦だった。欲を言えば、ダルビッシュと大谷の対戦をもう1打席、見たかったが、今季中に何度か見られるはず。楽しみだ」

 

山本由伸投手:

20日、メジャーデビュー戦を翌日に控え、会見に出席。意気込みを語った。山本の主な一問一答は以下の通り。

 

――明日どんな投球がしたい。

「この球場で投げるのはもちろん初めてですけど、投げながら感じることもあると思いますし、しっかり対応しながら投げていきたいなと。相手打線も素晴らしい打者が並んでいるのでとにかく全力で投球していけたらと思います」

 

――大リーグの開幕は緊張か、それとも期待か。

「もちろん楽しみな気持ちもありますし、緊張する気持ちもありますし、いろんな感情がありますけど、とにかく勝つことだけを考えて、いつも通りプレーしていけたらいいなと思います」

 

――キャンプからここまで過ごしてきて、どう感じているか。

「僕は日本で去年までプレーして、今年から違う国でプレーすることになり、どうなるかと思っていたが、選手ファーストのサポートの元でプレーできたので、ここまでしてもらえるのかという驚きがありました」

 

――オープン戦の成績(3試合、9回2/3で防御率8・38)から、どう違いを見せるか。

「オープン戦の成績は確かに悪かったですけど、そこはオープン戦だと割り切っているし、それ以上に3月の間に確認することというのはたくさん確認できましたし、しっかりと開幕へ向けていい準備ができたと思います」

 

――セットポジションで腕の位置を変えて調整していた。

「調整するところはしっかりできましたし、開幕へ向けての準備はしっかりできたと思っています」

 

――右打者に対してどんな考えがあるか。

「まずは自分のピッチングをしていくと思います」

 

――初球、ずばり何を投げるか。

「打たれたら困るので、秘密でお願いします」

 

――決めているのか。

「本当にもうそこは特にこだわりはなくて、とにかく試合に勝つためのミーティングとかも行われると思うのでその通りに投げます」

 

――過去の開幕との違いは。

「デビュー戦ということで、また7年前の日本のリーグでデビューした、登板した時とは違いますけど、違う感情だなと感じています。とにかく1試合1試合、責任を持って投げたいと思います。チームも変わり、本当にほぼ全てのことがまた変わっての開幕を迎えるので、どうなるかも全く想像できないし、そこが一番大きいかなと思います」

 

――入団後、大谷との関係性は。

「合流した最初の日から凄く良くしてくださいましたし、困ることがないように本当に優しくサポートしていただいた。早くチームに馴染めた理由の1つにもなりました」

 

――大谷やダルビッシュと話していた。メジャーで開幕する上での助言など、心に残った話は。

「本当に特にそこに関してはそこまで話してなくて。とにかく自分のやって来たことをしっかり信じてプレーするといいと思うと、ダルビッシュさんと大谷さんに限らずチームメートの先輩とかもそういった声掛けをしてくださっているので、しっかり自信を持っていきたいと思います」

 

――日本の選手たちにダルビッシュが尊敬される理由は。

「選手としてずっと素晴らしい成績を残し続けているのはもちろんですが、それ以上に人としての魅力といいますか、先輩としても凄く尊敬しますし、一人の人としても本当に素晴らしい、本当に完璧に見えるような方なので、心から尊敬できると思います」

 

――韓国の高校生で山本選手に憧れる子がとても多い。

「参考にしていただけるのは凄くうれしいことですし、またそういった選手たちに目標としてもらえるような選手で居続けられるように頑張りたいと思います」

 

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 ■ 球界情報

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パトリック・サンドバル投手:

◯ エンゼルスは19日、今季の開幕投手をパトリック・サンドバル投手に決定した。球団の公式Xで「Patrick Sandoval is our 2024 Opening Day Starter!」(2024年の開幕戦先発はサンドバルだ!)と発表。同投手は3月28日(日本時間29日)のオリオールズ戦(ボルチモア)で初の大役を務める。サンドバルは一昨年から2年連続で先発ローテーションの一角として回り、昨季はキャリアハイの7勝をマーク。勝ち星は10勝の大谷翔平に次ぐチーム2位。投球回数144回2/3もデトマーズに次ぐチーム2位だった。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ドジャース・大谷 「ヒリヒリした9月」へ絶好スタート

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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 【ヤナギタイムズ】11年連続でポストシーズン(PS)進出中のドジャースはやはり強い。昨季は地区シリーズで敗退も、大谷が加入した今季は20年以来のワールドシリーズ制覇を狙える。開幕戦も1点を追う8回に大谷の適時打などで一挙4点を挙げ、逆転勝ちを収める展開だった。

 

 「やっぱり終盤で逆転できるのっていうのが強いチーム。こういう試合が多ければ、おのずと勝ちが増えてくる」。充実感を得られた大谷の言葉だ。6年間在籍し、PSに一度も進出できなかったエンゼルス時代。二刀流が投げて打つ活躍をしても逆転負けを喫し、「なおエ」とやゆされた。「ヒリヒリした9月を過ごしたい」。誰よりも勝利を渇望し、移籍した男は絶好のスタートを切った。

 

 新天地でも積極的に溶け込もうとする姿勢がチームの結束に一役買っている。キャンプイン前に大谷と山本の新加入2人に高級赤ワイン「クインテッサ」と直筆手紙を贈った35歳の遊撃手ロハスは、大谷がその手紙をロッカーに貼ってくれているのを発見し、感激したという。「大きな意味を感じた。チームは家族。助けが必要なことは何でもしたい」。21、23年に満票でMVPを獲得した「メジャーの顔」であっても、おごりや慢心は一切ない。先発ローテーションの一角、右腕ミラーも「彼は常に笑っているのがいい」と話す。

 

 デーブ・ロバーツ監督も大谷の献身的な態度に感銘を受けている一人だ。日頃からナインやスタッフと積極的に交流を深める姿を観察し、キャンプ序盤に行われた恒例の「手羽先大食いコンテスト」に姿を見せたこともうれしかったという。「朝のミーティングも皆と寄り添って一緒に笑っている。素晴らしいこと」と目を細める。

 

 もちろん、練習に対するストイックな姿勢もチームに好影響を与える。ミラーは「彼は常にスーパーハードな練習をしているし、それを簡単に見せている」と驚く。29歳の大谷が築き上げた技術と体力はまさに全盛期。グラウンド内外でチームをまとめ上げる。

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◆ 【記者の目】ダルビッシュ新魔球「スプリンカー」大谷翔平対策で外角への沈む球を準備か

四竈衛氏/情報:日刊スポーツ)

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【記者の目】

 注目を集めた「ダルVS大谷」の初対決。無死一塁の状況だったこともあり、初球を速球で入ったダルビッシュはおそらく併殺狙いで大谷に臨んだ。選んだ球種は、通常であれば詰まらせたくとも、1発のある大谷にはリスクの高い内角の速球系ではなく、外角への沈む球。ただ、これまで駆使してきた横滑りのツーシームではなく、シンカー気味にわずかに沈むスプリットを選択した。

 

 だが、そこに特有の変化を加味した。これまでのダルビッシュではさほど見られなかった軌道で、時速91マイル(時速146キロ)で小さく速く外へ沈む球は、スプリットとシンカーを交えたようないわば「スプリンカー」。これまで10種類とも言われる変化球を自在に操るダルビッシュにすれば、過去にも投げていたのかもしれない。だが、事前に大谷対策を熟慮していたダルビッシュが、新たな球種を用意していたとしても不思議ではない。【MLB担当 四竈衛】

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◆ 大谷翔平の妻「一般席観戦で危険じゃないの?」実は“ひっそり厳戒態勢”だった…ある騒動からドジャース逆転まで「現地で目撃」韓国開幕戦ウラ側

佐藤春佳氏/情報:NumberWEB)

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 その歴史的な一日は、物騒な「爆破予告」から始まった。3月20日朝、飛び込んできたのは「ドジャースとパドレスの開幕戦が行われる高尺スカイドームを爆破するとの脅迫状が届いた」という一報だ。現地テレビ局のニュースによると、脅迫メールには「大谷翔平に危害を加える」との一文もあったといい、球場周辺は試合前から物々しい雰囲気に包まれた。

 

“爆破予告”…不安あった試合前

 

 特殊部隊や探索犬による捜査、金属探知機、厳重なセキュリティーチェック……。昼過ぎにはMLB側に「危険物は見つからなかった」との報告が届き、予定通りの試合開催が確認されたが、試合前会見では両チームの監督いずれにも「爆破予告」に関する質問が飛んだ。

 

「不幸なニュースだが、メジャーリーグや野球に対するセキュリティーチームの実力を信じている」とパドレスのマイク・シルト監督。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、韓国到着時の仁川国際空港で“生卵投げつけ騒動”にも遭遇していたが、「(爆破予告も)正直なところ、そこまで気にはしていません」と語った。

 

 ブラウン&ゴールド、そしてドジャースブルー。日韓米から駆けつけたメジャーリーグファンが座席を埋めていくに従って、ひんやりとした空気は暖まり緊張感が次第にほどけていく。かくして無事、不穏な出来事は何も起きぬまま午後7時5分、熱狂に包まれプレーボールの時は訪れた。

 

ドジャース家族席に…大谷妻の姿も

 

 その20分ほど前のこと。ドジャースベンチ上方のスタンドに“春風”が吹きぬけた。2月29日に結婚を発表したばかりの大谷の真美子夫人が姿を現したのだ。声をかけられた日本人ファンに会釈をしながら腰掛けたのは一塁側の一般観客席。ガラス張りのVIPルームでもなければ、悠々とした特別席でもない。ドジャースのチームメートの家族たちと共に席に着き、ユニフォームとキャップを身につけ、大谷の新天地での初陣を見守った。

 

 迎えた3回の第2打席、見せ場がやってくる。「小さい頃から憧れてきた存在」と話すパドレス先発のダルビッシュ有との対戦で、まずは3球目、ライト外側の天井を直撃する強烈なファウル。2ストライクとなった後、シンカーをライト前に弾き返し、移籍後初ヒットを記録した。さらに続くフリーマンの打席で初球に盗塁も記録。真美子さんは一緒に応援していた大谷の両親らと笑顔でハイタッチを交わすなど、生き生きとした表情で喜びを表していた。

 

 2点リードで迎えた第5打席の8回1死一、二塁の場面では、7番手の左腕・モレホンの初球を左中間に運び今季初打点を挙げた。満面笑顔の真美子さんは、その後も韓国式の応援や場内演出にノリ良く参加するなど、終始チャーミングな表情を見せ続けていたのだった。

 

「安全性、大丈夫?」じつは厳戒態勢だった

 

「爆破予告」もあった中、一般席で大谷の家族が観戦していて大丈夫? そう心配するむきもあったかもしれないが、実は周囲には徹底した警備態勢が敷かれていた。観客席に出入りする直前には、黒ずくめの服装で耳に無線イヤホンをつけたSPらしき男性が周辺を警戒。制服の警察官4名を通路前に配し、韓国人のスタッフはチケットを持っていない人がエリアに近づかないようにガードしつつ、家族席にスマホのカメラを向ける観客には厳しく注意を繰り返していた。幸せに溢れた大谷ファミリーの応援風景の陰には、さりげない、かつ鉄壁の守りがあったというわけだ。

 

 メジャーリーグでは選手の家族はチームの一員として遠征やキャンプにも帯同することが一般的だが、特にドジャースは伝統的にファミリー気質の球団として知られる。メジャー7年目で伝統球団の一員となった大谷は、試合中も豊かな表情を見せた。

 

観衆1万5952人、報道陣544人

 

 ダルビッシュからシーズン初安打、さらに初盗塁まで決めた後、ズボンのお尻のポケットがベロンと外側に飛び出し、審判に指摘されて照れ笑いする場面も。ドジャース移籍後初打点となった第5打席のタイムリーヒット後は、クレイトン・マッカロー一塁コーチとヘルメット同士をゴツンとぶつける挨拶を交わし、ベンチに向かって両手を上げるポーズを見せた。

 

 5-2と逆転勝ちで開幕から白星発進。

 

「最初のスタートとして勝てたのがまず良かったですし、最後まで粘り強く、諦めず逆転できたのがチームとして良かったんじゃないかなと思います。やっぱりこうやって終盤で逆転できるのが強いチーム。こういう試合が多ければ自ずと勝ちは増えてくるんじゃないかなと思います」

 

 明るい表情には、グラウンド内外での充実感が滲み出ていた。

 

 ダルビッシュが投げ、大谷が笑い、松井裕樹がデビューを飾ったメジャー開幕戦。地元のファンにとっては、韓国で史上初めて行われたMLBの公式戦で、パドレスの韓国人内野手、金河成が凱旋を果たした誇らしい夜にもなった。

 

 観衆は1万5952人。訪れた報道陣は544人。

 

 観客を送り出した高尺スカイドームのバックヤードに、笑顔を浮かべながら“解散”する警備員たちの姿があった。大きな体に黒ずくめの服装はSPの面々か。緊張から解き放たれ、ようやく若者らしい表情がのぞく。何事もなかった夜に、ドジャース・大谷翔平の第一歩は鮮やかに刻まれたのだ。

 

(「メジャーリーグPRESS」佐藤春佳 = 文)

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◆ 大谷翔平の妻登場に「オオタニは嘘をついた」韓国人は日本人メジャーリーガーをどう見ている? オフで一番の話題は「ダルビッシュのカフェ訪問」

崔碩栄氏/情報:NumberWEB)

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 メジャーリーガーが韓国にやって来た。

 

仁川国際空港に登場した大谷韓国ファンクラブ

 

 3月20日に韓国で初めて開かれるメジャーリーグ開幕戦のため、15日午前1時、サンディエゴ・パドレス選手団が仁川国際空港に到着し、その約12時間後の午後2時にはロサンゼルス・ドジャースの選手団が仁川空港に姿を現した。

 

 パドレスの到着時間は未明だったため出迎えのファンは少なかったが、韓国でも人気の球団であるドジャースの入国時間には数百人のファンが空港に集まり、選手たちを待ち構えた。ファンはそれぞれ選手のユニフォーム、帽子、写真などを持ってサインをもらう準備をしており、選手の写真を撮るためにカメラを持ちながら待っているファンも多かった。 その中でも最も目立ったのは到着ロビーに「Ohtani Welcome」と書かれた二つの大型横断幕。これは「大谷韓国ファンクラブ」の会員が設置したものだった。

 

 午後2時30分、ドジャースの選手たちが入国ロビーに登場すると、国内外の記者、ファンの歓声とカメラのフラッシュが鳴り響き始めたが、意外にも空港での歓迎モードはあっけなく終わってしまった。ギャビン・ラックスなど一、二人の選手が空港に来たファンにサインをしてあげただけで、ほとんどの選手はメディアやファンへの挨拶や接触もなく、すぐに空港を出て行ったからだ。朝から待った、地方から駆けつけたファンは少なからずがっかりさせられたが、安全などを顧慮した空港と球団側の計画のようだった。

 

大谷の父親と写真を撮るファンも

 

 選手たちはスタジアムから車で20分ほど離れた汝矣島ヨイド)のホテルに移動したが、入国日である15日には自由時間が与えられたようで、ソウル市内のあちこちでゲリラのように現れる選手たちの「目撃談」が写真とともにSNSに報告された。 市場の露店で水餃子を食べるフェルナンド・タティス・ジュニア(パドレス)、ショッピングモールで買い物をするマニー・マチャド(パドレス)、コンビニでカップラーメンを買うムーキー・ベッツ(ドジャース)、屋台で食べ物を買って食べるギャビン・ラックス(ドジャース)、地下鉄の中でポーズを取ってくれるジェームズ・アウトマン(ドジャース)などの目撃情報が相次ぎ、たまたまソウル市内で遭遇したMLBスターと写真を撮ったり、サインをもらったファンの「収穫報告」がアップされた(その中には大谷選手の父親と記念撮影をした韓国ファンもいた)。そのたびに「羨ましい」「今行けば会えるのか」といった反応が寄せられたが、そんな選手たちのプライベートな時間の過ごし方の中で最も話題になったのは、パドレスのダルビッシュ有選手の「カフェ訪問」だった。

 

ダルビッシュの「カフェ訪問」というドラマ

 

 ダルビッシュ選手がテキサス・レンジャーズ在籍時代から10年以上熱狂的に応援してきた韓国人ファンがいて、数年前ダルビッシュ選手がSNSを通じてつながった彼にグローブをプレゼントして話題になったことがあった。国境を越えてつながった選手とファンの「縁」は、韓国の野球ファンの間では一躍有名な話になり、同時に憧れの的となった。

 

― 광자_Kwangjya 李光熙 (@lifemeetsart_kr) January 25, 2024

 

 そのダルビッシュファンは現在、ソウルでカフェを運営しているのだが、パドレスが開幕戦のためにソウルを訪問するというニュースを聞き、「ソウルに来たときにもし時間があれば自分のカフェに招待したい」という動画メッセージを1月末にXでアップしたところ、これを見たダルビッシュ選手は約1週間後、「ソウルでお会いできたら嬉しいです! いつも応援していただき本当にありがとうございます」という返信を残した。

 

 そしてそれから1ヶ月半後の3月15日、実際にダルビッシュ選手がソウルにある韓国人ファンが経営するカフェを予告なしに直接訪れるというドラマのような話が実現したのだ。この話はすぐにSNSだけでなく、韓国と日本のニュースで報道され、ダルビッシュ選手の「ソウル散歩」はどの選手のソウル探検より大きな話題になった。

 

大谷は「欺瞞者」…なぜ?

 

 今回のMLB選手たちの訪韓でもう一つ大きな話題になったのは、先日電撃結婚を発表した大谷選手の妻、田中真美子さんへの関心だった。訪韓直前に大谷選手自らもSNSで写真を公開したが、公の場で姿を見せたのは今回のソウル訪問が初めてだったからだ。

 

 仁川空港で大谷選手と一緒に入国する真美子さんがマスコミやファンのカメラのターゲットになったのは言うまでもない。恥ずかしそうに笑いながら大谷選手と一緒に移動する真美子さんの「生映像」が公開されると、韓国のネット上では「欺瞞者・大谷」という不満(? )と抗議(? )の声が噴出した。大谷がアメリカで結婚を報告する際、相手について聞く報道陣の前で「普通の日本人女性です」と話した言葉を思い出したからだ。

 

 実際の真美子さんの姿を見た韓国の野球ファンは、「どこが普通だよ? すごい美人じゃないか」、「本当に日本ではあれが普通? 嘘だろう?」、「普通ではない。オオタニは嘘をついた」とファンを騙した「欺瞞者」という非難(? )が続出したのだ。それだけ真美子さんへの関心も高く、大手一般紙でも実名で報じられ、大谷選手が来日した日のインターネットの記事アクセス上位記事は、大谷選手本人に関する記事よりも、妻の真美子さんに関する記事の方が多かった。

 

大谷のサインさえもらえれば、何もいらない

 

 練習試合が行われる17日の午後、高尺ドームを訪れてみた。そこには選手に会えるかもしれないと、駐車場入り口で選手たちを待っているファンの姿があった。入国日に空港まで行って長時間待ったが、ロバーツ監督のサインしかもらえなかったという20代の男性ドジャースファンは、ドジャース選手の写真を何枚も用意してサインをもらう準備をしていた。中でも大谷選手の写真だけが他の選手の写真より大きかったので、どの選手のサインを狙っているのかと尋ねると、「大谷選手のサインさえもらえれば(他は)何もいらない」と言いながら、写真と一緒にサインを貰うために持っている韓国で出版された大谷選手の「子供用学習漫画」を見せてくれた。

 

「大谷本」がベストセラーに

 

 韓国内での大谷フィーバーは、野球場やニュースだけに限られた話ではない。現在、大手オンライン書店「アラジン」の野球部門のベストセラー20位以内に大谷関連書籍が5冊ランクインしており、子供人物(世界人物)部門では大谷の漫画伝記が10位にランクインしている(5位はサッカーのリオネル・メッシ)。書評をみても、「子供が大好き」「欠点のない人間」と10点満点中、ほとんどが9.5点以上の評価を得ている。映像だけではなく「活字」でもその影響力が高まっているのだ。

 

 開幕戦に先立ち、パドレスとドジャースはそれぞれ韓国チームと2試合ずつ練習試合を行った。あくまで「親善試合」だったので、開幕戦に登板の可能性がある投手陣の多くは出場せず、怪我などを懸念して「調整」をするレベルの試合だったが、大谷選手は5打数無安打にとどまり、多くのファンが残念がる結果となった。

 

 しかし、本番は20日、21日の公式試合。空席も見られた練習試合とは違って選手の気合も、ファンの関心も高まる。その2試合こそが最も重要な瞬間だ。そして韓国でのMLB開幕戦は2試合で終わるが、大谷選手が韓国に与える影響はその試合だけでなく、本や漫画を通じても韓国社会と韓国の子供たちにもっと長く続くに違いない。「欺瞞者」というジェラシーの言葉(? )とともに。

 

(「メジャーリーグPRESS」崔碩栄 = 文)

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 ■ NOTE

 

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