2024年3月8日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ 大谷は7日(日本時間8日)、敵地アリゾナ州スコッツデールでのジャイアンツとのオープン戦を予定通りに欠場。今後は、キャンプ地の同州グレンデールで行われる6試合でより多くの打席に立ち、14日(同15日)の渡韓に備える。この日は、キャンプ地に姿を見せたが、午前中から雷を伴う雨が降ったため、室内練習場でトレーニングを行った。

 

◯ 大谷の次回出場は8日(日本時間9日)に本拠地で行われるレッズとのオープン戦に決まった。デーブ・ロバーツ監督が7日(同8日)に明言。レッズは日本ハム、ソフトバンクでプレーしたニック・マルティネス投手が先発予定。日本ハムでは入れ違いだった。メジャーでは大谷と2打数で対戦。無安打に抑えている。

 

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 ■ 球界情報

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◯ メッツの藤浪晋太郎が7日(日本時間8日)、ナショナルズとのオープン戦で7回から1イニングを三者凡退に抑え、見事な新天地デビューを飾った。

 

2点リードの7回から5番手でマウンドへ。先頭の6番・キーブームは1ストライクからの2球目、この日最速となる94・6マイル(約152・2キロ)の内角速球で詰まらせ、遊ゴロで料理。続く7番・ミアスは2ボールからの3球目、94.4マイル(約151・9キロ)の外角フォーシームで左飛に打ち取った。そして次の8番・ヤングに対しては試合中継局「SNY(スポーツネット・ニューヨーク)」の解説者ロン・ダーリング氏が「素晴らしい」と思わず絶賛する84・2マイル(約135・5キロ)のスライダーを低目に決め、初球ストライクを奪う。そして2―2からの5球目、93・5マイル(約150・4キロ)の外角球でボテボテの二ゴロ。わずか10球で打者3人を仕留めると、スタンドのファンから万雷の拍手を浴びた。

 

登板後の藤浪は「SNY」のインタビューで、開口一番「とりあえず無事に終えることができてホッとしています」とコメント。そして、この日の最速が約95マイル(約152キロ)だったことにも触れ「球速は全然いつでも上がると思いますね。何ならもっと腕を振れば、球速は出たでしょうけど。今日求めているところはそこではなかったので」と淡々とした表情で振り返っていた。

 

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平とエンゼルスの幸せな関係「同じチームにいてほしかった」元同僚は複雑な本音も…主力揃いのオープン戦は“常識外れ”の惜別試合だった

笹田幸嗣氏/情報:NumberWEB)

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 3月もまだ初旬。敵地で行われるナイトゲームに主力選手が揃うことはまずあり得ない。なのに、5日のドジャース戦。エンゼルスは股関節の違和感で別メニュー調整となったアンソニー・レンドンを除いては、予想される開幕メンバーがラインナップに名を連ねた。常識では考えられないメンバー構成。それはエンゼルスが贈った大谷翔平へのメッセージだと感じた。

 

 “All of us are here to see Shohei. We love you, buddy! ”

 

 “我々は翔平に会いたくてここに来たんだ。愛してるぜ、相棒! ”

 

トラウト「結婚と契約、お祝いを伝えたよ」

 

 試合前のウォーミングアップ。トラウト、ウォード、ネト、オホッピーらがまるで磁石が引き合うように大谷のもとへ集まった。

 

 30歳の正左翼手テーラー・ウォードは、昨年7月29日のブルージェイズ戦で顔面死球を受け、残りのシーズンを棒に振った。彼は大谷の気遣いを喜んだ。

 

「顔を怪我したので、そのことを彼は『どうだい? 』って言ってくれた。そして話したよ。いつものことだけどね」

 

 ウォードは嬉しそうだった。

 

 盟友マイク・トラウトは大谷がエンゼルスに在籍した6年間で30本ものアベック本塁打、いわゆる“トラウタニ弾”を放った。お互いが特別な存在。“あまり野暮なことを聞くなよ”。そんな雰囲気も醸し出していたが、話が始まれば違った。

 

「多くのおめでたいことがこの冬以降にあった。それから初めて会ったからね。彼と一平に会えてよかったよ。結婚と契約、この冬にあったすべてにおいてお祝いを伝えたよ」

 

 夕暮れどきのアリゾナ州グレンデールでは、微笑ましい光景が続いていた。

 

大谷との対戦は「グレート。楽しかった」

 

 3試合連続安打、7打席連続出塁、オープン戦絶好調だった大谷のバットを止めたのは、今季先発ローテーションへの定着が期待される23歳の右腕チェース・シルセスだった。1回、「2番・大谷」にカウント3-2としながらも、最後は94マイル(約151キロ)の直球を外角に決め空振り三振。彼は興奮気味に話した。

 

「グレート。楽しかった。カウントが不利になって、『あ~ダメだ』と思ったよ。彼は素晴らしいバッターだからね。でもいい球を投げようと試み、幸運なことになんとか立て直すことができた。でもあの時に必要なスポットに攻めることができなかったら、間違いなく違う結果になっていたと思うよ」

 

 必要なスポットとはどこだったのか。彼は隠すことなく話した。

 

「高めのゾーンをアタックしようとした。外の高め。数週間前に見た時、彼は内角のボールを逆方向へ打ち返した。だから今回は外の高めに投げ、バレルを防ごうと思った」

 

大谷に打たれた日も「いい思い出だ」

 

 大谷のオープン戦初出場となった2月27日のホワイトソックス戦。シルセスは右腕リオーネの95マイル(約153キロ)の内角直球を大谷が左中間スタンドへ運んだ一撃をVTRで確認していた。だからこその外角高めへの力の投球。してやったりの投球に満面の笑みとなったが、3回に訪れそうになった2度目の対戦では交代を命じられ、悔しがった。

 

「彼はすでに打席に入っていたからね。でもロン(・ワシントン監督)が見えて。球数(での交代)だね。悔しかったよ。もう1回対戦したかった。だからマウンドから帰る時に『チキショー』と思ったよ(笑)」

 

 オープン戦ならではの本音コメント。サービス精神旺盛な有望株は1年前のエピソードをジョークを交えながら話した。

 

「去年のライブBPで対戦したんだ。アウトも1つ取ったがフェンス直撃の二塁打を打たれたよ。それは2打席目だったから、(今回は1回で)よかったのかもね(笑)。いい思い出だ。でもこの先も対戦はできるだろう。またチャンスはある。楽しみにしているよ」

 

元同僚の本音「僕は同じチームにいてほしかった…」

 

 オープン戦ながら、エンゼルスがメンバー勢揃いで戦った惜別試合。大谷の最終打席となった5回、中飛を軽快にキャッチしたトラウトは背番号17への謝辞を表した。

 

「彼は我々のチームに6年間いた。彼は我々のために多くのことをしてくれた。彼をドジャースの一員として見ることは何か違う感じがした」

 

 ウォードは淋しさを口にした。

 

「明らかにジャージーが違うよね。確かに変だ。特に外野から見ていて、彼がバッターボックスに立っていて、今から打球速度115マイルくらいの打球を打とうとしていることも知っている。今までとは違う見え方だった」

 

 昨日の友は今日の敵。それでもウォードは名残を惜しんだ。

 

「彼は野球界で最高の選手。僕は同じチームにいてほしかった。今日は彼が相手側にいて奇妙な気持ちになった」

 

 試合は4対0でエンゼルスが勝利した。オープン戦とはいえ、彼らはいい野球をしていた。これも大谷翔平へのメッセージだと感じた。

 

(「メジャーリーグPRESS」笹田幸嗣 = 文)

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◆ フレディ・フリーマンの援護を受ける今季の大谷翔平に期待が膨らむ戦後2人目のシーズン150得点

菊地慶剛氏/情報:スポナビ)

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【オープン戦から爆発し続けるドジャース打線】

 

 今オフに超破格の大型契約で大谷翔平選手と山本由伸投手がドジャース入りしたことで、日本国内でもドジャースの注目度が格段に高まっているように感じる。

 

 それは日本に限ったことではなく、米国においても日本人2選手以外にも大型補強を断行したドジャースに対する注目と期待は例年以上だが、まだオープン戦の段階とはいえ、彼らの戦いぶりにますます評価が高まりつつある。

 

 特に大谷選手に加え、ムーキー・ベッツ選手、フレディ・フリーマン選手のMVPトリオを中心とする強力打線は、オープン戦でも連日爆発し続け、チームによって試合数に多少の違いはあるものの、ここまでのドジャースは総得点(99点)、打点(95)、安打数(134)でMLBトップを走っている。

 

 まだ主力選手がフル出場していないとはいえ、今や多くの解説者がドジャース打線の快進撃を信じて止まない状況になっている。

 

【MLBでも理想的な3番打者フリーマン選手】

 

 中でも日々評価を上げ続けているのが、MVPトリオだ。1番ベッツ選手、2番大谷選手、3番フリーマン選手が並ぶ上位打線について、MLBネットワークの番組に登場したジョン・モロシ記者は、「3選手がお互いを見事に補完し合っている」と絶賛するとともに、フリーマン選手がベッツ選手と大谷選手の後を打つ打順も理想的だとしている。

 

 モロシ記者が指摘するように、フリーマン選手はMLBの中でも理想的な3番打者といっていい。キャリア長打率.514は、大谷選手(.556)やベッツ選手(.524)を下回っているものの、打率(.301)と出塁率(.388)は2選手を上回っているほか(大谷選手が打率.274、出塁率.366で、ベッツ選手は打率.294、出塁率.373)、キャリア得点圏打率においてもフリーマン選手は.337と、両選手を凌駕している(大谷選手が.296で、ベッツ選手は.329)。

 

 しかもフリーマン選手は、MLB在籍14年間で通算1885試合に出場する中で大半の1146試合に3番で起用されており、まさに3番打者としてのノウハウを熟知している存在なのだ。

 

 そんなフリーマン選手がベッツ選手と大谷選手の後に控えることで、ドジャースに多くの得点をもたらすことが期待されているわけだ。

 

【大谷選手は自己最高の得点が期待できる?!】

 

 フリーマン選手に止まらず、ウィル・スミス選手とマックス・マンシー選手のオールスター選手コンビがクリーンアップを形成することにより、大谷選手は出塁できさえすれば、今まで以上にホームに生還できる機会が増えることになるだろう。

 

 ちなみに大谷選手がエンジェルス在籍6年間でシーズン100得点以上を記録できたのは、2021年(103)と2023年(102)の2回のみだ。これらのシーズンは、いずれも大谷選手が40本以上の本塁打を放っており、半分近くは自分自身で得点したものだ。それだけ後続打線の援護に恵まれていなかったことを意味している。

 

 特に2023年はア・リーグ1位の出塁率(.412)を誇り、しかも二塁打26、三塁打8、盗塁20と得点圏に進塁していることを考えると、得点102は逆に寂しさを感じてしまうものだ。

 

 今シーズンはドジャース打線に入り、大谷選手が2023年並みの打撃を披露するようなことになれば、間違いなく自己最高の得点数を記録できると期待したくなる。

 

【戦後はたった1度しか記録されていない年間150得点】

 

 ちなみに昨シーズン史上初の「40本塁打&70盗塁」を達成し、ナ・リーグMVPを受賞したロナルド・アクーニャJr.選手は、強力ブレーブス打線の援護を受け、MLB最多の149得点を記録している。

 

 シーズン得点が140を上回ったのは、2007年のアレックス・ロドリゲス選手(143)以来の快挙だった。同年シーズンのロドリゲス選手は自身3度目のMVPを受賞しており、シーズン得点も選手を評価する重要な指標と考えていいだろう。

 

 アクーニャJr.選手はあと一歩のところで、シーズン得点150に到達することができなかったが、実は戦後のMLBでは夢のような数字になっている。

 

 というのも、1946年以降でシーズン得点150をクリアした選手は、後にも先にも2000年のジェフ・バグウェル選手(152)しか存在していない。それ以前の到達選手となると、1937年のジョー・ディマジオ選手(151)まで遡らねばならない。

 

 大谷選手が史上初のDH選手によるMVP受賞を引き寄せるためにも、シーズン得点150到達は大きなPR材料の1つになるかもしれない。

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◆ ドジャース大谷翔平の真価が問われるのは開幕1カ月後である/廣岡達朗コラム

廣岡達朗氏/情報:週刊ベースボールonline)

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今まで以上に野球に集中
ドジャース・大谷

 大谷翔平(ドジャース)が結婚を報告した。おめでたい。

 偉いと思ったのは奥さんの顔や名前を公開しなかったことだ。普通なら、こういう人だといろいろ話してもおかしくないが、必要以上のことは明かさなかった。とにかく新たな家族ができれば、今まで以上に野球に集中できるだろう。

 オープン戦では初出場でいきなり2ラン本塁打を放つなど快調な滑り出しを見せている。しかし、その真価は開幕1カ月後に問うべきだ。

 なぜかといえば、メジャー・リーグの主力クラスはスロースターターが多い。開幕から1カ月がたった頃に調子を上げてくる。調整の遅さは練習内容に問題があるからだ。キャンプ中から走らせるなど日本式の練習をやらせれば、もう少し違った結果になる。「これをやれ」と言われれば忠実に実行する日本人とは、おのずから違う。

 そういうわけで大谷はオープン戦から開幕にかけてはある程度やると思う。しかし、長い目で見なければ分からない。1カ月もたてば、メジャーの相手投手は見違えるように本領を発揮してくる。そのときに、どう結果を残すかである。

どんどん増えていく「敵」


 大谷は昨年まで下位チームに所属していた。極端にいえば、本塁打か三振かという自分本位の打撃でも周りは納得した。それが今季ドジャースに移籍。チームが優勝するために自分はここにいるのだという自覚をより強く持つ必要がある。ファンも大谷を目当てに球場へと足を運ぶ。大きな注目を集める中、常に期待に応えなければいけない。打てなければ、チームメート、マスコミを含めて「敵」がどんどん増えていく。

 外国人はリップサービスに長けている。最初はお世辞を言う。しかし、いざ結果が出なければ、手のひらを返す。大谷は腹をくくって臨む必要がある。

病気が教えてくれたこと


 もう一つ言いたいのは、29歳という若さでケガをし過ぎることだ。2度目の右ヒジじん帯移植手術で今季は登板を回避。フランク・ジョーブ博士はトミー・ジョン手術で日本でも知られる存在になったが、ジョーブ博士を必要以上に崇めたてる必要はない。かつて私はジョーブ博士と一緒にメジャーの試合を観戦したことがあるが、そのときの会話の中で、ジョーブ博士自らが執刀するのではなく彼の弟子がやっていると聞いた。

 要は、手術をしなくても自分で治すだけの能力が人間には備わっているということだ。

 たとえば、病気になって病院に行くと、医師はすぐに薬を処方するが、薬というのは痛いところを痛くなくすに過ぎない。完治まではさせてくれない。完治させるのはその人自身である。病気になった責任はすべて自分にあると考え、食事を含めた生活を変えればいいのだ。

 私が師事し、大谷もその著書を読んでいるという思想家の中村天風が肺結核にかかったときのことだ。インドでカリアッパ師に出会って、「我々は宇宙の気を吸収している」と言われた。要するに、深呼吸のことである。深呼吸を軽視していたら大変なことになると教わった。師の金言を肝に銘じて食事から何から改善した結果、世界のどんな名医も治せなかった病を天風は克服していく。

 宇宙の気があるから植物が芽吹く。動物も生きていける。人間も自然界の一員であるという真理を理解しないのは情けない。

 私自身のことを言えば、大脳と小脳を手術したとき、病気になった原因と向き合う良い機会を得たと思い、アルコールを断った。病気が教えてくれたのだ。その後も酒を飲み続けていたら私は92歳の現在まで生きてこられなかった。

 話を戻すと、今季の大谷は奥さんの内助の功を受けて、「日本人、ここにあり」を世界に知らしめてほしい。

『週刊ベースボール』2024年3月18日号(3月6日発売)より

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◆ 大谷翔平に「持って行かれた」 WBCで話題になった“チェコ帽子”…指揮官明かす舞台裏

川村虎代氏/情報:フルカウント)

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 話題になった“チェコキャップ”は盗まれたものだった? 昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では野球日本代表「侍ジャパン」とチェコ共和国代表の絆が話題になった。現ドジャース・大谷翔平投手がチェコ代表のキャップを被って米国入り。しかし、本当は大谷の帽子ではなかった。

「あれはヒデキに渡したんだよ」。そう語るのはチェコ代表監督を務めたパベル・ハジム氏だ。「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」(6日、7日、京セラドーム)の欧州代表コーチとして来日。WBCの思い出を振り返った。

 侍ジャパンとチェコの試合が終了した後、ハジム氏は友好の証として栗山英樹監督に自らの帽子を渡した。しかし、栗山氏が棚の上に置いていったときに大谷が勝手に持って行ってしまったという。「ヒデキに渡したのに、ショウヘイが帽子を持って行ってしまったんだ」と明かした。

 ハジム氏は当時はそのことを知らなず、その後の欧州選手権で栗山氏がチェコを訪問した時に明かされたという。「ヒデキが『キャップどこ?」って探していたら、ショウヘイが空港で被っていたんだって。だからもう1度、ヒデキに帽子を渡したんだ」と大笑いだった。

 ただ、大谷がチェコのキャップを着用したことにより、チェコ代表のキャップは公式サイトで即完売するなど、大きな話題となった。「ショウへイはチェコでもとても人気だ。特にあの大型契約を結んでからね。彼が人気なのは、チェコではショウへイという言葉がグッドガイという意味ということもあると思う。チェコ語でショウへイという言葉があるんだ。音がとても似ているんだ」と嬉しそうだった。

 大会が終了後、母国チェコでは、WBCの物語が一冊の本になった。その中には大谷から三振を奪ったオンジェイ・サトリア投手のインタビューなど、大部分が日本の話になった。また、チェコでは欧州選手権がテレビ放送されることも。「本当にチェコの野球界は一変した。WBCは忘れられない思い出だよ」と感慨深げに頷いた。

川村虎大 / Kodai Kawamura

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 ■ NOTE