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2024年2月29日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ 大谷は午前8時44分、キャンプ地入り。

 

◯ 大谷翔平投手は3月1日(日本時間2日、試合開始10時5分)、米アリゾナ州グレンデールで行われるガーディアンズとのオープン戦に先発出場する。今季初のナイターでの出場となる。デーブ・ロバーツ監督がに明言した。一夜明け、ロバーツ監督は今後のスケジュールを公表。29日(同3月1日)は実戦形式の打撃練習「ライブBP」を行う予定だ。

 

◯ 大谷はオープン戦初出場初アーチから一夜明け、アリゾナ州グレンデールのキャンプ施設で短距離ダッシュなどスプリントメニューに汗を流した。約40分間の練習を終えると車で30分ほどの距離のレンジャーズのキャンプ地サプライズに直行。レ軍戦でオープン戦初登板する山本のブルペン投球を視察し、ハイタッチで送り出した。この日はスタメンから外れ、ベンチから山本の投球を見守っている。大谷クラスの主力選手が、出場予定がないにもかかわらず敵地に訪れるのは異例だ。

 

◯ ロバーツ監督は、山本の投球を見守った大谷について「なんていいチームメートなんだ。そうしなければいけないことはなかったが、ここにきて、チームメートをサポートしたかった。とても特別なこと。素晴らしい」とたたえた。

 

 

◯ 大谷が29日16時00分過ぎに、自身のインスタグラムで「結婚」を発表した。4年に1度しかないうるう日の電撃発表となった。

 

 大谷のコメントは以下の通り。

 

「いつも温かい応援をいただきありがとうございます。シーズンも近づいておりますが、本日は皆さまに結婚いたしました事を、ご報告させていただきます。

 

新たなチームと新たな環境でのスタートとなりますが、2人(1匹も)で力を合わせ支え合い、そしてファンの皆さまと共に、歩んでいけたらと思っております。まだまだ未熟な点も多々あるかと思いますが、温かく見守っていただければ幸いです。

 

お相手は日本人女性です。明日の囲み取材で対応をさせていただきますので、今後も両親族を含め無許可での取材等は、お控えいただきますよう宜しくお願い申し上げます」

 

英文での全文は次の通り。

 

 「To all my friends and fans throughout, I have an announcement to make :

 

 Not only have I began a new chapter in my career with the Dodgers but I also have began a new life with someone from my Native country of Japan who is very special to me and I wanted everyone to know I am now married.

 

 I am excited for what is come and thank you for your support.」

 

◯ 恩師の栗山英樹氏が29日、日本ハムを通じて祝福のコメントを発表した。

 

 「心の底からおめでとうございます。ファイターズに入団してからずっと抱いてきたのが、翔平が思い切って野球ができる環境をつくってあげるということでした。

 

 練習で集中できる環境が整い、さらに前に進んでいけるのではないでしょうか。奥さんは大変だと思いますが、くれぐれも翔平のことをよろしくお願いします、とお伝えしたいです。本当におめでとう!」

 

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 ■ ロサンゼルス・ドジャース情報

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◯ 山本由伸投手は28日(日本時間29日)、敵地レンジャーズとのオープン戦に先発登板し、2回1安打無失点3奪三振でマウンドを降りた。メジャー初実戦で昨季のワールドシリーズチャンピオンを圧倒した。

 

初回、先頭のセミエンを空振り三振に仕留め、メジャー“初アウト”を奪った。続くカーターに中前打を浴びたが、続くラングフォードを三ゴロ併殺に打ち取り、3人で切り抜けた。2回はロウを空振り三振、ハイムを左飛に。タベラスをスプリットでこの日3個目の空振り三振に仕留めると、マウンドを降りる際には笑顔も見せた。

 

投じた19球中16球がストライク。驚異のストライク率84.2%だった。最速は96マイル(約154.5キロ)で予定の2回を終えると、カウントを間違えたのか、戻るタイミングが少し遅くなった。大谷から“戻ってこい”とジェスチャーされると苦笑いを見せていた。マウンドを降りる際には、観客はスタンディングオベーションで山本を称えた。

 

山本はこれまで実戦形式の打撃練習「ライブBP」で2度登板するなど調整を行ってきた。順調に進めば、3月20日から韓国で行われるパドレスとの開幕2連戦で公式戦デビューする予定となっている。

 

 

山本は試合後、日米メディアの取材に対応した。一問一答は以下の通り。

 

――初めて投げてみてどうでした?

「とにかく落ち着いて投げようと思ったので、立ち上がりからいい入りができてテンポよく投げられて良かったです」

 

――今日の結果に対しては?

「少しホッとしている気持ちはありますし、これからイニングが増えていってどうなるかというところなので。とりあえず今日の登板としてはよかったと思います」

 

――緊張は?

「オープン戦ではあるので、いい緊張感を持って投げられました。とにかく落ち着くことを意識していました」

 

――今日投げた球種は?

「今日はストレートとカットボールとカーブ、スプリットです」

 

――普段イニング間はどういう準備をしているか?

「フォームで気になるところを確認したりしますけど、今日は相手ピッチャーもテンポよく1イニング終わったのでそのままいきました」

 

――契約までいろいろあったが、ドジャースのユニホームを着てプレーすることはどうですか?

「僕は日本から来たという大きな変化があったので、とりあえず1試合投げられたのはホッとするところでもあり、これからもっと頑張っていこうと思いました」

 

――大谷が来てどれだけサポートになりましたか?

「まさか来るとは思わなかったのでうれしく思いました」

 

――大谷から今日の登板についてどういうコメントを?

「まずまずだなと(笑)」

 

――アメリカに来て1カ月だがどうですか?ここが難しかったとか?

「ドジャースの皆さんのおかげで落ち着いて過ごせたので、本当に助かりました」

 

――ライブBPは緊張感があるなと思ってみていたが、今日の登板はどうですか?

「ライブBPも実戦とはいえ練習で、今日はOP戦とはいえやっぱり試合なのでそこの違いは多少ありますけど、どちらも集中してできたので、本当に順調にできているかなと思います」

 

――レンジャーズは去年ワールドシリーズで優勝しているが、対戦してみて?

「まだそこは公式戦とOP戦で違う。まだOP戦なのでそこまで」

 

【日本メディア囲み取材】

 

――OP戦初めてのマウンドの感想は?

「しっかり落ち着いて投げられたのと、違うチームのバッターに投げるのが初めてだったので、無事登板できたのがよかったと思います」

 

――3三振を奪ったが投球の感想は?

「凄くいいボールも多かったですし、変化球もいい感覚で投げられたので、よかったところが多かったなと思います」

 

――スタンディングオベーションで迎えられていたが、雰囲気は?

「本当に野球を楽しめているなと思います」

 

――ベンチでは大谷とどんな話を?

「今日はまさか見に来てくれるとは思わなかったので、お礼を伝えました」

 

――ドジャースとして初めての試合でどんなことを確認したいとかどんなテーマを持っていた?

「いつも試合で投げるときは立ち上がりだったりピッチングの基本的なところをしっかり意識して。今日は力むことなく強いボールを投げられたのでよかったと思います」

 

――今日の試合での課題は?

「細かいところはたくさんありますけど。例えば狙ったところにきっちり投げられているわけではないので、細かいところではありますけど、公式戦に向けてしっかりそういったところも調整していけたらいいかなと思います」

 

――投球数は19球だった。

「テンポよくいけましたし、その後ブルペンで投げるかはちょっと迷いましたけど、いい感覚で投げられたのでよかったと思います」

 

――実際に自分でできていることと、目指すところのギャップはどれくらいありますか?

「チームの雰囲気も凄く良くて、僕が1年目ということもあるので馴染めるようにサポートしてくださっている。とにかく親切にしていただいているので、そのおかげで練習から落ち着いてできていますし、そこが一番いいところかなと思う。ここから公式戦に向けて登板が重なっていくので、イニングが増えたときに例えば体だったり、投球もいろんな課題が出てくると思うので、もっともっと上げていけたらいい開幕を迎えられるかなと思います」

 

――ピッチクロックやピッチコムを使ってみて?

「特に今日は問題なかったですけど、大ピンチの場面とかになると、どうなのかなというのは気になります」

 

――2イニング目にスプリットで三振を2つ取ったが、あそこも操れていない?

「1つめは本当にたまたまいいところにいったという感じ。2つめは割と感覚よく投げられたのでそこは今日の中でも良かった報の1つかなと思います」

 

――レンジャーズは去年世界一で、1番がセミエンという実績のある打者だったが、その辺の意識は?

「とにかく落ち着いて投げることを意識してマウンドに上がりました」

 

――2回の3アウト目を取ったときにマウンドに戻った

「忘れました(笑)ちょっと迷いました。3アウトかなと思ったんですけど、ちょっと雰囲気が違ったので最初間違ったかなと思って戻ったら間違っていました」

 

――緊張していた?

「いや、本当に落ち着いて入れましたし、そこを1つテーマにはしていたので、よかったと思います」

 

――三塁ベンチからの大谷の視線は?

「いや、特に」

 

――最初1人目三振取れたところで楽になった?

「いや、特別なのは特にないです」

 

――スプリットは日本時代と比べて感覚は?

「同じような、ちょっと違うような。分からないです(笑)。だいたいは似ています」

 

 

◯ 山本とバッテリーを組んだオースティン・バーンズ捕手も絶賛。「彼は素晴らしいよ。本当にいいものを持っているし、制球も素晴らしい」と絶賛した。「彼は色んなことができる。速球は内角にも外角にも投げ切ることができるし、ナックルのような回転をする打ちづらいスプリットもある。カウントが悪くなっても、変化球を投げることができる。ヨシはピンポイントに四隅に投げることができる」と賛辞を惜しまなかった。「大きな契約を結んでここに来たけど、(実戦という)経験を積めたことは、彼にとって大きなことだ思う」

 

◯ デーブ・ロバーツ監督(51)も山本の投球に賛辞の言葉を並べた。

 

「これ以上は望めないほどの投球だった。すべての持ち球を使い、ストライクゾーンに投げ込んでいた。多くの空振りを奪ったし、効率的な投球だった。翔平が昨日、デビューして、今日は由伸がデビューした。とてもエキサイティングな時間だ」

 

「契約を結んだあと、デビューまで時間があった。ファンファーレと期待感があった。彼だって私たちと同様、人間なんだ。そんな中でも折り合いをつけ、仕事を果たしたことには感心させられる」

 

「彼がこれまでやってきた1週間に一度と同じではない。(ただ)彼はより多くの休みを得る。完全な6人ローテーションではなく、時に誰かが外れる。他の投手にも休みはあるだろう。パクストンの休みが増えることもある。由伸にも休みは必要だ」

 

試合を欠場した大谷が敵地にもかかわらずベンチ入りしたことにも。「素晴らしいチームメイトだ。やる必要はなかったことだが、チームメートをサポートしようとした。由伸には同国人の選手、チームメート、そしてドジャースファンからの多くのサポートがあった。特別なことだ。翔平は誰かをからかうことがあるし、楽しんでいる。(大谷と山本は)本当にいい関係を築き上げている。お互いのことを知っていたけど、今ではチームメートだ。WBCでだけではなく、ここでもチームメート。多くの時間を過ごし、お互いに向上していくだろう」

 

山本がアウトカウントを間違えたことには「そうだと思う。だから翔平は“メジャーリーグでは4アウトだから”といったジョークを飛ばしたんじゃないかと思うけど、わからない。3アウトでいいんだ(笑)」 

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平、番記者に明かしていた結婚観「願望はもちろんありますよ。やっぱり…」

斎藤庸裕氏/情報:日刊スポーツ)

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 ドジャース大谷翔平投手(29)が2月29日、結婚したことを自身のインスタグラムで発表した。相手は日本人女性で「2人(1匹も)で力を合わせ支え合い、そしてファンの皆さまと共に歩んでいけたらと思っております」とつづった。これまで交際のうわさも出ず、愛犬デコピンと独身生活を続けていた中での電撃発表となった。3月1日にも、キャンプ地のアリゾナ州グレンデールで、囲み取材で対応する予定だ。

 

   ◇  ◇  ◇

 

 番記者として7年目。驚かされることはこれまでに何度もあったが、一番ビックリ仰天だったかもしれない。「大谷翔平、結婚」。春季キャンプが始まり、シーズンオフも終わっていただけに、まだ結婚はないか…。なんて思っていると、想像を超えてくる男は意表をつき、超ハッピーニュースの大発表で驚かせてくれた。

 

 かつて、結婚観について語ったことがあった。19年オフ、個別インタビューの約30分間で結婚について少しだけ、話題を振った。「周りがどんどん結婚していくのでね。焦りはないですけどね」と余裕の笑顔を見せる大谷に、「願望はあるか」と直球で問いかけた。

 

 「願望はもちろんありますよ。やっぱり、奥さんいて、子供がいたらね、楽しそうだなと思いますけど。でも、別に今すぐにしたいなとか、は特にないですね。タイミングが良ければ、それは全然ありなんじゃないかなと」

 

 当時、大谷は24歳だった。あれから5年。ドジャースと10年契約を交わし、メジャー移籍の頃から慣れ親しんだLAを拠点に腰を据えた。そして、話題の愛犬デコピンも加わった。私生活も整い、2度目の手術から二刀流復活へ再スタートを切る。今が、その“タイミング”だったのだろう。

 

 よく笑い、同僚を含めて関わる周囲の人々に幸せをもたらすなぁとは思っていたが、自身の幸せからくるものだったとは…。ともあれ、なんとめでたいニュースなことか。発表は現地アリゾナ州の午前0時過ぎ。就寝中のベッドから飛び起きたところで恐縮だが、心から祝意を表したい。本当におめでとう。【MLB担当=斎藤庸裕】

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◆ 大谷翔平(29)のドジャース移籍後に起きていた“嬉しい誤算” 結婚報告でも約束した「ある出来事」とは《結婚を電撃発表》

(情報:文春オンライン)

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 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(29)が2月27日に米アリゾナ州グレンデールで行われたホワイトソックス戦でオープン戦初出場を果たし、ツーランホームランを放って3打数1安打2打点で上々のデビューを飾った。

 

 そして2日後には自身のインスタグラムで日本人女性との結婚を報告し、日本中に衝撃が走った。今季に向けて心機一転、すべての環境は整ったということだろう。

 

 27日に指名打者として立った打席では、昨季終盤の右肘手術や脇腹故障の影響を感じさせないフルスイングを連発。ホームランに至っては右投手の内角球に詰まりながらも、規格外のパワーで左翼フェンス越えとした。打者に専念する今季、2年連続のホームラン王を期待させる打棒で、欠場の可能性も取り沙汰された3月20日に韓国で開催される開幕戦に向けた調整を進める。

 

「権藤さんだからこそ実現した会食だったと思います」

 NHK・BSでこの試合の解説者を務めた元横浜(DeNA)監督の山下大輔氏(71)は早くも、今季の大谷の活躍に太鼓判を押す。

 

「あれだけバットを振れる様子を見ていると、体調は万全のようで、寒い韓国との気温差や長距離移動も問題ないと思います。同じ右肘手術明けで打者だけでプレーした2019年は18本塁打と成績が伸びきらなかったという人もいますが、当時とは体力、技術のレベルが違います。今年は打者一本でも十分に成績を残せるでしょう」

 

 山下氏は18年、大谷がメジャー1年目のキャンプを過ごしたアリゾナ州テンピを訪ねた。その際、横浜時代に監督、ヘッドコーチの間柄だった権藤博氏を介し、大谷と焼き肉屋で食事を共にしたという。権藤氏は2017年のWBCでコーチを務めており、大谷は本大会は辞退したもののつながりがあったのだ。

 

「当時は取材規制があって、なかなか話す機会がありませんでした。権藤さんだからこそ実現した会食だったと思います」と回顧する。

 

 この時すでに予兆はあったが、エンゼルス時代の大谷の取材は困難を極めた。本塁打を放っても記者対応がないことも多く、クラブハウスでの対面取材もままならなかった。

 

 しかしドジャースでは、取材対応が格段に増えている。大谷はまずキャンプインした2月9日、屋外で初のフリー打撃に臨んだ12日、さらに28日も記者の前に姿を現すなど、日米のメディアには“うれしい誤算”が続いている。

 

 ドジャース移籍に際し、大谷の取材対応は日米のメディアにとって心配の種だった。キャンプ前には地元ロサンゼルスのメディアが日本メディアの希望も吸い上げた上で、ドジャース球団と協議の場が持たれるほどだった。

 

「『節目では取材に応じてほしい』というメディアの要望は、ドジャースから大谷に伝えられたようです。エンゼルス時代にはほとんどなかった日米のメディアによる囲み取材も実現しています。大谷の気持ちにも変化があったように感じます」(ドジャース担当記者)

 

 昨季は最優秀選手(MVP)に輝き、今年1月にはニューヨークのホテルで開かれた全米野球記者協会ニューヨーク支部主催の夕食会に、2018年に新人王を獲得した時から5年ぶりに出席した。

 

「直前まで来ないのではないかと噂されていましたが、メディア対応も仕事の一環というメジャー流の意識がより強まったのではないでしょうか。これまでは露出の少なさを一部の米メディアに批判されることもありましたが、それすら改善してさらに完全無欠のヒーロー像に近づいたと思います」(同前)

 

 そして2月29日の結婚発表でも「明日の囲み取材でも対応させていただきますので…」と自分の声で話すことを約束している。

 

「NHKスペシャル」のギャラは数千万円?

 ドジャースとはプロスポーツ史上最高額となる10年総額7億ドル(約1015億円=入団合意当時のレート)の大型契約を交わした。大谷は名実共に世界ナンバーワンのスポーツ選手になったのだ。

 

 そうなるとメディアの出演料も跳ねあがる。昨年末に放送された『NHKスペシャル』では、NHKが大谷サイドに払ったギャラは実に数千万円に上るという。かつて日本ハムの新庄剛志監督は、就任前にテレビ出演のギャラが1本平均700万円だったことを明かしていたが、大谷の選手価値を踏まえると数千万円単位の出演料も妥当というところだろうか。

 

 NHKと言えば、韓国でのメジャーリーグ開幕戦の生中継を2月9日に早々と発表している。当時はまだ大谷の開幕戦出場が不透明な時期で、過去には昨年の開幕戦や21年のオールスター戦などを生中継した時は大谷の出場が確定した後の発表だったことを考えるとこれはかなり異例のことだ。

 

 発表時点では大谷と同じドジャースに加入した山本由伸投手の開幕カード登板さえ決まっておらず、対戦相手のパドレスでもダルビッシュ有や松井裕樹両投手の登板は不確実だった。それでもNHK総合での生中継を決めたNHKのスタンスは、大谷の存在がいかに巨大かを表している。

 

「顔つきも体も全然違う。今や世界の大谷ですから」

 それどころか「韓国での開幕シリーズに大谷は出場しないのではないか」という見方が絶えなかった。故障明けで、体に負担がかかる寒暖差と長時間移動、そして開幕シリーズ直後には本拠地ドジャースタジアムでのシーズン初戦が控えている。あらゆる要素が、韓国での大谷出場を疑問視する根拠になっていたのだ。

 

 前出の山下氏は、大谷が韓国遠征に帯同する可能性が高まったことについて、推察する。

 

「自分も大谷は韓国に行かないと思っていましたが、今の調整を見ていると問題なく間に合います。『メジャーの顔になった』という認識はもちろんあるでしょうし、自分が出ないといけないという責任感があるんじゃないでしょうか。(一緒に食事をした2018年とは)顔つきも体も全然違う。今や世界のオオタニですから」

 

 全てがケタ外れのスケールとなった今の大谷には、これまで以上に常識は通用しないのかもしれない。

 

「文春オンライン」編集

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◆ クリス・テーラーは超レア記録男 妻はハワイ出身超美人/世界一へ共闘する仲間たち

斎藤直樹氏/情報:日刊スポーツ)

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<大谷と由伸の相棒たち>

 

 大谷翔平投手(29)と山本由伸投手(25)が今季から名門ドジャースに加わった。世界一を目指し、共闘する仲間たちを紹介する。

 

 クリス・テーラー内野手(33)は、内野も外野も守れるユーティリティー選手だ。昨季は左翼の57試合を筆頭に、遊撃31試合、三塁28試合、中堅5試合、二塁3試合、DHを合わせると6つの役割をこなした。ポジションを転々としながらも、15本塁打、56打点、16盗塁と打撃や走塁でも存在感を示した。年俸1300万ドル(約19億5000万円)は、野手では大谷、ベッツ、フリーマン、新加入ヘルナンデスに次ぐ5番目の高給取りだ。

 

 今季でドジャースに在籍して9年目になる。チームの顔として、チャリティー活動にも熱心。2日には「ポーラープランジ」という寒中水泳大会をハワイ出身の美人妻メアリーさんと主催し、多くの主力選手や新加入のグラスノー、ロバーツ監督とともに気温14度のマンハッタンビーチに飛び込んだ。慈善活動を成功させるとともに、春季キャンプを目前にしてチームの結束も高めた。

 

 記録男だ。昨年6月15日のホワイトソックス戦、メジャー通算100号は4点差を追いつく同点満塁本塁打で飾った。16年7月15日ダイヤモンドバックス戦では、メジャー初本塁打をグランドスラムで決めていた。これは球団史上60年ぶり4人目。通算1号と100号の両方で満塁弾は、長いメジャーの歴史で初めてという超レア記録を樹立した(日本にもいない)。

 

 無類の勝負強さもある。17年、カブスと対戦したリーグ優勝決定戦(NLCS)。第1戦では6回に勝ち越し本塁打を放つと、第3戦でも3回に勝ち越しアーチを放った。ドジャースではベーカー(前アストロズ監督)以来40年ぶりとなる同一シリーズ2本のVアーチで、ジャスティン・ターナーとともにMVP獲得。2人の同時受賞は史上3組目だった。21年のNLCS第5戦では1試合3発6打点。公式戦の通算OPSは・762だが、ポストシーズンでは・805に跳ね上がる。

 

 日本人には縁がある。17年のNLCSでVアーチを放った試合の勝利投手は、前田健太とダルビッシュ有だった。今年のキャンプ前、ドジャースタジアムでは大谷翔平の自主トレに注目。20スイングに20分をかける姿に「(練習でも)まるで試合をしているかのような状況を作り出すんだ。次のスイングに移るまでの間に、実戦を想定して打席を外したりしながら1分ほど時間を取っていた。見ていて特別だ」。前田とダルビッシュに続き、無類の集中力で大谷ともリーグ優勝をつかみ取る。【斎藤直樹】

 

 ◆クリス・テーラー 1990年8月29日、米国バージニア州生まれ。フランクWコックス高からバージニア大を経て、12年ドラフト5巡目でマリナーズ入団。14年メジャー昇格。16年ザック・リーとの交換トレードでドジャースへ。21年球宴出場。ニックネームは「CT3」。185センチ、88キロ。右投げ右打ち。今季年俸は1300万ドル(約19億5000万円)。

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◆ 大谷翔平「ジャクソンくん元気?」 元相棒とグータッチ…数秒の再会にあった“秘話”

小谷真弥氏/情報:Full-Count)

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 ドジャース・大谷翔平投手の「声がけ」が何より嬉しかった。米アリゾナ州グレンデールで27日(日本時間28日)に行われたオープン戦。ホワイトソックスのマックス・スタッシー捕手は、移籍後初打席を迎えた大谷から声をかけられた。

 

「ジャクソンくん元気?」

 

「調子はいいよ。気を使ってくれてありがとう」

 

 地鳴りのような歓声が響く中、昨季までエンゼルスで同僚だった2人はグータッチを交わす。「短い会話だった。今はピッチクロック(投球間の時間制限)があるからね」。たった数秒の出来事だった。それでも、1児のパパになったスタッシーにとっては、その気遣いが心に響いた。

 

 昨年4月16日。スタッシーの第1子ジャクソンくんが、約680グラムの未熟児として生まれた。予定より3か月早い誕生。32歳は「家族の深刻な健康上の問題」を理由にシーズン全休を決めた。

 

 肺炎、血液感染症、脳出血、肋骨のひび割れ、骨の病気……。数多くの困難に見舞われ、新生児集中治療室に入るジャクソンくんに付き添う日々だった。妻のガブリエルさんと不安な生活を送る中、シカゴの自宅に大谷と水原一平通訳から荷物が送られてきた。ジャクソンくん用の赤ちゃんグッズだった。

 

「人との接し方は才能と同じぐらい素晴らしいんだ」

 

「イッペイを通じて話していたんだけど、2人でベビー用品をプレゼントとして贈ってくれたんだ。本当に思いやりが強い人たちだ。多くの人はショウヘイの人柄を知らない。チームメート思いの素晴らしい人間なんだ。人との接し方は、才能と同じくらい素晴らしいんだ」

 

 27日(同28日)の再会は、エンゼルスで同僚だった昨年のスプリングトレーニング以来1年ぶりだった。お互い違うユニホームを着ることになったが、2019年途中からバッテリーを組んできたことは、野球人生の財産になっている。

 

「気持ちが高ぶりすぎたり、低すぎたりすることがないから素晴らしいんだ。気持ちを安定させて取り組む。準備はいつも一貫している。そして集中力も。これが彼から学んだことだ」

 

 同じアリゾナ州グレンデールをキャンプ地とするホワイトソックスとドジャースは3月6日(同7日)にオープン戦が組まれ、レギュラーシーズン中は6月24日(同25日)から3連戦が組まれている。移籍後初本塁打を許したが、スタッシーは茶目っ気たっぷりにリベンジを目論んでいる。

 

「ナックルを投げさせるよ。たぶん彼もナックルを打つことはできないと思う。でも、球界で最高の選手の1人だからな。ここ何年も彼のパワーを目の当たりにしてきた。健康そうだし、ホワイトソックス戦以外での幸運を祈っているよ」

 

 戦友であり友人でもある大谷へ、かつてバッテリーを組んだ男は優しい口調でエールを送った。

 

小谷真弥 / Masaya Kotani

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 ■ NOTE