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2024年2月22日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ 大谷が21日(日本時間22日)、今キャンプ2度目となる、実戦形式で投手と対戦するライブBPに臨んだ。2打席に立ち、四球と二ゴロで投手との対戦を終えた。1セット目は右腕ハドソンの投球をバットを振ることなく、じっくりと見極めて四球を選んだ。2セット目は長身の技巧派左腕ヤーブローと対戦。日本選手初のサイクル安打を達成した2019年6月13日(同14日)のレイズ戦で先発マウンドに上がっていた左腕との対戦は、初球を打って二ゴロだった。

 

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◯ 大谷は21日(日本時間22日)、報道陣の取材に応じた。

 

――開幕までに50打席に立つと聞いているが、計算通りいけそうか。

「十分間に合うとは思います。ビジョンでも入れる、今も5打席ぐらい打ってきました。十分じゃないかなと思います。早い段階でトータルで50にいくんじゃないかなと思います」

 

――実際に立つのと、機械などで立つのに違いはないか。

「そこまでは変わらないですね、その実際にゲームで打つアドレナリンだったりとか、集中力というのはもちろんありますけど、確認したいのはタイミングが外された時のスイングだったりとか、詰まった時のスイングのリアクションを確認したいというだけなので。そこは十分含まれるんじゃないかなと思います」

 

――ライブBPの感覚と肘の状態は。

「感覚も良かったですし、肘の感じも、実戦の中で振ってみて、あまり気になるところはないので、今のところは順調に来ているのかなとは思います」

 

――ロバーツ監督は予想以上に早くリハビリできていると話していた。

「でもスケジュール通りには来ているので。スケジュール通りよりかは感覚が良いということはいいことだなと思いますし、特にすごく早まっているという感じではないので、予想通りの感じで来てはいるかなと思うので、そう驚くということはないですけど、安心しているところは多少あるかなと思います」

 

――ライブBPの打席は50打席に含まれますか。

「含まれますね、ビジョンも僕的に含まれてはいるので、あとは実際の試合、オープン戦で出てみて、全く問題ないのであれば、トータルで50というのはすぐいくんじゃないかなと思います」

 

――わんちゃん元気?(日本語で)

「He is good(彼は元気です)」

 

――オープン戦でしか得られないものは。

「なんて言うんですか。実戦の集中力だったりとかというのはもちろんプロジェクションで打ったりしますけど、観客のファンの人たちが入ったりとか、実際にアンパイアがいたりとかという環境とは、多少は違う、出力的には違うので、そこはまた、おそらく変わらないと思いますけど、大丈夫じゃないかなと思っていますけど、そこら辺は多少違うかなと思います」

 

――打撃フォームが背筋が伸びている印象だ。

「今は変わらないです、いや変わらないですねというか、それは微調整はしますけど、どんな時も、やることは変わってはいないので、とりあえずは、自分のいい感覚をまずはこの時期なので、早く取り戻していく、実戦の中で戻していくというのが一番最初のやるべきことかなと思います」

 

――練習後に家でもトレーニングを行っているか。

「今日帰ったりとかした後とかですか? 基本はしないですね、キャンプはやることやったら帰るっていう、今年はもうピッチングとかないのでボリューム的に結構余裕ありますし、大体1日おきにバット振っているので。ここから連日で入るということはあるかと思いますけど、今のところは結構楽な、楽なというか、ある程度時間に余裕を持っているかなと思います」

 

――家では愛犬との時間か。

「他の仕事がある日もありますし、それがあるのも、もうちょっと実際のオープン戦が始まるくらいまでかなと思いますけど、今のところはそんな感じで過ごしていますね」

 

――後輩の佐々木麟太郎選手がスタンフォード大への進学を決めた。

「アドバイスはしていないですね。頑張ってほしいだけだと思うので。素晴らしい選手だと思いますし、将来どういうふうになりたいのかは本人が一番考えていると思うので、こちら側がとやかく言うことではないですし、どういう道を進んでも、本人が納得できれば、それは素晴らしいことじゃないかと思います」

 

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◯ 大谷が球団公式のフォトデーで上下白のユニホームを披露し、山本由伸とはツーショットで写真撮影を行った。

 

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◯ ドジャースが公式インスタグラムを更新。大谷がチームメートからスペイン語を“指導”される動画をアップした。動画内で大谷は、ドミニカ共和国出身のテオスカー・ヘルナンデス外野手の左肩に顎を乗せ、「Buenos dias(ブエノスディアス)=Good morning」とあいさつ。続けて「Di buenos dias fanaticos(ブエノスディアス ファナティコ)=Say good morning fans」とヘルナンデスにマネするように促された。すると大谷は「Fanaticos(ファナティコ)?」と聞き返し、「Fan(ファン)」であることを教わった。大谷がスペイン語を話す姿はほとんど見られず、貴重なシーンとなった。またこの動画はMLBの公式インスタグラムにもアップされている。

 

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◯ MLBネットワークが21日(日本時間22日)、毎年恒例となっている現役選手ランキングTOP100のトップ10を発表。大谷は4位にランクイン。大谷は22、23年と2年連続で1位に輝いていたが、今年は4位と首位から陥落した。5位には同僚のフレディ・フリーマンがランクイン。3位にはヤンキースのアーロン・ジャッジ、2位にはムーキー・ベッツ、1位には昨季史上初の40本塁打&70盗塁を記録したロナルド・アクーニャが輝いた。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ドジャースだからこそ…大谷“異例”の囲み取材 練習中の対応はエ軍時代になかった光景

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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 【ヤナギタイムズ】日本ハム時代の13年12月からドジャースの大谷翔平投手(29)を本格取材し、TBS系情報番組「ひるおび」、「ゴゴスマ」などに随時出演する本紙MLB担当・柳原直之記者(38)の連載コラム「ヤナギタイムズ」。今回はド軍だからこその光景に迫った。

 

 大谷が2度目のライブBPを終えて約20分後、クラブハウスがメディアに開かれた。広報に会見の有無を聞くと「翔平は話さない」という返答だった。

 

 ただ、すぐにドジャース担当の米メディアが数人、大谷のロッカー前に立っていることに気付いた。「まさかな…」と思っていると、本人がロッカーに戻ってきたタイミングで突撃。球団広報が慌てて駆け寄り、急きょ囲み取材が始まった。練習中の取材対応は、エンゼルス時代にはなかった光景だった。

 

 エ軍時代の大谷は二刀流で多忙であり、球団の忖度(そんたく)や代理人の意向などにより、取材対応が年々減少。昨季は登板日限定で、コーチやスタッフの取材まで禁止された。デーブ・ロバーツ監督は「メディア対応も仕事の一部」と指摘する。その先にファンの存在があることを認識するからだ。この日、大谷は取材を受けたくなければ、クラブハウスに戻らないこともできた。だが、戻ってきた。

 

 キャンプインから13日目で3度目の取材対応。約6分間と簡潔ながら、内容は濃密だった。報道陣だけでなく、大谷にとっても、球団広報が設定した大がかりな会見ではなかったことに価値があったのではないだろうか。

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◆ 大谷翔平のメディア対応に“変化” ボンズを反面教師に…求められる7億ドル男の「仕事」

小谷真弥氏/情報:Full-Count)

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 ドジャースの大谷翔平投手は21日(日本時間22日)、3月20日に韓国で行われるパドレスとの開幕戦の出場へ自信を見せた。米アリゾナ州グレンデールの球団施設で報道陣の取材に対応。「スケジュール通りには来ている。特にすごく早まっている感じではないので、予想通りの感じで来てはいるかなと思う。そう驚くということはないですけど、安心しているところは多少あるかなと思います」。1か月後に迫った開幕戦へ自らゴーサインを出したのは何よりだが、それ以上に驚いたのは、この日、大谷がメディアに対応したことだった。

 

 報道陣にクラブハウスが開放されてから10分後。複数のドジャース番記者がロッカー前に姿を見せた大谷のもとへ足を運び、囲み取材が“自然発生”した。ドジャースでも個別取材は禁じられているが、エンゼルス時代に“生の声”を聞けたのは球団広報が設定した囲み取材だけだった。ここからは広報仕切りとなったが、米メディアと日本メディアで区切って計6分8秒。大谷は時折、笑顔を交えて真摯に応じてくれた。

 

 この日一番の注目だったキャンプ2度目の「ライブBP」では、四球、二ゴロと結果を出せなかった。それでも、3日(同4日)のファンフェスタから19日間で4度目となる囲み取材。伝える立場にいる者としては、本当にありがたいことだ。いま、大谷が何を思っているか――。記事として伝えるため、その考えを知ることができるからだ。それにチームにも、いい影響を与えるだろう。今や全メディアが一挙手一投足に注目する超人気選手。「オオタニと対戦して、どうでしたか?」「オオタニとどんなことを話したんですか?」。他のチームメートに嫌がられることは分かっているが、こんな類の質問を必要以上に聞かなくて良くなる。

 

 デーブ・ロバーツ監督は現役時代にジャイアンツでバリー・ボンズと同僚だった。通算本塁打記録の更新が期待された2007年、現場に報道陣が殺到したが、ボンズは“大のメディア嫌い”。「私は多くの質問に答えないといけなかった」。ロバーツ監督は当時を苦笑いで振り返ったが、ボンズに代わって話さないといけないというのは、かなり酷だっただろう。チームの雰囲気が悪くなるのは必然。同年のジャイアンツはボンズとチームメートに不和がささやかれ、地区首位から19ゲーム差の断トツ最下位に沈んだ。

 

 大谷は10年総額7億ドル(約1050億円)のメジャー史上最高額でドジャース入り。メジャーの看板選手となった今は、例え負け試合でも代表してコメントを求められるケースが出てくるだろう(昨季までのエンゼルスではマイク・トラウトがその役目だった)。多くのファンが大谷をもっと知りたいと思うのは当然で、現場にはメディア殺到。実際に、ドジャースが取材規制をかけている中でも、連日、100人近くのメディアがキャンプ取材に来ている。

 

 ドジャースは全米で1、2を争う人気球団だ。勝つことはもちろん、ロバーツ監督は「メディア対応も仕事の一部だ」と指摘している。この日のようなメディア対応が、これから大谷のベーシックになっていくのだろうか。

 

小谷真弥 / Masaya Kotani

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◆ 野球大好き人間、大谷翔平が実は狙っていることは…

山田結軌氏/情報:JSPORTS)

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「優勝一択じゃないかなと思うので、そのためにみんな頑張っている。どのチームそうですけど、そのためにみんな頑張っている」

 

単純明快だった。ドジャースと10年7億ドル(約1015億円=契約合意時の為替レート)で新加入した大谷翔平投手(29)は、10年の契約期間で目標を問われ、そう答えた。今季は、昨年9月19日に受けた2度目の右肘手術からの復帰イヤー。投手としては来季2025年の開幕を見据えるが、ドジャース1年目はDHに専念する。

 

2月9日に30球団一番乗りでキャンプイン。リハビリ過程ということを忘れさせるくらい順調で快調に日々を過ごしている。フリー打撃は柵越えを連発。空気が乾燥して打球が飛びやすいアリゾナの環境を差し引いてもそのパワーに周囲は驚くばかりだ。

 

「新しいチームなので1年目のつもりで、まずは環境に慣れる、チームメートに慣れることが最優先かなと思います」

 

キャンプインではそう話し“新人”として選手とチームスタッフの名前と顔を覚えるところから謙虚にスタートする姿勢が大谷らしさを表している。

 

「けっこういろんな人にあいさつするので(1度あいさつした人に)2回目のあいさつにいかないように。1発目で覚えられるように。もしいったときは、勘弁してほしいなと思います」

 

昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、合流初日には自己紹介とともに「何歳ですか?」と先輩か後輩を確認してまわった。メジャーには、日本ほどの“タテ社会”はないが、それでもメジャー勤続年数やキャリア、タイトル獲得の有無は敬意を示す重要な指標だ。おそらく大谷もそうした“予習”をして、新チームに加入したことだろう。

 

MVP経験者のベッツやフリーマンに加え、ドジャースの顔ともいえるメジャー通算210勝、サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)3度獲得のカーショーらスーパースターがそろう。持前の愛嬌と人懐こい性格で徐々に溶け込んでいるようすが、伝わっている。

 

打撃練習はもちろんだが、走塁練習にも注力している。連日のスプリント系の練習では、盗塁の激増を狙っているのでは? と思わせる。メジャーの自己最多は2021年の26盗塁。一方で盗塁失敗の10は、リーグ最多でもあった。失敗を減らし、成功数を上げる。40盗塁、50盗塁も不可能ではない…ような気がする。周囲の予想の遥か上をいってきた大谷なら、成し遂げてしまうかもしれない。

 

仮に大谷が盗塁数アップを狙っている、とする。テクニックやもちろん走力、いわゆる足の速さが必要だ。しかし、何よりも重要なのは、走りたい、という欲求、希望だ。野球大好き人間は、打つ、投げるだけではなく走ることも追及している。なぜならそれは、チームの勝利に貢献できるから、という理由ではないだろうか。

 

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

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◆ 大谷翔平と別れたトラウト“ラジオで語った”本音「ネットでも話出ていたし…」エンゼルスへのトレード要求報道を「完全否定」の意味

水次祥子氏/情報:NumberWEB)

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 トラウタニ。

 

 そう呼ばれたかつての最強コンビが、別々のチームで新たなシーズンを迎えた。西の帝国と呼ばれる強豪ドジャースでメジャーでの第2章をスタートさせた大谷翔平に注目が集まる中、エンゼルスに残されたマイク・トラウトに去来する思いとは――。

 

 大谷が昨年12月9日に移籍を決めたとインスタグラムで発表してから、トラウトは長い間、沈黙を続けていた。エンゼルスの他の選手たちがSNSで大谷の契約を祝福するコメントを投稿する中で、トラウトだけは大谷に一切触れず。インスタグラムは更新しても、家族の写真を投稿するだけだった。

 

 どんな気持ちでいるのだろう。

 

ラジオで語った「ショウヘイのこと」

 ファンやメディア関係者は、その胸中を憶測するしかなかった。間もなく「トラウトは球団にトレードを要求する可能性がある」という話が米メディアの間でまことしやかに流れた。大谷が去ったエンゼルスには希望が持てないと、誰もが考えていた。

 

 沈黙を破ったのはスプリングトレーニングが始まる直前、球団が所有するラジオ局のインタビューで、だった。司会者に「今季について話す前に、聞かなければならないことがあります。もうこのチームにはいませんが、ショウヘイのことです。彼がドジャースに移籍する決断をしたことに対して、どう感じましたか?」と問われて答えた。

 

「決まる前、みんなが僕に、どうなるのかと聞いてきたよ。何となくだけど、彼がドジャースに行くような気が、昨シーズンの間ずっとしていた。ネットでもそうなるだろうという話ばかり出ていたしね」

 

 大谷の去就は、昨シーズンを通して米球界の話題の中心であり続け、これまでのメジャー最高額だったトラウトの12年総額4億2650万ドルを超えることは確実だろうとも予想されていた。そして実際は、それをはるかに超えるスポーツ史上最高の10年7億ドルでドジャースに移籍。

 

「彼にとって良かったと思う。彼にはそれだけの価値がある」

 

 トラウトはそう言った。

 

繰り返していた「引き止める」発言

 そのインタビューから数日後、スプリングトレーニング初日を迎えたトラウトは、報道陣が激減したクラブハウスを見回し、笑いながらこう言ったという。

 

「オオタニはいなくなってしまったんだな」

 

 そして報道陣に囲まれると、

 

「ドジャースに行くのではないかという予感がしていた。彼にとって良かった。残ってほしかったのは間違いなかったが、彼に見合う契約だったと思う」

 

 ラジオでのコメントと同じ言葉を繰り返し、それ以上は語らなかった(現地メディア『USAトゥデー』)。

 

 大谷が出ていく予感がしていたというのが本当なら、昨年のシーズン中に何度も引き止めると発言していたときの胸の内は、どんなものだったのだろうか。

 

「ショウヘイを引き止めるために最も重要なのは勝つこと。プレーオフ進出を目指して戦い、引き止めに全力を注ぐ」

 

 トラウトは、繰り返しそう言っていた。

 

「君を誇りに思うよ、ブラザー」

 チームも夏までは好調だった。7月最後の10試合は7勝3敗と好成績を残し、月の終わりには56勝51敗と貯金生活。球団もトレード期限前に次々と補強を行い、ポストシーズン進出を目指した。

 

 しかしケガ人の続出もあり、8月に入ると勢いが急失速。8月1日から泥沼の7連敗を喫し、8月を終える時点で64勝70敗。トレードで次々と獲得した選手を今度は次々とトレードで放出し、事実上の終戦はあっという間にやってきた。

 

 トラウト自身もケガに悩まされた。7月上旬にバットを振った衝撃で左手首を骨折して手術を受け、8月22日にいったん復帰したが左手首は万全ではなく、2日後に再び負傷者リストに入り残りのシーズンをすべて欠場した。この3年間は毎年ケガで離脱し、出場が120試合を超えたことは1度もない。一足早いシーズン終了が決まったトラウトは「フラストレーションしかない」と無念さを口にした。

 

 チームが失速して以降、大谷を引き止めたいと口にすることもなくなっていた。シーズンが終わり、11月中旬に大谷が史上初となる2度目の満票でア・リーグMVPに輝いたときには、自身のX(旧ツイッター)アカウントで大谷とハイタッチをしているシーズン中の写真とともに「とてつもないシーズン、おめでとう。まさにMVPだった。君を誇りに思うよ、ブラザー」と祝福を投稿したが、オフシーズン中、大谷についてコメントするのはそれが最後だった。“兄弟”とまで呼んだ大谷がチームを去ることが決まったのは、それから約1カ月後のことだった。

 

あのトラウトが…“これまでなかった”姿

 しかし新たなシーズンを迎えたトラウトは前を向き、トレード要求という憶測も完全に否定した。

 

「簡単な逃げ道、それがトレード要求だよ。そういう日がいつかは来るかもしれないけれど、今はそんなことは考えていない。自分がエンゼルスとあの(12年の大型)契約を結んだということは、チームに忠誠を誓ったということだ。このチームでワールドシリーズ制覇を果たしたい。このチームで頂点やプレーオフ進出を目指すことは、簡単にここを去り他所で目指すよりも満足感がある。それが今の自分の信念だ」(現地メディア『ESPN』))

 

 このオフは、アート・モレノ・オーナーら経営陣に、補強をして勝てるチームにしてくれと何度も強く要望してきたという。スプリングトレーニングが始まってもまだ大物FA選手が複数残っており「そのうちの誰かを獲得するよう、開幕するまで球団に要望を続けていく」とも話した。トラウトが、そこまで熱心に球団に補強を要望する姿を見せたことは、これまでなかったと思う。

 

望むWS「オオタニ対トラウト」

 トラウトがポストシーズンでプレーしたいという思いを強くしたのは、昨年3月のWBCだった。米国代表の主将だったトラウトが決勝戦で1点を追う9回2死走者なしで打席に入り、侍ジャパンでクローザーとして登板した大谷と対峙した。フルカウントから空振り三振に倒れ米国は準優勝に終わったが、この試合の後、エンゼルスのフィル・ネビン監督(当時)に「自分にはこれが必要だった。この雰囲気でプレーすること、この瞬間、この経験が必要だった。自分はこのチームでプレーオフを戦いたい。その思いがどれだけ強いか、改めて気づかせてくれた」と思いを明かしたという。

 

「トラウタニ」コンビとしてこの6年間、1度もポストシーズンに進出することはできなかったが、WBCでの大谷との決勝対決、そして大谷がFAで去った出来事が、トラウトのモチベーションをさらに一段引き上げるきっかけになったのは確かだ。別々のチームで違う道を歩み始めた2人は、今度はワールドシリーズという舞台で互いの道を交差させる日が来るのかもしれない。トラウトが吐露した強い思いからは、そんな期待感が伝わってくる。

 

(「メジャーリーグPRESS」水次祥子 = 文)

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◆ テオスカー・ヘルナンデス 勝利に飢える強肩スラッガー/世界一へ共闘する仲間たち

斎藤直樹氏/情報:日刊スポーツ)

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<大谷と由伸の相棒たち>

 

 ドジャースは今オフ、他球団がうらやむ大補強を行った。二刀流は大谷翔平、投手は山本由伸が目玉なら、野手はテオスカー・ヘルナンデス外野手(31)だ。マリナーズからFAとなり、1年2350万ドル(約35億3000万円)で契約。大谷が自身の年俸の97%を後払いとし、チーム年俸総額に余裕が出たからこそ、獲得に至ったといえる選手だ。

 

 大谷と同様に、何より勝利に飢えている。「チームを良くするためなら、いくらでも投資する球団、それこそが選手が行きたいと思うところ」と球団を選択した理由を説明。総年俸のうち850万ドル(約12億8000万円)は、大谷と同様に30年から10年間の後払いとした。昨年は年俸調停ではメジャー史上最高となる1400万ドル(約21億円)でマ軍と契約していた(今季ブルージェイズのゲレロが更新)。

 

 移籍会見で「僕は勝利に飢えている」と話したのには理由がある。17年途中にアストロズからブルージェイズに移籍したが、ア軍はワールドシリーズで優勝した。22年まで過ごしたブ軍では、20、22年とプレーオフに進出しながら、ワイルドカードシリーズで2連敗であっさり敗退。特に22年の第2戦は、1試合2本塁打4打点と爆発しながら、9-10で7点差逆転負け。個人的な活躍だけでは、チームが勝ち進めない悔しさを、嫌というほど味わった。

 

 プレースタイルは堅実で、攻守に安定感がある。6年連続2桁本塁打で、短縮シーズンだった20年(16本)を除いて、4年連続25本以上の選手はメジャーで12人しかいない。2度シルバースラッガー賞に輝いているが、昨季までの通算OPSは一流といえる・802。左投手キラーとしても知られ、対左の通算OPSは・887だ。強肩を生かした外野守備にも定評があり、20、23年はリーグ補殺王に輝いている(右翼手としては22年も1位)。頼れる右翼手を獲得したからこそ、ド軍は昨年まで主に右翼を守っていたベッツを二塁に回せることになった。

 

 日本人とは縁がある。17年にはアストロズから青木宣親(現ヤクルト)と一緒にブルージェイズへトレードとなった。22年はブ軍で負傷者リストに入ったが、代わりに昇格したのは加藤豪将(現日本ハム)だった。今回は大谷、山本と同時にド軍に入団し、初の頂点を目指す。【斎藤直樹】

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 ■ NOTE

 

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