2024年2月9日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ 大谷は8日(日本時間9日)にスプリングトレーニングの集合日を迎え、米アリゾナ州グレンデールの球団施設に入った。バッテリー組とリハビリ組は9日(同10日)にキャンプインする。現地時間、午前10時14分。大谷は水原一平通訳が運転する白のポルシェに乗って球団施設に入った。グレー系のジャケットにブルーのデニムパンツ。黒の帽子を被り、青の水筒を持って球場施設に入った。この日は激しい雨が降り、その後は屋内で自主トレを行った模様だ。

 

この日から報道陣にロッカールームが開放され、大谷と山本は隣同士になった。ロッカー入り口からテイラー、ベッツ、大谷、山本、元エンゼルスでマイナー捕手のオーキーの順となった。キャンプ集合日に合わせてメディア関係者60人が大集結。テレビカメラ6台が追った。まだキャンプ地は一般公開されていないが、10人前後のファンも集まるなど大きな注目を集めている。

 

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◯ ドジャースと1年再契約を結ぶことで合意したと米メディアで報じられたクレイトン・カーショー投手が8日(日本時間9日)、米アリゾナ州グレンデールの球団施設に入り大谷について語った。契約について「アンビリーバブルだったね。間違いなくショウヘイについては、ここで(大谷への注目度について)何が起きているかみんなわかっているよね。ほとんどフルシーズンでこんな感じになると思う」と。さらに「彼と少し話をしたよ。彼のことをすごく知っているわけではないが、頭の回転が速そうだね。フレディ(フリーマン内野手)やムーキー(ベッツ外野手)は誰に頼らなくてもスーパースターだと僕は思うけど、注目は常にショウヘイに向けられることになる。僕が見た限りでは、ショウヘイはそれに対応できるよ。僕たちチームにとってもいいことになるはずだ」とうなずいた。

 

 

◯ MLB公式サイトは8日(日本時間9日)に今季の両リーグのMVP候補を発表した。大谷はナ・リーグ3位だった。同サイトは「フルタイムの指名打者でMVPを受賞した選手はいない。ポール・モリター(1993年)、フランク・トーマス(2000年)、デビッド・オルティス(05年)がそれぞれ2位となった。しかし、その扉を打ち破ることができる人がいるとすれば、それは大谷だ」と。「二刀流のスーパースターは昨年9月に右ヒジの手術を受け、2024年に投げることができなくなると発表されるやいなや、多くの人が今年のキャリア3度目のMVP受賞の大谷のチャンスはついえたと考えた。しかし、大谷が投球と打撃に集中力を分けていないことを考慮すると、その結果、彼が過去2回のMVPキャンペーンで出した驚異的な数字をも上回る攻撃力が見られる可能性がある」ナ・リーグの1位は同僚のムーキー・ベッツで、2位はロナルド・アクーニャだった。

 

◯ 昨季までチームメートだったエンゼルスのジャレド・ウォルシュ内野手が、大谷との思い出を語った。米専門局MLBネットワークラジオに出演。「彼と初めて会ったのは2018年の春のキャンプ。一緒にプレーしたのは19年からだった。彼は打撃ケージでものすごい打球を放つ。時速109マイルとか110マイルの打球だ。ケージでそんな打球を放つ選手は非常にまれだ。彼の体格を見比べると、19年、20年から21年と、食事やウエートトレーニングで変わった」と回想。「彼はそれだけの金額をもらってしかるべき選手。僕が今まで会った中で最もハードワークな選手で、素晴らしいチームメートだった」と称賛。「彼にとってお金は問題ではなかったが、金額というのは選手の格を示すもの。彼は世界で最もビッグなスターだが、非常に控えめな人物だ」とたたえ「成功を祈る。ドジャースでどんな活躍をするか楽しみにしている」と話した。

 

 

◯ コナミデジタルエンタテインメントは9日、モバイルゲーム「パワフルプロ野球 栄冠ナイン クロスロード」のゲーム内イベント「来たれ!転生選手」を同日から開始し、KONAMI野球ゲームアンバサダーに就任した大谷が登場すると発表した。同ゲームに現役の選手が搭載されるのは大谷が初めて。「投手(サブポジ外野)」と「野手」の2タイプで登場する。

 

 

◯ NHKとテレビ朝日は9日、ドジャースとパドレスが韓国で行う開幕戦ソウルシリーズを地上波で生中継すると発表した。3月20日の開幕戦「ドジャース―パドレス」(19時5分開始)はNHK総合で、21日の「パドレス―ドジャース」(同)がテレビ朝日で生中継される。2戦目はNHKBSでも生で放送される。テレビ朝日ではまた、開幕前のオープン戦2試合も放送。3月17日の「ドジャース―キウム」(12時開始)、18日の「ドジャース―韓国代表」(同19時)の前哨戦2試合を生中継という、異例づくしの開幕シリーズとなりそうだ。

 

◯ スポーツ専門チャンネル「J SPORTS」では10~16日の7日間、「メジャーリーグベースボール(MLB)キャンプ2024」としてアリゾナ州でのキャンプを午前7時から生中継する。MLBアナリストのAKI猪瀬氏が現地からリポート。森繁和氏(スポニチ本紙評論家)、薮田安彦氏、藪恵壹氏が解説を務める。

 

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◯ 大谷が9日、インスタグラムのストーリーズに木箱の写真を投稿した。銅板に「大谷翔平」と書かれている。2枚目の写真では、箱を開封。エンゼルスのユニホームで、笑顔の写真を中央に、左右に投球と打撃をしている写真を配置したトップス社の野球カードが登場した。カードはサイン入りで「超越したシーズン」と書かれている。立てかけると、箱には別カットの投打のモノクロ写真があしらわれている。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ドジャース大谷翔平いよいよキャンプイン ロッカーは特等席、山本由伸とあのスターに挟まれ

四竈衛氏/情報:日刊スポーツ)

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 【グレンデール(米アリゾナ州)8日(日本時間9日)=四竈衛、斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、移籍後初のキャンプインを迎える。

 

 前日のチーム集合日にキャンプ施設を訪れ、室内で調整。9日(同10日)のバッテリー組とリハビリ組の初日に向け、再契約を交わしたレジェンド左腕クレイトン・カーショー投手(35)ら同僚とも顔を合わせた。クラブハウスのロッカーは山本由伸投手(25)とムーキー・ベッツ内野手(31)に挟まれ、環境も整った状態で新天地での挑戦が始まる。

 

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 新天地のクラブハウスで、青のウエアを身にまとった大谷が姿を見せた。メディアに公開された約50分間で一瞬だけ現れると、慌ただしそうにトレーニングシューズに履き替え、隣接するウエートルームへ向かった。キャンプ初日の前日はあいにくの悪天候で雨続きだったが、バットを持って約30分間、室内練習場などで調整。さわやかに、ニコニコと笑顔を見せて球団施設を後にし、アンバサダー契約を結ぶポルシェに乗り込んで帰路についた。

 

 3・20の開幕まで野球一色、まっしぐらだ。クラブハウスのロッカーは、投手としてMLB史上最高額で契約した山本とMVP経験者のベッツに挟まれる“特等席”で、斜め向かいにはフリーマンもいる。技術論など野球談議に加え、エンゼルス時代はほとんどなかった同僚選手との日本語トークが可能。リハビリ中の肘には適さないかもしれないが、広々とした空間に卓球台があり、リフレッシュできる環境も整っている。

 

 さらに、通算210勝左腕カーショーのカムバックも心強い。昨年11月に左肩を手術し、復帰はシーズン終盤となるが、常勝球団で17年目、サイ・ヤング賞3度のレジェンドは生ける教材。同投手は日本人2選手の加入を「アンビリーバブルだね」と喜び、大谷と対面した上で「彼をよく知っているわけではないけど、賢そうだし、うまくやっていける。ベッツやフリーマンはスーパースターだけど、四六時中ずっとショウヘイが注目されるだろうね。でも、うまく対処できるだろう。チームにとっても(2人の加入は)素晴らしいことだと思う」と話した。

 

 大谷は昨年9月に手術した右肘のリハビリを続けながら、韓国で開催される3月20日の開幕戦での打者復帰が見込まれる。今月5日にはマシン打撃を開始し、キャンプ中に徐々にギアを上げて実戦調整に臨む。二刀流ではなく、打者専念となるが、目指すはワールドシリーズ制覇。整った環境で、一心不乱に挑む。

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◆ 大谷、由伸が間近で見られる?! ドジャースキャンプ地ガイド 初日からファンも施設内立ち入り可能

山田結軌氏/情報:サンスポ)

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【グレンデール(米アリゾナ州)7日(日本時間8日)=山田結軌】米大リーグで大谷と山本が加入したドジャースは、9日に当地で他球団に先駆けてバッテリー組がキャンプインする。ド軍が利用する施設「キャメルバック・ランチ」は練習フィールド12面を備え、中央の池を挟んで東側6面をド軍、西側6面をホワイトソックスが使用。オープン戦を行う本球場は共用となる。

 

9日から一般客も施設内の立ち入りが可能となり、練習フィールドでの見学は無料。本拠地ドジャースタジアムよりも格段に選手を間近で見ることができる。選手がトレーニングルームからフィールドに向かう際、または練習を終えてクラブハウスに戻る際がサインをもらうチャンス。熱心なファンは早い時間から柵の前で場所取りをする。この日はキャンプイン前とあって、入場ゲートは施錠されたまま。数人の日本人ファンが柵の外から施設の様子をうかがっていた。

 

オープン戦はレギュラーシーズンと比べ、チケット代もお手頃だ。22日(同23日)にはキャンプ地から北に約16キロ離れた施設「ピオリア・スポーツ・コンプレックス」でダルビッシュと松井のいるパドレスとオープン戦を行うが、外野芝生席なら24ドル(約3500円)から購入可能。右肘の手術からリハビリ中の大谷がいつからDHで出場するかは不明だが、主力選手はキャンプ序盤は2打席ほどで交代することが多い。いずれにせよ大谷フィーバーで、例年より多くの来場者が見込まれている。

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◆ 大谷翔平の現場に女子アナのエース 本格始動前に…日米韓60人が大集結した舞台裏

小谷真弥氏/情報:Full-Count)

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 大谷翔平、山本由伸両投手が所属するドジャースは9日(日本時間10日)、スプリングトレーニングの初日を迎える。8日(同9日)はバッテリー組とリハビリ組の集合日で、両選手とも米アリゾナ州グレンデールのキャンプ施設に姿を見せた。日米韓合わせてメディア関係者60人が集結。本格始動前から熱狂の1日となった。

 

 まだ日が登らないアリゾナの午前6時。大谷と山本のキャンプ施設入りを取材しようと、日本メディアが続々と集結した。ただ、メディア関係者はキャンプイン前で球団敷地内に入ることが許されていない。敷地外の駐車場からの取材となった。避寒地とはいえ、午前8時で気温9度。太陽の日がないと、まだまだ寒かった。「今日は寒いっすね」。そんなつぶやきがよく聞こえる中、山本は9時13分、大谷は10時14分にそれぞれキャンプ施設入りした。

 

 敷地外に臨時のプレスルームが設置され、選手の駐車場の前に人だかり。周囲からは異様な光景に見えたようだ。「日本メディアは本当にすごいよ」と驚いていたのは、ロサンゼルス・タイムズ紙のディラン・ヘルナンデス記者だ。米国育ちだが、母が日本人。「渡辺修」を日本名に持つ名物コラムニストだ。「アメリカで生まれて良かったよ」。その言葉に力がこもった。

 

 フジテレビの宮司愛海アナウンサーの姿もあった。ニュース番組「Live News イット!」の取材で、前日7日(同8日)にアリゾナ入り。8時30分頃から両選手が帰路につくまで追った。5泊7日の強行軍での取材で、帰国後はすぐに業務に戻るという。夕方のニュース番組のメインキャスターを投入するあたり、規格外の注目度が伝わってくる。

 

 キャンプ地は時折、激しい雨が降り、大谷はバットを持って屋内ケージへ。山本は予定されていたブルペン入りを中止にしてキャッチボールで調整した。キャンプイン初日の9日(同10日)には大谷の取材対応が予定されている。いよいよ“ドジャース狂想曲”が幕をあける。

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◆ 大型補強のロサンゼルス・ドジャース、大谷翔平のプレーはどう変わる?「斎藤隆×AKI猪瀬」が語るMLB新シーズンの見どころ

(情報:JSPORTS)

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2024年シーズン・MLBの見どころについて、2006年~2008年までロサンゼルス・ドジャースに在籍し、今シーズンより横浜DeNAベイスターズのアドバイザーに就任した斎藤隆さんと、J SPORTSのMLB解説でおなじみのMLBアナリスト・AKI猪瀬さんが対談。今回はその第1弾です。

 

※対談は1月25日に行われました。

 

◆大谷翔平、山本由伸ら大型補強のドジャース

 

AKI猪瀬:MLBの開幕が近づいてきました。ということで、今シーズンの見どころをお伝えしていきたいと思います。今日は素敵なゲストをお呼びしております。「MLBイッキ見!」ファミリーの斎藤隆さんです。早速ですが、今年のストーブリーグは何と言ってもドジャース。ものすごい補強しましたね。

 

斎藤隆:本当に驚くばかりですが、特に日本人2人。大谷翔平選手と山本由伸投手ですね。

 

AKI猪瀬:大谷を獲得して、相当お金を使ったので、山本は無理だろうと言われる中、動きましたね。それに終わらず、タイラー・グラスノー(昨季タンパベイ・レイズ/10勝7敗・防御率3.53)、テオスカー・ヘルナンデス(シアトル・マリナーズ/打率.258 26本塁打 93打点)、ジェームズ・パクストン(ボストン・レッドソックス/7勝5敗 防御率4.50)も獲得しました。今回のドジャースの補強、やりすぎですか?

 

斎藤隆:いや、僕はそれぐらいはやるだろうと思っていました。ドジャースはリーグチャンピオンを取るのは当たり前。その先のワールドチャンピオンが、毎回の大きな課題で、彼らの一番の目標。そのために補強を本気でやってきたな、というところです。

 

AKI猪瀬:10年近く、ずっとポストシーズンに出ているのに、世界一は2020年のコロナ禍でのショートシーズンだけ。でも、大谷が入ったことで、恐らく1番がムーキー・ベッツ(昨季打率.307 39本塁打 107打点)で、2番に大谷(打率.304 44本塁打 95打点)が入って、3番がフレディ・フリーマン(打率.331 29本塁打 102打点)。大谷が3番という報道もありますが、この上位打線はどうですか?

 

斎藤隆:どの球団のピッチャーもやりづらいのは間違いない。非常にいい1~3番で、全米No.1、30球団で1番と考えていいです。

 

◆強力打線で大谷翔平の成績は上昇するか?

 

AKI猪瀬:今度はエンジェルス時代と違い、1・3番が大谷を守ってくれる打線になります。バッター大谷の成績は飛躍的に上がっていくのか、それともどうなると思いますか。

 

斎藤隆:いい質問ですね。エンジェルス時代を振り返ってみると、前後のバッターが弱かったり、けがしがちな選手が多かったので、そういう意味では非常に辛かったと思います。一方、ドジャースでは前後がすごいから成績が跳ね上がるかと言ったら、そうとも考えていません。なぜかと言うと、彼は勝ちたい。とにかく彼の言葉を借りれば、ヒリヒリするシーズンの最後を過ごしたい。

 

そして日本で育った大谷翔平というバッターがチームバッティング、例えばムーキー・ベッツが2塁、これがエンジェルスの時だったら、どの方向でも返そうとなるけど、もし、1点差の7回、8回なら彼は間違いなく、最悪でもワンアウト3塁を作ることを考えてしまう。

 

となると、大谷がドジャースに行って、前後を固めてもらったとしても、必ずしも成績が飛躍的に上がるとはあまり想像していません。

 

AKI猪瀬:チームバッティングをする可能性が高いということですね。今日の1本よりもチームの1勝を優先するだろうと。

 

斎藤隆:一方で5-0の4打席目とか、あるいは一方的な試合になった時の大谷は、今まで通りのイメージで見てもらってもいいと思います。

 

◆ドジャー・スタジアムは大谷翔平に有利?

 

AKI猪瀬:隆さんがドジャース時代(2006~08年在籍)は典型的なピッチャー有利のボールパークと言われていましたが、近年のパークファクターを見るとドジャー・スタジアムは若干ホームランが出やすくなってきています。

 

これはジャスティン・ターナー(2014~22年在籍/現トロント・ブルージェイズ)に聞いたところ、平均気温が上がりっぱなしになっているので、ボールがよく飛ぶようになっていると言っていました。実際に隆さんがドジャー・スタジアムで投げていた肌感覚として、大谷はどこに行ってもホームランは大丈夫ですよね?

 

斎藤隆:エンジェルスのスタジアムと、ドジャー・スタジアムの距離感の違いはあまり感じないと思います。むしろ、エンジェルスの球場の方が、投げている感覚では飛ばない感じを持っていました。

 

ドジャー・スタジアムはポール際が入ると思います。あとセンター方向も意外に入ります。逆に右中間、左中間は入りづらいところで、完璧に打ち抜いた打球しか入らない、そんな印象があります。

 

◆大谷翔平、ロサンゼルスのメディアやファンとの関係

 

AKI猪瀬:エンジェルスは、日本人記者を除くと番記者が常に3人ぐらいしかいない。この牧歌的なエンジェルスから、今度は騒がしいドジャースです。実際にドジャースはどうですか?

 

斎藤隆:これまでとは比べ物にならないぐらい、彼の周りは騒がしくなると思うので、ここは通訳の水原一平君を始めとする、スタッフの腕の見せ所だと思います。彼の話す時間や聞かれる内容を最初に精査しておいて、できる限りトレーニングや身体のケアに時間を作ってあげることかなと。

 

AKI猪瀬:大谷は10年7億ドル(約1,020億円)の年俸で移籍しました。その年俸に見合った活躍ができていればいいですが、できなくなった時はどうですか?

 

斎藤隆:考えたくないですけどね。ただ、できなくなったというのを聞くとイメージするのが、J.D.ドリュー(2005~06年在籍)。ライトを守って4番やクリーンアップを打っていたけど、彼は打席に入っても守りについてもブーイングだった。それを実際に見ていましたが、大谷がそういう風になるのかと言われると、到底そうは思えない。

 

AKI猪瀬:メディアとファンとの距離感を、早くつかんでほしいですね。

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◆ エバン・フィリップス、スライダーの握りかえて守護神に成長/世界一へ共闘する仲間たち

水次祥子氏/情報:日刊スポーツ)

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<大谷と由伸の相棒たち>

 

 昨季は自己最多の24セーブを挙げ、今や守護神としてチームの厚い信頼を得ているのがドジャースのエバン・フィリップス投手(29)。だがここまでの道のりは、決して平たんなものではなかった。

 

 15年ドラフト17巡目という下位でブレーブスに指名されてプロ入りし、18年7月3日にメジャー初登板を果たしたが、同月31日にオリオールズへトレード。それから約3年間はメジャーとマイナーの往復を繰り返し、21年8月には契約を解除されてFAとなった。翌日すぐにレイズとマイナー契約を結びメジャーに昇格したものの、1試合に登板しただけで再び契約を解除された。

 

 このままでは芽が出ないまま消えかねないという土壇場から野球人生を好転させたのは、ドジャースに移籍してからだった。

 

 転機はいきなり、初めてドジャースタジアムで練習した日にやってきた。コナー・マクギネス投手コーチ補佐から、スライダーの握りを変えることを提案されたという。それによってスライダーの回転数が増加し、横の動きが大きくなり、スイーパーとして進化した。さらに翌シーズンに入る前には、カットボールを新たなレパートリーとして加えることを提案された。

 

 その結果、22年は64試合に登板し7勝3敗、19ホールド、2セーブ、防御率1・14、77奪三振とあらゆる投球成績で自己ベストをマークした。

 

 抑えとして成長する上では、昨季途中からチームメートになった元広島の救援右腕ライアン・ブレージャー(36=広島での登録名ブレイシア)の存在が大きかったという。昨年9月のロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューで「リリーフ陣の役割分担を組織的にしっかりできたことで、勝つために自分がやるべきことに集中できた。ライアンが火消しのような重要な場面で仕事を果たしてくれたことで、自分は最後のイニングだけに集中すればよかった」と感謝している。

 

 抑えという立場になって2年目を迎える今季はさらなる飛躍が期待される。昨季終盤には一時不振に陥ったことがあったが、ロバーツ監督は「彼がすぐに立て直せる。心配していない」と信頼を寄せた。チーム内の人間関係も良好で、昨年12月に大谷翔平投手の入団が決まったときには同僚同士のグループチャットアプリで盛り上がったと、ラジオ番組に出演した際に明かしていた。「今季は間違いなく楽しいシーズンになると思う」と胸を膨らませている。【水次祥子】

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 ■ NOTE