2023年12月31日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ TBSは31日、「WBC2023ザ・ファイナル」を放送。準決勝メキシコ戦での逆転サヨナラ劇の舞台裏が明かされた。メキシコにリードを許す展開も、大谷は「さあ~行くぞ! 準備して!」と味方を鼓舞。代走としてサヨナラのホームを踏むことになるソフトバンク周東佑京内野手(27)に「絶対出番あるぞ。準備しとけよ」と声をかけていた。大谷は9回の先頭打者として打席に向かった。これにはDeNA牧秀吾内野手(25)は「絶対何かある」と話し、巨人大勢投手(24)も「負けているのに負けてないような」と大谷が醸し出す雰囲気を感じ取ったという。

 

 大谷は初球を右中間へ運び、ヘルメットを飛ばして激走。二塁ベース上で両手を上げながらベンチに向かってほえた。後続のレッドソックス吉田正尚外野手(30)の代走で一塁走者となった周東は、メキシコ内野陣のタイムの際に一塁ベース上で「ほら、(言った通り)だろう」と大谷に声をかけられ「すごいですね」と言葉を交わしたと明かした。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷残留にこだわったエンゼルス、勝ちたいからなのか、ビジネスで稼ぎたかったからなのか…翔平の移籍先がその答えを鮮明に【番記者が見た】

阿部太郎氏/情報:中日スポーツ)

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◇コラム「番記者が見た」

 

 大谷翔平の去就は、エンゼル・スタジアムからわずか50キロの距離に本拠地があるドジャースの移籍で幕を閉じた。エンゼルスのモレノ・オーナーにとっては、大谷が袖を通す姿を最も見たくなかったチームだろう。

 

 米メディアにも報じられたが、交渉を知る関係者によれば、モレノ・オーナーは7億ドルの提示を断った。大谷サイドが提案する「後払い」に難色を示したとされる。

 

 なぜ、球団の予算に柔軟性が出て、補強にお金をかけられる「後払い」を嫌がったのか。球団を売却しようとして翻意したオーナーが再び、売却を考える時に「後払い」が不利になると考えたのか…。最終局面でさじを投げた。

 

 エンゼルスは大谷残留にこだわっていた。昨年も今年も、トレードのチャンスはあった。球団内には大谷を出して若手有望株を獲得する動きもあったと聞くが、オーナーの意向が絶対のチームは結局、大谷を最後まで残した。

 

 今季はトレード期限までに大量の中堅、ベテラン選手を獲得。若手を出し将来を捨てても、チームが勝てば大谷の説得材料になると考え、積極的に動いたが大失敗。結局、とった選手の大半を1カ月後に放出する最悪の結末だった。

 

 大谷は今オフ、ドジャースとの面談で、マイナーのシステムや球団の将来のビジョンについて聞いたという。エンゼルスはその答えを持ち合わせていないのだろう。マイナーの人材は枯渇し、球団はオーナーの意向に振り回された。

 

 モレノ・オーナーは勝ちたいから大谷を残したかったのか、ビジネスで稼ぎたいから残したかったのか。とにかく勝ちたいと望んだ大谷の行き先が、その答えを鮮明にしている気がする。(阿部太郎)

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◆ 「オオタニがDHを独占することは…」大谷翔平“驚きの外野手起用プラン”はなぜ飛び出した? ドジャース「主戦力は30代」という事実

笹田幸嗣氏/情報:NumberWEB)

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 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、大谷翔平の入団会見翌日に地元テレビ局のインタビューで衝撃の発言をした。来季の起用法を問われた時のことだった。

 

「2文字。DHだ。だが、翔平と話をして9月になって投げられるようになったら、左翼に入るのはどうだと聞いた。彼は『腕が問題なければOK。構わない』と言ってくれた。その時まで時間がある。どうなるか見てみよう」

 

 テレビ局の仕事も長くする身として、大谷の来季起用法をインタビュアーが聞いた時点でこの質疑応答は予定稿と直感した。左翼起用のプランを質問者が知っていた。同時にロバーツ監督のこの発言を聞き、さすがドジャースと思った。

 

「左翼・大谷」起用が実現する理由

 

 大谷の右肘手術の執刀医でドジャースのチームドクターであるニール・エラトラッシュ医師は、LAタイムズ紙の取材に9月には実戦形式の投球練習を再開できる見通しと答えている。あくまでも右肘のリハビリが順調に進んだ場合のプランのひとつに過ぎないが、思い通りに進めば「左翼・大谷」起用は実現するに違いない。これは単にシーズン終盤の戦いを見据えただけのものではない。投手復帰が可能となる25年シーズン以降、『三刀流起用』を真剣にチームが考えていることを意味している。

 

 ご存知のように現在のメジャーの野球ではDHはたったひとりの選手が占有すべきポジションではない。DHはベテランレギュラー野手の休養の場でもあり、ローテーション起用することで疲労回復、怪我防止、コンディション維持へと繋がり162試合の長丁場を乗り切る。その上で10月の戦いを制するためには必要不可欠な戦略となる。

 

 ドジャースには大谷と並びムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンのMVPトリオが打線を牽引する。そのベッツも来季は32歳、フリーマンは35歳を迎える。それ以外でも正三塁手マックス・マンシーは34歳、右翼のジェイソン・ヘイワードも35歳、激務の正捕手のウィル・スミスも29歳だ。5選手のコンディション維持を考えれば、シーズン序盤からDH専任の大谷にもある程度の休養日は与えられるだろう。

 

エンゼルスでは大谷の“無休”が続いてしまった

 

 事実、エンゼルスにも23年シーズンにそのプランはあった。5月初旬までの開幕わずか30試合で大谷には2試合の休養が与えられた。そしてDHにはともにマイク・トラウトが入った。大谷の休養、トラウトも半休と言える打者専念のポジションでコンディションを維持、チームは貯金生活で上位を狙える位置にいた。

 

 しかし、5月中旬以降、エンゼルスの負の連鎖がまたしても始まった。正三塁手のアンソニー・レンドンが離脱し、遊撃手を中心に内野のユーティリティーとして支えてきたジオ・ウルシェラ が6月に骨盤骨折でシーズンアウト。7月初旬にはトラウトまでもが左有鉤骨骨折で離脱した。大谷を打線から外すことができないチーム状況が生まれ、大谷自身も責任感から登板間は休みなくDHでの出場を続け、結果8月には右肘を痛め、9月4日には右脇腹を痛めた。その間、5月2日以降、大谷の無休は続いた。休養は必要。誰もが思う結果となった。

 

ではドジャース大谷の将来的な出場スケジュールは?

 

 24年シーズン。ドジャースの戦力、選手層の厚さを考えれば、大谷自身もチームプランを考え、休養を受け入れるだろう。その上で大谷の向こう10年、チームの常勝を考えれば、9月からの左翼起用プランは25年以降は大谷とドジャースを支える最重要テーマとなる。

 

 監督経験者でもあるベースボール・エグゼクティブは、チームが勝つための大谷のリアル二刀流起用には三刀流は必要不可欠な要素だと答えてくれた。

 

「日程的に休みが少なく東西の長距離移動もある。ベテラン野手のコンディション維持にはDHに定期的に入ってもらうことは重要です。大谷が登板間にそのポジションを独占することはチームのためになりません。だから、大谷とはしっかりと話し合った上で週に1、2試合左翼に入ってもらえばいい。

 

 でも、それだけでは大谷が今まで以上にオーバーワークになってしまう。例えばですが、大谷の登板は毎週日曜日にするなどして限定する。そして、大谷の希望を聞いた上で登板間に1試合の休養日を設ける。そうなると1週間で最大3試合DHに空きが出てベテラン野手を休ませながら起用することができる。私が監督ならば、春キャンプの時に大谷や関係してくる選手と話し合い、全選手の許諾を得た上でチームミーティングでこのプランを全体発表する。みんなが大谷三刀流の真意を理解し、チームに透明性を持たせることは重要ですからね」

 

なぜ野手の中でも“左翼”起用なのか?

 

 おそらくこのベースボール・エグゼクティブと同様のプランを既にドジャースは持っている。その上での9月からの左翼起用、25年からの三刀流起用。これが大谷翔平のコンディションを守った上での能力の最大活用、そして常勝チームづくりの根幹となる。

 

 余談ではあるが、なぜ左翼なのか。端的に表現すれば、外野手としてスローイング距離が最も短いのがこのポジションであり、大谷の腕を守るには最も負担が少ない。

 

 95年、日本とメジャーを繋いだ先駆者・野茂英雄は“夢は叶えるもの”と教えてくれた。そして今、本場のアメリカで大谷翔平は、常識を覆し、野球というスポーツの固定観念を取り払い、これまではあり得なかった野球を後へと続く者に残そうとしている。

 

 この夢にはまだ続きがある。24年は三刀流への序章、25年以降はそれが大谷とドジャースにとっての常識となる。ドジャースにはしっかりと世界の宝を導いてほしい。それは彼らが大谷を獲得した責任でもある。

 

(「メジャーリーグPRESS」笹田幸嗣 = 文)

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◆ 【言葉の力 MLB編】大谷翔平「もちろん大好き」藤浪晋太郎「立つだけではダメなので」

(情報:日刊スポーツ)

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 年末恒例の「言葉の力」をお届けします。担当記者たちの心に響いた野球人たちの声で2023年を振り返りましょう。 

 

    ◇   ◇   ◇

 

 ▽カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手「メジャーで初めて出場チャンスを得たときのことが、今も常に頭にある。僕は幸運で、機会に恵まれてきた。でもそれは決して偶然ではなく、その時のために何をしてきたかをしっかり考えるようにしている。いつ出番が来てもいいように、常に準備万端に整えておくのが野球だから」(WBC侍ジャパンで活躍し優勝に貢献した後、シーズン開幕を迎えて口にした言葉=水次祥子)

 

 ▽パドレス・ダルビッシュ有投手「もちろん光栄ですね。イチローさんに褒められることなんてないと思うので、こういうところで褒めていただけるというのは本当に光栄ですし、自信になりました」(3月23日、WBC中の言動をイチロー氏に絶賛されて=四竈衛)

 

 ▽アスレチックス藤浪晋太郎投手「メジャーのマウンドに立てたことは光栄だけど、立つだけではダメなので」(4月1日、メジャーデビュー戦となった本拠地エンゼルス戦で3回途中8失点と大炎上した直後。巻き返しへの覚悟が後の逆襲を呼び込んだ=佐井陽介)

 

 ▽エンゼルス大谷翔平投手「ここまでプレーしてきたチームなので、ファンの人たち含めてもちろん大好きですし、最後までこのチームでしっかり、今年まずプレーオフを目指して、またその先も目指して頑張りたい」(7月27日、トレードされずに残留し、メジャー初完封を飾った直後。エ軍の選手としてシーズンを戦い抜く覚悟を示した=斎藤庸裕)

 

 ▽エンゼルスのマイク・トラウト外野手「ビッグ・ニュースだね。僕はなんとなく彼はどこにも行かないと分かっていたけど、良かった。うれしいね」(7月27日、大谷がトレードされずに残留。ほっとした気持ちと、信じる心がかいま見えた瞬間=斎藤庸裕)

 

 ▽ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手「記録は破られるためにある。記録はただの記録。彼のベストを祈っている。世代に1人の才能を持っていて、彼のプレーを見られて、そして戦うことができて感謝している」(7月19日、自身の持つア・リーグ記録シーズン62本塁打に迫る勢いで本塁打を量産していた大谷について。歴史に名を刻んだ選手として、リスペクトを示した=斎藤庸裕)

 

 ▽ドジャースのデーブ・ロバーツ監督「ウソをつくようなことはしたくない。(面談は)いずれ分かることで、我々は既に彼に会った。自分自身、この組織の誰もがウソはつきたくないと思っているだろう」(12月5日、ウインターミーティングで大谷と堂々の交渉宣言。誠実な人柄が透けた)

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 ■ NOTE