2023年12月21日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ ドジャースに移籍した大谷が来春、韓国で最大4試合プレーする可能性が出てきた。21日、韓国メディアが報じた。朝鮮日報は同日、韓国・ソウルで行われるドジャースとパドレスの開幕シリーズ(3月20、21日)に先立って、両球団が2試合ずつ特別試合を行うことを伝えた。正確な日程は決まっていないものの両球団の選手たちは開幕シリーズより数日前に韓国に入り、調整も兼ねた特別試合を行い、開幕に臨むという。朝鮮日報は「もし大谷が特別試合の2試合もプレーすれば、ソウルで彼がプレーする姿を4試合も見ることができる」と記した。

 

◯ ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が20日(日本時間21日)、MLBネットワークのラジオ番組「SiriusXM」に出演。家族のために新加入した大谷のユニホームを買おうとし、ちょっとした“アクシデント”があったと明かした。ロバーツ監督は、「球団に言いたいことがある」と切り出し、「ショウヘイ・ユニホームを買おうと思ったんだけど、関係者割引ができないってさ」と語ると、司会者たちは爆笑。続けて指揮官は「だから『私はそれくらい(通常価格で買うくらい)家族のことを愛しているのか?』と、自問自答したよ(笑)。割引価格で買おうと思ったんだけど、実現しなかったね」と、割引が適用されなかったことを苦笑いで明かした。ロバーツ監督は「(割引があってもなくても)あのユニホームは飛ぶように売れるだろう」と語った。

 

◯ 中日・ドアラが21日、バンテリンD内の球団事務所で契約を更改し、今季のパン617グラムから117グラム減の500グラムでサインした(重量は推定)。会見場にOBの英智氏に仕立ててもらったチェックのスーツ姿で現れた人気者は、大谷についても言及。

 

ーー出場した中で印象に残った試合は?

(ほおづえをついて長考)「WBCの日本代表とドラゴンズ」

 

ーー大谷翔平投手にハイタッチを試みたがスルーされた。

「まさか2日連続でシカトしやがるとは思わなかった」

 

―大谷はすごい契約を結んだ。

「そこはうらやましい」

 

◯ 日本プロスポーツ協会は21日、「第53回内閣総理大臣杯 日本プロスポーツ大賞」に今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶりに世界一となった野球日本代表「侍ジャパン」を選出し、東京・千代田区のホテルニューオータニで授賞式典を行った。「侍ジャパン」を代表して、同大会で監督を務めた栗山英樹氏(62)が出席した。また、「殊勲賞」には今季に大リーグで44本塁打を放ち、日本選手として初のホームラン王を獲得したドジャース・大谷翔平投手(29)が選ばれた。WBCでのMVPなどが評価されて「殊勲賞」に選ばれた大谷は欠席。文書で「殊勲賞にお選びいただき、誠にありがとうございます。今回、大賞を受賞した共に戦った侍ジャパンの皆さんとともに、このような賞を受賞でき大変光栄です。来シーズンも引き続き、応援よろしくお願いします」とコメントを寄せた。

 

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 ■ 球界情報

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◯ 海外FA(フリーエージェント)権を行使してメジャー挑戦を目指す楽天・松井裕樹投手(28)がパドレスと基本合意に達したことが20日、分かった。今季年俸2億5000万円から大幅増となる総額4年30億円規模になるとみられる。すでに受けたメディカルチェックで異常がなければ近日中にも正式発表される見通しだ。ドジャース・大谷とは同じナ・リーグ西地区。守護神候補にも浮上する左腕は、来季の開幕カード(3月20、21日・韓国)から大谷との初対決が実現する可能性が出てきた。ド軍とはカード別最多タイの13試合が組まれており、年間通じて左打者の“大谷キラー”としての期待も高まる。パ軍では来季の守護神候補にも挙がると予想される松井は、年明け1月3日から後輩の渡辺翔らと自主トレに臨む予定。ストップウォッチを使用しながらピッチクロック対策を講じるなど、余念なく準備を進めていく。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平が発言“彼が去ったら”ドジャース契約が崩れる…“天才”フリードマンとは何者?「28歳でメジャーGMに」「日本人記者に逆質問も」

水次祥子氏/情報:NumberWEB)

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 ドジャース大谷翔平の契約には、前代未聞の条項が含まれている。

 

大谷とバレロが“信じた”ある人物 

 

 スポーツ史上最高額となる10年総額7億ドル。その97%を後払いにするという異例の支払い形式もさることながら、「球団フロントの人事を契約条項に盛り込む」という内容はMLBの長い歴史の中でも恐らく初めてのことで、球界関係者を驚かせた。その人事とは、筆頭オーナーのマーク・ウォルター氏またはアンドリュー・フリードマン編成本部長が球団を去った場合、大谷側から契約を破棄することができるというもの。12月14日(日本時間15日)にドジャースタジアムで行われた入団会見で、大谷はこう説明している。

 

「メインのこのお2人と契約するという形ですし、そこがもし崩れるのであれば、この契約自体も崩れることになる」

 

 ウォルター氏の存在が鍵になるというのはわかりやすい。後払い分の6億8000万ドルは契約終了後に10年間の分割で支払われることになるが、MLBの規定では契約成立の2年後からその資金を積み立て始めなければならないという。その巨額資金を動かす権限を持つのが、筆頭オーナーであるウォルター氏だ。

 

 では編成本部長のフリードマン氏はどうか。

 

 大谷の入団会見が行われた日、同氏は米専門テレビ局MLBネットワークの番組で司会者に「あなたが事実上の10年契約を得たようなものではないですか?」と冷やかされて笑いながら言った。

 

「クレイジーですよね。マーク(オーナー)にこの契約条項について説明するとき、思わず言いましたよ。『これ、私が言い出した条項に見えますよね? でも違うんです。ネズ(大谷の代理人バレロ氏)が提案してきたことなんです』とね」

 

「チーム編成の天才」フリードマンとは?

 

 フリードマン氏は2004年に金融業界からレイズ(当時デビルレイズ)のフロントに入り、ウォールストリートから球界に転身するのは画期的で先駆的と当時脚光を浴びた人物だ。翌2005年のシーズン後に弱冠28歳でGMに就任すると、わずか3年でチームを改造。1998年の球団創設から10年間でア・リーグ東地区最下位9度、ワースト2位1度と低迷し続けたチームを、2008年に初のワールドシリーズ進出に導くほどの手腕を発揮した。この驚きのサクセスストーリーは『ジ・エクストラ2%:ウォールストリート式の戦略はいかにしてメジャーの落ちこぼれ球団をトップまで引き上げたか』(ジョナ・ケリ著)という本にまでなっている。

 

日本人記者に「誰かいい選手がいたら教えて」

 

 ワールドシリーズに進出した当時のレイズには岩村明憲が所属していたため、日本の報道陣はよく取材に通っていた。GMだったフリードマン氏とも取材を通して接する機会があったが、フランクな人柄で、日本人記者に「日本に誰かいい選手がいたら教えてくれないか」と聞いてきたこともある。そんなことを聞いてくる球団幹部は他に会ったことがなく、驚いた。どんな相手に対しても耳を傾ける、人の話を聞くことに非常に長けている人だ。

 

 だからだろう。優秀な人たちが周りに集まった。フリードマン氏は2014年10月、ドジャースに引き抜かれ編成本部長に就任したが、その後のドジャースフロントには現ブレーブス編成本部長のアレックス・アンソポロス氏や、現ジャイアンツ編成本部長のファーハン・ザイディ氏ら球界屈指の優秀なエリートがそろっていた時期があり、まさに梁山泊だった。

 

 常識にとらわれない抜擢人事を行う懐の深さも、フリードマン氏の特徴だ。

 

 例えば前田健太がドジャース入りした2016年、前田の通訳としてチームに加わったウィル・アイアトン氏に対してもそうだった。

 

前田健太の通訳を“驚きの抜擢”

 

 日系アメリカ人の父とフィリピン人の母を持つウィルは、少年時代まで東京で過ごし高校と大学はアメリカで学んだため、日本語と英語が堪能。かつてはレンジャーズ傘下のマイナーに所属してた選手経験があり、WBC予選大会に参戦したフィリピン代表に参加し、編成にもかかわったこともある。その経歴と堪能なバイリンガルだったことが採用の決め手になったのだろう。

 

 しかも人当たりが良く礼儀正しい性格で、前田と良い関係を築いていただけでなく、当時前田を取材していた日本の記者たちもみんなウィルが大好きだった。チームが打撃練習をしている間に選手に交じって外野で球拾いもしていたが、スライディングやダイビングキャッチをやってのけ、とても通訳とは思えないくらい懸命に打球を追いかけた。仕事に対しても真面目で、ウィルなら通訳として末永くやっていけるだろうと思っていた。

 

 ところがあるとき突然、ウィルがいなくなった。ドジャースの他部署に異動したと知ったのは、後になってからだった。今は「パフォーマンス・オペレーションズ・マネージャー」という、フリードマン氏がウィルのために特別に創設した役職についている。トラックマンなどの先端機器を使い、データ分析を駆使して選手がフィールド上でパフォーマンスを向上させるために必要なサポートをするのが仕事だ。どんなことも誰よりも一生懸命に取り組むウィルに、フリードマン氏はかつて「ウィル・ザ・スリル」というニックネームをつけたこともあった。今年2月にフリードマン氏ら球団幹部一行が侍ジャパンの視察のため来日していたが、その視察団にはウィルの姿もあった。そんな重要な役割を担うほどの立場になっていることに正直、驚いた。MLBで通訳からそこまで抜擢されるケースは非常に稀だと思う。

 

漂う予感「ドジャース時代の到来」

 

 フリードマン氏というのは、そういう人物だ。どんな相手にもオープンな心を持ち、柔軟に受け入れる。それらはすべて、自分の職責を全うすることへの貪欲さゆえだ。そうやってレイズという弱小球団をリーグトップにまで押し上げ、ドジャースを常勝軍団にしてきた。

 

 大谷翔平という球界最高の選手を獲得したフリードマン氏が、次に目指すもの。それは、マイケル・ジョーダンを擁したかつてのシカゴ・ブルズのように「王朝」と呼ばれるほどの黄金期を作ることではないだろうか。

 

 MLBの球団は戦力均衡を目的としたぜいたく税制度が導入されてから、高額な契約金のスーパースターを抱えると総年俸が圧迫されて補強にかける予算がなくなり、強いチームを作ることが難しくなった。ワールドシリーズを連覇したのは1998年から3連覇したヤンキースが最後で、今世紀に入ってから連覇を果たした球団も1つもない。

 

 だが大谷が契約金の97%を後払いにすることで、ドジャースは戦力補強に余裕ができた。ただ純粋に「勝ちたい」という強い思いから始まったドジャース大谷誕生は、歴史に彩られた名門球団にとって新たな王朝への序章となる可能性を秘めている。それはフリードマン氏にかかっており、大谷と代理人のバレロ氏が賭けたのが、その手腕だった。

 

(「メジャーリーグPRESS」水次祥子 = 文)

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◆ 大谷翔平の超大型契約後払いは贅沢税制度の「抜け道」なのか?上原浩治が考察!

上原浩治氏/情報:ナビスポ)

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 これだけの大型契約はメジャーはもちろん、スポーツ界史上最高額とも言われる。米大リーグ、エンゼルスからフリーエージェント(FA)になっていた大谷翔平選手が米大リーグ、ドジャースと10年総額約7億ドルで契約した。円換算でいえば、年俸100億円超になる。投手としても、打者としても超一流。二刀流は文字通り「一人2役」で、超一流のメジャーリーガー2人分の年俸に値するといえる。

 

 大谷選手にとっても、長期契約によるメリットはやはり大きい。まずは生活基盤をロサンゼルスで安定させることができる。10年後は39歳。ここまでの契約が保証されたことで、地に足を着けて、野球に集中できるだろう。

 

 投手としては、まず手術からの復帰を目指し、打者としては移籍1年目からトップクラスの活躍が期待される。個人的には、同じナ・リーグ西地区のパドレス、ダルビッシュ有投手との「投打対決」が楽しみだ。

 

 大谷選手の大型契約が一石を投じたのは年俸の「後払い」に関してである。

 

 メジャーは各球団が契約した選手の年俸総額が決められた上限を超えると、超過分に対して「贅沢税」と呼ばれるペナルティが課される。大谷選手の場合は年換算7000万ドルのうち、約97%について「後払い」を選択したことによって、4600万ドルだけが「年俸総額」の対象になるという。“浮いた金額”によって、ドジャースはさらなる有力選手の補強を進めることができる。大谷選手からの提案だと報道されているが、ドジャースにとって恩恵は大きい。

 

 最初に断っておきたいのは、大谷選手の提案とドジャースとの合意事項は現状のルールにおいて何ら問題はないという点である。その上で、贅沢税の「抜け道」だという指摘には、今後の議論の余地があると考える。

 

 年俸の「後払い」そのものは、これまでも多くのメジャー選手が選択している。大谷選手のケースがクローズアップされたのは、約97%という年俸の大部分に及んだことだろう。今回の選択は問題がなくても、今後に同様の選手が出てくる場合には、何らかの対応が必要という動きに傾くのではないだろうか。「後払い」そのものは、選手の引退後の収入確保の面からも認めたとしても、それが直ちに「年俸総額」の抑制につながるという点は、皆さんはどう思うだろうか。

 

 「贅沢税」はヨーロッパのサッカーのように、クラブの昇格、降格がなく、30球団が「共存共栄」するメジャーリーグの「戦力均衡策」である。極端な「後払い」が定着してしまうと、大都市に本拠地を置き、資本力がある球団と、それ以外の球団との「格差拡大」は免れなくなる。大谷選手の契約によって、注目が集まった「贅沢税」をどうするか、メジャーは議論をスタートする好機を逃してほしくない。

 

 「プロ野球選手は、子どもたちに夢を与える職業」だと言われてきた。今回の大谷選手の大型契約は、まさに日本だけでなく、世界中の子どもたちに「野球で成功すれば、ここまでの人気や契約を勝ち取れる」という大きな夢を与えたのではないだろうか。はじまりでいえば、多くの評論家が「二刀流」には疑問を呈していた。私自身も、先発で投げた翌日の肉体疲労を考えると、「二刀流」を続けていくのは難しいのではないかと思っていた。球界関係者も含めた多くの人たちが「不可能」だと思っていたことを「実現」させたからこそ、これだけの契約につながったのは間違いない。常識を疑い、覆した大谷選手は、まさに「あっぱれ」である。

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◆ 「いい加減にしろ!」バーランダー弟の大谷翔平を巡る「ドジャースの歴史上最も重要な契約」発言が“大炎上”…「ジャッキー・ロビンソンを忘れるな」

(情報:RONSPO)

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ドジャースと史上最高額となる10年7億ドル(約1015億円)の契約を結んだ大谷翔平(29)を巡る発言が“大炎上”騒動を引き起こした。サイヤング賞投手であるアストロズのジャスティン・バーランダー(40)の弟で、大の大谷ファンで知られるフォックススポーツのアナリスト、ベン・バーランダー氏(31)が自身の番組内で「ドジャースの歴史上最も重要な契約だ」と発言したことを受けて、人種差別の壁を乗り越えてドジャースで1947年に黒人初の近代メジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソン氏の歴史的意義を冒涜しているとの批判の声があがり炎上騒ぎとなったもの。言葉足らずではすまない問題となっている。

 

「ジャッキー・ロビンソン“以来”という言葉を入れるべきだった」

 

 メジャーきっての大谷ファンを自称。そのルーツを取材するために来日したことまであるフォックススポーツアナリストのバーランダー氏の大谷に熱を入れるあまり、配慮に欠いた発言が、SNSやネット上での“大炎上騒動”を引き起こした。

 

 バーランダー氏は19日に放映された自身の出演番組「Flippin' Bats Podcast」で、「大谷の契約は、すべてを意味する。これはドジャースの歴史上最も重要な契約だ。これを断言することに問題があるとは思わない。最も重要で、最大で、最も影響力があり、すでに影響をもたらしている」と発言した。

 

 さらに「大谷と契約したチームは永遠に思い出されることとなり、大谷はエンゼルスとしてではなく、ドジャースの選手として殿堂入りすることになるだろう。ベーブ・ルースはレッドソックスでもプレーしたが、ヤンキースの選手として思い出されている。大谷も永遠にそうなる。10年後にもそれは終わらない。ドジャースは、選手としての大谷に7億ドル(約1015億円)を支払ったのではなく、多くがもたらされることになる大谷の持つブランドに7億ドルを支払った。フィールド内だけでなく、ブックメーカーでも、今、ドジャースのオッズはワールドシリーズ制覇の大本命となっている」などの大谷賛歌を続けた。

 

 確かに大谷の契約は何から何まで異例だった。7億ドル(約1015億円)は、元チームメートとなったエンゼルスのマイク・トラウトが2019年に結んだ12年4億2650万ドル(約618億円)を超える史上最高額。しかも、ドジャースの贅沢税を軽減して補強費に回せるように、その97%を後払いとし、オプトアウト(契約破棄)もオーナーのマーク・ウォルター氏と、編成本部長のアンドリュー・フリードマン氏が退団した場合にだけ履行できるというド軍愛にあふれた契約を結んだ。

 

 大谷に入れ込むバーランダー氏が舞い上がるのも無理はないが、17万人を超えるXのフォロワーを持ち、番組のMCを務めるアナリストの「歴史上最も重要な契約」という一言に、SNSやネットが炎上。バーランダー氏の公式Xには批判的なリポストが殺到した。

 

「極めて影響力のある大谷の契約の評判を落とすことはしないが、ジャッキー・ロビンソンこそがドジャース史上で最も重要な契約選手だ」

 

「彼は、そこにジャッキー・ロビンソン“以来”という言葉を入れなければならなかっただろう」

 

「大谷はドジャースにとって歴史的最も重要な契約ではなく、最も高価な契約だと、訂正した方がいいかもしれない。ジャッキー・ロビンソンほど重要なものはない」

 

 ドジャースの歴史上最も重要な契約は、1945年に契約したジャッキー・ロビンソン氏だ。人種差別の壁を乗り越えて、黒人として初めて近代のメジャーリーグでプレーした。当時は、ドジャース以外の全球団が契約に反対して、対戦拒否の声さえあがる中、ドジャースはロビンソン氏と契約を果たして、同年4月15日にデビュー戦を飾った。そのロビンソン氏がメジャーデビューした日は、2004年から「ジャッキー・ロビンソン・デー」とされ、今では、全選手がロビンソン氏の功績に敬意を表して全球団で永久欠番となっている背番号「42」を着用してプレーしている。ドジャースどころか、メジャーリーグにとって、歴史的に最も重要な契約は、ロビンソン氏の契約だったにもかかわらず、それを無視したバーランダー氏の発言に非難が殺到したのも当然だろう。

 

 Xの投稿の中には、チャットGTPに「ドジャースの歴史にとって最も重要な人物は?」と質問したやりとりを添付しているユーザーもいた。チャットGTPは「メキシコ人としてドジャースで大フィーバーを起こしたフェルナンド・バレンズエラ投手についての話」を返答。「ジャッキー・ロビンソン氏では?」と聞くと「あなたは正しい。歴史にインパクトを残したプレーヤーだ」と返答している。

 

 ニューヨークポスト紙も、「バーランダー氏がジャッキー・ロビンソン氏について忘れ、ドジャースの『最も重要な契約』として大谷を売り込む」との見出しを取り、この発言を強烈に批判した。

 

「大谷の信奉者として有名なバーランダー氏は、明らかにジャッキー・ロビンソン氏について気がついていない。大谷についての契約を『ドジャースの歴史上最も重要な契約』と呼んだ。このFOXスポーツのアナリストのばかげた考えをソーシャルメディアのユーザーたちは酷評した」

 

 同紙は、バーランダー氏の番組内での発言を紹介した上で「今、バーランダー氏は頭が真っ白になっているのかもしれない。彼は、大谷がどのようにドジャースのブランドと永遠につながっていくのか、そしてドジャースのロゴと帽子で殿堂入りすることについて言及を続けた。しかし、スポーツ界の決定的な日である1947年にメジャーリーグの人種の壁を壊した殿堂入り選手について忘れることは大きな間違いだ。まるでジャッキー・ロビンソン・デーや彼の背番号42が毎年讃えられることがないかのようだ」と、バーランダー氏の発言に苦言を呈した。

 

 また同紙は、現在メッツが獲得に乗り出している元ドジャース三塁手であるFAのジャスティン・ターナーがXに投稿した「背番号42がいなければ背番号17はいない。いい加減にしてくれ」というコメントを取り上げている。

 

 記事掲載時点で、バーランダー氏は、まだ弁明などを行っていないが、今後、釈明、謝罪をしなければアナリストとしての信頼を取り戻すことは難しいかもしれない。大谷ファンのアナリストが勝手にしでかした失態だが、何より大谷自身が、自らの契約がきっかけとなって、ドジャースの歴史を作ったジャッキー・ロビンソン氏の尊厳を傷つけてしまったことに心を痛めているのかもしれない。

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 ■ NOTE