2023年12月15日
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■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)
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◯ ドジャースと10年契約を結んだ大谷翔平が14日(日本時間15日)、本拠地ロサンゼルスのドジャースタジアムで約35分の入団会見を行った。
(冒頭挨拶)
「みなさん、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。まず最初にこのような機会を頂き、今回、選手としての自分を信じて下さったロサンゼルスドジャースのチームの皆さん。特にマーク・ウォルター、アンドルー・フリードマン(編成本部長)、スタン・カステン(球団社長)、ブランドン・ゴームズ(GM)、デーブ・ロバーツ(監督)。この5人には感謝しています。ありがとうございます。
そして、私にメジャーリーガーとして最初のチャンスを与えてくれたエンゼルスのみなさん。今振り返っても素晴らしく大切で、忘れられないそんな6年間を、そんな思い出をありがとうございました。
また、今回のFAに際して多くの方とお話させていただいた。他の球団を含めた球団関係者の全てのみなさんに感謝申し上げます。
明確な明確な勝利を目指すビジョンと豊富な球団の歴史を持つドジャースの一員になれることを、心よりうれしく思うと同時に今、凄く興奮しています。
最後に日々お世話になっている、エージェントのネズ・バレロはじめCAAのみなさん。そして、いつも遠く日本から温かい声援を送ってくださるファンのみなさん、ほんとにありがとうございます。今日は質疑応答をまじえながら、そうした方々に少しでも日々の感謝の気持ちを伝えられたらと思います。
(メディア一問一答)
ーー最終的にいつ決めたか。決め手は
「発表した前の晩ですかね。決断理由はこれが1つというわけではなく、全ての球団と話をして、どの球団も素晴らしかった。ただ、何球団誘いをいただいても『イエス』と答えられる球団は1つしかないので。そこに対して、自分が最終的ここでプレーしたいという気持ちに、素直に従った結果かなという感じ」
――報道陣の数について
「うれしく思うと同時に、報道陣の方しか今日はいないと聞いていて、予想より多くてビックリしています」
――2回目の肘手術、TJとは言っていないが、その理由
「最初の段階でどういう手術になるのか決めないといけなかった。発表の段階で決まっていなかったのが一番かなと思う」
――2回目のTJは事実なのか
「そうですね、ただ術式が前回と違うので。そこをどう表現するのか、僕は専門外なところではあるので、そこはドクターの方が詳しい」
――契約の形態、これはショウヘイのアイデア、他のチームも?
「もともと後払いはどの選手も大型契約につくものではある。そのパーセンテージは選手に一任するところではありますし。そこを含めて自分が今、受け取れる金額を我慢してペイロールに柔軟性を持たせられるのであれば、僕は全然、後払いでいいですというのが始まり。(他球団は)他の選手の交渉している最中なので具体的な球団名、交渉内容はこの場で言うことはできない」
――勝つことの優先順位は
「僕自身の優先順位は、契約形態から分かるように一番上のところ。野球選手としてあとどれくらいできるか誰も分からない。勝つことが僕にとって今、一番大事なこと」
――何チームで悩み、決断の決め手は
「何球団か言っていいのか分からないので、そこは差し控えさせていただく。心に残っている言葉として、ウォルターさんも含めて、ドジャースが経験してきたこの10年間を彼らはまったく成功とは思っていないということはおっしゃられていた。それだけ勝ちたいという意志が強いんだなということは心に残った」
――勝利への明確なビジョン、大切なものとは
「一番大事なのは全員が勝ちに、同じ方向を向いているのが大事だと思う。オーナーグループ、フロント、チームメート、ファン、みんながそこに向かっているのが大事」
ーードジャースで世界一の選手になる、どういう選手像をイメージしているか
「まず優勝することを目指しながら、欠かせなかったと言われる存在になりたい。そういう期待を込めた契約だと思う、期待に応えられるように全力で頑張っていきたい」
――愛犬の名前、世界中が名前を詳細を知りたい
「デコピンというんですけど、へへ。こっちの人は発音的に難しいのであれなんで。元の名前がデコイというので、こちらの人に説明する時は呼びやすいデコイというふうに紹介している」
――打者専念、開幕に間に合うのか。さらに素晴らしい成績への期待は
「バッティングの方は素振りを始めているので、おおむね予定通り、若干早いくらいの感じで来ているので、十分に開幕に間に合う。スプリングトレーニングでゲームに入れる準備ができていれば、開幕に間に合うんじゃないかなという感じがする」
ーーメジャーに挑戦した時と今の気持ちは違いがあるか
「全体的な気持ちは変わっていない。常に挑戦したいと思っている。ドジャースでお世話になると決めた後も、そこに対してのチャレンジだと思っている。ただ、来るということは去るチームもある。日本でいえばファイターズ、今回でいえばエンゼルス。そこの寂しさも、心の中にあるのは事実」
ーーウォルター・オーナー、フリードマン編成本部長のいずれかが役職を退いた場合に、権利行使が可能となるオプトアウトはどれくらい大事だったか
「みんなが同じ方向を向いているのが大事だと思っている。ドジャースと入団すると同時に、メーンのこの2方と契約する形。そこが崩れるのであれば、この契約自体も崩れる、そういう契約かなと思う」
ーードジャースのファンについて
「入団してから知ることの方が多いけど、今のところメジャーでプレーして各球場もいっているけど、各チームのファンがこういう気質というのは感じる。野球に対して熱狂的だなと。毎回青いユニホーム着た方々が球場にいらっしゃるので、そういうのを見るとファンの方の熱があるなと感じている」
◯ 会見に先駆け、会場入りした代理人のネズ・バレロ氏が日本メディアに対して、感謝の言葉を述べた。同氏は自家用車で会場入り。その際に日本の報道陣を見つけて車を停車させると「全ての日本メディアに感謝を伝えてほしい。忍耐強く待ってくれてありがとう。皆様のお陰で良い交渉ができました。本当にありがとうございました」と話した。大谷の移籍に関する報道は過熱する一方で、移籍に関する情報については各球団に強いかん口令を敷いていたと言われる。
◯ 代理人を務めるCAAスポーツのネズ・バレロ氏も同席し、メディアに対応した。
(冒頭)
「交渉中、メディア対応をしなかったが、交渉過程には、戦略的なこともあり、メディアの皆さんに、リスペクトと理解をお願いすることが、重要だった。障害や騒音を防ぐ必要があった。隠密交渉と報じられたが、それには理由がある。最高の結果を導き出すには、正しく事を進めなければいけなかった。大多数のメディアには、理解してもらって感謝している。メディアの任務は報道することだと理解しているし、苦労をおかけしたが、どうしても、そうしなければならなかった。これが、従来通り私の交渉の手法だ」
ーーエンゼルスとの交渉はどうだったか。
「ミナシアンGMとはずっと良好な関係で、連絡を取り合い、最後も話をした。結果的には交渉は合意に至らず、ドジャースに決まった。6年間在籍したエンゼルスは、翔平にとって特別な球団。環境も球団の人々も愛していたので、最後まで、その選択肢は失いたくなかった。エンゼルスにも機会はあったが、結果的に(再契約は)実現しなかったということ」
ーー肘の状態は。
「翔平が会見で正直に言ったように、もう素振りを始めて、前回の手術の経過よりずっと早くリハビリが進んいる。順調だし、腕の可動域なども問題ない。ドクターも、いい感触を持っていて、我々は興奮している」
ーー7億ドル。プロ史上最高年俸を目指していたのか。
「それ(金額)は目標ではなかった。数字ではなく、しっかりと交渉の手順を踏み、球団側と心を開いて交渉することにフォーカスしていた。結果的に7億ドルとなったのは、いいことだし、翔平も興奮しているが、総年俸を判断基準にはしなかった」
ーー地理的な問題は。
「それは、翔平との会話にあがらなかった。西海岸にいたいとか、中地区に行こうとか、そういうものは、問題ではなかった」
ーーLAは日本人も多いが。
「それを言うなら、他にも日本人が多いコミュニティーは米国中にある」
ーー12月9日は過去に大型契約が結ばれた日でもあるが。
「偶然だ。記事に書くにはいい視点かも。(冗談で)うまく計画したんだ。12月9日、それが、Xデーだ(笑)」
ーー右肘手術はどれくらい問題になったか
「それは、球団側が考えること。問題とするか、そうでないのか。球団次第。われわれとしては特に懸念していなかった」
ーー大谷は、エンゼルス時代より、メディアに対応するか。
「過去2、3年は、パフォーマンスに応じて対応する基準がうまく確立していた。いい基本方針がある時は、継続するもの。どういう形になるか、実際、その時期になったらはっきりすると思うが、現時点では、これまでのペースを継承するつもり」
ーーエンゼルスでは、投げた日しか話さない。来年は投げないが。
「ということは、1年間全くメディアと話さないってことか(笑)。質問の意味が分かりました。では、メディア対応に関しては、話し合う。去年までは、6~7日に1度ってことですよね。そこは考える。少し時間が必要だ」
ーー翔平は金曜日の夜に決断したと語ったが。
「あれは確か、メディアが錯そうした日だった。彼がどの球団に行くかを告げ、私はそれに適応し、ドジャースに連絡した」
ーー翔平は、この騒ぎを歓迎しているのか。
「彼は物静かな人間だけど、これが(人気ある)チームのあり方だし、彼は心地良いと思う。彼はFAになるまで6年間待って、この機会を得た。(新しい人々との)出会いを楽しんでいると思う。エンジョイしているかどうかは別として、そのプロセスを理解している」
◯ ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が、大谷翔平選手の入団会見に出席し、「まだほっぺたをつねってという気分だ。夢のようだし、野球界で最も才能がある選手がドジャースの一員となった」と興奮して語った。この日、面談したことを話したことで、交渉に支障はなかったかと問われえ、指揮官は「分からないけど、結果的にうまくいったということ」と言葉を濁していた。来季の打順について面白いエピソードを披露。「この前、翔平やフリーマン、他の選手もトレーニングルームにいた時に、フリーマンから爆弾質問されたよ(笑)この中で、誰が2番で誰が3番なんだいって。我々は2人の最高のオプションがある。話し合って決めるよ」。今季はベッツ、フリーマンの1、2番コンビだったが、来季は大谷が加わり、3人のMVPがどういった打順になるか、注目される。
◯ ドジャースの大谷は、入団会見後に自身のインスタグラムを更新。「To the next chapter..(次の章へ)」とつづり、ロッカールームに背番号「17」のユニホームをかける写真や、会見で名前が「デコピン」と明かされた愛犬がテレビの前で座る写真など計7枚をアップした。
◯ 日頃から他のプロスポーツを取材する地元紙ロサンゼルス・タイムズの名物コラムニスト、ディラン・ヘルナンデス記者も「レブロン以上。2倍以上の報道陣がいる」とつぶやいた。地元レイカーズに所属するバスケットボール界のスター、レブロン・ジェームズにも劣らない注目度だという。
◯ 大谷翔平のドジャース入団会見で明かされた愛犬の名前「デコピン」。さっそくネットを駆け巡り、X(旧ツイッター)「世界のトレンド」で1位になった。もともとの名前は「ディコイ」だったといい、これにあたる「Decоy」が午前9時過ぎの時点で11位に。「ディコイ」が同22位、「ワンちゃんの名前」も16位に入るなど、先月のMVP発表時の中継映像に登場した愛犬への高い関心をうかがわせた。
◯ ドジャースは入団会見を行った大谷の特別動画を作成しSNSで公開した。荘厳なバックミュージックに合わせ、球場入りからコンコースを通り、センターフィールドの会見場に歩いて向かう様子などを公開。さらにユニホーム姿でドジャースタジアムの打席に立ち、写真撮影を行う様子なども映し出された。会見でユニホームを着用し、冒頭のあいさつで「明確な勝利を目指すビジョンと、豊富な歴史を持つロサンゼルス・ドジャースの一員になれること、今、心より嬉しく思うと同時に、すごく興奮しています」と語った部分が動画に組み込まれていた。
◯ ネイビーのスーツにドジャーブルーのネクタイ。大谷は“ドジャース仕様”の服装で入団会見に臨んだ。このスーツ一式は、大谷がアンバサダーを務めるBOSS(ボス)製。オーダーメードで作られたものだという。BOSSの広報担当者によると、オーダーメード「BOSS Made To Measure」で制作された。今回の会見用かは不明だが、「今までにおつくりしていた中から選ばれたようです」と話した。同社のオーダーメードスーツは、ドイツで縫製されている。価格は2ピーススーツが38万から86万円。ネクタイは4万円だという。
◯ 人材サービス事業などを展開する「ディップ株式会社」は15日、ドジャース入団が決まった大谷翔平投手がブランドアンバサダーに就任することを発表した。冨田英揮代表取締役兼CEOと“フィロソフィートーク”を展開した動画を公開した。同社は「大谷翔平選手は、世界一のプロ野球選手になるという大きな夢、二刀流という世界を驚かせたアイデア、世界中を熱くする情熱を持ち、dipの社名であるdream, idea, passionを体現する人物です」と就任理由を説明した。冨田社長との対談では3月のWBCから史上初となる2度目の満票MVP、そして右肘の手術まで、激動の1年を回顧。その中で「ピンチはチャンスに変えた出来事」を問われると、手術について言及。
「いいことではないですし、マイナスな要素がある中でチャンスに変えられるというか、勉強すること沢山あるので。そこで気づいたこともありますし、ただスポーツ選手にとって怪我はマイナスでありますし、そこを肯定するわけにはいかないですけど。人としても、良かったなではないですけど、気づくことはあったかなと思います」
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■ 球界情報
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◯ FAとなっている藤浪晋太郎が14日、読売テレビの情報番組「朝生ワイド す・またん!」に生出演し、自身の去就について未定を強調した。「契約が決まるのを待っている状況。知らないんですよね。ぶっちゃけ。決まるのはまだまだ1月末とか先なので」と越年を覚悟し「契約はあるだろうと言われているので。準備をして待っておくだけ」と代理人のボラス氏に一任していると明かした。ファンからの質問コーナーではドジャース入団が決まった同学年の大谷の10年7億ドルの契約について聞かれ「大型すぎますね。何に使うんやろうなって」と素直な感想。阪神OBで先輩の能見氏、鳥谷氏からビデオメッセージがあり、鳥谷氏から「いずれ阪神に戻って、やってほしい」と要望され「阪神が望んでくれるのであれば、戻ってやりたい気持ちもあります」と古巣への愛着も明かした。
◯ MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者が14日(日本時間15日)山本由伸争奪戦で「現時点でドジャースとヤンキースが本命2球団」と語った。その上で山本は投手としては史上最長の契約の可能性もあると明言。ヘイマン記者は山本の投手で新記録となる12年契約の可能性も否定していない。
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■ 注目記事&コラム
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◆ 愛犬とくつろぎ中…突然報じられた“カナダ行き” 大谷翔平、誤報聞き「びっくり」
(情報:Full-Count)
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ドジャースに入団した大谷翔平投手が14日(日本時間15日)、地元メディアの取材で契約交渉について言及した。秘密裏に行われ、8日(同9日)には「プライベートジェットでトロント入り」とも報道され、情報が錯綜したが、「犬と家のソファーにいたので……こっちがびっくりしたって感じですかね」と明かした。
14日(同15日)、入団会見では、愛犬の名前を日本名「デコピン」、英語名「デコイ」と明かした大谷。会見終了後、地元放送局「スポーツネットLA」リポーターのキルステン・ワトソンさんのインタビューに応じていた。
契約交渉は秘密裏に行われ、情報がほとんど出なかった。これについて聞かれると「僕というよりはエージェントのネズ(・バレロ氏)の仕事の範囲ではあるので。僕は正直全く理解していないというか、完全に任していました」と説明。「僕は毎日、犬と散歩に行ったりとか普通に過ごしていたので」と通常の日常だったことを明かした。
大谷がドジャース入団を発表した前日8日(同9日)には一部でトロント行きが報じられた。それについては、「実際に『行ってるの?』とかも聞かれましたけど、そうなったときに僕は犬と家のソファーにいたので……こっちがびっくりしたっていう感じですかね」と笑った。
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◆ 大谷翔平のドジャース移籍、フリードマン編成本部長が舞台裏を明かす 「会議を抜けて電話に出たんだ。最高の気分だった」
(情報:中日スポーツ)
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ドジャース編成のキーマン、フリードマン編成本部長が大谷決断の舞台裏を明かした。大谷がドジャース移籍を発表したのは9日の正午過ぎ。その日午前、フリードマンは息子のサッカーの試合を見ながら、オンラインで会議をしていたという。その時、代理人のネズ・バレロ氏から1本の電話が入った。「自分はズームの会議を抜けて電話に出たんだ。ネズが翔平がドジャースに入ること、インスタでもうすぐ発表すること以外、何を話したか覚えていない。最高の気分だった」と語った。
交渉中は心の浮き沈みがかなり激しかったという。「グラフにしたらすごく変化があるぐらいだよ。確実に寿命は縮まったよ」と笑わせた。「純粋な気持ちで、過去10年の話と今後のビジョンを語った。このグループが一丸となって目的に向かっていことを(大谷が)理解してくれたことがポイントだと思う」と「勝因」を語った。
大谷は前代未聞の後払い97パーセントという契約形態をとった。そして、フリードマン、もしくはウォルター・オーナが退陣した場合、大谷にオプトアウトの権利があることが判明した。「みんな、僕が契約に盛り込んだと思っているだろう(笑)。オーナーもそう思ったかもしれないが、自分はロサンゼルスに住んで、球団を作り上げていくことが大好きだから何の影響もない」。大谷の生涯ドジャースに自信たっぷりだった。
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◆ 大谷翔平の争奪戦 エンゼルスはドジャースに匹敵するオファーを提示せず 地元紙記者が報じる
(情報:MLBジャパン)
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大谷翔平の争奪戦はドジャースが10年7億ドルという超大型契約を提示することで決着したが、ジャイアンツやブルージェイズもそれに近い条件をオファーしていたことが報じられている。一方、大谷がメジャー最初の6シーズンを過ごしたエンゼルスは、これらの球団に対抗できるようなオファーを提示しようとはしなかったようだ。地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」のジャック・ハリス記者は「エンゼルスのアート・モレノ・オーナーは他球団のオファーに対抗しようとしなかった」と伝えている。
ドジャースが大谷との10年契約を正式に発表したあと、ジャイアンツのファーハン・ザイディ編成本部長は「大谷がドジャースと結んだ契約と基本的には同じ条件をオファーしていた」ことを明かした。また、カナダメディア「スポーツネット」のベン・ニコルソン=スミス記者は、ブルージェイズが提示したオファーがドジャースとかなり近いものであったことを報じている。大谷はこれらのオファーのなかで、最もワールドシリーズ制覇に近いチームとしてドジャースを選んだというわけだ。
一方、エンゼルスは最終候補にすら残っていなかったとみられる。ハリス記者によると、大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏は、争奪戦の終盤戦にエンゼルスと接触し、大谷を引きとめるためのチャンスを与えたという。ところが、モレノ・オーナーは他球団に対抗できるようなオファーを提示しようとはしなかったようだ。バレロ氏は「彼はアナハイムでプレーするのが本当に大好きだった。そこにいた人々を含め、すべてを愛していた。だから、彼らにチャンスを与えようと思ったんだ。でも、それは上手くいかなかった」と話している。
ハリス記者は「もしエンゼルスがドジャースと同額のオファーを出していたとしても、大谷がエンゼルス残留を真剣に考えたかどうかは定かではない」としている。「勝利」を最重要視する大谷は、エンゼルスからドジャースを上回るオファーがあったとしても、ドジャースを選んでいた可能性が高そうだが、モレノ・オーナーはそれにチャレンジすることすらしなかったようだ。なお、エンゼルスがどのような条件を提示していたのか、詳細は明らかになっていない。
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◆ ドジャース入団の大谷翔平、笑顔の奥にあるものは… 会見ではっきりわかった2つのこと【番記者は見た】
(阿部太郎氏/情報:中日スポーツ)
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新天地にドジャースを選んだ大谷の表情は晴れやかなようにも、少し疲れているようにも見えた。交渉過程を経て、その胸の内までは分からない。青系のスーツとネクタイで「ドジャーブルー」を演出。8月9日以来、目の前で話している姿を見たが、相変わらず爽やかで、記者の質問をうまくいなした。
エンゼルスに残りたい気持ちもあったのか、それとも、あくまで代理人の駆け引きの材料だったのか。久しぶりに公の前に姿を現した代理人のバレロ氏は古巣との交渉について「エンゼルスとはずっと話をしていた。最後まで話し合いをしていた。翔平がずっと愛していた場所だから」と認めた。
しかし、最後は金額の問題かと問われると「その話はしない。ただ、我々も、エンゼルスもあらゆる機会があったが、うまくいかなかった」。最終局面で、エンゼルスは脱落した。
お金にシビアなモレノ・オーナーが7億ドル(約1015億円)という金額に難色を示したという話もある。大谷がドジャースに決まってその日のうちにスタジアムの看板を外した。短気なモレノが指示したのか、と勘繰ってしまう。大谷は「エンゼルスを去ることで寂しさも心の中にあるのは事実」と語った。
ただ、大谷や代理人が交渉中の気持ちを明かすことは今後もないだろう。ベールに包まれた交渉はプライベートジェットでトロントに飛んだという大誤報もあり、全米や日本が臆測に右往左往しながら、幕を閉じた。入団会見で右肘の手術の術式も詳しく明かさなかった大谷だが、2つだけはっきりと分かった。彼は世界一になりたい。そして、犬の名前は「デコピン」。(阿部太郎)
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◆ 大谷会見 取材陣300人超で質問できたのは14人、日本人は4人 本紙記者が明かした質問“舞台ウラ”
(情報:スポニチ)
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ドジャースと10年契約を結んだ大谷翔平投手(29)が14日(日本時間15日)、本拠地ロサンゼルスのドジャースタジアムで約35分の入団会見を行った。大谷が報道陣の取材に応じるのは10勝目を挙げた8月9日(同10日)以来、約4カ月ぶり。会見場には日米だけでなく台湾やフランスのメディアも訪れるなど約300人の報道陣が集結。全米のみならず、世界中の注目を集めた。
300人を超える報道陣の中で、歴史的会見で質問できた記者はわずか14人。その中で日本人に限ると4人。“狭き門”を潜り抜け質問できた中の一人に、スポニチ本紙の大谷番・柳原直之記者がいた。
柳原記者は愛犬の名前を聞いた記者の後に挙手して指名されたが、「デコピン」の話題で盛り上がっていたこともあり、想定していた質問を変更。「今、おっしゃられたデコピンの名前の由来とか教えていただけたら」。少し表情を崩した大谷は「由来に関してはさっきも言いましたけど元々デコイっていう名前があったので、それに近い感じで選びました」と答えた。
続けて「来年は打者に専念されるということでまず開幕に間に合うのかというところと、今年より素晴らしい成績を残してほしいという期待が多く集まると思いますが、そこへの思いを聞かせてください」と柳原記者が質問。それに対して大谷は「バッティングの方は素振りを始めているので、おおむね予定通り、若干早いくらいの感じで来ているので、十分に開幕に間に合うんじゃないかなと思うんで。スプリングトレーニングでゲームに入れる準備ができていれば、開幕に十分間に合うんじゃないかなという感じはします。まず優勝することを目指しながら、そのところで欠かせなかったと言われる存在にまずはなりたいですし、そういう期待を込めた契約だと思うので、そこの期待に応えられるように全力で頑張っていきたいと思います」と力強く語った。
会見後に柳原記者は、TBS系情報番組「ゴゴスマ~GOGO!Smile!~」(月~金曜後1・55)に生出演。挙手する多くの記者の中で、どのようにして指名されたのかについて「目力で」と苦笑い。「広報の人に対して“当ててくれ!”と訴えて当たった」と明かした。
質問内容については「僕の前の質問がちょうど犬の名前の話で凄く盛り上がったんで…。違う質問をしようと思ったんですけど犬の名前に引っ張られて、もう一度犬の名前の質問をしてしまった。今日の反省点です」と再び苦笑いを浮かべた。同番組のMCを務める石井亮次アナウンサーは「非常にいい答えを引き出してくれました」とフォロー。さらに「開幕に間に合うのかどん詰まの質問も投げかけられて良かったですね」と持ち上げた。
柳原記者は恐縮した表情を見せながら「本当はもう一歩進んで、投手では次の年の開幕に間に合うのかとか、そこまでいきたかったんですけど…」と世界中が注目した会見を振り返った。
同番組の金曜レギュラーコメンテーターの「A.B.C-Z」河合郁人は会見を通して大谷が「頼もしいですよね。ドジャースを長年まとめてきた人みたいなくらいの頼もしさがあるので、引き続き活躍が楽しみです」と感嘆。さらに愛犬デコピンについて「可愛い名前ですね。柳原さんが犬の質問した時に、今まで真剣な表情だった大谷さんが、ちょっと和らいだところがまたギャップがあって」と柳原記者が大谷の柔らかな表情を“引き出した”と絶賛。石井アナから「柳原さんのファインプレーですね~」とイジられると、柳原記者は「普段から(大谷に)イジられる立場にあるんで…しょうもないっていったらアレですけれど、“またしょうもない質問して”みたいに(大谷に)思われたのかもしれないです」とゴゴスマ出演メンバーからの称賛の嵐について“弁明”して笑いを誘っていた。
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◆ 大谷翔平ドジャース入団 残留熱望の盟友は未だ沈黙…心配の声 「どんな心情か」「裏で連絡とってると…」
(情報:スポニチ)
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ドジャースと10年契約を結んだ大谷翔平投手(29)が14日(日本時間15日)、本拠地ロサンゼルスのドジャースタジアムで約35分の入団会見を行った。晴れやかな表情の大谷に日本中が注目した一方、エンゼルスで盟友でもあったマイク・トラウト外野手(32)が同日時点でもSNSなど更新せず、沈黙したまま。ファンからは心配の声が挙がり始めている。
大谷が報道陣の取材に応じるのは10勝目を挙げた8月9日(同10日)以来、約4カ月ぶり。スポーツ史上最高額となる10年7億ドルという衝撃契約での入団。ドジャース首脳が持つ勝利への渇望に共鳴したことが決め手だった。「自分がここでプレーしたいという気持ちに、素直に従った結果」。目指す世界一へ「まず優勝することを目指しながら、欠かせなかったと言われる存在になりたい。そういう期待を込めた契約だと思う、期待に応えられるように全力で頑張っていきたい」と闘志を高めた。
一方、トラウトは大谷についてSNS等でも言及していない。
2度目の満票MVPに選出された際には「誇りに思うよ!」と祝福の投稿をするなど盟友同士で、日本のファンからも「トラウト兄貴」として親しまれる主砲。今年2月には「長年にわたっていい関係を築いている。本人の気持ち次第だが、彼が残るために何でもする」と引き留めに全力を注ぐ構えを見せ、大谷の残留を熱望していた。
しかし、X(旧ツイッター)は11月24日、インスタグラムは12月5日を最後に投稿がなく、大谷のドジャース入りが決まっても沈黙。
ネット上では「無言なのがめちゃくちゃ心配」「チームのために黙ってるんだと思ってる」「気になりますよね」「コメントしてほしいとかじゃなくていつも真っ先にお祝いしてくれる優しいトラ兄が沈黙してるってどんな心情なのかが気になる」「絶望感計り知れないですよね」「これからは敵になるわけだし、トラウトはチームの顔だから、今までどおりに気軽に反応は、しにくいと思います」「裏では連絡取ってると思いたいです!」などとトラウトの心中を察する声が挙がった。
ロサンゼルスタイムズ紙のジャック・ハリス記者は14日(日本時間15日)、大谷翔平とネズ・バレロ代理人が、交渉の最終段階になってもエンゼルスに大谷を引き留めるチャンスを与えていたと報じている。
しかしながら、アート・モレノオーナーがドジャースのオファーに対抗しようとしなかった。複数の関係者が証言している。大谷は最後までエンゼルスを選択肢から完全に外してはいなかった。バレロ代理人は「翔平からは、エンゼルスとは連絡を取り続けるようにと念を押されていた。だから(球団が絞られてくる)最終段階に入っても、少なくとも審議の対象にはなっているのだなと考えていた」と明かしている。
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◆ 大谷翔平“ブルージェイズ急浮上”の報道はウソだった? 「“幻の記事”は怒りが冷めたら…」カナダ人記者の運命を変えた“オオタニ争奪戦”その後
(杉浦大介氏/情報:NumberWEB)
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ロサンゼルス・エンゼルスからFAになった大谷翔平が現地12月9日、ロサンゼルス・ドジャースとの契約を発表した。新契約はなんと10年7億ドルという壮大なもの。その巨額の大半が2043年までの後払いという斬新さもあり、米スポーツ界の話題は大谷の新たな門出に集中している感がある。
一方、大谷が自らのInstagramでドジャース入りを発表する前日の8日、「トロント・ブルージェイズ入りするのではないか」という話題が沸騰したのもまだ記憶に新しい。アナハイムからトロントに飛んだプライベートジェットに大谷が乗っているのではないかという憶測から、数千人がこの飛行機を追跡。ブルージェイズに所属する菊池雄星投手が「(ブルージェイズ本拠地の)ロジャースセンター近くの高級寿司レストランを丸々予約した。その人数は50人以上。大谷歓迎会ではないか」という謎の情報までが飛び交うなど、その日のSNSは大荒れだった。
永く語り継がれそうな今回の大谷争奪戦。すべてを終えた今、2017年からMLB.comでブルージェイズ番記者を務めるキーガン・マシソン氏にその“狂騒曲”を振り返ってもらった。カナダのノバスコシア州出身で、トロントに7~8年住む記者にとっても、今回の一件は貴重な経験になったようだ。
「こんな“秘密行動”はオオタニが初めて」
以下、キーガン・マシソン記者の1人語り。
◇ ◇ ◇
大谷の争奪戦は本当にすごい大騒ぎになりました。今回のFA戦線が球界全体を震撼させ、全米を魅了したことで、大谷は自身の価値を世に示したといえるのでしょう。
特徴的だったのは、最後の最後まで大谷は一言も喋らず、ネズ・バレロ代理人も何も明かさず、メディア、ファンだけが大騒ぎしたこと。何の情報リークもなく、最終的にドジャースに行くという第一報は大谷自身のInstagramで発されました。
契約年数を伝えたのも代理人の事務所。こんなことはこれまでに一度もなく、これほどの秘密行動をやり遂げられるのは大谷以外にいません。その過程で多くのドラマと興味を生みだした功績は誰も無視できないはずです。一人の選手が人々を興奮させ、注目度を高めたという意味で、一連の“Ohtani Sweepstakes(大谷争奪戦)”はメジャーリーグにとってポジティブだったと私は考えています。
ただ、ブルージェイズのファンにとっては辛い結果になりました。最終候補に残ったことで、トロントのベースボールファンの期待度は高く、大谷が乗っていると思われたプライベートジェットを追跡して家の外に出て飛行機に手を振る何人かのファンの動画も見ました。その姿は希望を体現していましたね。
約10年前のブルージェイズではあり得なかったことですが、今のチームはリーグ最高級の金額をペイロールに費やし、本気で補強に挑んでいました。昨季のブルージェイズはプレーオフで早期敗退したこともあり、もともと現在のチームに対するフラストレーションは高まっていた。ここで大谷が入団すれば、それがターニングポイントになり、輝かしい時代が始まるはずでした。大谷はファンの希望の象徴だったのです。それが結局、これまでと同じ。ブルージェイズファンがこれほどガッカリしている前例を私は思い出せません。そうやって期待が膨らんだあとだったからこそ、より激しく傷つくことになったのです。
チーム側だけでなく、大谷サイドのブルージェイズへの興味は真剣だったと思っています。そうでなければ、FA戦線が終盤に近づいた時期、わざわざチームのトレーニング施設があるフロリダ州ダンイーデンまで足を運びはしなかったでしょう。
実は、金曜日(8日)の時点では、私も大谷はブルージェイズ入りするんじゃないかと思っていました。あの日の昼12時~1時ごろにMLBネットワークのラジオに出演し、「ブルージェイズ入りするだろう」と予想したんです。その頃には55、60%くらいの確率でドジャースを抜き、争奪戦の最有力候補に躍り出たと感じていました。
「“後払い”はブルージェイズも考慮したはず」
最終的にドジャースが大谷を獲得し、“ブルージェイズは年俸吊り上げのために利用された”と考える人も多いのかもしれません。結果的にそういう形になっても、代理人の仕事とはクライアントに最大の金銭を供給することであり、交渉ごととはそういうものです。ブルージェイズは向こう10年、どんなチームを作っていけるかを大谷に真剣に売り込み、トロントという街の素晴らしさも説明したという話でした。
それでも最終的には契約内容がモノをいうものです。ドジャースが提示した契約の方が上回ったということ。あれほどの巨額契約、後払いというユニークな手法はブルージェイズも考慮したとは思いますが、許容はできなかったというのが私の見立てです。
8日の金曜日は私にとっても忘れられない一日になりました。ウィンターミーティングが開催されたナッシュビルからトロントに戻り、その日は実は私のガールフレンドの誕生日パーティが行われる日でした。スタジアムの近くのレストランにだいたい10人くらいの友人が集まり、彼女のバースデイを祝ったんです。
これが私たちの仕事の難しい部分ですが、大谷の去就決着というビッグニュースが間近に近づき、パーティに行くべきかどうか、頭を悩ませました。まさにその日にあの(噂の)プライベートジェットがトロントに向かって飛んだため、私はパーティ欠席を覚悟せねばならなかったんです。埋め合わせとして、「食事と飲み物は私がすべて払うから」と言ってガールフレンドにクレジットカードを渡しました。
彼女たちがその店でも最高級のカクテルを注文して大散財するんじゃないかと内心はドキドキしてました(笑)。ただ、問題となったプライベートジェットに乗っていたのは、大谷ではなく無関係のカナダ人の実業家であることが判明。夜8~9時頃にはもう大谷がその日に契約することはないことが明白になり、そこで慌ててパーティ会場に駆けつけたんです。彼女たちが法外なお金の使い方をしていないことを確認し、私は破産せずに済んだというわけです(笑)。
そのようにバタバタしたわけですが、私のガールフレンドは私たちの仕事がどういうものかをわかってくれています。いつも完璧なタイミングで物事が起こるわけではないことも理解しています。熱狂的なベースボールファンというわけではないですが、そんな彼女も毎朝、“彼は今日契約するの? それともまだ携帯とのにらめっこが続くの? ”と私に言ってくるくらいになっていました。大谷がドジャースとの契約を発表し、通常の生活が戻ってきたことを彼女もハッピーに感じているはずです。
“幻の記事”は「消去しないでしょうね」
ともあれ、大谷がブルージェイズ入りした際の記事はすでに準備してありました。発表直後に発信しなければいけなかったため、執筆は終えてあったんです。
メディアの仕事に馴染みがない人たちには説明しなければいけないですが、あの時点でもう大谷がブルージェイズ入りしても、入団しなくても、どちらにしてもニュースになります。だからその両方のシナリオの用意をしておいたということです。
今回に限らず、普段のゲーム中も7、8回にはもう試合の結果を予測して記事を書き始めます。“ブルージェイズ史上初の完全試合達成”とか、陽の目を見なかった記事はたくさんあります。今も私のラップトップには、“大谷がブルージェイズ入り”というビッグストーリーが眠っていますよ。この記事は消去しないでしょうね。プリントアウトしておいて、今から約15~20年後、もうトロントの人々の怒りが冷めた頃、大谷が殿堂入りを果たす週にでも“幻の記事”として発表したら喜んでもらえるかもしれません(笑)。
改めて考えても、大谷がブルージェイズに入団していたら、とても興味深いストーリーになっていたのでしょう。仕事柄、普段の私はブルージェイズの勝敗には一喜一憂はしませんが、いいストーリーを追いかけたいという気持ちはあります。現状、大谷よりも興味深い題材は存在しませんから。
通常、ブルージェイズのホームゲームを取材する記者は10人くらいですが、遠征に同行するのは自分も含めて3人くらい。大谷がブルージェイズ入りしていたら、その数は何倍にも膨れ上がっていたはずです。向こう10年、新しい世界が広がることをブルージェイズのファン、関係者は夢見たのです。
トロント遠征ではブーイング確実?
ただ結局、大谷の獲得は叶わず、今後、ブルージェイズは違った方向に足を踏み出さなければいけません。チームフロントは気持ちを切り替え、FA、トレードマーケットに目を向けています。
ドジャースは4月下旬、トロントに遠征してきますが、その際、大谷に向けてかなり激しいブーイングが飛ぶかもしれません。まだ今回のFA戦線の記憶、獲得に近づきながらも叶わなかった痛みはファンの中で鮮明でしょうから。
大谷はもともとブルージェイズ戦ではよく打つ印象ですし、4月のシリーズで470フィートの大ホームランでも打てば、そのボールはフィールドに投げ返され、厳しいリアクションがあるのではないでしょうか。
とはいえ、個人的には大谷が今後もずっとトロントでブーイングされ続けるとは考えていません。大谷は嫌うのが難しい選手だという背景がありますし、トロントのファンの怒りは大谷個人に向けられたものではないとも思います。いずれチームが成功を手にしたら、ブルージェイズファンはすべてを忘れるでしょう。
少なくとも、私はそうであることを望んでいます。先ほども話した通り、大谷はこのオフ、巨大なドラマを生み出し、MLBを盛り上げてくれました。それは野球界全体にとってポジティブなことであり、今はそれぞれの思いを抱えているファンも、いずれすべてを笑顔で思い出せる日が来ることを願っています。
(「メジャーリーグPRESS」杉浦大介 = 文)
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