2023年12月14日

 

-------------------------------------------------------------

 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

-------------------------------------------------------------

 

◯ ドジャースは13日(日本時間14日)、大谷の記者会見を14日午後3時(同15日午前8時)からドジャースタジアムで行うと発表した。ユニホーム姿を初披露するか注目される。ドジャース・大谷の第一歩。お披露目はドジャースタジアムの「センターフィールドプラザ」で行われることが決まった。アンドリュー・フリードマン編成本部長も出席する。大谷が報道陣に対応するのは8月9日以来、約4か月ぶりとなる。ドジャースのユニホームに袖を通し、何を語るのか注目が集まる。

 

◯ ドジャースと10年契約を結んだ大谷が、12日(日本時間13日)に行われたドジャースと山本由伸投手の面談に参戦していたことが明らかになった。米メディア「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者が13日(同14日)に伝えた。大谷だけでなく、ムーキー・ベッツ外野手、フレディ・フリーマン内野手らMVP受賞者が参戦したという。12日(同13日)の午前中、ドジャースタジアムは報道陣をシャットアウト。スタジアムツアーは中止となり、グッズストアも閉める厳戒態勢だった。大谷とのダブル獲りへ猛アタックを見せた。

 

◯ ジ・アスレチックのケン・ローゼンタール記者が13日(日本時間14日)にX(旧ツイッター)で伝えたところによると「球団職員に特定の人事変更が起こった場合、そのシーズン終了後に契約を解除してもよいという条項が含まれている」という。さらにAP通信は「球団オーナーのマーク・ウォルター氏かアンドルー・フリードマン編成本部長が現職を退き退団するようなことがあれば、オオタニは契約を解除することが可能になる」と伝えた。MLBで球団人事に関する条項があるのは異例といえる。

 

 この他、全球団に対するトレード拒否権、契約の1%未満をドジャースの慈善団体に寄付すること、フルタイムの通訳を付けること、レギュラーシーズンのホームゲームとポストシーズンゲームにドジャースタジアムのスイート席を用意することも盛り込まれている。またAP通信によると、遠征先のホテルをスイートルームにすることも盛り込まれ、ドジャースタジアムのスイート席は超高級クラスの部屋だという。

 

◯ ドジャースのジョー・ケリー投手が13日(日本時間14日)、ドジャースタジアムで行われた球団イベントに参加し、10年契約で獲得が決まった大谷を歓迎した。「興奮したよ。彼は素晴らしい人物。ここに来る前に話す機会があったんだ。すでにトレーニングをしているし、体を強化していたね。ビデオのことをうれしく思っていて、背番号(を譲ってくれたこと)についてありがとうと言っていたんだ」と、やりとりを明かした。ケリーは今季までドジャースで背番号「17」を付けてプレー。今オフFAとなり、再契約していた。大谷の加入が発表されたことで「17」から「99」に変更となった。

 

◯ MLB公式サイトは、大谷のユニホーム発売後48時間以内のファナティクス社の最高売り上げ記録を更新したことを伝えた。リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドらが持っていた記録を破ったという。移籍が決まり、早くも新天地のユニホームを求めるファンが殺到したというわけだ。

 

◯ 地元紙オレンジカウンティ・レジスター紙でドジャースの番記者を務めるビル・プランケット氏が「クレイトン・カーショーは大谷翔平とドジャースの契約について『それはとても高額ですよね?クレイジーだよ』(デビッド・ヴァセイ氏より)」と専門番組「ドジャートーク」のリポーターを務めるデビッド・ヴァセイ氏からの報告とした。米メディア「ドジャーブルー」のマシュー・モレノ記者もカーショーが「極秘任務は終わった?ドジャースにとってはもちろん素晴らしいこと。とにかく莫大な金だ。クレイジーだ。でも彼は唯一無二な才能の持ち主であり、彼のような選手はいないと思う」と語ったことを自身のXで伝えた。

 

-------------------------------------------------------------

 ■ ロサンゼルス・エンゼルス情報

-------------------------------------------------------------

 

◯ エンゼルスが13日、右のリリーフ2投手との契約を発表。ルイス・ガルシア投手と1年425万ドル(約6億2000万円)、アダム・シンバー投手と165万ドル(約2億4000万円)で合意した。エンゼルスは守護神エステベスにつなぐ勝利の方程式の確立が急務。シーズン終了後はループとデベンスキーのベテランをFAで失い、左腕のコラレックと1年90万ドル(約1億3000万円)で合意した。今後は主砲トラウトを軸にしたチームづくりに着手。トレードで先発投手の獲得を目指しているとも言われている。

 

◯ ブレーブスは13日、エンゼルスからトレードで獲得したばかりのデービッド・フレッチャー内野手(29)をメジャー40人枠から外し傘下3Aグウィネットに降格させた。ブレーブスにトレード後すぐにウエーバーにかけられ、40人枠から外れた。

 

◯ 大谷の通訳、水原一平さんが13日、自身のSNSを通じて、エンゼルスファンに感謝の言葉をつづった。英語で「この6年間、応援していただきありがとうございます。本当に寂しいと心から思っています。エンゼルスファミリーの一員であることは大きな喜びでした。みなさんの幸せを祈っています。ありがとう、エンゼルスファン」と記した。

 

-------------------------------------------------------------

 ■ 注目記事&コラム

-------------------------------------------------------------

 

◆ ドジャース・ロバーツ監督のあの騒動で分かった「言っていいこと、悪いこと」

水次祥子氏/情報:日刊スポーツ)

###

 去就が注目された大谷翔平投手(29)がドジャースに移籍することが決まった。ドジャースといえば、デーブ・ロバーツ監督がまだ大谷の契約が決まっていないのに交渉過程をメディアに話し、騒動になった。代理人のネズ・バレロ氏から契約交渉の過程についてかん口令が敷かれているにもかかわらず、12月上旬に開催されたウインターミーティングでの会見の席で「ショウヘイと会ったよ」と明かし、周囲を驚かせたのだ。米国では、同監督の発言はMLBの規約違反になるのか否かという話題も出ていた。

 

 12月6日付のロサンゼルス・タイムズ紙によると、契約交渉中のメディアへの情報開示についてはMLB労使協定の329から331ページにある付帯条項49条で規定されているという。そこで実際に規定を読んでみた。

 

 1 コミッショナー事務所、選手会、球団、選手、代理人は契約内容、オファーを出したか、またそれを撤回したかなどを、正式契約前にメディアに明かしてはいけない。

 

 2 契約していないFA選手の金額や契約年数について言及してはならない。

 

 大まかにはこの2つの条項が中心になり、以下のような違反発言例が出ている。

 

 「X選手は、複数年契約は得られないだろうね」

 

 「X選手は、Y選手を超える金額を要求しているそうだね」

 

 「我々はX選手から撤退したよ」

 

 「X選手は少なくとも○○ドルの価値があるだろうね」

 

 「X選手は複数の球団からオファーを受けているそうだ」

 

 「我々は、X選手のためにドラフト指名権を失うことには気が進まない」

 

 「X選手の体の状態に懸念がある」

 

 「X選手に年俸○○ドルの価値はないと思う」

 

 これらの違反発言例を見て思い出したのだが、大谷争奪戦が5球団に絞られた後、カブスが撤退したという報道が出た。USAトゥデー紙のボブ・ナイチンゲール記者が事情を知る球界関係者の話として伝えていた。だがカブスのジェド・ホイヤー編成本部長が地元記者から撤退は本当かと確認されたとき「そんな話がどこから出てきたのかわからない」と否定した。これは「撤退した」と言うと規定違反になるため、はぐらかしただけだったのかもしれない。ちなみにロバーツ監督は、違反になる発言はしていない。1つ勉強になった騒動だった。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「水次祥子のMLBなう」)

###

 

◆ 元名捕手ポージーが明かす大谷翔平との交渉舞台裏…ジャイアンツの7億ドルの打診を断りド軍を選んだ理由とは?

(情報:RONSPO)

###

いよいよ日本時間明日15日に大谷翔平(29)のドジャースの入団会見が行われる。サンフランシスコでの直接面談にまでこぎつけながらも敗れたのがジャイアンツだ。ファルハン・ザイディ編成本部長、ジャイアンツ一筋で引退した“MVP”名捕手バスター・ポージーが、米スポーツサイト「ジ・アスレチック」の取材に応じて、その交渉裏舞台を明かした。そこから見えてきた大谷がド軍を選んだ理由とは?

 

「ドジャース大谷」のお披露目が近づいてきた。14日の午後3時(日本時間15日の午前8時)にドジャースタジアムのセンターフィールドプラザに設定される特別舞台で入団会見が行われることが発表された。取材陣が多すぎて対応できないためで、会見の模様は、「MLB.COM」などでオンラインで生配信される。

 

 10年7億ドル(約1015億円)の97%を後払いにするなどの契約の詳細なども徐々に明らかになってきたが、サンフランシスコで直接面談までこぎつけていたジャイアンツのザイディ編成部長が、メディアに取材対応して、交渉過程と、敗因、大谷がド軍入りを決めた理由について明らかにした。

 

 ジャイアンツが代理人にオファーをかけたのは11月。ジャイアンツ一筋でプレー、捕手として現役時代に3度のワールドシリーズ制覇に貢献、首位打者、MVP、ゴールドグラブ賞、カムバック賞などを獲得したポージーが、現役時代の代理人が大谷と同じくネズ・バレロ氏だったため「我々と最初に大谷と面談させてくれ。いかに重要かを理解してくれ」とお願いしていたという。

 

 ジャイアンツは2017年に大谷が日ハムからポスティング申請した際にも交渉に乗り出していた。だが、そのシーズンは98敗と惨敗していたことに加え、まだナ・リーグが指名打者制を導入していなかったため、エンゼルスに敗れた。まさに5年越しのラブコールだったわけだ。

 

 12月2日にサンフランシスコにある本拠地のオラクル・パークで、ボブ・メルビン新監督、ザイディ編成本部長、グレッグ・ジョンソンオーナー、そして経営者グループの一員でもあるポージーが大谷と約2時間の直接交渉の機会を持った。

 

「球団についての歴史、我々の哲学、プラン、球場での打撃についての話をした」とザイディ編成本部長。

 

と、ライトスタンド後方の海から向い風が吹くため左打者が不利とされている。面談では、大谷の打球角度と速度であれば影響が最小限度に収まることや、近年、ライトスタンドのアーチ型の通路を幕で覆ったため、ライトからセンターへ向かって吹く浜風が和らぎ、ライトへの本塁打が増えていることを説明した。

 

 また契約金については、交渉過程で3度引き上げて、最終的には、大谷サイドの要求をすべて反映させてドジャースと同じ10年7億ドル(約1015億円)で、その97%を後払いにする特異な契約をオファーしたという。 

 

 だが、大谷が選択したのはドジャースだった。ザイディ編成本部長は、大谷がドジャースを選んだ理由について、こう分析した。

 

「地理的な部分が影響したようだった。我々は、南カリフォルニアに留まることが最優先事項としてあるんだと感じていて、それが我々にとってのチャレンジになるだろうと分かっていた」

 

 気候や治安などを含めて大谷はエンゼルスで過ごした6年間のロスでの快適な生活環境をとても気に入っていたようだ。

 

 ポージーは、サンフランシスコが抱えている治安の悪化などの社会問題が大谷を逃した大きな原因だったと指摘した。

 

「残念なことに、選手や選手の奥さんさえ、この街自体に少し不安を抱えている。街の環境、犯罪、麻薬(が横行している問題)などだ。これは人生にとって大事なこと。フリーエージェントの獲得において障害になっていることを見てきた」

 

 同サイトによると2年前に広島からメジャー移籍を目指した鈴木誠也の獲得交渉に乗り出した際にも、サンフランシスコが抱える治安の悪化の問題がネックとなり鈴木はカブスと契約した。ジャイアンツはすでに山本由伸と面談を持ったが、同じ問題が障害となる可能性がある。

 

 ポージーは大谷がドジャース入りを決断した際に受けたショックをこう表現している。

 

「本当にガッカリした。私はこの例え話を誰かに送ろう。現役時代は、1試合でいい当たりのライナー性の打球で3度アウトになるよりも、1試合で3度バットを折っても、それがヒットになる方がよかった。人々はこう言うだろう。『まあ、君はできることはすべてやった。でも鼻にボールを当てた』。まさに、そんな感じで最後は結果が求められるものなんだ。不幸にも我々は結果を得ることができなかったわけだけど、これからも前を向いていくしかない」

###

 

◆ 大谷翔平の「善意の後払い契約」は裏技?抜け道? 〝悪意ある解釈〟の背景

(情報:東スポ)

###

 ドジャースへの移籍が決まった大谷翔平投手(29)の〝善意〟が思わぬ論争を呼んでいる。10年総額7億ドル(約1015億円)というメガ契約は、97%に当たる6億8000万ドル(約986億円)が10年契約満了後の2034年から支払われるとされる。しかし、これが米国内では「補強費捻出のウラ技」「ぜいたく税制度からの抜け道」などと批判的な解釈も招いているのだ。

 

 プロスポーツ史上最高額で決着した二刀流スターのドジャース入団。米メディアの報道によれば、24年から33年までの10年間に大谷が毎年受け取る年俸額は、本来の年平均7000万ドル(約101億5000万円)のうち、わずか200万ドル(約2億9000万円)。大半は年金のように契約満了後の34年から43年に支払われるという。

 

 大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏は今回の「年俸繰り越し案」について米誌「スポーツ・イラストレイテッド」に、大谷から持ちかけたものだったとしている。その上で「彼のやることに驚いてはいけない。彼がやることは本当にユニークで、とてもよく考えられている」とし「スポーツ界で彼ほどのレベルに達した選手が、チームの競争力維持のために『僕におカネは必要じゃない』と本気で言える選手が他にいるかい?」と力説した。

 

 また、大谷からこのアイデアを持ちかけられたバレロ氏は過去の事例を検証。マックス・シャーザー投手(39=レンジャーズ)がナショナルズ時代の15年に結んだ2億1000万ドルのうち、50%の支払いを繰り越した例と比較し「これ(大谷の97%)に近い契約を結んだ選手はほとんどいなかった」と強調した。

 

 大谷は名実ともにMLBのトップ選手となっているが、現役プレーヤーとは思えぬ広い視野を持ち、組織全体への配慮も欠かさない。バレロ氏も賛辞を惜しまなかった一方で、米国内では巨額年俸の繰り越しが議論の的となっている。

 

 現行の労使協定では、年俸を後払いする場合の金額や割合などは定められていない。しかし、理論上は多くの球団がトップ選手との大型契約に今回の手法を用いれば、先送りした〝浮いた予算〟を直ちに補強費に回すことが可能となる。資金力のある一部の球団に新たなチーム強化のアイデアを提供した形にもなっており、SNS上では「これでは何でもありじゃないか」とファンから批判的な声も上がっている。

 

 もちろん、このアイデアを提案した大谷はドジャースへの善意からだったはず。日米球界に精通する関係者の一人は「アメリカで突然、聞き慣れない日本の価値観が提示され、米球界は今のところ消化不良を起こしている。MLBのトッププレーヤーがマイノリティー(少数派)である日本人で、おカネの評価が共通で最大の価値観となっているアメリカ人を混乱させている」と〝悪意ある解釈〟の背景を読み解いた。

 

 大谷の入団会見は14日(日本時間15日)にも行われる予定。超異例の契約について本人の口からは語られるのか。

###

 

-------------------------------------------------------------

 ■ NOTE