2023年12月9日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ MLBネットワークのジョン・モロシ記者は8日(日本時間9日未明)、「大谷の決断は間近、早ければ今日にも決断を下す」とSNSで伝えた。またSNSでは、フライト追跡サイト上で同日にアナハイム発トロント行きのチャーター機が確認された情報も拡散された。搭乗者は不明だが、大谷のトロント行きを予想する声は大きかった。

 

◯ 全米野球記者協会に所属し、ドジャースやエンゼルスを取材するJP・ホーンストラ記者は「ショウヘイ・オオタニ、ドジャースを破ってブルージェイズと契約」と報じたが、複数の米メディア関係者が即座に打ち消し。

 

◯ トロントのオペラ歌手を名乗るクラレンス・フレーザー氏がXで「ユウセイ・キクチが今夜、ロジャーズセンター近くの高級すし店を予約している。50人以上の予約だ」と投稿すると、たちまちこの予約にも注目が集まった。

 

◯ USAトゥデイ紙のボブ・ナイチンゲール記者は「ショウヘイ・オオタニはトロントにいない。オオタニはトロントに向かう飛行機に搭乗していない。オオタニは南カルフォルニアの自宅にいる」と自身のXに投稿。複数の米メディア関係者も追随した。こちらも情報が錯綜している。

 

◯ 大谷が乗っていると一部米メディアで報じられたトロント行きのチャーター機は、カナダ人実業家が搭乗していたことが明らかになった。カナダメディア「CBCニュース」のレポーターを務める、デビン・ヘロックス氏は「現在ピアソン空港にいる、弊社のカメラマンを務めるエバン・ミツイ氏からメッセージが送られてきた。彼は、オオタニがプライベートジェットに搭乗していないことを確認した。搭乗していたのはカナダ人実業家ロバート・ハージャベック氏とその家族だ」と伝えた。

 

◯ “人違い”されていたのは、カナダ人実業家、ロバート・ヘルヤベック氏。同氏は早速自身のインスタグラムを更新。ブルージェイズのユニホームを着た自身のコラージュ写真とともに「今日私と契約してくれたブルージェイズに感謝している!」と投稿。そして「冗談はさておき、私はショウヘイ・オオタニではありませんし、彼は今日私の飛行機に乗っていませんでした」と否定した。間違われた理由は「何から始まったかわからないが、ブルージェイズに電話して、5歳の息子と6億で契約してくれるかどうか聞いています(彼は飛行機の中で、ヘタな球を投げました)」とコミカルに綴った。

 

 

◯ 狂乱の大谷ウオッチはこうして幕を閉じた「Ohtani」のワードはXでトレンド世界1位となった。

 

◯ MLBは9日、公式インスタグラムを更新。フォロワー数1・4億人を超える人気ラッパー・ドレイク(37)の投稿を紹介。ドレイクは自身のインスタグラムのストーリーズに「OHTANI 17」と書かれた今夏の球宴バージョンのユニホームを着用して階段を上がる写真を投稿した。MLBの公式インスタグラムがこの投稿を引用し「誰もが大谷翔平のニュースを待っている…ドレイクも」と大谷の情報を待ちわびていることをつづった。

 

◯ ジョン・モロシ記者が8日(日本時間9日)、自身のX(旧ツイッター)を更新。「今日、私がショウヘイ・オオタニがトロントに移動していると誤った情報を含む投稿をしてしまった」と過ちを認め、「そのミスに後悔しているし、至る所にいる野球ファンに謝罪します。失望させてしまい、大変申し訳ありません」と謝罪した

 

◯ 米メディア『The Athletic』でアナリストとして活躍するジム・ボーデン氏は自身のXに「オオタニはトロントにいない。どこにも合意はない。決定が迫っているわけでもない」と強調したうえで、「人々は嘘をついたり、推測したりするのをやめる必要がある。彼はまだ決断していない」と憶測での行動に釘を刺した。その後再びXを更新。「ショウヘイ・オオタニと彼の代理人であるネズ・バレロ氏は、次の本拠地を決定するために慎重かつ勤勉でプロフェッショナルなFA交渉を続けている。ショウヘイはロサンゼルス・ドジャース、トロント・ブルージェイズ、サンフランシスコ・ジャイアンツ、あるいは他のどの球団であろうと、次のチームが決まるまでメディアから敬意、プライバシー、誠実さを受けるに値する」と綴った。

 

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 ■ ロサンゼルス・エンゼルス情報

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◯ デビッド・フレッチャー内野手マックス・スタッシー捕手が8日(日本時間9日)、交換トレードでブレーブスへ移籍したと米スポーツ局「ESPN」のジェフ・パッサン記者が伝えた。代わってブレーブスのエバン・ホワイト内野手とタイラー・トーマス投手がエンゼルスに加入する。

 

◯ ローガン・オハピー捕手(23)が8日(日本時間9日)、今季バッテリーを組み去就が注目されている大谷について語った。米専門テレビ局MLBネットワークのトークに出演。大谷とバッテリーを組むことがどんなものなのかを聞かれると、開口一番に「ものすごく細かい。本当に細かい」と繰り返した。さらに「彼の言葉を1秒も逃さないように聞いている。彼が試合にどう臨むかを聞くのは面白いし、勉強になっている」と話し、大谷とトラウトという球界2大スターと一緒にプレーする感想を問われると「彼らは人としても素晴らしいよ。僕がトレードで移籍してきたとき、すぐに打ち解けられてチームメートになれた」と振り返った。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平に“アメリカでまさかの猛批判”…なぜ? 怒る米記者の言い分「誰かが最悪なアドバイスをしたのか」も…大騒ぎで結局エンタメになっている現実

水次祥子氏/情報:NumberWEB)

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 大谷翔平の去就に日米から大きな注目が集まる中、米国では大谷の契約交渉スタイルを巡って批判が噴出する異常事態となっている。

 

 MLBではオフシーズン最大のイベント「ウインターミーティング」が12月4日から4日間、テネシー州ナッシュビルで開催され、その期間中に大谷の契約が決まるのではないかと期待されたが、結局決まらずに閉幕した。昨年の同時期はアーロン・ジャッジのFA情報が飛び交っていただけに、過去にないほど突出した注目度の大谷の場合、スクープが飛び交う“お祭り騒ぎ”になることが予想されていた。だが、大谷と代理人ネズ・バレロ氏は交渉過程の詳細を漏らさず、隠密行動。争奪戦に加わる球団に対しては、交渉経過をリークしないようにとかん口令を敷いているとも伝えられた。

 

相次ぐ悲鳴「4ヵ月、何もしゃべっていない」

「ほとんど情報が出てこない」

 

 数週間前から何人もの米野球記者がそんな嘆きの声を漏らしていた。ウインターミーティングのあまりの静けさに、溜まっていた記者たちの鬱憤が一気に噴き出したのだろう。

 

 米スポーツ専門テレビ局ESPNでベテランの敏腕として知られるバスター・オルニー記者は5日付の電子版記事で「誰かショウヘイ・オオタニに、実に素朴な質問をしてくれないか。この秘密主義に何の意味があるのかと」と疑問を投げかけた。

 

「秘密主義というのはもちろん、オオタニがこの4ヵ月、何もしゃべっていないことを指している。この沈黙は、オオタニが望んだことかもしれない。もしくは、誰かが彼に実に最悪なアドバイスをした結果かもしれない。しかしこの歴史的FA劇が、あまりにもつまらないものになっている。オオタニのプレースタイルとはまるで正反対になってしまっている」

 

 オルニー記者の批判は、大谷が2度目のMVP受賞の際に米専門テレビ局MLBネットワークの発表番組でお披露目した愛らしいコーイケルホンディエにまで及んだ。

 

「あれを見たとき、何という名前のワンちゃんなのだろうという素朴な興味が当然湧く。それを確かめようと番組が問い合わせをしたら、オオタニ側から犬の名前を公表する準備はできていませんという回答がきた。恐らくオオタニは変なアドバイスを受けているのだろう。しかしあまりにもばかげている」

 

米記者たちの言い分「野球界にとっても良くない」

 

 これまで数々のスクープをものにしてきた敏腕のケン・ローゼンタール記者は米スポーツメディア「ジ・アスレチック」の6日付記事で、FA市場の目玉である大谷の契約が決まらないため他のFA選手も身動きが取れない状況であることを指摘。「ショウヘイ・ディレイ(停滞)状態のウインターミーティングは途方もなくつまらない。野球界最大のスターの契約は、世界中をざわつかせるほどの注目を集めるはずだっただけに、大きな損失だ」と嘆いた。バレロ氏の秘密主義については「契約交渉を有利に進めるために、そのような方針を取っている。情報漏洩を嫌う代理人は何もバレロだけではない。もしかしたら選手側の意向を汲もうとするあまり、極端に走り過ぎているのかもしれない」と理解を示しながらも「野球界は、このつまらないウインターミーティングをどうにかするべきだ」と主張した。

 

 ニューヨーク・ポスト紙のベテランコラムニスト、ジョエル・シャーマン記者も5日付の記事で批判。「オオタニがこんなにわびしくギスギスした契約交渉の中心にいるなんて、彼自身のためにも良くない。そして大人たちがこんなばかげたことにつき合わされているなんて、野球界にとっても良くない」と指摘している。

 

「流石にやり過ぎ」過激コメントで炎上も

 テレビやラジオのコメンテーターはさらに手厳しい。

 

 米スポーツ専門テレビ局ESPNのトーク番組「ファースト・テーク」で辛口ご意見番として知られるスティーブン・A・スミス氏は「オオタニの秘密主義はやり過ぎ。こんなふうに行動する選手に価値はない」と言及。同氏は2年前にも大谷について「英語が話せない選手が野球界の顔にはなれない」と発言するなど、たびたび大谷に辛辣な言葉を浴びせて物議をかもしてきたが、今回もやはり批判的だった。

 

 さらに過激だったのは、同じトーク番組に出演している“マッド・ドッグ”ことクリス・ルッソ氏だ。

 

「こんな話をすることさえばかげている。オオタニはMVPに選ばれたときに犬の名前さえ明かさなかった。オオタニに6億ドルを出す球団のヤツは、頭を診てもらった方がいい。いいか、言わせてくれ。オオタニを擁するエンゼルスが9月にペナント争いをしたことは何度あったんだ? エンゼルスは今季73勝しかしていないし、オオタニは最後の25試合を休んだよね? 何をそんなに秘密にしなければならないのか? FAじゃないか。6球団と交渉しているんだろ。何なんだ。原爆か何か? 我々に知られてはいけないのか? 何ともばかげている。オオタニと朝食をともにしたことをバラしたら、アウトだなんてね」

 

 この「原爆」のくだりについては、よりによって世界で唯一原爆を落とされた国の出身選手に対してあまりに無神経だと、米国でも批判が殺到し炎上している。

 

 スミス氏もルッソ氏も、いつも過激な発言をする「炎上系コメンテーター」として米国では昔から有名で、彼らにとっては非難を浴びてなんぼ。よく知っている野球ファンにとっては想定内の発言でもある。原爆のたとえは流石にやり過ぎだが、ルッソ氏はこの後こう続けている。

 

「何でオオタニのFA劇を第二次世界大戦のテヘラン会談のように見守らなければならないのか。ばかげているにもほどがある。スターリンとルーズベルトとチャーチルが集まったあの会談だよ。気になって眠れないだろうが!」

 

批判の理由は「スクープ記者たちの焦り」か

 

 それだけ大谷の去就が注目の的であり、影響力を持つということ。オルニー記者やローゼンタール記者のように情報を得てスクープを発信することで名を成してきたジャーナリストにとっては、大谷の秘密主義が死活問題にもなるため批判したくなるのもわかる。ただし米国では「人生最大の決断になるのだから、静かに見守ればいいじゃない」といった野球ファンの声も多かった。大谷の交渉は水面下で静かに進められたが、この米メディアの大騒ぎは十分に賑やかで、エンターテイメントだといえる。

 

 ちなみに大谷の犬の名前について、MLBネットワークの司会者グレッグ・アムシンガー氏は6日の放送の中で「事情通から聞いた話だが、オオタニの犬の名前は契約する球団と関係している可能性がある」と話していた。それが本当なら、名前を非公表にしたのも納得である。

 

(「メジャーリーグPRESS」水次祥子 = 文)

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◆ 大谷翔平めぐり異常事態 移籍決断?トロント飛んだ? 情報散乱も結局何も起きず…米記者は謝罪

斎藤庸裕氏/情報:日刊スポーツ)

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【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)8日(日本時間9日)=斎藤庸裕】とんでもない1日となった。エンゼルスからFAとなっている大谷翔平投手(29)の動向を探るため、周囲の狂乱は歯止めがきかなくなった。有力候補のドジャースではなく、ブルージェイズ移籍を決意し、カナダ・トロントへ向かったとうわさが流れれば、大谷は自宅にいて、決断はまだしていない、と否定する情報が飛び交った。Xデーは近いとされるなか、大谷サイドはこの日も沈黙。果たして、どうなるのか…。

 

      ◇     ◇     ◇

 

 この日、世界中で一体どれだけ多くの人が、大谷の動向をスマートフォンの画面で追いかけたのだろうか。二刀流の未来が決まるXデーかと期待された「12月8日」。ブルージェイズ移籍へ、カナダ・トロントへ向かったとの一報に周囲はさらに沸いた。午前9時40分、カリフォルニア州アナハイムから同地へプライベートジェット機が飛んだ。肉眼で大谷の姿を目撃した情報はない。だが、カナダのCBCカメラマンは着陸の瞬間を捉えに、動いた。ふたを開けてみれば大谷ではなく、ビジネスマンだった。

 

 ことの発端は現地時間8日午前に、MLBネットワークのジョン・モロシ記者が「ショウヘイ・オオタニの決断が秒読み段階に入った。恐らく早ければ今日中に決まる」とX(旧ツイッター)に投稿したことだった。さらにブルージェイズが最終候補の1つとして急浮上しているとし、ヒートアップした。

 

 今日決まる、決まらない。トロントへ飛んだ、飛んでない、自宅にいる。大谷は決断した、していない。不確定の情報が散乱した。「ブ軍が午後6時、大谷と合意の会見を開く」とのうわさまで飛び交うほどだった。カナダ・トロントは、歴史的FAの結末に期待をふくらませた。だが結局、何も起こらなかった。ドジャースの球団関係者の1人は口を閉ざし、エンゼルスの関係者も交渉過程を全く把握していない。ニュース速報のつぶやき合戦が異常にヒートアップするばかりで、沈黙が続いている。

 

 大谷がトロントに向かっている、と重ねて情報を流したモロシ記者は謝罪する事態にまで追い込まれた。トロントの空港なのか、大谷と水原一平通訳、ネズ・バレロ代理人が3人で歩く動画や、新調されたエンゼルスの背番号「17」のユニホームが届けられる動画(過去のもの)も投稿された。もはや、SNS上では誤報で遊び出すような空気に発展。サンディエゴ州立大学の野球部公式X(旧ツイッター)では「ショウヘイ、ようこそ」とつづり、大学のユニホームを着用した合成写真が添えられた。

 

 肉眼で確認したわけではなく、ある関係者からの話をいち早くニュースで流すのは、この時代では仕方ないことかもしれない。自戒を込めてだが、情報の取り扱いには気をつけなくてはいけない。だが、今回の大谷の去就は、過去に前例がないほどの、とてつもない注目度がある。この日のXでも「Ohtani」のワードがトレンド世界1位。前代未聞の騒動が、間違いなくうねりを巻き起こした。

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◆ 夫の「17」も譲渡…愛息は「改名したわ」 大谷翔平争奪戦、ド軍右腕の美人妻も熱望

(情報:Full-Count)

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 エンゼルスからフリーエージェント(FA)となっている大谷翔平投手の去就をめぐって、ドジャースの右腕ジョー・ケリー投手の妻が“参戦”した。自身のインスタグラムで、ケリーが着けている背番号「17」の“譲渡”を申し入れ、息子の名前を「ショウヘイ(翔平)」に似せて変更したことを明らかにしている。ファンは「彼女は面白すぎる」「彼を獲得できたら、それはあなたがイケているからだ!」などと声を挙げている。

 

 ドジャースの背番号「17」を背負う35歳右腕のケリーは今オフにFAとなり、先日1年800万ドル(約11億5000万円)で再契約した。「17」は大谷が着けていることから、ドジャースファンからは「ドジャースはオオタニ(争奪戦)から外れたのか」「背番号17を譲るべきだ」といったコメントが寄せられていた。そんな折、妻のアシュリー・ニコ・ケリーさんはインスタに動画を投稿した。

 

 この日はブルージェイズへの移籍が取り沙汰されるなど情報が錯綜したが、「私が考案した#Ohtake17キャンペーンのおかげで、彼は思いとどまったみたいだわ。善は急げだわ。でも、静かにする。7か月の息子のショーカイが寝ているから。このために改名したわよ」と語っている。「Ohtake17」は、Ohtani17とOh take 17(あら、17番奪って)を組み合わせたアシュリーさん考案のキャンペーン。息子の名前をカイからショーカイに改名したと言うが、実際のところは定かではない。

 

 アシュリーさんはまた、お手製の様々な17番グッズを紹介。ケリーのサイン入りの刺繍が入ったユニホームは「ショウヘイ・オオタニって書いているように見えるわ。誰も気が付かないでしょう!」と“ゴリ押し”。ケリーの写真入りTシャツについては「そのうち顔を(大谷に)入れ替えましょう」とも述べている。

 

 あの手この手で大谷を勧誘するアシュリーさんにファンも爆笑。「最高(泣きながら笑っている絵文字)」「(笑いすぎて)死にそう」「ショウカイ・ベイビー!」「ショウヘイ・オオタニよ、私たち全員がドジャースを選ぶことを待っている」とコメントが並んだ。ドジャース入りへ、選手の妻がアピールするという異例の展開。その熱意は実るだろうか。

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◆ 大谷翔平『今日にも決断』『トロントへ』米記者の報道めぐり大混乱 最後には誤報と認め謝罪…そして狂騒曲は続く

(情報:中日スポーツ)

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 エンゼルスからFAとなった大谷翔平選手の去就を巡って、何一つ決まったことや確定情報はない。ただ、MLBネットワークのジョン・モロシ記者の報道に端を発して、8日はSNSでフェイクニュースや怪情報が次々と飛び出し、「混乱の1日」となった。

 

 現地時間朝、モロシ記者の「今日にも大谷が決断する」というつぶやきから全ては始まった。その報道に追随するように、X(旧ツイッター)でアナハイムからトロントに飛んだプライベートジェット機を見つけ出したユーザーがSNSに投稿。大谷ではないかという憶測が広がり、モロシ記者は「大谷がトロントに向かっている」と続報を打った。

 

 ブルージェイズで決まりなのか―。エンゼルスやドジャースで取材を続けている記者は「大谷ブルージェイズ入り」を報道し、今夜発表とネット記事を出稿。Xではブルージェイズファンを中心に期待感が広まり、「OHTANI」がSNSを席巻したようだった。

 

 しかし、謎のプライベートジェット機はカナダメディア「CBCニュース」のリポーターによれば、カナダ人実業家だったことが判明。深夜になって、モロシ記者が誤報だったことを認め、「大谷選手がトロントに向かっているという不正確な情報を投稿して申し訳ございません。世界中の野球ファンに謝罪します」と自身のXで投稿した。

 

 ブルージェイズからは何の発表もなし。大谷サイドは秘密裏に交渉を続け、情報はなかなか漏れず、今回は「ナショナルライター」と呼ばれる全米の敏腕記者も憶測記事ばかりが目立つ。情報は錯綜(さくそう)するスーパースターを巡る「狂騒曲」。この日の確定情報は、大谷の注目度が桁外れだということだけだった。

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◆ 大谷翔平FA巡り困惑の10時間 「キクチが寿司屋を予約」「Bジェイズ移籍」 情報錯綜で大混乱に

(情報:THE ANSWER)

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 米大リーグ・エンゼルスからフリーエージェント(FA)となっている大谷翔平投手について、早ければ日本時間9日にも来季所属先を決めると米記者が報道。その後はX(旧ツイッター)上で情報が錯綜し、ネット上も大混乱に陥った。中には「ユウセイ・キクチがロジャース・センター近くの寿司レストランを予約」と言った突飛なものもあり、搭乗が噂されたプライベートジェットに乗っていた別人が否定するなど約10時間で日米に困惑が広がった。

 

 事の発端は日本時間8日夜、MLBネットワークのジョン・モロシ記者が「(来季所属先の)決断が差し迫っており、早ければ今日(同9日)の可能性もある」とX(旧ツイッター)に投稿。出演したMLBネットワーク内でも「最終グループにはブルージェイズ、ドジャースが関与していると考えています」などと候補について伝えていた。

 

 この後、ネット上は様々な憶測も飛び交う大混乱に発展した。「ブルージェイズに移籍決定」の情報を報じる米記者もいたが、米紙「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者らは「ショウヘイ・オオタニはトロントにいない」「オオタニは南カリフォルニアの自宅にいる」と報道。今、大谷がどこにいるのかを巡り情報が飛び交った。

 

 ロサンゼルスからトロントに向かうプライベートジェットに大谷が乗っているのではないかとの情報があり、そのフライトレーダーが異例の大注目を集めた。しかし、カナダ公共放送「CBC」のレポーター、デビン・ハーロウ氏が自身のXで「実際はカナダ人の実業家ロバート・ハージャベックと彼の家族を乗せたものだった」と別人であったと伝え、ハージャベック氏もインスタグラムで「私はショウヘイ・オオタニではないし、彼は今日、私の飛行機には乗っていなかった!」と認めた。

 

 カナダのスポーツメディアアナリストのアダム・シーボーン氏は、X(旧ツイッター)で「午後6時に記者会見」と投稿。大谷とブルージェイズの名前と握手の絵文字も記し、入団発表であることを匂わせたが別の投稿で「これは間違っているようだ!」と訂正した。

 

 ファンを惑わせたのはメディア関係者の投稿だけではない。カナダのオペラ歌手を名乗るクラレンス・フレイザーはXで「今夜ユウセイ・キクチはロジャースセンターの近くの高級寿司レストラン全体を予約している。予約は50人以上となっている」と投稿。ブルージェイズに所属する花巻東高の先輩・菊池雄星の名前を使ったジョークの投稿だったとみられるが、日米のファンが注目する事態になっていた。

 

 モロシ記者の投稿から約10時間。結局大谷の来季所属球団は発表されることなく、多くのファンが振り回される結果となった。

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◆ 大谷、大捜査線~ユニコーンはどこにいる?~日米加メディアの情報錯乱騒動を振り返る #専門家のまとめ

三尾圭氏/スポナビ)

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フリーエージェントとなり、その行き先が注目される大谷翔平。

 12月8日(日本時間9日)には、トロント・ブルージェイズ入りが濃厚との噂が飛び交い、大谷が専用機でトロントに向かったとの報道されたが、複数の別の記者から大谷は南カリフォルニアの自宅にいるとの報道が出た。日本、アメリカ、カナダ3国のテレビ局や新聞社などのメディア、そしてファンまで巻き込んだ大騒動となったが、期待されたビッグニュースはなにも報じられなかった。

 

 現地8日にどのような報道があったのかを振り返ってみる。

 

▼発端はMLBネットワークのモロシ記者のレポート

 

大谷翔平の決断は目前に迫っている(MLBネットワーク)

「今日は歴史的な日になるかもしれない。大谷翔平の決断は目前に迫っている。早ければ、今日決める」とMLBネットワークのジョン・モロシ記者がレポート。MLBネットワークは、MLBが過半数以上の株を持つMLB専門テレビ局であり、その情報は信頼性が高い。モロシ記者は「どこのチームになるかはまだ分かってないが、ここ数日の間にブルージェイズが急浮上している」と付け加えた。

 

▼ジェイズ・ファンの航空マニアがアナハイムからトロント行きの専用機の存在を発見

 

朝9時発のアナハイムからトロント行きの専用機を発見(JB)

「(現地8日)午前9時発のアナハイム(近郊のジョン・ウェイン空港)からトロント行きのプライベート・ジェットが突然出てきた」と#Ohtaniと#BlueJaysのハッシュタグを付けてXで呟いた。

 投稿者本人もこの専用機に大谷が乗る確証はなく、ただの偶然かもしれないと追加で呟いている。

 

 「大谷を乗せたかも、乗せてないかもしれないプライベート・ジェットがサンタアナ(ジョン・ウェイン空港)を出発して、トロントに向かっている」と呟いたトロントのスポーツキャスターがMLBネットワークにゲスト出演。このキャスターは、これが初のMLBネットワーク出演だった。

 

▼モロシ記者が「大谷はトロントに向かっている」と報道

 

大谷はトロントに向かっている最中だ(ジョン・モロシ記者)

カリフォルニア時間の午後1時過ぎに、モロシ記者が「大谷翔平はトロントに向かっている最中だ。代理人事務所のCAAに大谷の旅程を尋ねたが、ノーコメントだった。現時点では、まだ大谷はどの球団とも契約していない」とXに投稿。

 

▼複数の大物記者がモロシ記者の報道を否定

 

大谷はトロントではなく南カリフォルニアの自宅にいる(ボブ・ナイチンゲール記者)

筆者と同じUSAトゥディに所属するベテラン大物記者のボブ・ナイチンゲール氏が、「大谷翔平はトロントにはいない。大谷翔平はトロント行きの飛行機にも乗っていない。大谷翔平は南カリフォルニアの自宅にいる」と反論。ニューヨーク・ポスト紙のジョン・ヘイマン記者やオレンジ・カウンティ・レジスター紙でエンゼルス番を務め、大谷に関する本も執筆したジェフ・フレッチャー記者など多くの記者が大谷は南カリフォルニアにいると報じた。

 

▼コンビニ大好きカナダ人記者がトロントに到着した専用機を取材

 

 東京五輪で日本を訪れて、日本のコンビニの虜となり日本でも有名になったCBCのデビン・ハーロウ記者が、大谷が乗っているかもと話題になったプライベート・チャーター便がトロント空港に到着したところを直撃取材。

 飛行機には大谷は乗っておらず、カナダ人ビジネスマンのロバート・ハージャベック氏が乗っていた。そのハージャベック氏は、自身のSNSに「ブルージェイズと契約した!」とのジョークを投稿。

 

▼選手会公認アパレル会社が専用機パロディTシャツを緊急販売

 

 MLB選手会公認アパレル会社の『RotoWear』が1万5000人以上が追跡したサンタアナからトロントのチャータージェット便をモチーフにしたパロディTシャツを緊急販売。騒動当日に販売するというスピード感に、アメリカ人のジョークに対する熱意が感じられる。

 

 当初はウインターミーティングが終わるまでには大谷の去就が発表されると思われていたが、現地7日にウインターミーティングは終わったが、大谷の動きは謎に包まれたままである。

 このまま急浮上したブルージェイズと契約するのか、当初から大本命と言われるロサンゼルス・ドジャースに決めるのか、エンゼルスと再契約するのか、それとも予想外のチームを選ぶのか?

 大谷側がなにも情報を出さず、球団側も口を閉じているだけに、正確な情報を掴むのが難しく、今回のような「大山鳴動して鼠一匹」的な騒動が生まれてきてしまう。果たして、『ネズミ』はキーワードとなるのだろうか?

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 ■ NOTE