2023年11月20日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ 米スポーツサイトのブリーチャーリポートは19日(日本時間20日)に「大谷翔平を獲得する大リーグ全30球団の可能性ランキング」というタイトルで各球団のランキングを発表した。

 

1位 ドジャース:

2位 レンジャーズ:

3位 レッドソックス:

 同サイトは大谷とレッドソックスをつなぐものとして「少なくとも一つの共通点がある。フェンウェイ・パークへの愛である」と指摘。その理由としてかつて「大谷がボストンを訪れ、フェンウェイ・パークで投げることに好感を持っていると公言した」ことと、「ボストンに本社があるニューバランス社と契約しているというビジネス上のつながりがある」ことを挙げた。だが、「仮に資金があったとしても、レッドソックスに必要なのは即戦力の投手であって、守備面での価値がないもう一人の左打者ではない。大谷はこの4年で3度目の最下位に終わったばかりのチームに本当に入りたいのだろうか?」と疑問を投げかけた。

4位 ジャイアンツ:

5位 カブス:

6位 ブルージェイズ:

 

 同サイトは「ブランドン・ベルトが再びFAになり、左打者のDHのスポットが空いた。大谷はその穴を埋める最高の選手」で、複数の有力記者が「ブルージェイズは何か大きなことをしたい、と聞いている」と伝えたことを紹介。一方、資金的には「疑わしい」とバッサリ。「24年(のチーム総年俸予想額)は2億500万ドル(約306億7000万円)で、23年より1100万ドル(約16億4500万円)少ないだけだ」と指摘した。

7位メッツ:

8位ヤンキース:

9位マリナーズ:

10位がエンゼルス:

 

 「9年間プレーオフに出ていない」「ファームシステムは破綻している」と酷評している。下位を見てみると28位がロイヤルズ、29位はパイレーツ、30位がアスレチックスだった。 

 

◯ エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは19日(日本時間20日)、ア・リーグMVPに輝いた大谷に賛辞を送った。MLBネットワークのラジオ番組「SiriusXM」に出演し、MVPの発表後、初めて公の場で口を開いた。

 

「私がここに来て最も重要視したことの1つは、彼(大谷)の起用法を変えることだった。批判するつもりはないけど、前政権(エプラー前GM)はルールを設けていた。投げた翌日には出場しないとか。投げる前日には打たないとか」

「ネズ(バレロ代理人)といい関係を築くことができた。日本時代に慣れた(起用をする)ことがとても大事だと思った。制限をかけない、私のビジョンを彼に伝えた。(球界には)制限が多い。なので、スプリングトレーニングの初日に話し合ったんだ。プランを説明したら、彼は賛同してくれた」


「でも、活躍は(大谷の)功績だ。彼がフィールドでプレーするからだ。何度も言うけど、この3年間は素晴らしかった。MVPは称賛に値する」

 

◯ 前田健太投手は19日、日本テレビの番組「Going!Sports&News」にインタビュー出演し、自身の手術と大谷の右肘手術について語った。

「ハイブリッド手術は、リハビリ過程とリスクは(従来の手術と)同じで、良い方としては人工じん帯を入れた方がもう一度切れるリスクはやっぱり減る。

 (人工物が体内に入ることについては)手術後、補強が普通のじん帯よりも強くギュッとしているので、 ちょっと伸びづらいとかが最初はあるんですけど。そこまで違和感はないです。

 (大谷について)これからトミー・ジョン手術をする選手は、みんなハイブリッドを選んでいくと思います。大谷選手も2度目のトミー・ジョン手術なので、ハイブリッド手術をして、もう1度切れないように補強する方がベストなのかな。

 (実際に手術をして)あまり大変じゃなかったです。リハビリをちゃんとすればいい姿で戻れると思ったので、辛いとも思わなかった」

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 【MLB】目立った動きが少ない今オフの移籍市場 ある球団幹部は「大きなドミノ倒しが必要だ」と語る

(情報:MLBジャパン)

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 ワールドシリーズが終了して半月以上が経過しているが、今オフは移籍市場の動きが非常に遅い。MLB公式サイトのマーク・フェインサンド記者は「フィリーズがアーロン・ノラと7年1億7200万ドルで再契約するまで、意味のある契約はほとんどなかった。アンソニー・リゾ、タイラー・アンダーソン、ラファエル・モンテロ、ホセ・アブレイユらが早々に複数年契約を結んだ1年前と対照的だ」と記している。大谷翔平がトップに君臨する今オフの移籍市場は、どのタイミングで本格的に動き出すのだろうか。

 フェインサンド記者は今オフの移籍市場を「トップ・ヘビー」と表現している。強打者(大谷翔平)、先発投手(山本由伸)、救援投手(ジョシュ・ヘイダー)、外野手(コディ・ベリンジャー)など、各部門でトップ選手が明確なのだ。あるナ・リーグの球団幹部は「多くのFA選手はそうしたトップ選手たちが契約するのを待とうとする。多くのチームのプランBになる可能性があるからだ」と指摘。トップ選手の移籍が決まらない限り、多くのFA選手の契約は決まらないというわけだ。

 別のナ・リーグの球団幹部は「大きなドミノ倒しが必要だと思う」との見解を示した。つまり、移籍市場が大きく動き始めるためには、トップ選手の誰かが先陣を切ってドミノを倒す(=契約先を決める)必要があるということ。大谷の契約が決まらなければ、J・D・マルティネスの契約は決まらないし、山本の契約が決まらなければ、前田健太や今永昇太の契約も決まらないだろう。移籍市場がほとんど動かないあいだに、63人の選手がノンテンダーで新たにFAとなり、移籍市場は混雑度を増している。

 あるア・リーグの球団幹部は「ルール5ドラフトのプロテクト期限やノンテンダー・デッドラインのタイミングでトレードが少なかったことに驚いた。ひょっとすると、かなり多くのチームが戦力アップを目指しているか、何か大きな動きをしようとしているのかもしれない」との見解を示している。戦力アップを目指すチームは、まずトップ選手をターゲットとし、プランB、プランCと徐々にターゲットのグレードを下げていく。トップ選手が移籍先を決めなければ、各チームは動きようがないのだ。

 残念ながらフィリーズのノラとの再契約は、ドミノ倒しの起点にはなりそうにない。最初のドミノを倒すのは、やはり大谷なのかもしれない。

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◆ ここ3年の合計本塁打ランキング。1位はアーロン・ジャッジ、4位は大谷翔平。2位と3位は誰と誰!?

宇根夏樹氏/情報:スポナビ)

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 2021年以降の3シーズンに、大谷翔平(現FA)は、124本のホームランを打った。このスパンのホームランが大谷より多かった選手は、3人しかいない。138本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と127本塁打のマット・オルソン(現アトランタ・ブレーブス)に、125本塁打のカイル・シュワーバー(現フィラデルフィア・フィリーズ)だ。

 

 

 大谷に次ぐ、123本塁打のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)を含め、2位から5位までの4人の本数は、ほとんど変わらない。1シーズンの平均は42.3~41.0本塁打。1位のジャッジが平均46.0本塁打で、6位以降は平均36.0本以下だ。

 トップ5に位置する選手は、ここ3シーズンとは限らないものの、いずれも本塁打王を獲得している。ジャッジは、2017年(52本)と2022年(62本)の2度。あと4人の本塁打王は、オルソンが2023年(54本)、シュワーバーが2022年(46本)、大谷が2023年(44本)、アロンゾは2019年(53本)だ。ここ3シーズンに108本塁打のオースティン・ライリー(ブレーブス)は、本塁打王を獲得したことのない選手のなかでは、このスパンに最も多くのホームランを打った、ということになる。

 また、ここ3シーズンに85本塁打以上の21人中、ホームラン1本当たりの打数は、こちらも10.8打数のジャッジが最少だが、2位以下の順位は、本数と同じではない。2位から5位には、12.5打数/本のシュワーバー、13.1打数/本の大谷、14.0打数/本のヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)、14.0打数/本のアロンゾが並ぶ。アルバレスの打数は、アロンゾよりわずかに少ない。

 3シーズン続けて30本塁打以上は7人。合計本数のトップ6と、8位(101本)のアルバレスがそうだ。20位タイ(89本)の2人のうち、カイル・タッカー(アストロズ)は、3シーズン連続30本塁打に1本足りなかった。30本、30本、29本だ。

 2021~22年のタッカーのように、2シーズン続けて30本以上のホームランを打ち、その本数がまったく同じだった選手については、こちらで書いた。

◆「過去2年に続き、今年も30本塁打ちょうどなら「3年続けてまったく同じ本数」は何人目!? 現在26本」

 なお、ここ3シーズンにおける、ホームラン以外のトップ2は、安打が590本のフレディ・フリーマン(現ロサンゼルス・ドジャース)と559本のトレイ・ターナー(現フィリーズ)、単打が394本のルイス・アライズ(現マイアミ・マーリンズ)と374本のボー・ビシェット(トロント・ブルージェイズ)、二塁打が131本のフリーマンと113本のラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)、三塁打は23本のアーメッド・ロザリオ(現FA)と22本の大谷だ。

 日本プロ野球でここ3シーズンのホームランが多かった選手については、こちらで書いた。

◆「ここ3年の合計本塁打ランキング。トップ2は126本の村上宗隆と110本の岡本和真。彼らに次ぐ3位は…」

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◆ 彼はいかにして“大谷翔平”になったのか?功績と素顔に迫る映画『Shohei Ohtani - Beyond the Dream』をレビュー

山崎伸子氏/情報:MOVIE WALKER)

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野球界において道なき道を進み、いまや世界のスーパースターとなった“二刀流”のメジャーリーガー、大谷翔平選手。折しも、米大リーグで史上初となった、2度目の満票選出によるMVPを獲得したばかりである。そんな大谷選手に密着したドキュメンタリー映画『Shohei Ohtani - Beyond the Dream』が、ディズニープラスで独占配信中だ。大谷選手自身と、彼を語るうえで欠かせないスター選手や名監督、代理人などの独占インタビューや記録映像から構成される本作を観ると、大谷選手がなぜ、唯一無二の存在として輝き続けられるのか、そのヒントのようなものが見えてくる。

メガホンをとったのは、ロサンゼルスを拠点とする映像監督、時川徹。英語版のナレーションを、米野球殿堂入りした元レッドソックスのペドロ・マルティネスが、日本語版を、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜が担当する。大谷選手について語る出演者は、この2人をはじめ、パドレスのダルビッシュ有選手、元ヤンキースのCC・サバシア選手、日本ハムと侍ジャパン元監督の栗山英樹、元エンゼルス監督のマイク・ソーシアとジョー・マドン、代理人のネズ・バレロらだ。

前代未聞の二刀流選手として、数々のMLB記録を塗り替え、侍ジャパンのWBC優勝にも貢献した大谷選手。人は彼を「ユニコーン」「ベーブ・ルースの再来」と称賛してきたが、なぜここまでの成績を収めることができたのだろうか?それは持って生まれた天賦の才だけではなく、大谷自身が置かれた環境や人との出会いが大きかったことが、映像を観てわかってきた。

※本記事は、本編の核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

■「なりたい大人」は「普通の人」と書き記した小学1年生の大谷

まずは、スタート時点から注目していきたい。大谷選手がここまで多くの人に憧れられ、愛されてきたのは、文句なしの成績に加え、謙虚で穏やかな人柄によるところも大きい。どんなにすばらしいタイトルを獲得しても、彼は決して浮き足立つことはなく、いつもフラットに受け止めてきた。熱い情熱をあらわにすることも実にまれであり、まるで極めて高温の青い炎を出すバーナーを内に秘めているようだ。

大谷選手の功績はもちろん、人となりを称えるマルティネスは、「成功を支えたのは、偉大な両親です。大谷選手をここまでの努力家に育てました」と大谷の両親を称える。実際に大谷選手の両親に接してきた栗山監督も、彼らの愛情深さを口にしたうえで「余計なことを言いすぎず、常に彼に判断させる」とその懐の深さについて語っていた。確かに大谷選手が何事においても自分自身がジャッジを下すという決断力は、どうやら幼少期から培われていたものらしい。

本作では、大谷選手自身がまだあどけない野球少年だったころについても振り返っている。なかでも小学校1年生の時、「なりたい大人」について「普通の人」と書き残している点が実にユニークだ。その年齢ですでに悟りの境地に達していたのかといえば、そうではないよう。

これについて栗山監督は「小学校1年生の時から謙虚さというか、大げさに言うよりは、行動で示すと。そう教えてきた両親がすごい」と、マルティネスも「彼は間違いなく特別だ」と感心する。しかし、大谷自身は一切、天狗になることもなく「ちょっと大きめの普通の小学生でした」と微笑みながらコメント。まさに大谷の人柄を物語るワンシーンだった。

■松井秀喜やマルティネスも感嘆!大谷選手が高校1年生で描いた夢チャートとは?

本作では、メジャーリーガーになる前の高校球児だった時代の大谷にもスポットを当てている。そのころの大谷が、いかに未来を見据えていたかは、彼が高校1年生の時に書いたという自分の夢を書いたチャートからうかがい知れる。一番中央に書かれた目標は「8球団からドラフト1位」で、そのために必要な要素として、体作り、メンタル、コントロールなど8つの項目を挙げており、さらにそれらを実行するにあたって必要な要素を書き込んでいる。

これを目にすれば、一般人が仰天するのはもちろんだが、その道のプロであるマルティネスや、松井も大いに感銘を受けていた。大谷本人はというと、大いに照れて「押入れに隠したい」とはにかむ。こういった大谷選手のチャーミングな表情も、これまた観る者を惹きつける。

また、大谷は「最初が大事なのかなと。書いて目にするのは単純だけど効果的だ」とも語っているので、そこはぜひ、大谷の背中を追っていくであろう高校野球児たちも、ぜひ参考にしてみてほしい。

そんな確固たる未来予想図を描いた大谷選手は、1つずつ地道にチャートの目標をこなしていき、そのまま夢を実現した。とはいえ、それは大谷が闊歩する大きな夢への一里塚に過ぎない。CC・サバシアも大谷を心からリスペクトし「実際に行動するというのは誰にでもできることではない」とうなる。

一事が万事なのだが、大谷が歩む野球道には、まったくぶれがない。清々しいほど真っ直ぐで、ある意味とても愚直で、だからこそ美しい。二刀流という、誰も持っていなかったような最強の武器を手に入れた大谷だが、それは一朝一夕で作り上げたものではなく、普段の生活そのものの積み重ねなんだということを、大いに納得させられた。

■すべての人が何百年も憧れていくであろう大谷の野球道

本作では、大谷選手がこれまで歩んできた野球道においてハイライトとなる名シーンが数多くちりばめられている。なんといっても、彼は100年越しの記録を打ち立てる選手だから、その活躍ぶりは枚挙にいとまがない。それらは何度も観ているはずなのに、観る度に胸熱になってしまう。記憶に新しいWBCでのハイライトといえば、もはや野球漫画を超えたと称賛された、大谷翔平選手VSマイク・トラウト選手という、エンゼルスのチームメイト対決だ。侍ジャパンが3-2とリードした9回表に登板した大谷が見事、トラウトを三振に打ち取る。これはできすぎだった!これ以上のドラマを誰が予想しただろうか?

劇中には、大谷が二刀流の道を選ぶにあたってのやりとりから、メジャーリーガーとなって以降の道のりについて、いまだから明かせるといった関係者たちの秘話もたくさん入っている。加えて、大谷が当時は口にしなかったという本音などを告白するシーンもあり、まさにファン垂涎の内容となっている。

繰り返すが、大谷はまだここからさらなる高みを目指していく。いまはまだ“途上”なのだ。二刀流の大谷選手にとって、育ての親とも言える栗山監督は、大谷選手について「“求道者”とは言わないけど、すべての人がこれから何百年も憧れる道を彼は歩んでいる」と興奮しながら語っている。本当にそのとおりだと思うが、特筆すべき点は、大谷は冒険することを決して恐れないチャレンジャーであることだろう。ダルビッシュ選手も「僕よりも大谷選手のほうが怖がらずにいろんなことができる」と太鼓判を押すが、そこがなんとも頼もしいのだ。

大谷自身は、二刀流の道を選んだことについて「なにが正解だったのか。自分が決断したことが正解だ、としか言えない」と語っていたが、確かにそこに尽きると思う。言うなれば、その答えは過去にあるのではなく、未来に託されているのだから。

『Shohei Ohtani - Beyond the Dream』というタイトルがすごくいい。すでにアメリカンドリームを実現させた大谷だが、彼の目線はさらにその向こう側を見つめている。とにかく、大谷選手を見ていると、ワクワクが止まらないし、その行動は多くのものを語りかけてくれる。だからこそ、本作は野球ファンだけではなく、いまを必死に生きているすべての方に観ていただきたい。

文/山崎伸子

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