2023年11月13日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ MLB公式サイトは、元レッズ、ナショナルズでGM職に計16年就き、現在はスポーツ報道サイトの「ジ・アスレチック」で記者をしているジム・ボーデン氏が12日(日本時間13日)、MLBネットワークラジオでレンジャーズが有力候補になる可能性を示唆したと報じた。ボーデン氏は「ドジャースやマリナーズと並んでレンジャーズが彼を獲得する最良のチャンスを持っていると信じている」と語った。同氏は大谷の球団選びについて「勝つことがすべての最優先事項であることは明らか」と指摘。「最も多くの金が必要なのではない。ワールドシリーズの大舞台で最も多くのチャンスを得ることだ」と話した。

 

 ジャイアンツの地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」が先週、「たとえ最終契約が5億ドル(約750億円)を超えたとしても、大幅に支払う用意がある」と力強く獲得に乗り出すと報じた。これでマネー合戦の様相がより鮮明になってきているが、ジャイアンツは2023年に79勝83敗で、勝率5割を割ったのは過去7年間で6回目と低迷している。ジ軍への移籍では、2014年以来ポストシーズン出場から遠ざかっているエンゼルスに残留するのと変わらないものになるため、ボーデン氏は疑問視する。「ジャイアンツの勝利への道は見えない。ドジャースもそのリスト(勝てるチームのリスト)に入ると思っていたが、今になって、彼らの長期的な投手陣について多くの疑問を持っている」と付け加えた。

 

◯ USAトゥディ紙のボブ・ナイチンゲール記者が、大谷翔平のネズ・バレロ代理人は7日から9日のGM会議期間中に彼を探し回っていた150人のメディアの目を避けるべく、会場のホテルとは違うホテルに宿泊、そこでメジャー球団と会う期間を持ったと報じている。そしてGM会議はどのチームもバレロ代理人に会ったとメディアに明かさないまま終了している。7日夜(日本時間8日)は、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMも、GM会議の会場から約3キロ離れたレストラン「ステーキ44」での夕食会にロン・ワシントン氏を招待、アート・モレノオーナーと話す機会を作った。2時間の食事が済む前には、ワシントンが新監督になることがほぼ決まり、翌朝、モレノオーナーが正式に承認したそうだ。

 

◯ 大谷について、野球解説者の高橋由伸氏が日本テレビ『Going! Sports&News』で、移籍先に選ぶポイントを解説。同氏は「来年は手術から回復・復帰に関わる1年ですから、気候的にも温暖で安定している地域が理想。そうなるとロサンゼルス(にある球団)になるかなと思う」と解説。また「回復を優先させるのであればエンゼルス。自分のペースでできるというところはベストなのかなと思う。それでも、勝ちたい思いが強いと仰っていますから」と大谷選手の勝利への思いに触れ、回復にプラスな温暖な気候と、優勝争いに絡めるとして「ドジャース」の名前を最終的に挙げました。

 

◯ MLB公式サイトは12日(日本時間13日)、FA選手95人を5つのランクに分類した特集を公開し、大谷翔平が唯一、最高ランクの「ティア1」に入った。マーク・フェインサイド記者は「少し異例かもしれないが、オオタニを単独のティアとした。25年まで投げることはできないが、24年は打線にインパクトを与える」と説明。山本由伸はコディ・ベリンジャー、マット・チャプマンらとともに「ティア2」に入った。

 

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 ■ ロサンゼルス・エンゼルス情報

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◯ 米全国紙「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者によると、エンゼルスはホワイトソックスからオプションを破棄されてFAとなったティム・アンダーソンに「強い関心」を示しているようだ。キャリアのほとんどを遊撃手としてプレーしてきたアンダーソンだが、二塁転向に前向きな姿勢を見せており、エンゼルスは二塁手として獲得するつもりだとみられる。2019年にタイトルを獲得した元首位打者はエンゼルスに加わることになるのだろうか。

 

◯ アストロズからFAとなったベテラン捕手のマーティン・マルドナド(37)に複数のチームが関心を示しているという。トレードルーモアが報じた。プエルトリコ出身のマルドナドはエンゼルス時代に大谷翔平投手の女房役を務め、18年途中にアストロズへ移籍。その後、ロイヤルズ、カブスにも移ったが、19年途中にアストロズへ戻るとその後正捕手としてチームを支え、22年にはワールドシリーズ制覇を果たした。ただアストロズは来季、若手有望株のヤイネル・ディアスを正捕手に据える方針だと伝えられており、マルドナドは今季終了後にFAとなった。MLB公式サイトのマーク・フェインサンド記者によると、そんなマルドナドに対して、「4~5球団」が関心を寄せているという。

 

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 ■ 球界情報

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◯ ポスティングシステムでのメジャー挑戦を目指すDeNA今永昇太投手(30)が13日、横浜スタジアムで会見した。今季エンゼルスで本塁打王を獲得した大谷について問われると「バッターとしては、日本時代も対戦したことがないので、ホームラン王を獲得してる選手なので、そういう選手に投げたいと思います」と心待ちしたい。

 

◯ オリオールズFAの藤浪晋太郎投手が13日、カンテレ「newsランナー」に生出演。親交が深い服部優陽アナウンサー(30)と共演。服部アナウンサーが撮影した動画内でメジャー1年目の点数を問われ「100点じゃない? いろんな経験をできたという意味で。そもそもアメリカに来た時点で人生としては成功だと思うし、いい経験ができている」と語った。帰国後は真っ先に実家で母特製のロールキャベツを満喫したことを明かし「おいしかったです」。外食では「王将(餃子の王将)を食べにいきたくて。ギョーザとビールだけで腹いっぱいにするという…。全然バレなかったです。最高でした」と照れ笑いした。米国では遠征先の必需品として組み立て式のバスタブを愛用していることも明かした。

 

古巣のタイガースのリーグ優勝、日本一をあらためて祝福するとともに「もしタイガースに残っていても、中継ぎでも先発でもビールかけの輪にはいなかったんじゃないかなと思います」と投手陣の層の厚さを表現した。出演者から将来的なタイガース復帰について問われると「タイガースが必要としてくれるなら。好きなチームなんで戻りたい気持ちもありますし。でも代理人的にはあまりそういうことは言わないでくれと言われてる」と苦笑いを浮かべていた。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平移籍有力候補のドジャース、金で選手を集めるやり方とは完全に一線を画す『獲得へのキーマン』の哲学【番記者が見た】

阿部太郎氏/情報:中日スポーツ)

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 エンゼルスからFAとなった大谷翔平の移籍先の有力候補に挙がるのが、ドジャースだ。そして、名門の編成トップを担う責任者がアンドリュー・フリードマン編成本部長(46)。大谷獲得のキーマンだ。

 

 フリードマンがレイズからドジャースに引き抜かれ、2014年10月に入団してから、チームは一度もプレーオフを逃していない「常勝軍団」になった。だが、金で選手を集めるやり方とは完全に一線を画す。

 

 フリードマンを長年取材する記者の一人は「彼は賭けに出るタイプではないし、非常識なことはしない。少し臆病なのかもしれない。エンゼルスとは違う」と印象を語った。長期契約をあまり好まず、シーガーやターナーら球団でスターとなった選手も、他球団に流出させている。

 

 それは今のドジャースの編成を見てもわかる。チームの1番の稼ぎ頭ベッツとは2021年に12年総額3億6500万ドル(約550億円)とメジャー史上2位の契約を結んだが、その他の大型契約はフリーマンの6年1億6200万ドル(約245億円)ぐらい。この2つの契約でさえ、球界では「お買い得だ」と見られている。

 

 以前、フリードマンは「再建のためにFA市場にいかなければいけないのなら、それは健全なビジネスモデルではない」と話していた。FA市場の「マネーゲーム」を避け、マイナー組織を充実させ、データ部門の人数を増やして拡充させながら戦力を整えてきた。

 

 ある記者は「彼はウォールストリート出身で、投資銀行からレイズに入った。それも影響していると思う」と話した。特にレイズは小さなマーケットで予算は限られる。お金がかからずに優秀な人材を集めることが求められる。

 

 ただ、今回の大谷のFAに関しては史上最大と言われる5億ドル(約750億円)が想定されている。フリードマンがどの程度まで金額で争うのか。大谷の場合、獲得すれば、スポンサーなどから球団に入ってくるお金も多く、フリードマンはその辺を抜かりなく計算していると言われる。今オフ、マーケティングのプロを他社から引き抜き、グローバル・パートナーシップ担当本部長に据えた。

 

 テキサス州ヒューストン出身。父は弁護士でアストロズと関係が深く、毎日のようにアストロズの球場に通っていたという。自身も学生時代、野球選手だった。ウォール・ストリートに行ったのも、メジャーにいく人脈づくりという話もある。そんな「根っからの野球好き」が、スーパースターの大谷をどう口説き落とすのか。「お金」の側面より、入ってからの入念なビジョンに時間を費やしそうだ。(阿部太郎)

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◆ ドジャースが大谷獲得に適する5つの理由 MLB公式サイトが特集 「このために準備してきた」

(情報:MLBジャパン)

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 日本時間11月13日、MLB公式サイトのトーマス・ハリガン記者は「ドジャースが大谷翔平の獲得に適する5つの理由」を紹介する特集記事を公開した。ドジャース移籍を有力視されている大谷だが、ハリガン記者はその理由として「ハリウッドと大谷が完璧な組み合わせであること」、「ドジャースには今勝てる最高のチャンスがあること」、「ドジャースが大型補強に動くつもりであること」、「ワールドシリーズ制覇が急務であること」、そして「大谷獲得のために準備を重ねてきたこと」を挙げた。

 

【1】ハリウッドと大谷が完璧な組み合わせであること

 ハリガン記者は「MLBの最大のスターは大都市に所属するものであり、ハリウッドほどスーパースターに相応しい場所はない」とコメント。「大谷は何があっても興行収入を集める選手になるだろうが、大都市の人気球団でプレーすることにより、フィールド内外での影響力が増幅される。大谷は南カリフォルニアでの生活を気に入っており、新しい環境への適応という面では何の心配もない」とスーパースターの大谷が大都市のロサンゼルスにフィットすると主張した。

 

【2】ドジャースには今勝てる最高のチャンスがあること

 ハリガン記者は「大谷はメジャーで2871打席に立ち、投手として1951人の打者と対戦しているが、1度もポストシーズンに出場していない」とデータを紹介。「野球ファンとしては、何か特別なものを奪われているような気がする。大谷は29歳のシーズンを迎えるが、大谷が10月の舞台でプレーするのをこれ以上待ちたくない」と1人の野球ファンとして願望を述べた。そして「ドジャースは11年連続でポストシーズンに出場し、うち10度は地区優勝している。来季もワールドシリーズ制覇の有力候補だろう」と勝利を求める大谷にフィットするチームであることを強調した。

 

【3】ドジャースが大型補強に動くつもりであること

 ドジャースは11年連続でポストシーズンに進出しているが、ワールドシリーズを制したのは2020年の1度だけ。2021年はリーグ優勝決定シリーズでブレーブス、2022年は地区シリーズでパドレス、そして今季は地区シリーズでダイヤモンドバックスに敗れた。ハリガン記者は「来季に向けてチームを改善する方法はいくつもあるが、ファンを再び活気づけるためには何か大きな補強が必要だろう」と指摘。「大谷獲得に匹敵する者はない」とした。

 

【4】ワールドシリーズ制覇が急務であること

 現在のドジャースのレギュラーシーズンにおける無双ぶりは、1991~2005年に14年連続地区優勝(ストライキの1994年は除く)を成し遂げたブレーブスを彷彿とさせる。しかし、現在のドジャースと同様に、当時のブレーブスもワールドシリーズは1995年の1度だけだった。ハリガン記者は「ドジャースはもう1度優勝し、当時のブレーブスと同様のチームとして語られることを避けなければならない。そのためには大谷獲得以上に必要なものはない」と主張した。

 

【5】大谷獲得のために準備を重ねてきたこと

 ドジャースは潤沢な資金力を持つチームであるにもかかわらず、コリー・シーガー、トレイ・ターナー、マックス・シャーザーといった大物選手たちを引き留めようとしなかった。昨オフの補強は1年契約とマイナー契約にこだわり、大きな出費を回避。2026年以降の契約を保証されている選手はムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンの2人だけである。ハリガン記者は「大谷獲得は1年以上前から契約されていたように見える。彼らのやってきたことすべてが大谷獲得につながっている」と指摘。先発投手陣に不安を抱えるドジャースだが、今さら大谷獲得のプランを変更するわけにはいかないというわけだ。「あとは大谷と契約を結ぶだけだ」とハリガン記者は自身の記事を締めくくった。

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◆ 「大谷が最優先するのは勝利」と米記者 ジャイアンツは苦戦必至、レンジャーズも有力候補に

(情報:MLBジャパン)

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 FA市場で総額5億ドルを超える大型契約を手にすることが予想されている大谷翔平だが、必ずしも最高額のオファーを提示したチームと契約するわけではないとみられている。米メディア「ジ・アスレチック」のジム・ボーデン記者は「大谷にとって何よりも重要なのは勝利だ」とリポート。「勝利が何よりも優先されるのは明らかだ。つまり、ワールドシリーズに最も多く出場できる可能性があるチームを選ぶことになるだろう」と大谷が移籍先を決める際に重要視するであろうポイントを予想した。

 

 ボーデン記者の予想通りに大谷が勝利を最優先に考えるのであれば、「大谷獲得に全力を注ぐ」と報じられているジャイアンツは不利な立場に置かれるだろう。地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」のジョン・シェイ記者は「ジャイアンツには資金力があり、5億ドル以上をオファーすることもできる」と報じているが、ジャイアンツは直近7年間で1度しかポストシーズンに進めておらず、それ以外のシーズンは勝率5割以下。勝利を優先する大谷の希望にはフィットしないチームと言える。極端なことは言えば、エンゼルスに残留するのとそれほど変わらない。それを踏まえ、ボーデン記者は「ジャイアンツが最高額を提示しても驚かないが、だからといってジャイアンツが最有力候補というわけではない」としている。

 

 ワールドシリーズ進出/制覇の可能性が最も高いチームという点では、やはり11年連続でポストシーズン進出を果たしているドジャースは非常に魅力的なチームだ。しかし、ボーデン記者は今後ドジャースの黄金期がいつまで続くかを疑問視。「ドジャースとマリナーズとともに、私はテキサス・レンジャーズが最有力候補の1つであると考えている」と球団史上初のワールドシリーズ制覇を成し遂げたばかりの今季王者を移籍先の有力候補に挙げた。

 

「私は勝利が重要だと考えており、ジャイアンツには勝利の道が見えない。ドジャースは安定して勝っているチームの1つだが、私はドジャースの長期的な投手力について疑問を持つようになった」とボーデン記者。黄金期は永遠に続くわけではなく、11年連続でポストシーズンに進んでいるドジャースの黄金期にもいつか終わりが来る。ボーデン記者は黄金期の終わりに差し掛かろうとしているように見えるドジャースよりも、これから黄金期を迎えるレンジャーズのほうが大谷の希望にフィットすると考えているのだろう。

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◆ 大谷翔平、2度目満票MVPならメジャー史上初!ボンズ、トラウトらも成し遂げられなかった偉業

福島良一氏/情報:日刊スポーツ)

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 2度目の満票MVPなるか?

 

 米大リーグは今週いよいよ表彰ウイークを迎え、全米野球記者協会(BBWAA)選出による各賞が次々と発表されます。大トリが16日(日本時間17日)のア、ナ両リーグMVP。エンゼルス大谷翔平投手(29)が2年ぶりのア・リーグMVPに輝き、しかも2度目の満票で選出されるか大いに注目が集まります。

 

 今シーズンは前半戦が終わった時点で早くも「MVP間違いなし!」の声も上がるほど圧倒的な活躍ぶりでした。すでに自身2度目のMVPは確実視されており、最大の焦点は30人の記者全員が大谷に1位票を入れるかに集まっています。

 

 2021年、大谷は投打の二刀流で野球の常識を変え、初のア・リーグMVPを受賞しました。日本人で01年イチロー(マリナーズ)以来20年ぶり2人目、二刀流プレーヤーとして初の受賞。また現行の記者投票制となった1931年以降では19人目の満票選出となり、大きな話題となりました。

 

 満票MVPは、21世紀に入ってからは02年バリー・ボンズ(ジャイアンツ)、09年アルバート・プホルス(カージナルス)、14年マイク・トラウト(エンゼルス)、15年ブライス・ハーパー(ナショナルズ)、そして21年大谷と5人しかいません。

 

 また、19人中15人がチームを優勝、10人がリーグ優勝、7人が世界一に導き、残る4人中3人もチームは2位ながら優勝争いに貢献しています。つまり21年大谷だけがチームは優勝戦線から遠ざかり4位、勝率5割未満でした。

 

 しかも1度のみならず、今年もエンゼルスは夏場までプレーオフ争いをしながら失速し、最後は4位で終了。勝率も5割を大きく下回る4割5分1厘でした。にもかかわらず大谷はMVPが確実視され、自身2度目の満票か、というとんでもなく高い評価。それぐらい大谷は、チームの成績を度外視しても、投打の二刀流として超越したパフォーマンスが評価される唯一無二の存在なのです。

 

 もし今シーズンも満票で選出されたら、メジャー史上初の満票MVPで2度選出された選手となります。これは史上最多の7度もMVPに輝いたボンズ、それに次ぐ3度受賞したアレックス・ロドリゲス(ヤンキース)、プホルス、トラウトといった10人の偉大なプレーヤーたちが誰も成し遂げられなかった偉業です。

 

 今回、大谷とともに最終候補にノミネートされたのは、レンジャーズのマーカス・セミエン二塁手、コーリー・シーガー遊撃手です。2人はチームの1、2番打者、また二遊間コンビとして7年ぶりのプレーオフ進出に大きく貢献しました。シーガーは大谷に次ぐ長打率とOPSを残し、セミエンは全162試合に出場し最多安打と最多得点を記録。特に、けがにより119試合の出場とはいえシーガーの活躍はインパクトが強く、不気味な存在になりそうです。

 

 また、地元テキサスの記者が2人、またはどちらかに1位票を入れたことにより、2人そろって他球団の候補者を押しのけて3位以内に入ったことも考えられます。なぜなら1位は14点、2位は9点、3位は8点と以下1点ずつ減少。1位票が入ると高得点につながりやすいからです。それでも、ア・リーグで大谷の活躍は群を抜いており、史上初となる2度目の満票MVPに期待したいものです。

 

 【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

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 ■ NOTE

 

ジム・ボーデン氏が、大谷の球団選びについて「勝つことがすべての最優先事項であることは明らか。最も多くの金が必要なのではない。ワールドシリーズの大舞台で最も多くのチャンスを得ることだ」と語って点。

 

そんなことは無いよなあ。

 

勝つことに貪欲なのは間違いないが、勝つことの成功を約束された可能性が最優先ではない、と思う。

 

メジャーへ挑戦する前、大谷は栗山監督に、「成功するとか成功しないとかは、自分にとってどっちでもいい。高いレベルで試してみたい」と語っていた。

 

ファイターズの新庄監督が、監督になる前に現役復帰を目指して本気で取り組んだ挑戦に、大谷は大賛辞のコメントを送っていた。

 

最高の挑戦ができる目標を見つけただけで、毎日がワクワク練習できる日々を過ごせて、それだけで、もう勝ちだと。成功するかしないかの結果は、後からついてくるものだと語っていた。

 

手段を選ばない、勝利優先ではないと思う。

 

その点で、中日スポーツ阿部太郎記者のコラムは、ドジャースを選ぶ理由の一つにはなるんじゃないかと思った。

 

阿部記者は、ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長がこれまで行ってきた取り組みを振り返り、以下の結論で締めている。

 

「『根っからの野球好き』が、スーパースターの大谷をどう口説き落とすのか。『お金』の側面より、入ってからの入念なビジョンに時間を費やしそうだ」

 

そこまで賢明なフリードマン氏なら、大谷の選択要件は把握しているはずだ。入念なビジョンとして、どんな青写真を語り大谷を口説いているのか、結末が楽しみだ。