2023年10月30日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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 ■ ロサンゼルス・エンゼルス情報

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◯ USAトゥディ紙のボブ・ナイチンゲール記者がトリー・ハンター元外野手(48)がエンゼルスの監督候補に浮上してきたと報じている。ハンター氏はツインズ、エンゼルスなどで活躍、オールスターに5度選出、ゴールドグラブ賞を9度獲得している。通算2452安打、353本塁打。08年から12年のエンゼルス時代はアート・モレノオーナーから、そのリーダーシップと野球の洞察力について高く評価されていた。他にも、元所属選手のダリン・アースタッド、ティム・サーモンについて話し合っていると言う。他に挙がっている候補者はメッツの前監督バック・ショーウォルター、レッドソックスとブルワーズの元監督ロン・レネキー、エンゼルスのコーチだったベンジー・ギルなど。

 

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 ■ 球界情報

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◯ 米大リーグ、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(49)が29日、ニューヨーク郊外で野球教室を開催。10歳から12歳の35人と交流した。降雨のため室内で開催され、恒例の柵越えのデモンストレーションはできなかったが、日本人と日系人を対象とした参加者に力強いティー打撃を披露した。11月5日には東京近郊でも野球教室開催が予定されている。松井さんとの一問一答は以下の通り。

――今日は日本人の子供が多かったが
「英語話さなくていいので楽ですね。普段も話してないですけど。でもこうやってニューヨークでね、頑張ってる日本人のお子さんを見ると、もうそれだけで応援したくなります」

――室内内だったので、通常より子供たちと近くで触れ合えた印象
「確かに距離感は近かったので、良かったと思いますね。ただ外だと開放的に、気持ちよくできるんですけどね。個人的にはね、フリーバッティングしなくてよかったんで、よかったなと思って(笑)。前にも言いましたけどもそろそろ(柵越えができるかどうか)怪しいんでね。また来年に持ち越しだなと、たぶん次は気がついたら(打球飛距離の出やすい)金属バット持っていると思う」

――来月は日本でも野球教室開催予定
「日本でやるのはそれはそれで楽しみです。間隔なしにアメリカと日本でやると、お子さんの気質の違いも、感じやすい」

――元ヤンキースで仲の良いデレク・ジーター氏は大谷がポストシーズンでプレーするのを見たいと言っていたが
「エンゼルスがプレーオフいけないと言っているようなもんじゃないですか、失礼ですよ(笑)。分からないですよ、やってみないと。たまたま過去何年かは行けてないかもしれないですけど。来年のことはわからない。もちろんそういう舞台で彼がプレーするところを皆さんで見たいでしょうけど、どこのチームに行けば(ポストシーズンでのプレーを)見られるって保証はどこにもない。こればっかりは本当に言えない」

――大谷はア・リーグのMVP受賞が確実視されている
「一日本人ファンとしてはそう見てますけど、でもそんなるんじゃないすか。勝手に予想してますけど。対抗馬は誰がいるんですか?」

――阿部新監督就任の巨人は来年どんなチームになると思うか
「もうずっとジャイアンツで指導者として何年かやってきているわけですから彼なりのいろいろアイデアなりね、構想を思ってるでしょう。その通りになることを願ってるだけです。、私は一OBとしてそれを応援するだけですし、もちろん彼と一緒にプレーした人間としても特別、応援したいと思います」

――阿部新監督と現役時代一緒に過ごした2年間で、彼が監督としていける要素を感じたか
「うん。感じましたね。全体的にまとめる力というか。僕がいたときは(若手で)下っぱだったけど、でも先輩にも遠慮することなくでも言えるのタイプの人間だと思いました。またキャッチャーというポジションで全体を見る、そういう目もあったと思います。そういう意味では、指導者としての適正みたいなそのときから何となく感じていました」

――ー日本の打者がより多く本塁打を打てるためにはどんな要素が必要か
「私が思うにやっぱり自分はホームランバッターになれると思ってそれを目指そうと自分で何かをする。そういうのを見つけていくしかないんじゃないすか。人のアドバイスを自分のものにするのは、難しいですよ。ずっとそれこそ付きっきりでやっても難しい。私も長嶋監督に、10年間見てもらいましたけど、やっぱり長嶋監督のようには打てなかった」

――2028年のロサンゼルス五輪で野球が復活する
「野球人はみんなうれしいと思う。オリンピックで野球があると。やっぱり世界的な大きな大会で排除されるのはやっぱ寂しいですよ。メジャーがどこまで本気でやるか、それは分からないですけど。でも(五輪の正式競技として)野球の競技があるだけも、野球にとってはね、大変意義があることだと思う」

――野球教室を継続するモチベーション
「自分が楽しいからやっているただそれだけ。子供と触れ合っていると楽しい。子供のためっていうのは半分以上の自分のためにやってるみたいな運動不足解消にもなりますしね。あとまだ自分が本塁打を打てる確認もできますし、でも次の日(体の筋肉が張って)バリバリですけどね」

 

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平の参加は? どうなる野球の五輪選手問題、IOCは最強チームが原則 サッカーはなぜ特例OK?

荻島弘一氏/情報:THE ANSWER)

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 28年ロサンゼルス五輪の追加競技に野球・ソフトボールが決まった。野球と五輪の付き合いは意外と古く、100年以上前の1912年ストックホルム大会から。公開競技、正式競技昇格と除外を経て、今回は追加競技として復活した。追加競技とは? 大谷翔平は参加するの? 将来的に野球は五輪で見られるの? 野球と五輪の不思議な関係から考える。全3回の第2回は大谷翔平らMLB選手が取りざたされる競技の出場選手問題。(文=荻島弘一)

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 今年3月、WBCで日本中が沸いた。その感動が残る中での28年ロサンゼルス五輪での野球復活。本場米国での開催だけに、大谷翔平らMLB選手の出場が取りざたされる。もっとも、期待するのは日本だけではない。トップ選手の出場を望むのは、IOCも同じだ。

 IOCは14年に採択した五輪の中長期改革案「アジェンダ2020」で「最も優れた選手の参加」を提言している。世界最高の大会にするためには、トッププロの出場が絶対的な条件。世界最高峰のプロ選手の出場なくして、五輪の成功はないともいえる。

 かつて、五輪は「アマチュアの大会」だった。「スポーツで何らかの報酬を得ること」を禁じ、プロ選手の参加を認めなかった。1972年の札幌冬季五輪では、スポンサー料を受け取ったスキー選手を追放。プロスポーツが発展する中、独自の路線を歩んでいた。

 IOCが五輪憲章から「アマチュア」の語句を外したのは74年。プロ参加の可否は各国際競技団体の判断に任され、80年代から次々とプロの参加が解禁された。選手のプロ化を理由に24年パリ大会を最後に除外されていたテニスも88年ソウル大会で復活した。

 92年バルセロナ大会では米国が初めてNBAのトップ選手で「ドリームチーム」を結成して、バスケットボール人気を高めた。しかし、同大会から正式競技となった野球のプロ解禁は他の競技より遅く2000年シドニー大会から。それでも米国はマイナーリーグ中心の選手編成。MLBの選手は最後の正式競技となった2008年北京大会まで参加することはなかった。

 

 問題なのは、五輪がシーズン中に行われること。シーズン開幕前のNBAとは事情が異なる。ロス大会で追加競技となったフラッグフットボールへの出場に意欲をみせるNFL選手もいるが、こちらも開幕前。サッカーもオフシーズン。野球だけがプロの公式戦と丸被りする。

 20年東京五輪では、日本のプロ野球が初めてシーズンを中断したが、過密日程の中で難しい判断だった。64年の東京大会の時はシーズンを前倒しし、3月上旬という異例の早期開幕。南海が阪神との初の関西ダービー(当時そんな言い方はしなかったが)を制して日本一になったのは、東京で五輪開会式が行われた10月10日の夜だった。

 日本以上に日程が過密なMLBでは、シーズンの中断は非現実的。1チームからの出場人数を制限しても、不公平感は残る。さらに、MLBは独自にWBCを開催し、こちらは「世界一決定戦」として成功している。五輪に協力する意味は希薄なようにも思える。

 IOCが求めるのは「最も優れた選手」の参加。20年東京五輪の追加競技を承認する16年のリオ総会でも「MLB選手は出るのか」「MLBの協力は」と、質問は野球に集中した。一括採決だったためにサーフィンなどとともに承認はされたが、IOC委員たちの「トップが参加しなければ、五輪では実施させない」という厳しい姿勢が印象的だった。

 中には「トップ選手」が全面的に参加していない競技もある。サッカーはすでにW杯があることからトッププロの参加を拒否。国際サッカー連盟(FIFA)とIOCは何度も衝突してきた。もっとも、野球と違うのは世界的に人気で、大きな収入源になること。1992年バルセロナ大会から、妥協案として「23歳以下」の制限付きでプロが全面解禁された。

 IOC側はあくまで「トップ選手」の参加を要求し「オーバーエージ枠」を提案。FIFAは当初反発していたが、結果的に普及のために女子競技を五輪で採用するのと引き換えに96年アトランタ大会から3人のオーバーエージを容認した経緯がある。特例となった背景には「意外とFIFAとIOCは仲がいい。話し合いが決裂すればどちらも困るんだよ」(小倉順二元FIFA理事)という一方的ではない力関係があった。

 

 では、IOCとMLBの関係はどうか。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のフラッカリ会長は「MLBからトップ選手の参加の確約を得ている。選手会も合意している」と話すが、MLBは五輪での採用を歓迎しながらも選手の参加には言及していない。シーズン問題、選手や球団への補償、選手への負担増など、参加へのハードルは決して低くない。

 もっとも、IOCは中長期的な改革案の中でトップ選手参加のために「プロリーグとの関係構築」も掲げている。1998年長野冬季大会で強引にスノーボードを採用した時、猛反発したプロ選手に辞退者が続出した苦い経験から、サーフィンやスケートボード採用時には既存のプロ組織と水面下で交渉を重ね、トップ選手の参加をとりつけてきた。

 今回もIOCとMLBの間で、何らかの話し合いはあったはず。MLBがこれまで通りに「五輪拒否」の姿勢をとり続けていれば、今回の復活はなかった。WBSCの言う通りにMLBトップ選手の参加はあるのか。シーズンは中断するのか。選手参加なら、どういう形をとるのか。いずれにしても、これまで以上に注目される五輪の野球競技になるはずだ。

(第3回へ続く)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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◆ メジャー本塁打王でもWBC大会MVPでも「世界一」ではない…大谷翔平が次々と記録を打ち立てる本当の理由

斎藤庸裕氏/情報:PRESIDENT Online)

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米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が記録的な活躍を続けられるのはなぜか。ロサンゼルス在住のスポーツライター・斎藤庸裕さんは「大谷選手は『世界一の選手になること』を目標にしているが、評価基準ははっきりしない。明確なゴールはない。だから常に上を目指せる」という――

 ※本稿は、斎藤庸裕『大谷翔平語録』(宝島社)の一部を再編集したものです。

■WBCは「世界一の選手になる」通過点

 世界一の選手になる――。大谷はゴールのない道を歩んでいるように感じることがよくある。

 2023年3月のWBCで侍ジャパンを3大会ぶりの世界一に導いた。最終回のマウンドに上がり、胴上げ投手となった。初出場のWBCで二刀流として大活躍し、大会MVPを獲得。世界一の選手の称号は得たようにも思えた。だが、大谷の感覚は違った。

 「間違いなく今までのなかでベストの瞬間じゃないかなと思いますし、今日勝ったからといってその目標(世界一の選手になること)は達成されたわけではないので。一つの通過点として、もっと頑張っていきたいですし、これからシーズンが始まるので、そこに向けて日々努力したいと思っています」

 次なる目標を聞かれ、即答した。

 「シーズンが始まるので、そこでポストシーズン、ワールドシリーズで勝っていくのが次のステップ」

 メジャー1年目から繰り返し口にしている言葉のため、さほど驚きはなかった。明確な目標はある。ただ、それがイコール世界一の選手かどうかは、わからない。むしろ、最終目的地は明確にはないのかもしれない。

■評価するのは第三者

 「世界一の選手」とは何をもって世界一なのかを、かつて聞いたことがある。すると、大谷はこう答えた。

 「評価するのは第三者なので。いくら自分がやったと思っても、評価するのはファンの人とかじゃないかなと。評価基準がないので面白いのかなと思う部分もありますけど、最終的にそう評価してもらって、自己満足して終われたらいいんじゃないかと思う」

 先述したように、毎年リーグMVPは、全米野球記者協会(BBWAA)の投票によって決まる。ファンではないが第三者が評価する。では、MVP=世界一の選手かと言えば、大谷にとってはそうでもないようだ。2021年に満票でリーグMVPを獲得した時、「目標とする世界一の選手になれたのか」と、インタビュアーから質問が飛んだ。

 

■明確なゴールがないから常に上を目指せる

 「なってはないですね。自分でそう思う日はおそらく来ないと思う。目標としてはアバウトというか、そういう目標ですけど、ゴールがない分、常に頑張れるんじゃないかなと。確実にステップアップはしたと思ってますし、今回の賞はその一つだと思うので、今後のモチベーションの一つになりました」

 シーズンMVPを獲得しても、WBCで優勝に導いても、世界一の選手の目標は達成されていない。ワールドシリーズ制覇でそうなるのかと言えば、おそらく違うだろう。大谷自身の言葉通り、世界一の選手という評価基準ははっきりしない。明確なゴールはない。だから常に上を目指せる。歴史的なシーズンを送っていた2021年、「世界一のプレーヤーに近づいているか」との問いに、自らが感じる手応えを口にした。

 「確実に成長はしていると思うので、それは自分でも実感していますし、やっぱりこうやって高いレベルのなかでやらせてもらって、日本にいるだけではここまでの経験はできなかったと思うので、それはすごく感謝しています」

■投手・大谷は、勝ち星より防御率とWHIP

 満票でMVPを獲得しても、決して慢心しない。ただ、求める数字はある。ベーブ・ルース以来104年ぶりに「2桁勝利&2桁本塁打」を達成した2022年8月9日、2桁勝利の持つ意味について問われた。

 「もちろん(2桁に)いくかいかないかは印象が大きく変わりますし、そこは違うかなとは思いますけど、もっともっと大事な数字というか個人を評価する上でも大事な数字はあるので、そこが上がってくればおのずと(勝ち星も)増えてくる」

 投手・大谷は、勝ち星より防御率とWHIP(1イニング当たりに出した走者の数)を重要視している。

 「投球に関してはイニングをしっかり投げて、あとはしっかり低いWHIPで抑えていくのが、それが勝ちにつながる要素だと思うので。打席はもちろんOPS(出塁率+長打率)が大事ですし、そういう総合的なところ、1試合1試合集中して、もっともっと上げていけたらなと」

 

■どう始まるかよりは、どう終わるか

 勝ちにつながるパフォーマンスの指標となる数字が求めるところなのだろう。とはいえ、そこでトップになったからと言って、世界一の選手となるのか。もしかしたら、自身の言葉通り、現役でプレーしている限り世界一の選手になった実感は湧かないのかもしれない。ふと、メジャー1年目の時の言葉が思い浮かんだ。

 「初打席も初登板もドキドキしましたし、ワクワクもしましたけど、そこはやっぱり特別だったかなと思いますし、今日の打席に関してもあまりそういう気持ちと違わずに、同じ気持ちで毎日入れているので、そういう意味ではいいんじゃないかなと。毎試合毎試合、そういう気持ちで、やっていければ。どう始まるかよりは、どう終わるかが大事だと思うので、シーズン終わった時に、いいシーズンだったなと思えるように、一日一日頑張りたい」

 どう始まるかよりは、どう終わるか――。

 エンゼルスのOBで野球殿堂入りしているウラディーミル・ゲレロ氏も、かつて同じ言葉を大谷に投げかけていた。まずは、目の前の試合を懸命にプレーする。個人として「世界一」なのかどうか。そう感じる日は、選手として燃え尽きるまで来ないのかもしれない。


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斎藤 庸裕(さいとう・のぶひろ)
スポーツライター
慶應義塾大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。編集局整理部を経て、ロッテ、巨人、楽天の3球団を担当。ロッテでは下克上日本一、楽天では球団初の日本一を取材。退社後、2014年に単身で渡米。17年にサンディエゴ州立大学で「スポーツMBAプログラム」の修士課程を修了し、MBAを取得。18年、大谷翔平のエンゼルス移籍と同時にフリーランスの記者としてMLBの取材を始める。日刊スポーツにも記事を寄稿。著書に『大谷翔平偉業への軌跡【永久保存版】歴史を動かした真の二刀流』(あさ出版)がある。
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