2023年10月15日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ MLBの今オフ注目の日程を、ニューヨークの専門テレビ局SNY電子版が14日付で特集。去就が注目される大谷翔平とって鍵となる日程が明らかになった。フリーエージェント(FA)になるのは、ワールドシリーズ終了日の翌日から。

 

11月1日(日本時間2日):FA交渉解禁(最短)

※11月5日(日本時間6日):FA交渉解禁(最長)

※最初の5日間は所属球団のエンゼルスに独占交渉権が有り

 

11月7日〜11月8日(日本時間8日〜10日):GMミーティング

@アリゾナ州スコッツデール

 

12月4日〜12月7日(日本時間5日〜8日):ウインターミーティング

@テネシー州ナッシュビル

 

またワールドシリーズ終了から5日後は、球団がFAとなった所属選手へクオリファイングオファー(QO)提示の期限となり、昨年の例では10日後が選手側がQOを受けるか否かの回答期限。大谷もエンゼルスからQOが提示されることが見込まれている。

 

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 ■ ロサンゼルス・エンゼルス情報

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◯ 新監督について、元レッズGMで解説者のジム・ボーデン氏が、球団OBのダリン・アースタッド氏(49)が相応しいと見解を述べた。専門ラジオ局MLBネットワークの14日の番組に出演し「次の監督は長期契約が望ましいと思う。球団にとって完璧なのは、ダリン・アースタッドが就任すること」と話した。アースタッド氏は1996年から14年間メジャーで活躍し、デビューから11年間エンゼルスに所属。02年のエンゼルス世界一のメンバーだった。現役引退後は大学野球のコーチを務めていた。前メッツ監督のバック・ショーウォルター氏(67)が監督就任に興味を示しているという報道も出ていたが、ボーデン氏は「モレノオーナーがショーウォルターを監督にすることはないと思う」と否定的だった。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平 ホームラン王への“ターニングポイント” WS王者が徹底分析!

(情報:テレ朝NEWS)

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今シーズン、日本人初のMLBホームラン王という大偉業達成した大谷翔平。その功績を記念し、切手とポストカードまで登場するなど日本中がその活躍に熱中した。

 

この歴史的な偉業はなぜ成し遂げられたのか。2人の有識者に話を聞くと、今シーズン44本の本塁打の中に“ターニングポイント”となる1本があったと口をそろえた。

 

(10月14日放送 「サタデーステーション」より)

 

■井口氏&猪瀬氏が語る大谷の偉業

 

日本人として初めてワールドチャンピオンを経験した元メジャーリーガーの井口資仁氏は、大谷がホームラン王を獲得したことの凄さについて問われると、「我々がいた頃には全く考えられないことでMLBと日本人選手のパワーの違いを感じながらやってきた何十年でしたから、そこを覆してくれたことは本当に素晴らしい」とメジャーでの自身の経験を踏まえ、規格外の大谷のパワーを手放しに称賛した。

 

メジャーに精通するジャーナリスト、AKI猪瀬氏は「『日本人が』っていう感覚ではない。もう取るべき人が取ったという扱い」と現地での反応について紹介した。

そして全世界で愛されるアメコミの主人公を例えにあげ、「スーパーマンってヒーローいますよね。スーパーマンにアメリカ人ですか?イギリス人ですかって質問します?」と、大谷翔平はもはや国籍や人種を超えた存在として現地ファンに認識されていると伝えた。

 

■本塁打王への“ターニングポイント”

 

2人は、大谷がホームラン王を獲得するうえで“ターニングポイント”となった1本があったという。

 

それが5月のホワイトソックス戦で放った第13号ホームランだ。

 

相手投手のジオリトが投げた高めのストレートを捉えた5試合ぶりの特大の一発が大谷の“転換点”と両氏は語った。

 

猪瀬氏は「去年から今年の4月くらいまでは高めの強いボールに関してはなかなかホームランを打つことができなかった、ただこの時にジオリトから高めの強いボールをはじき返すことができた」と話した。

 

また、井口氏は「あのあたりから高めをしっかりとコンパクトに叩けるようになってホームランが急に入るようになった」と分析した。

 

実際にこの試合を境に大谷のホームラン数は急ピッチに上昇、翌日には2打席連続となるアーチを披露した。また6月には球団新記録となる月間15本塁打を記録、松井秀喜氏の持つ日本人月間本塁打記録も塗り替えるほどの好調ぶりを見せた。

 

■大谷翔平 苦手克服のキッカケとは

 

一体なぜ、苦手としていた高めの速球を大谷は打てるようになったのだろうか。井口氏はそのキッカケとなった試合があるという。

 

それは13号ホームランからさかのぼること2週間前。首を痛めながらも出場し4安打を放ったオリオールズ戦。

 

この時の大谷のバッティングフォームを見て井口氏は「首が痛いと動けないので、(体の)軸がしっかりと真っ直ぐになる」と解説した。この試合では首の痛みの影響で「当てるだけのスイング」だったが、制限された動きのなかで4安打という結果を残せたことで、バットを上から出すイメージができ、13号ホームランにつながったという。

 

「高め(の球)は下からすくい上げるとなかなかいい角度で上がっていかない。150キロを超える真っ直ぐなので(バットの)ヘッドを立てるイメージでいくと、ボールの上から力が伝わるのでスイングの力感がなくてもバットを落とすだけで飛んでいく。そういったスイングができるようになってきた」と井口氏は、負傷をも糧に進化した大谷のバッティングを分析した。

 

こうしてたどり着いた日本人初の偉業。そして右ひじを手術した影響でバッター専念となる来シーズンはさらなる活躍に期待がかかる。

 

井口氏は「(本塁打)50本はクリアしてくれると思うし、もちろん出場し続ければ100打点というのも見えてくるし、最終的には三冠王」とさらなる金字塔を打ち立てるのではないかと期待を示した。

 

■来季はどの球団へ?

 

そして注目されるのはその動向である。今年FA権を取得した大谷。MLB30球団すべてが獲得を熱望しているとも言われている中、来シーズンはどの球団でプレーするのか。

 

猪瀬氏は「赤いユニフォーム、エンゼルスのユニフォームを着て残留すると思う」とエンゼルス残留が有力だと見通した。

 

その根拠として大谷の代名詞である“二刀流”完全復活までのプロセスにあるという。2018年にトミージョン手術を受けた大谷はその後、投打二刀流として復活を果たした。

 

この経験を踏まえ「他球団には(二刀流復活の)知見等は一切ない。その知見がしっかりあるエンゼルスで、気心が知れた仲間たちと故障をしっかり治しながら試合に出て行った方が得策だと考えるのが、普通のことだと思う」と来季はエンゼルスで打者に専念するのが最適だと語った。

 

■メジャー最高の驚愕契約なるか!?

 

さらに気になるのはその契約内容だ。猪瀬氏は驚くべきものになると予想する。

 

「おそらく3年契約。来年の年俸はジャッジ(ヤンキース)と同額の野手史上最高額4000万ドル」と打者のみでも日本円にして約60億円の大型契約になるという。

 

そして2年目に関しては「2025年は二刀流復活の年になるので、年俸としてはおそらく野手の4000万ドルをベースにして、5先発消化で250万ドル。20先発できれば投手として満額回答の1000万ドル」になり、メジャー史上初の5000万ドル、日本円にして約75億円という驚異的な契約になる予想をした。

 

さらに3年目以降はさらにこれを上回る契約が待っている可能性を猪瀬氏は示唆した。その根拠が「オプトアウト」である。

 

「オプトアウト」とは選手自らが来年の契約を破棄し、再度FAになる契約条項である。猪瀬氏はこのオプトアウト条項を「必ず入れる」と断言した。

 

2025年に二刀流が完全復活の暁には、再び“大谷争奪戦”が繰り広げられるかもしれない。果たして来シーズン大谷は何色のユニフォームでプレーするのか、目が離せない。

 

テレビ朝日

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◆ 【MLB識者の視点】エンゼルス・大谷翔平 日本人初のメジャー本塁打王誕生の意義 アジア系がマイノリティでなくなるとき

伊藤茂樹氏/情報:週刊ベースボールONLINE)

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現地時間10月2日、メジャー・リーグの全日程が終了し、エンゼルス・大谷翔平の本塁打王が確定した。最後はケガで戦線離脱し、135試合出場に終わったが44本塁打を放っての戴冠。二刀流で成し遂げた日本人初のメジャー本塁打王誕生、その意義とは? メジャー通の伊藤茂樹駒沢大教授につづってもらった。

 

本塁打王獲得に大谷は「MLBでこれまで活躍された偉大な日本人選手たちのことを考えると大変恐縮であり、光栄なことです。この目標を達成するのに協力してくれたチームメート、コーチングスタッフ、ファンに感謝します」とコメントした

 

 大谷翔平がア・リーグのホームラン王に輝いたのは「日本人初」であるだけでなく「アジア系として初」でもある。このことの意味について考えたい。

 

 大谷が「二刀流」でMLBを席巻する前、日本人をはじめアジア系メジャー・リーガーの多くを投手が占めてきた。主要タイトルの獲得も投手部門でのいくつか(野茂英雄=元ドジャースほか=、ダルビッシュ有=パドレスほか=の最多奪三振、王建民=元ヤンキースほか=、ダルビッシュの最多勝)と、イチロー(元マリナーズほか)が獲った首位打者、盗塁王だけだった。アジア系選手のメジャーでの活躍は投手と俊足巧打の野手にほぼ限定されており、ホームランも打てる打者と言えば松井秀喜(元ヤンキースほか)と秋信守(レンジャーズほか=現韓国SSG)がわずかな例外で、彼らもタイトルを獲るには遠く及ばなかった。

 

 これは事実である以上に「ステレオタイプ」として根強いものとなった。そのため、メジャー各球団がそれ以外のタイプの選手の獲得に消極的になるようなこともあったと思われる。そしてファンやメディア、メジャー行きを考える選手もそれに縛られた。日本や韓国、台湾のホームラン打者はメジャーでは通用しないだろうという「思い込み」である。

 

 歴史を振り返ると同じようなことは前にもあった。当初マジョリティの白人だけのものだったメジャー・リーグは第二次大戦後、黒人(アフリカ系)、ヒスパニック系、そしてアジア系と次々にニューカマーを招き入れることで発展してきたが、当初マイノリティとして参入したグループはそれぞれの「得意分野」が先導するような形で勢力を広げてきた。

 

 ジャッキー・ロビンソンがドジャースで扉を開けた黒人の場合はまず打者が数多くメジャー入りし、ロビンソンのような俊足巧打のタイプのみならず、ウィリー・メイズ(元ジャイアンツほか)やハンク・アーロン(元ブレーブスほか)らホームラン打者も輩出した。その一方、メジャーを代表するような投手は黒人選手の総数に比べると少なかった。それでもボブ・ギブソン(元カージナルス)やファーガソン・ジェンキンス(元カブスほか)らが台頭し、投手を含めさまざまなポジション、タイプの選手が活躍するようになった。

 

 ヒスパニック系も投手より打者が先行した観があるが、フェルナンド・バレンズエラ(元ドジャースほか)、デニス・マルチティス(元エクスポズほか)、ペドロ・マルチティス(元レッドソックスほか)らが一時代を画した。ラテンアメリカは捕手の「産地」というイメージもあるが、いずれにせよ「苦手な分野」などもはや存在しない。

 

 つまり、マイノリティには当初ステレオタイプがつきものだが、それに当てはまらない選手が出てくることで、彼らはマイノリティでなくなっていく。マイノリティかどうかは単に数の多少によって決まるのではなく、その世界の「どこにでもいる」ことが重要なのだ。だとすると、真の意味でマイノリティでなくなるのは、選手だけでなくコーチや監督、フロントなど球界のあらゆるポジションに進出したときであることも付け加えておこう。

 

 黒人やヒスパニック系より「新参」のアジア系においてポジションの偏りはより顕著で、ステレオタイプは長くつきまとってきたが、大谷がそれを打ち破り始めた。ホームランに特に価値を置くメジャーの野球において、アジア系のホームラン王が出現したことの意味はとりわけ大きい。大谷一人ではなく、鈴木誠也(カブス)、吉田正尚(レッドソックス)らが今後コンスタントにホームランを打てる強打者として定着していけば、この流れは確固たるものとなっていくだろう。それに向けてのブレークスルーとなるのが今回のホームラン王獲得なのだ。

 

『週刊ベースボール』2023年10月23日号(10月11日発売)より

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 ■ NOTE

 

猪瀬氏の予想は、ロジカルだ。

 

お金を最優先しない大谷は、長期の高額契約に興味を示さないことを前提に

 

・短期間の打者をベースにした高額契約

・投手復帰のインセンティブ

・チーム状態を鑑みたオプトアウト

・二刀流復活を目論むにあたり、ノウハウがあり自由が許される温暖な環境

 

ということなんだろう。

 

このロジックには、ワンピースだけ欠けている気がする。

 

新たなチャレンジ項目だ。

 

パイオニア志向をもつ大谷は、常に新たなことにチャレンジし続けてきた。

 

単に二刀流に返り咲くためだけに、現状維持を選択するだろうか。

 

もしその場合は、「エンゼルス愛」が勝ることになるのであろう。

 

しかし、「ファイターズ愛」があろうと、ネクスト・ステップに挑んできた。

 

「楽しいか」どうか!?