2023年9月21日

 

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 ■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)

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◯ フィル・ネビン監督は20日、敵地のレイズ戦前に報道陣の取材に応じ大谷について言及。「今は回復段階だけど、全てがうまくいったと思う。リハビリだったり、プレーの再開を楽しみにしている。手術は成功した。ショーとは話していないが、状態を確認するためにイッペイと話した。大谷は上機嫌で、イッペイは成功したと伝えてきた」と話した。 

 

◯ 大谷について2年前に不適切発言をし炎上した米テレビコメンテーターのスティーブン・A・スミス氏が20日、再びテレビでアンチ大谷発言をし物議を醸した。米専門テレビ局ESPNの人気トーク番組「ファーストテイク」に出演。大谷について「彼が5億ドル(約725億円)の契約を得るという議論はもう聞きたくない。2025年まで投げられない。フィールドで何ができるかということに見合った金額であるべき。エンゼルスは勝てない。ドジャースのように勝っているチームに、5億ドルの選手などいない。この前、オオタニが登板している試合を見たが、空席がたくさんあった。客席を埋められないし、勝てない。私だったら彼に5億ドルなんて出さない」と言い放った。

 

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 ■ ロサンゼルス・エンゼルス情報

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◯ 6連敗中のエンゼルスは、レイズ先発のアーロン・シバーリの不安定な立ち上がりを攻め、2回までに6点を先行。そのリードを生かして8対3で快勝し、連敗を6でストップした。エンゼルス2番手のアンドリュー・ワンツが2勝目(0敗)をマーク。シバーリは3回7安打6失点で4敗目(7勝)を喫し、レイズが敗れたため、オリオールズの優勝マジックは1つ減って「7」となった。

 

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 ■ 球界情報

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◯ オリオールズの藤浪晋太郎投手が、制球を乱して1点のリードを守り切ることに失敗した。藤浪は1-0で迎えた8回から登板。先頭の代打ヨルダン・アルバレスに四球を与えると、1死後にはホセ・アルテューベ二塁手も歩かせてしまい、ここで降板を告げられた。すると代わったマイク・バウマン投手がジェレミー・ペーニャ遊撃手に適時二塁打を浴びて同点に。藤浪は1/3イニングを投げて無安打、2四球、1失点となった。ブランドン・ハイド監督は「今日はアームサイド(右打者の内角側)に抜ける制球ミスが多かった。ストライクゾーンに決まればいいボールなんだが」と苦言を呈していた。オリオールズは9回に勝ち越しを許してサヨナラ負け。連勝は4でストップした。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 経験者が語るハイブリッド手術 160キロ超は変わらず…大谷翔平も「問題ない」

小谷真弥氏/情報:フルカウント)

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 エンゼルスの大谷翔平投手が右肘靱帯の手術を受けてから一夜明けた20日(日本時間21日)。レイズの先発右腕タイラー・グラスノーが、大谷が受けたとされる「ハイブリッド手術」について語り尽くした。球速や球質に変化はないとし、「ショウヘイはとてつもない努力をしてきたし、いい医師もついている。練習姿勢が素晴らしいから問題ない。近いうちに新しい彼を見ることができる。カムバックは間違いない」と、二刀流の復活に期待を込めた。

 大谷より1歳年上のグラスノーは、2021年8月4日(同5日)に右肘の手術を受けた。他の部位から移植する腱に加えて人工靱帯を使って補強する「ハイブリッド手術」。術後14か月後の2022年9月28日(同29日)にメジャー復帰したが、「激しい痛みの中で投げていた」という右腕にとっては、良いことばかりだったとういう。

「違和感は術後1年から1年半で消える。新しい人工靱帯で長く健康な状態で投げることができる。それに前よりもずっといい状態で投げられる。今は痛みから解放された気分だ。痛みはない」

 グラスノーは大谷と同じように160キロ超の剛速球を武器とする。フォーシームの平均球速は手術前の2021年は97.0マイル(約156.1キロ)。今季は96.3マイル(約155.0キロ)と0.7マイル(約1.1キロ)と大きな誤差はない。

「術前と同じだ。もしかしたら、配球が以前と変わっているので少しだけ落ちたかもしれないけど、健康面は以前と全く同じだ」

 仮に術後で大変だったことを挙げるとすれば……。それは「復帰までプランを立てること」だという。「想定していたよりもいい状態だった。術後1年半には、いい感じで投げることができた」。いい状態のあまり、ハイペースになることは避けたいところだ。

「もしかしたら、肘に張りを感じるかもしれない。通常のトミー・ジョン手術でも張りを感じるんだけど、(ハイブリット手術は人工靭帯を加えるので)靱帯は2つになった状態になる。でも僕の場合は手術を受ける前まで長いこと痛みがあったから、術後の張りは手術前よりもいい状態だった。2年経ったけど、アメージングな気分だよ。痛みも、張りも感じないよ」

 もちろん手術には個人差があるだろうが、すでにプレーオフ進出を決めたレイズのエースは、ハイブリッド手術で劇的な手応えをつかんだようだ。

小谷真弥 / Masaya Kotani

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◆ 「ショウヘイはどんなところに住んでるの?」大谷翔平に興味津々のアメリカ人女性、妻を亡くした男性ファン…現地で「オオタニ知ってる?」を尋ねる旅

水次祥子氏/情報:NumberWEB)

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 大谷翔平はアメリカで、実際どれほど人気なのだろうか。“オオタニ”の名を出せば、アメリカ人との会話も弾むのか……? #2はニューヨーク編。書店の店員、そして列車で隣に座った女性に尋ねてみた。「あなたはショウヘイ・オオタニを知っていますか?」〈全2回の#2/#1へ〉

 全米で最も有名な書店チェーン「バーンズ&ノーブル」のニューヨークにある大型店舗。ロングヘアにメガネをかけた、知的そうな女性スタッフに尋ねてみた。

「ショウヘイ・オオタニを知っていますか?」

「はい?何ですか?」

 おっと。これは知らない様子。

「あの、ショウヘイ・オオタニの本はありますか?」

「スペルを言ってください」

 そう言われて大谷の名前のスペルをゆっくりと口にすると、案内係の女性はコンピュータのキーボードをカシャカシャと叩き、あっという間に本の場所を探し出した。

「こちらにありますね」

 何と……あった。

 自分で聞いておきながら、正直、あると思っていなかった。

ニューヨークはやはり野球が人気


 案内カウンターのすぐ裏側にスポーツ本のコーナーがあり、係の女性は本棚の方へ向かうとまったく迷うことなく大谷本の場所をすぐに見つけた。その本は、オレンジカウンティ・レジスター紙のエンゼルス番記者ジェフ・フレッチャー氏の著書『SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男(日本語版タイトル)』だった。米国ではハードカバーが昨年7月に出版され、今年に入って加筆されソフトカバーになったバージョンが新たに出版されている。棚にあったのは、そのソフトカバー版だ。しかも2冊もあった。

 スポーツ本コーナーには6段の大きな書棚が5つ並んでおり、そのうち約3棚分を野球本が占めていた。米国では野球がフットボールやバスケットボールの人気に押されているが、歴史が長いこともあり野球本が圧倒的に多い。それでも無数にある野球本の中で、この棚にあるのは本当にわずか一握り。ニューヨークという場所柄、ヤンキースとメッツの関連本が多いが、その中で大谷本が2冊も置かれているという事実は、ちょっと感動ものだった。

 

アムトラックで“隣の人”に聞いた


 書店での感動体験に気をよくしつつ、ニューヨークからボルティモアへ。全米旅客鉄道アムトラックの午前10時発ワシントンDC行きの列車に乗った。あらかじめ予約しておいたビジネスクラスの窓側の席に着くと、しばらくして30歳前後と思しき白人女性が隣に座ってきた。

 どうしよう。大谷のことを聞いてみようか。でも、あまりにも唐突過ぎるだろうか……。

 迷っているうちに30分以上が過ぎた。この女性がどこまで乗っていくのかわからないが、もし次のフィラデルフィアで降りるとしたらもう時間がない。思い切って声をかけてみよう。

「あの、すみません」

 ずっと自分のスマホに夢中になっていた女性が顔を上げてこちらを見た。

 いきなり聞いてしまった。びっくりされても仕方がない。

 ところが女性は、表情を柔らかくしながら「Yes」と返してきた。

「ショウヘイと話したことあるんですか?」
「野球、好きなんですか?」

「ええ、好きです。ショウヘイは今一番注目の選手ですね」

 こちらの顔も思わず緩んだ。いきなり「ショウヘイ」呼びである。

 彼女の名前はサマンサといって、SNSを使ったマーケティングの仕事をしているという。なるほど、情報収集が大切な職業ゆえ、大谷を知っているのも納得だ。聞けば、フィラデルフィアに本社のある米大手ケーブルテレビ局でTikTokを使ったプロモーションの仕方をプレゼンに行くところだという。

「私はTikTokで野球選手がフィールド外やテレビに映っていない場所で見せる飾らない表情や様子を見るのが好きなんです」

 サマンサはそう言うと自分のスマホで検索を始め、TikTokの大谷の動画を探し出すとそれを見せてくれた。試合中のネクストバッターズサークルに立つ大谷が、バックネット裏の席にいる赤ちゃんに気づき、何度も手を振っているほほえましい映像で、TikTok以外のSNSでも話題になったものだった。

 自分は野球記者で大谷の取材もしていると言うと、サマンサは目を輝かせながら聞いてきた。

「ショウヘイと話したことがあるんですか?」

 想像していた以上に会話は弾み、列車での1人旅は賑やかなものになった。サマンサは「ショウヘイはどんなところに住んでいるんですか?」「ショウヘイはアメリカでは家族と住んでいるんですか?」と聞いてきて、プライベートに興味津々な様子だった。

 

妻を亡くした“ある大谷ファン”のエッセイ


 かつてニューヨークに住んでいたときも思ったが、ここでは野球に限らずあらゆる競技の情報は興味のない人には届かない。されど興味のある人には、深く、届く。

 そのことを教えてくれたのは、この旅に出発する前に読んだ、米国人野球ファンのエッセイだった。スポーツファンによるブログサイト「Fansided」でジェフ・ペリーさんという方が5月に投稿。36歳だった妻に突然先立たれ、悲しみに暮れながらも事務手続きをこなさなければならない日々がつづられていた。あるとき、妻のスマホでグーグル検索をしようとしたとき、過去の検索履歴の中に「Shohei Ohtani」が出てきたという。野球の大ファンというわけではなかった生前の妻に対して、ペリーさんは毎日のように大谷がいかにすごい選手であるかを一方的に話していた。妻が聞いているかどうかはわからなかったが、亡くなった後に、実はしっかり聞いていたのだということを妻は教えてくれたと、ペリーさんは振り返っている。

 そのエッセイにあまりに心を打たれたので、いろいろなSNSでペリーさんを探してみたが、同姓同名のアカウントが多すぎて見つけられなかった。ただ、エッセイの内容から東海岸に住んでいるだろうということは見当がついた。もしかしたらメッツの本拠地シティフィールドで行われるエンゼルス戦の観戦に来ているかもしれない。だからといって探せるわけはないのだが、試合当日に球場のコンコースをひたすら歩き回ってみた。大谷がファンに与えている、本当の価値を考えながら……。

「オオタニ知ってる?」質問で見えた土地柄


 アメリカにはいろいろな大谷ファンがいた。日本人も多かったが、大谷のユニホームやTシャツを着ているアメリカ人も多かった。

 その日、大谷が申告敬遠で歩かされたとき、メッツのユニホームを着た3歳か4歳くらいの白人の男の子が必死に何度もブーイングをしていた。メッツファンの親に連れてこられたであろうその男の子の一生懸命さに、しばらく目を奪われた。

 今回訪れたのは東海岸と西海岸のみ。サッカー人気が高まるサンフランシスコと、その歴史からいまだ野球熱が高いニューヨーク。「ショウヘイ・オオタニを知っていますか?」を尋ねる旅は、図らずも、その土地柄を教えてくれたように思う。

(「メジャーリーグPRESS」水次祥子 = 文)

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◆ エンゼルス・大谷の手術は「トミー・ジョン」でも「保存療法」でもない全く新しい術式

馬見塚尚孝氏/情報:スポニチ)

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 【ベースボール&スポーツクリニック理事長、東工大野球部コーチ馬見塚(まみづか)尚孝理事長の見解】球団リリースでは“生存可能な組織を追加しながら、適切な位置に健康なじん帯を強化する”と説明している。右肘のじん帯は完全に切れておらず、長くプレーするために補強したというように解釈できる。

 他の部位から腱(けん)を移植して修復を図った手術で間違いないだろうが、肘より先の前腕にある長掌筋を採取し、上腕骨と尺骨に作った穴の中に通す伝統的な“トンネル型”の(1)トミー・ジョン(TJ)手術ではなく、上腕骨と尺骨に直角に穴を空けてねじを締めて固定するような“ドッキング型”のTJ手術でもない。(2)PRP(多血小板血しょう)注射による保存療法でもないだろう。(3)人工じん帯(インターナル・ブレース)とは説明されていないが、米国では人工じん帯にコラーゲンが配合されていて、「生存可能な組織」はそれを説明しているかもしれない。

 今回はこれらに当てはまらない第4の手術をしている可能性がある。近年、研究が進んでいる解剖学的な新しい術式で、上腕骨と尺骨に開ける穴の位置がより手首側になり、2回目以降の手術としては有効だ。穴は何度も開けることができない。これまでの説明によれば、18年に再建した右肘のじん帯は軽症。長きに渡って活躍するために、今回痛めた右肘のじん帯は残して、新しい腱(けん)を上から補強したとみていいだろう。

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◆ 大谷翔平は「すごいいい奴」 アロサレーナと“ドヤ顔”交流「ポーズ取るようにと」

小谷真弥氏/情報:フルカウント)

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 レイズのランディ・アロサレーナ外野手は20日(日本時間21日)、エンゼルスの大谷翔平投手へエールを送った。前日19日(同20日)に右肘の手術を受けた二刀流について「彼はスーパースターだ。歴代最高の選手の1人だということを全世界が知っている。手術でうまくいくことを願う。フィールドに立つべき選手だから怪我は残念だった」と復活を願った。

 大谷はレイズ戦で87打数31安打の打率.356、9本塁打、24打点を記録。今年8月18日(同19日)の試合では右越えへ43号満塁弾。アロサレーナは二刀流の豪快な打撃を目の当たりにしてきた。「素晴らしい打者だ。逆方向へ打った時はインプレーよりスタンドインの方が多いような気がしている。本当に素晴らしい選手だ」と目を丸くした。

 大谷は今季も10勝&44本塁打と投打で躍動。2年ぶりのMVP受賞が期待されているが、アロサレーナも太鼓判を押した。「ここで二刀流をやっていること自体がMVPだ。怪我をしてしまい、他の選手が調子を上げてくるかもしれない。でも、スーパースターだから今後も獲得すると思うよ」。

 キューバ出身でスペイン語を話す。「2人だけで話したことはないけど、WBCで偶然遭遇したときに話した。すごいいい奴だと聞いている。チームメートや選手をリスペクトしている」と大谷の印象について語る。今夏のオールスター戦では大谷がドヤ顔で腕を組む“アロサレーナポーズ”を披露した。

「(WBC準決勝の日本戦で)スタメン発表の時にベンチで目が合ったから、あのポーズをした。彼はそのことを覚えていたんだと思う。(球宴では)彼から私があのポーズをとるように言ってきた」。笑顔で大谷との交流を振り返っていた。

小谷真弥 / Masaya Kotani

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 ■ NOTE