2023年9月20日
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■ 今日の大谷翔平(関連NEWS)
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◯ 大谷が19日、ロサンゼルス市内のカーラン・ジョーブ整形外科クリニックで右肘の手術を受けた。大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏が球団を通じて発表した。来季開幕には打者として間に合う見込みで、2025年に二刀流復帰を目指す。大谷も自身のインスタグラムを更新し、手術の成功を報告した。
◯ バレロ代理人は「最終判断と術式は全体像に重点を置いた。つまりショウヘイが今後も長きに渡って二刀流を続けることを希望した」と、大谷の二刀流への熱い思いを代弁した。
◆ネズ・バレロ代理人の声明全文翻訳
大谷翔平は今朝ロサンゼルスにある「ケーラン&ジョブ整形外科クリニック」で手術を受けた。
最終的な判断と手術のタイプは、長期的な目で見た時に重要なことに重きを置いた。
翔平は今後何年にもわたって二刀流でプレーしたいと考えているので、これは、それができる方向へ向かうことであることを確認したがった。
この手術を行った医師のニール・エルアトラーチェはこう言っている。
「翔平と熟考した後に決めた究極のプランは、肘を今後も長い年数、使えるようにするために、手の問題を修復して、生存細胞を足して、健康的な靭帯(じんたい)を強化することだった。私は完全なリカバリーを期待している。彼は制限なしで打てる状態で2024年の開幕戦を迎えることができ、2025年の開幕戦は二刀流で迎えることができると思っている。」
翔平は今、休息しており、良いスピリッツでいる。そして復帰への道に向かうことに興奮している。
◯ 大谷は自身のインスタグラムに英語、日本語でコメントを発表。「早朝に手術を受け無事成功しました 不本意ながらシーズン途中でチームを離れることになりましたが残り試合のチームの勝利を祈りつつ、自分自身一日でも早くグラウンドに戻れるようにがんばります」とコメントした。
◯ 地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」の番記者ジェフ・フレッチャー氏は自身のXを更新。「声明の中でエルアトラーチェによるものとされる記述について数人と手短に話したところ、これは再構築するための伝統的なトミー・ジョン手術ではない。修復だった」と綴った。人工の靭帯を移植する「インターナル・ブレース」(内部補助具)を採用し、損傷部分を修復したようだと報じた。この術式の場合、通常のTJ手術より打者としての復帰が早くなるメリットがある。
◯ 手術に関する球界関係者のコメント
フィル・ネビン監督:
「球団のリリースを私も読んだ。手術を受けた彼は来年はDHに専念することになるだろうけど、全てが上手くいき、再来年は投げることができるようになったんだ。もう少ししたら彼に電話をして、元気にしているか確認したい。試合直前に分かったのでまだ彼とは話せていない。少し話したい」
菊池雄星:
「ただでは起き上がらない男だと思うので。強くなって帰ってくると思います」
前田健太:
「手術内容も、状況も分からないので何とも言えないが。翔平だったら大丈夫だと思いますし、つらいととるのか、復帰までの道のりを当たり前のことと捉えるのかは人それぞれ。自分的にはそんなにつらいものではなかった。人それぞれとらえ方は変わる。翔平はプロフェッショナルの中でもプロフェッショナルな選手だと思うのでそこに関しては問題ないと思う」
CC・サバシア氏:
「彼が1カ月くらい前、最初にケガをしたときに手術をするべきだった。もしそのときに手術を受けていれば、来年の開幕には(制限なく)プレーできるようになっていたかもしれない。(ケガの要因について)WBCでの登板など、さまざまなことが疲労やケガにつながったと思う。腕で投げられる量は決まっていると思うから、いずれは壊れるし、さまざまなことが起きる。健康な体を取り戻し、来季の開幕に間に合うようにできる限りのことをするのが彼にとってベストだと思う」
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■ ロサンゼルス・エンゼルス情報
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◯ 19日、エンゼルスは1点ビハインドの8回表にザック・ネトの9号ソロで同点に追いついたものの、直後の8回裏に4番手のアーロン・ループが一挙4失点。2対6でレイズに敗れ、6連敗で今季ワーストの借金15となった。レイズ3番手のロバート・スティーブンソンが3勝目をマーク。4失点のループは3敗目を喫した。
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■ 球界情報
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◯ ホワイトソックスのルイス・ロベルト外野手が四回に2試合連発となる37号を放ち、44本でキングを独走するエンゼルスの大谷との差を7本に縮めた。ロベルトは両軍無得点の四回に先頭で初球、甘く入ったチェンジアップを左翼ポール際へ運び、先制点をもたらした。この日は初回の打席で左線安打、九回には38号と紙一重の中越え二塁打を記録。サイクル安打まで三塁打を残す固め打ちだった。ホワイトソックスの残り試合は10。すでにプレ-オフ進出の望みが断たれたチームの中でキューバ出身の26歳がラストスパートをかける。
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■ 注目記事&コラム
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◆ 今季終了も話題尽きないエンゼルス・大谷翔平 移籍先候補はメッツ? ドジャース?
(竹濱江利子氏/情報:サンスポ)
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【球界ここだけの話】
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(29)が16日(日本時間17日)、右脇腹痛などで負傷者リスト(IL)入り。それに伴い今シーズン終了が発表された。
しかし、プレーしなくとも話題が尽きないのが大谷。今オフFAになる二刀流の去就先について連日、米メディアでも大きく取り上げられている。
16日(同17日)付のロサンゼルスタイムズ紙は「大谷本人が望む勝つことを優先するなら、彼は来年エンゼルス以外でプレーする」と伝え、CBSスポーツでも「これで大谷はエンゼルスとして最後の試合をプレーしたことになるだろう」と残留には否定的な見解が目立つ。では移籍先はどこになるのか?
18日(同19日)にはニューヨークメディアが「大谷が東海岸の球団に前向きなら、来年投球できなくてもメッツのスティーブ・コーエンオーナーは最高額を提示すると球界関係者は声をそろえる」とメッツを候補にあげた。今季メッツ加入の千賀滉大投手(30)と大谷。大谷獲得が現実となれば、ファンにとってもたまらない日本選手コンビとなるが現状は厳しいだろう。
メッツは今季大補強でスタートを切ったが、チームは低迷。トレード期限でベテラン先発バーランダー、シャーザーらを放出しチーム再建に入った。球団は来季もその途上にあることを示唆しており、大谷が打者のみでプレーに専念できる見方もできる。
ただ、メッツにはさらなる補強が必要だ。ベテラン先発が抜け、ローテーションを引っ張るのはメジャー1年目の千賀。来季には少なくとも2選手を補強し強化すべきだろう。さらに打線も今季は18日(同19日)の時点でメジャー全体25位。大谷の獲得だけで打線が十分なのかは疑問だ。例え大富豪オーナーが大谷を獲得できたとしても、メッツがプレーオフ進出チームになれなければ意味がないのだ。
ロサンゼルスタイムズ紙はドジャースが「最も論理的な移籍先」との見解を示す。ドジャースは16日(同17日)、直近11年で10度目となる地区優勝を決めるなど既に強豪チーム。同記事は「今季証明されたことは大谷にも限界があるということ。ドジャースであれば、大谷に過度な負担を与えるような起用をする必要がない。マウンド復帰に向けても最高の環境を提供することができる」と伝える。同記事によると、ド軍はけがから復帰を目指す選手をターゲットとすることでも知られており過去には、肘の損傷からリハビリ中のビューラーや、ファーガソンを獲得。また20年8月にトミー・ジョン手術を受けた、救援のケンリーをオフに獲得し、ケンリーは今季ヤンキースで防御率2・25と好成績を残している。
大谷は来年どのチームのユニホームに袖を通すのか。引き続き、今後の動向から目が離せない。(竹濱江利子通信員)
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◆ エンジェルスの大谷翔平を取材する地元紙記者が厳選!「ショウヘイ・オオタニ、キャリアトップ10の瞬間」
(情報:THE DIGEST)
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ロサンゼルス・エンジェルスは9月16日、右脇腹を痛めた大谷翔平を負傷者リストに入れ、今シーズンはもうプレーしないと発表した。大谷は今オフにFAを迎えるため、エンジェルスでのプレーは、もう見られない可能性がある。
そんななか、地元紙『Orange County Register』でロサンゼルス・エンジェルスを2013年から担当するジェフ・フレッチャー記者は、「ショウヘイ・オオタニ、キャリアトップ10の瞬間」という記事を9月18日に配信した。
フレッチャー記者が10位に選んだのは、2019年6月13日のタンパベイ・レイズ戦で達成したサイクル安打。初回に本塁打、3回に二塁打、5回に三塁打、7回に中前打を放ち、メジャーで日本人初となるサイクル安打を達成した。
9位は2021年7月9日のシアトル・マリナーズ戦で放った本塁打。「シアトルの球場で、463フィート(約141メートル)の大飛球をアッパーデッキに押し込んだ。あまりにも予想外な打球で、カメラマンが十分な高さを取らなかったため、テレビ視聴者は打球の着点を見ることができなかった。オオタニは数多くの本塁打を放ってきたが、これが最も記憶に残る」と記した。
8位には、デンバーで行なわれた2021年のオールスターゲームを選んだ。「初めて本格的な活躍を見せたオオタニの、2日間にわたるショー。ホームランダービーに出場してホアン・ソトに敗れた翌日、ア・リーグの先発投手と先発DHを務めた。『この2日間でかなりヘトヘトになると思う』とオールスター前に語っていた二刀流は、『でも、観たい人はたくさんいる。ファンを幸せにしたいから、僕はやり遂げます』と話していた」
7位は、2022年6月21~22日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で見せた活躍だ。「21日に打者として2本塁打・8打点と、“キャリアのなかで最も攻撃的な日”だった。翌22日には先発して8回を無失点で13奪三振。連日にわたって最高のパフォーマンスを見せた」
6位に選んだのは、2018年9月5日の敵地でのテキサス・レンジャーズ戦。「その日の朝に右肘内側側副靱帯の損傷が明らかになったオオタニは、その日の夜の試合で2本の本塁打を含む4打数4安打を記録し、逆境を乗り越える能力を存分に示した」
5位は、2022年5月5日に行なわれた敵地でのボストン・レッドソックス戦だ。「7回を投げて6安打無失点、11奪三振、無四球で勝ち投手に。印象的だったのは99球中81ストライクを投げたことで、これはキャリアの中で最も高い割合となった。また、ベーブ・ルースの故郷〝フェンウェイ・パーク〟でオオタニが初めて先発した試合でもあった」
4位は、2023年6月に敵地で行なわれたテキサス・レンジャーズとの4連戦。「オオタニはシリーズで4本の本塁打を放ち、8打点を挙げた。また4戦目に先発して6回無失点で勝ち投手になった。この投打の活躍を間近で見たチームメイトのマイク・トラウトは、『これまで私が見てきた打者のなかで、ひとつのシリーズで最も印象的な活躍をした。見ているだけで楽しいよ』と語っていた」
3位には、2023年7月27日に行なわれたデトロイト・タイガースとのダブルヘッダーを選んだ。第1戦で投手として完封した大谷が、2戦目で2本の本塁打を放った。「タイガースのマット・マニング投手が『オオタニは今日、おそらく誰も見たことがないような“最高の野球の日”を過ごした。本当に信じられない』と語った。この翌週から、エンジェルスの崩壊が始まった」
2位は2018年4月8日のオークランド・アスレテイックス戦だ。「スプリングトレーニングでオオタニは投手としても打者としてもひどい出来だった。多くの人が二刀流として成功できるのか懐疑的だった。ところが先発投手として7回途中まで完全試合ペースという快投を見せ、その後の3試合でいずれも本塁打を放った。その投打能力の覚醒は、スプリングトレーニングの内容は真の能力ではなかったことを球界に示し、それから彼は二刀流選手として誰も到達できなかったレベルの成功を収め続けた」
そして1位には、歴史的なイニングをチョイスした。2021年4月4日のシカゴ・ホワイトソックス戦で、MLBでは自身初となる「2番・投手」として投打同時出場。1回表に投手として相手打者を抑え込むと、その裏に飛距離137メートルの特大アーチを放った。「野球史に残る驚愕の1イニング。この2021年シーズンに、オオタニは満場一致でア・リーグのMVPに選ばれた」
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◆ 大谷翔平、手術前日に衝撃の行動 新人へメールで打撃助言「何本も動画が届いたんだ」
(小谷真弥氏/情報:フルカウント)
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エンゼルスのザック・ネト内野手は19日(日本時間20日)、敵地・レイズ戦で「2番・遊撃」で先発出場し、8回の第4打席で9号ソロを放った。4試合ぶり安打は一時同点に追いつく価値ある一発。大谷翔平投手のアドバイスが実を結ぶ一発にもなった。
大谷がベンチ入りした18日(同19日)の本拠地・タイガース戦。ネトは大谷から身振り手振りで打撃フォームの助言を受けた。「僕の映像を見て、感想とどうするべきか教えてくれた。一貫性のあるフォームにすべきだと言われた。速球に振り負けないこと。大成功した選手だから、ここにいるのはいいことだ」と語った。
大谷は18日(同19日)の試合後にチームを離れた。ネトはチームと共にタンパへ向かったが、休養日だった19日(同20日)に大谷から何度も連絡を受けたという。ネトは興奮気味に大谷とのやりとりを明かした。
「昨日は(大谷から)何本も動画が届いたんだ。本当に感謝している。そんなことをしなくてもいいのに。だから、メールで感謝の気持ちを伝えた。打席に入る度に、彼はスカウトのように私のことを見てくれるから、それは間違いなくクールなことだ。私が大成功を収めることを願ってくれる」
「打席で成功を収めるために、改善すべき点を挙げてくれた。忘れていた、基本的なことを思い出させてくれた。試合で自然にできるよう、今日の打撃練習ではそのことを意識した。間違いなく(大谷がいることは)クールだ」
右肘の手術を受ける前日にも関わらずに新人選手へアドバイス。大谷の人間性を物語るエピソードだ。「打席で成功を収めるために、改善すべき点を挙げてくれた。忘れていた、基本的なことを思い出させてくれた。試合で自然にできるよう、今日の打撃練習ではそのことを意識した。間違いなく(大谷がいることは)クールだ」。22歳は“大谷コーチ”に感謝しきりだった。
小谷真弥 / Masaya Kotani
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◆ 捕手のミットを見ればわかる!藤浪晋太郎が掴んだ信頼とプレーオフ活躍の鍵
(上原浩治氏/情報:スポナビ)
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アメリカ・メジャーリーグ、オリオールズの藤浪晋太郎投手が躍動を続けている。
チームがポストシーズン進出を決めた17日(日本時間18日)レイズ戦も9回に5番手で登板し、3分の2回をゼロに抑えた。自己最長の7試合連続無失点をマークし、今季の日本選手では一番乗りでプレーオフ進出を決めた。18日(同19日)はリードした展開から8試合ぶりに失点をしたが、これからもチャンスはもらえそうだ。
プレーオフ進出が決まったときには、初体験のシャンパン・ファイトに酔いしれ、チームメートと歓喜に沸いた。その様子からは、堂々と「戦力」としてこの輪に加わったことを証明しているようだった。
最近のオリオールズの捕手のミットを見ていると、ど真ん中に構えている印象が強い。メジャーのサインは基本的にはベンチから出ている。藤浪投手の100マイルを超えるまっすぐが「細かいコントロールは気にしなくていい。真ん中に投げても打たれない」という大きな信頼をつかんでいる証拠ではないだろうか。
ポストシーズンは短期決戦の勝負だ。私はレンジャーズ時代に3試合連続本塁打を浴びた苦い経験も、2013年にクローザーとして胴上げ投手になった良い思い出もある。
中継ぎ、クローザーとして重要だと思ったことは「気持ちの切り替え」だった。レンジャーズのときは、「また打たれるのではないか」とネガティブな思考になり、「もう投げたくない」という気持ちでマウンドに立ってしまった。悪循環から抜け出すことができなかった。ボストンのときは、サヨナラ本塁打も浴びたが、「また、すぐに投げたい」と気持ちが前を向いていた。実はレンジャーズの2年目のポストシーズンでも、オリオールズを相手に3者連続三振を奪っている。
「気持ちの切り替え」ができるようになったのは、レンジャーズ1年目の苦い思い出を「経験」として活かすことができたからだ。
藤浪投手にはメジャーのポストシーズンの経験がない。しかし、彼はレギュラーシーズンを崖っぷちから這い上がってきた「経験」がある。オープン戦は先発として評価を得たが、開幕後はアメリカメディアに散々たたかれた。戦力外も覚悟しなければならないような状況から一戦一戦、中継ぎで実績を積み上げた。後がない状況で抑えても、打たれても、次のマウンドに立ち続けた。「気持ちの切り替え」はすでに「経験済み」といえるほど、過酷な環境を生き抜いている。
ア・リーグ東地区のオリオールズが、レイズとの地区優勝争いを制すれば、さらに勢いつくだろう。メジャーでは、ポストシーズンで大活躍する選手を「ミスター・オクトーバー」と呼ばれ、毎試合出る野手が該当することになるだろうが、藤浪投手は「縁の下」でこれまでのような投球を続けてほしい。
私も経験があるが、これまで人気選手を追いかけていた日本メディアが、ポストシーズンを戦っている日本選手が絞られてくると大挙して押し寄せてくる。一気に注目度が高まるが、これまでの雰囲気も壊れる。そんなことに振り回されることなく、信頼してくれるチームのために、自分のためにも、一戦ずつ投げていけばいい。優勝争いのチームで積み上げた実績は、オフに自分の評価として必ず返ってくる。このコラムでも、藤浪投手のことはことある毎に取り上げてきた。メジャーに行く前から、あのポテンシャルは環境がうまくはまれば絶対に通用すると思っていた。すげえ選手になると思っていた。
シーズン序盤に苦しんだ「経験」を財産に前進あるのみ。“シンデレラ・ストーリー”はまだまだ終わらないだろう。
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