2023年9月17日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2023年9月16日

日本時間:2023年9月17日(日曜日)

10時07分開始

ロサンゼルス・エンゼルス

対デトロイト・タイガース

@エンゼルスタジアム

 

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【MLB.JP 戦評】

 前日に地区優勝の可能性が完全に消滅したエンゼルスは、9回裏に2本のアーチで追いついたものの、タイガースに4対5で敗戦。4連敗で今季81敗目を喫し、シーズン勝ち越しの可能性が消えただけでなく、プレーオフ進出の可能性も完全に消滅した。タイガース4番手のアレックス・ラングがセーブ失敗も7勝目(4敗)をマークし、5番手のウィル・ベストは今季初セーブを記録。エンゼルス6番手のホセ・ソリアーノは3敗目(1勝)を喫した。

 

 大谷翔平が今季の残り試合を欠場することが発表されたエンゼルス。先発のタイラー・アンダーソンは1回表無死1・3塁のピンチを無失点で切り抜けたものの、2回表一死1・2塁からザック・ショートに7号3ランを被弾し、タイガースに先制を許した。

 

 3回裏にノーラン・シャニュエルのメジャー初本塁打となる1号ソロで1点を返したが、アンダーソンは5回表にミゲル・カブレラのタイムリーで4失点目。結局、5回4安打4失点でマウンドを降りた。

 

 6回以降はアンドリュー・ワンツ、ジミー・ハーゲット、ホセ・スアレス、カルロス・エステベスとつなぎ、この4投手が各1イニングを無失点。すると、9回裏にジャレッド・ウォルシュの3号2ラン、ブレット・フィリップスの3号ソロと2本のアーチが飛び出し、4対4の同点に追いついた。

 

 しかし、10回表にカブレラのタイムリーで勝ち越され、4対5で敗戦。前日に地区優勝の可能性が消えたのに続いてプレーオフ進出の可能性も完全に消滅し、残り13試合はプレーオフ進出の望みが絶たれた状態でプレーすることになった。

 

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 ■ 今日の大谷翔平

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【スタメン】

15日間の故障者リスト入り

今季終了発表

 

【コメント】

なし

 

【その他情報】

◯ ミナシアンGMは試合前に、大谷ができるだけ早い時期に右肘のなんらかの手術を行うことを発表。処置の種類については「詳細は分からない」と話すにとどめた。この日の午前中には15日間の負傷者リスト(IL)に入れ、残るシーズンはプレーしないことを球団が公表。

 

◯ 試合途中に突如現れた大谷を一目見ようと、エンゼルスタジアムの三塁側スタンドが沸き立った。気付いたファンはベンチ付近にスマートフォンを向けて撮影したり、大谷への声援を向ける者もいたようだ。実際の映像を自身のXに投稿したカリフォルニア地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」のサラ・バレンズエラ記者は、「ファンもショウヘイ・オオタニがダグアウトに座っていることに気付いた瞬間、彼らは彼を一目見ようと先を争った。イニングが終わるごとに、ファンの大群が写真を撮るためにエンゼルスのダグアウトに向かって走り降りている」

 

◯ 試合後、大谷は黒の長尺バット持ち、Tシャツに短パン姿で帰路へ。報道陣に「お疲れっした」と挨拶し、球場を後にした。

 

 

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 ■ 試合情報

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【コメント】

フィル・ネビン監督:

(試合前)

――大谷が今季の残り試合を欠場する。

「私たちは何かが起きる予感がしていた。昨日、彼がMRI検査を要望した。そして、結果は見ての通りだ。今シーズン残りの試合に出場できない。彼は闘ったし、頑張った。本当にプレーしたそうだったから、不満に思っているだろうけど、(結果を見て)彼は今年プレーできないことを理解したと思う」

 

――ミナシアンGMは大谷が本拠地の試合に帯同すると言っていた。

「昨晩、彼の方から私に伝えてきた。前も言ったけど、ここでチームメートと一緒にいることが好きだ。自分でいられる場所だ。シーズン最後の1週間ここにいることはいいことだ。ここには、たくさんのことを学んでいる若手の選手がいる。彼、マイク(トラウト)、そしてアンソニー(レンドン)がいることでチームが良くなる」

 

――大谷のような選手を抱えることで学んだことは。

「2度と彼みたいな選手を指揮することはないだろう。やることが別格だ。毎日そのような話をしているから、彼がいなくなることは寂しい。でも、彼ならこのリハビリを乗り越えてくれると思うし、今よりも成長した姿で戻ってきてくれると信じている」

 

――11試合連続で欠場していた。大谷がチームからいなくなるということは。

「ここにいる全員が彼の状況を理解している。フィールドに立てないけど、若手を起用する機会を与えてくれた。パリス、フィリップス。フレッチ(フレッチャー)とウォルシュが戻ってきてくれたこともいいことだ。そして、(大谷は)よく会話するから、いいチームメートだ。もちろんフィールドに立てないのは私たちにとって大きな痛手だけど、(同時に)今シーズンの状況も理解している。出場機会を得る選手が増えたことは、ポジティブに捉えたい」

 

――大谷は来季エンゼルスにいないかもしれない。

「今シーズン序盤にも同じことを言ったけど、あまり心配していないことだ。オフシーズンが始まったら心配すればいい。私たちには今晩やらなくてはいけない仕事があり、選手たちを準備させて、試合に勝たなければいけない」

 

――大谷と築いた信頼関係について。

「私の選手全員との信頼関係を大事にしている。でも、彼の貢献度がすごいから、他の誰よりも会話をしたと思う。リスペクトの念を持って接している。多くのことを学んだし、彼も同じように考えてくれるといい」

 

――大谷が残り試合を欠場することが確定した今の心境は。

「野球への愛情に個人差があることは構わないことだ。でも、この後、ポストシーズンに進出する可能性のある2チーム(レイズ、ツインズ)と対戦する。私たちは毎日試合に勝つために準備をする。それは、シーズンを通して変わらないことだ。直近は彼が欠場した試合が多かったけど、戦い方は同じだ」

 

――大谷の今後のキャリアについて。

「ここに何年いたのかな? 私で良ければ喜んで相談に乗る。どうなるか見守ろう。彼に戻って欲しくないと言ったら、それはクレイジーなことだ。全30球団が打者として、彼を欲しいと思うだろう。私たちはこの5、6年の間で彼のことをよく知れたし、もちろん戻って来てほしいと思っている。セールスポイントとしては、彼はここでのプレー経験があり、やり方を(すでに)理解している。そして、どれくらい私たちや、チームメートが彼のことを愛しているかを理解してくれているはずだ。こういう話はシーズン終了後にしよう」

 

(試合後)

「彼は素晴らしいチームメートだ。治療をしたりしていたから最近彼のことを見かけていなかったと思うけど、(昨日までは)試合に出場する可能性があったので準備をしていた」

 

「このチームには多くの若手がいる。シャヌエルがホームランを打ったとき、ショウヘイとハイファイブをしていた。私を含めて、サイレントトリートメントをしていたけどね。そういうことだって、彼ら(若手)にとっては大きなことだ。パリスが大飛球を打ったときも、(大谷が)声をかけた。監督やコーチより、オオタニが言う方が響く。本当にそうだ。だから、彼ら(若手)にとっては大事な存在だ」

 

 

ローガン・オハピー捕手:

「(大谷について)特等席で彼の投球を見られたことは幸運なことで、最高の投球を見られたことも、感謝しかない。勝てなかったけど、開幕戦は信じられない投球だった。素晴らしい球を投げていた。(スタメンにいないこと)出場すべき選手がいないと、それは変な感じだよ。慣れないことだし、慣れたくない。(チームメイトとして)素晴らしい。全員に同じように接し、僕を10年目の選手のように扱ってくれた。そうする必要はないのに、感謝している」

 

カルロス・エステベス投手:

「(大谷について)復帰しようと懸命だった。本当にリスペクトしている。(人柄について)彼がどれだけいい人間か。とても面白かったし、試合のことについて話すときも、アニメについて話すときも、クールな経験だった。(再び二刀流ができると思うか)もちろんだ。これからも長い間、できるだろう。彼も、それを望んでいると思う」

 

パトリック・サンドバル投手:

「(今オフにFAとなる大谷のチーム残留へ、どう説得するか)もうシーズン中に十分やったと思う。あとは彼に任せるよ(笑)(大谷から吸収したことについて)いろいろなことを学んだ。準備の仕方や、毎日の体調管理、トレーニング。とてもプロフェッショナルで、すごく尊敬している。(友好関係について)とてもフレンドリーで、よく野球の話をしていた。冗談を言い合ったり、よき友人だよ」

 

【その他メディア情報】

ペリー・ミナシアンGM:

◯ ミナシアンGMは、大谷ができるだけ早い時期に、故障している右肘についてなんらかの手術を行うことを公表した。具体的な時期など詳細は明かされなかった。この日の午前中には15日間の負傷者リスト(IL)に入れ、残るシーズンはプレーしないことを発表。同GMによれば、大谷は前日に右脇腹のMRI検査を行い、炎症が残るとして今後の出場を断念したという。なお、チームはこの日の試合を含めて本拠地で8試合。同GMは大谷が同僚とともに、本拠地を訪れる予定であることも明かした。ミナシアンGMの主な一問一答は以下の通り。

 

ーー大谷の状況について

「昨日の午後4時ごろ(右脇腹の)MRI検査を行った。少し炎症があり、医師と話した結果、今季は、プレーしないことを決めた。試合が始まって、1イニング目か2イニング目に結果が分かった。ショウヘイ、代理人とも話をして、早ければ今日、手術、もしくは治療を開始する可能性があったから、荷物をまとめた。それ以上の話ではない。彼は最後の本拠地シリーズも球場に来る予定だ。今日も、明日もその予定。来季を考えれば、できるだけ早く治療をしたいと思っているはずだ。彼はとても特別な人であり、特別な選手。この3年間、彼を知る機会に恵まれたのは喜ばしいこと。長い間、ここにいてくれることを願っている」

 

ーーいつ、どんな治療をするのか

「まだ、詳細を把握していない。いつ、どこで、どんなものになるのか分からない。予定としては、できるだけ早く、ということ」

 

ーー大谷は試合に出ようとしていた

「彼はプレーしたいと思っていた。毎日プレーして、チームメートと一緒にいたい、ファンのためにもプレーしたい、チームのためにも。それに対して私は多大なリスペクトがある。ここ10試合くらいか、彼は出場するために可能なことを全てやっていた」

 

ーー脇腹は悪化したのか

「そうではなく、痛みがまだあった。休んでいる時は感じることはなかったようだが、スイングをしたときに、少しあった」

 

ーー筋肉に損傷などは

「詳細は話せないが、一部に炎症があるということ」

 

ーー肘の治療に関しては、手術ということになるのか

「詳細については分からない。最終的に判断して、できるだけ早く行いたいと考えているだろう。来季の開幕に向けて準備をするために」

 

ーー大谷が前日、荷物をまとめて帰ったことには、何か誤解があったか

「今日、あなたたちに話す予定だった。昨日の試合後は、ああいう厳しい試合だったこともあり、他の選手らが、話さなければいけない状況を避けたかった」

 

ーー大谷は今オフ、フリーエージェントになる。今回の場合、彼ら(大谷と代理人)に治療の選択を委ねることになるのか

「彼らが方針を固めたら話し合うことになるだろう。基本的には彼らが、どういう風にしたいか決断を下すことになると思う。それがどんなものでも尊重する」

 

ーートラウトとも今後を話し合うとのことだが

「まだ話し合ってはいない。私はトラウトが大好きだ。そうではない人などいないだろう。彼は素晴らしい選手だ。もちろん、健康面から言えば、彼が望んでいたようなシーズンではないし、失望もしただろう。ここにいてもらいたい選手であり、チームを長く、引っ張ってもらいたい」

 

ーーレンドンは骨折だった。両者の認識は同じだったのか

「どの選手も複数の医者に診てもらい、セカンドオピニオン、サードオピニオンを聞くのは普通のこと。4人の医者に診てもらって、2人は骨挫傷と言っていた。彼が個人的に聞いた人物は、骨折だったと。彼にはそうする(別に意見を聞く)権利がある。診断は問題ではない。同じように治療される。我々は、アンソニー(レンドン)が必要だ。非常にいい選手で、野球IQが高い。彼は勝つために必要な選手の1人」

 

ーー大谷が球場に来たら、ベンチで試合を見るか。ファンにあいさつをするような機会はありそうか

「クラブハウスに来るし、フィールドにも姿を見せるのではないか。(ファンにあいさつは)まだ話をしていないが、どこかでそういう機会があるといい。なんらかの処置が終わったら、ここに来ることを予定している。ここに来てくれることはうれしいし、彼はここにいたい、ここが大好きだ。我々も彼が大好きだ」

 

――大谷が不在でも残りのシーズンを戦えるか。

「現状フルメンバーでもないし、11試合ではサンプルが少ない。ロースターには自信を持っているし、成長を期待する才能を持った若い選手がいる。彼らにはもっとプレーして欲しい」

 

――大谷との再契約は。

「彼はここでの時間を本当に楽しんだと思う。史上最高の3年間をここで過ごしたし、チームメート、ファン、そしてチームにも恵まれたと思う。大きな信頼があり、コミュニケーションも密にとってきた。彼には長い間ここに残って欲しい」

 

――今オフに退団する可能性がある。大谷の残留が未確定という心境は。

「まだシーズンは2週間残っている。そのあと(来季の編成を)計画するが、何事にも準備が必要だ。何が起きるか分からない。私たちは若手を気に入っているし、彼らを中心としてチームを作りたい」

 

――大谷の離脱は今日発表する予定だったか。

「ああ。今日だ。今日発表する予定だった。試合の邪魔をしたくなかった。特に昨日の試合はタフだった。試合後、選手たちに(大谷の離脱について)質問されることを考えると、今日に発表した方がいいと思った」

 

――大谷の今季のパフォーマンスについて。

「素晴らしかった。特に言うことはない。素晴らしい選手だ。フィールドで彼のように活躍できる選手は他にどれくらいいるのか? でも、一番評価しているのは、(試合に対する)準備だ。リスペクトしている」

 

――大谷の代理人、ネズ・バレロ氏とも話した。

「この3年、ショウヘイとネズ(バレロ代理人)と色々話すことができて光栄だった。とても建設的な3年間だった。ネズとはよく話すけど、正直な男で、信頼しているから、いい関係を築けている」

 

――今夏のトレード期限で放出しなかったのは正しい判断だったか。

「ああ。私たちが置かれていた状況を考えると、正しい判断だったと思う。今となっては簡単に(トレードした方が良かったと)言えるかもしれないが、当時の順位やプレーを考えると、正しい判断のように感じた。(もう一度同じ状況になっても)私は判断を変えない」

 

――チームの遠征に帯同するか。

「様子を見よう。ディ・トゥ・ディ(様子を見てその都度判断すること)だ。出来る限り治療を早く終えたい。計画では最終戦でチームに帯同する。プレーできなくても、チームメートのそばにいたいと思っている。このチームに対して感謝と愛の気持ちがある。彼の人柄をよく表している」

 

――大谷のシーズン終了についてどう感じているか。

「彼はユニホームを破かないと、プレーをやめない選手だ。シーズンを完走できなくて、不満があるかもしれない。彼が毎日やっていることはリスペクトに値するし、何回も言うけど彼のプレーを見れたことは光栄に思っている」

 

――大谷のような選手を抱えることで学んだことは。

「若い選手を起用する時、お手本になるような選手が必要だ。彼らは、毎日(大谷を)見ることができる。ユニホームを着てプレーしているだけではなくて、多くの労力を準備にかけている」

 

――トラウトと大谷が打線から外れることが多かった。残念に感じることは。

「今シーズンはクレイジーだった。私のキャリアで起きなかったことがたくさん起きた。多くのことを学んだし、改善すべき点がある。だけど、どうしてそうなってしまったのかを振り返りたくない。ショー(大谷)とマイク(トラウト)は素晴らしい選手だ。ロッカールームでは素晴らしい人で、彼らはプレーすることが大好きだ」

 

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ エ軍監督 大谷の“ベンチ入り”「若い選手にとってコーチや監督よりも翔平から得られるものに意味がある」

(情報:スポニチ)

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エンゼルスの大谷翔平投手(29)が16日(日本時間17日)、本拠地で行われたタイガース戦でベンチに姿を見せた。チームは土壇場の9回に2本のソロで同点に追いついたが延長戦の末、5-4で敗れて4連敗。プレーオフ進出が完全に消滅した。

 

 今季終了が決まった大谷は試合中にベンチに姿を現した。モニアクとサンドバルの間に挟まり、談笑しながら笑顔で観戦。後ろに水原通訳の姿もあった。ベンチに姿を見せたのは9月3日の敵地アスレチックス戦以来、本拠地では右肘じん帯損傷が発覚した8月23日以来だった。

 

 3回、ルーキーのシャヌエルがメジャー1号となるソロを放つと両手を上げて拍手した。ベンチで沈黙して迎える“サイレントトリートメント”にも加わり、その後、ハイタッチして祝福した。

 

 試合前には、ペリー・ミナシアンGMがエンゼルスタジアムで会見。大谷が15日間のIL(負傷者リスト)に入り、今季を終了することが決まったが近日中に右肘手術に踏み切ることを明言した。

 

 試合後、ネビン監督はベンチで試合終了まで観戦していた大谷について「彼は良いチームメイトだ。治療を受けたり、試合でプレーする準備をしたりしていたため、皆さんは最近は彼の姿を見ることができていなかったと思う。彼は今季残り試合に打者として出場しないけど、常にチームメイトとともに一緒にプレーしたいと思っている。それが彼という男です」と語った。

 

 また、「我々のチームには明らかに若い選手がたくさんいる。今日はシャヌエルはプロ初本塁打を打ち、ベンチで翔平からハイタッチをもらった。全員で彼に『サイレント・トリートメント』をして、私も参加した。だけど、彼ら若い選手にとっては、コーチや監督よりも翔平から得られるものに意味がある。みんなを引っ張っている。 それは重要なことだ」と述べた。

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 ■ NOTE