2023年6月27日

 

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 ■ 試合データ

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米国時間:2023年6月26日

日本時間:2023年6月27日(火曜日)

10時38分開始

ロサンゼルス・エンゼルス

対シカゴ・ホワイトソックス

@エンゼルスタジアム

 

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【MLB.JP 戦評】

 エンゼルスは同点で迎えた9回裏に2四球と重盗で無死2・3塁のチャンスを作ると、相手投手の暴投という予想外の形でのサヨナラ勝利。2対1でホワイトソックスを下し、4連戦初戦を先勝した。エンゼルス3番手のカルロス・エステベスが2勝目(1敗)をマークし、ホワイトソックス3番手のレイナルド・ロペスが5敗目(2勝)を喫している。

 4連戦の初戦は両先発による奪三振ショーとなった。エンゼルス先発リード・デトマーズは初回にルイス・ロバートJr.の22号ソロを浴びたものの、7回2安打10奪三振1失点の好投を披露すると、ホワイトソックス先発ディラン・シースも負けじと6回無四球10奪三振の快投。こちらも大谷翔平のソロによる1失点のみと互角の投げ合いとなり、両投手勝ち負けつかずでマウンドを降りた。

 その後も両チーム決め手を欠き、延長戦に突入かと思われた9回裏にまさかの決着が待っていた。ホワイトソックスは前の回から続投のロペスが先頭マイク・トラウトに四球を与えると、ここで登板したアーロン・バマーが続く大谷に四球を与え無死1・2塁のピンチを作ってしまう。この場面で塁上に立ったエンゼルスの主軸2人がダブルスチールを決めて見せると、リズムを完全に崩したバマーのワンバウンド投球を捕手が後逸し、エンゼルスがサヨナラ勝利を収めた。

 「3番・DH」でスタメン出場した大谷は、見逃し三振、右中間への26号ソロ、空振り三振、四球で3打数1安打1本塁打1打点。再びメジャー単独トップに躍り出る26号弾で試合を振り出しに戻したほか、9回裏には冷静に四球を選んでチャンスを広げ、サヨナラ勝利を呼び込む活躍を見せた。大谷はこれで4試合連続安打をマークし、今季の成績を打率.297、26本塁打、62打点、11盗塁、OPS1.009としている。

 

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 ■ 今日の大谷翔平

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【スタメン】

3番DH

 

【出場成績/打者】

3打数 1安打 1打点 1得点 2三振 1四球 1盗塁 1本塁打(26号)

通算打率・297

OPS・1.009

 

◆第1打席:

(結果)見逃し三振

(状況)1回1死1塁

(投手)ディラン・シース右

※2ストライクから外角高めのフォーシームに見逃し三振だった。

 

◆第2打席:

(結果)ホームラン

(状況)4回1死走者なし

(投手)ディラン・シース右

※カウント3―1からの5球目、88・5マイル(約142・4キロ)の内角スライダーを振り抜いた。バットを手にしたまま確信歩き、シースは天を仰いだ。角度36度、打球速度113マイル(約181・8キロ)のロケット弾は右中間席中段へ飛び込む26号同点弾。飛距離446フィート(約135・9メートル)の特大の一発だった。26本塁打、62打点はともにメジャー単独トップ。これで今月11発で24打点。2021年の6月に記録した自己最多の23打点を更新した。ア・リーグキング争い2位のホワイトソックスのロベルトが初回に22号を放って3本差に迫られたが、目の前で打ち返して突き放した。

 

 

 

◆第3打席:

(結果)空振り三振

(状況)6回2死走者なし

(投手)ディラン・シース右

※カウント2―2からの6球目のナックルカーブを逆方向へ強打。左翼ポール際へ大ファウルを放つも、7球目の真ん中低めのスライダーに空振り三振。

 

◆第4打席:

(結果)四球

(状況)9回無死1塁

(投手)アーロン・バマー左

※先頭トラウトが四球で出塁すると大谷対策でバマーに交代。しかし、フルカウントから四球を選んだ。続くドゥルーリーの3球目に重盗に成功してチャンスを拡大。ドゥルーリーは空振り三振に倒れたが、暴投での劇的決着となった。

 

【コメント】

なし

 

【その他情報】

◯ 日本の文化や伝統を祝う交流イベント「ジャパニーズ・ヘリテージデー」となっており、開催に先立ち甲冑(かっちゅう)工房丸武からエンゼルスバージョンのオリジナル甲冑がスタジアム内に飾られた。販売代理店でPRを担当する株式会社KNOCK取締役・統括プロデューサーの小川佑馬氏は「大谷選手にかぶとをかぶっていただいて、ものすごい国内でも反響がありまして、かぶとだけでなく、エンゼルスさまのオリジナルのロゴを入れた甲冑を作って、寄贈させていただけないかと思って今回オファーさせていただきました」と説明しました。

 

 

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 ■ 試合情報

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【コメント】

フィル・ネビン監督:

(試合前)

「(大谷の休養日について)現時点では必要がないと思う。状態はいい。明日登板するけど、今週は右投手との対戦が続く。彼はプレーしたがっているので、ベンチに置いておく理由が見当たらない」

「本塁打を打てる選手が揃っている。ショウヘイのホームラン(25本塁打)はリーグをリードしているし、実際に彼はチームの(本塁打の)大部分を占めている。他にも打てる選手が揃っている。30本を打てる選手が5、6人いる。未知数だったローガン(オハッピー)も怪我をするまで数週間打っていた。復帰したら、彼も貢献してくれるだろう。本塁打もいいけど、打線の継続的な活躍が大事だ。投手陣がいくら抑えても、点をとらないといけない」

 

(試合後)

「ショウへイが今日とても手強かった投手の素晴らしい球を捉えた。ディラン・シースは誰にも引けを取らないほどよかったと思う。今日ショウへイはいい球を捉えて、彼はとても集中していた。あの(9回の)四球はとても大きかった。あれはなかなか見送れるものではない。そして塁に出たら足を生かした。彼はオールラウンドな5ツールプレーヤーだ。最近のような打撃を見せなくても、試合に違いをもたらすことができる」

 

ペリー・ミナシアンGM:

「故障者も出たが、適切な位置にいる。求めていたところかといえば、そうではないが、アップダウンがありながら選手たちは戦い続けている。後半戦が楽しみだ。(故障者が続いている中での補強に)ワイルドカードの圏内から外れていようが、我々はプレーオフを狙える位置にいる。必要な(選手の)入れ替えやロースター補強ができたと思っている」

「(6月に投打で好調の大谷について)ものすごいね。もちろん、彼は素晴らしいプレーを続けている。彼がフィールド上でやっていることに、私は驚かない」

 

 

マイク・トラウト外野手:

「チームを助けるために、チャンスをとにかくチャンスをつくろうと…。(走塁は)何かを起こすいいきっかけだった。うーん。どんな形でも勝てればいい。あれも勝つひとつの方法だ」

 

【メディア他情報】

リード・デトマーズ投手:

◯ デトマーズは、7回2安打10三振1失点と好投した。勝ち負けこそつかなかったものの、レジェンドに肩を並べる快投を続けている。それは剛腕で知られ、エンゼルス時代の背番号「30」が永久欠番でもあるノーラン・ライアンが2度、22年の大谷翔平と過去に2人しか果たしていない、登板4試合連続「1点以下の自責」と「8個以上の三振」という球団記録をマークした。

 

ジョー・アデル外野手:

◯ エンゼルスは26日、アデルをメジャー再昇格させたことを発表した。3Aでトップの21本塁打を放っている打撃はもちろん期待。一方で昨季は拙守が目立ったが、ペリー・ミナシアンGMは「ジョーは見事だ。様々な部分で飛躍した。守備で非常に良くなった」と今季の成長を明かした。今季は開幕前にマイナー落ち。しかし傘下3Aソルトレークで好成績を収め、7日に今季初昇格すると、8日には今季初出場を果たし、いきなり飛距離451フィート(約137.5メートル)、打球速度117.2マイル(約188.6キロ)の衝撃1号を放っていた。

 

メッツからトレードで獲得したエドゥアルド・エスコバー内野手が市民権のテストを受けるため制限リスト入りしたことで、再び出番が巡ってきた。ミナシアンGMは「3Aでいいスイングをしていたことは見ての通りだ。これまでに短期間だが昇格しているし、今日も昇格する。彼にはどこかの段階でチャンスを与える。彼がそのチャンスをどう生かすか楽しみにしている」と話した。

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ ファン最多得票の大谷翔平のHRダービー出場はある!今年はどんな演出の『ショータイム』に【AKI猪瀬コラム】

AKI猪瀬氏/情報:中日スポーツ)

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◇コラム「AKI猪瀬 MLBへの扉」

 大谷とブレーブスのアクーニャ外野手が各リーグの最多得票選手としてフェーズ2(各ポジション上位2名による決選投票)を待たずに、オールスターでのスタメン出場が決定しました。

 日本人としては2003年のイチロー以来、2人目となる最多得票を獲得した大谷。二刀流での衝撃のパフォーマンス、抜群の人気と知名度を考えれば、当然の結果だと思いますが、オールスターでのファン投票では、日本人選手史上初となる最多得票を獲得したイチローの方が今回の大谷よりもインパクトがありました。イチローはオールスターのファン投票史上、唯一となる1年目から3年連続リーグ最多得票を記録しています。イチローが残した数々の安打記録同様に、この記録も今後破られることがない不滅の記録になるでしょう。

 オールスターのファン投票は、そのシーズンの好成績に加えて、実績や知名度が重要視されるので、イチローのように1年目で最多得票を獲得するのは至難の業になります。イチローの時代と現在ではファン投票のルールが違いますが、今回のファン投票でフェーズ2に残った新人はレンジャースのヤン三塁手とダイヤモンドバックスのキャロル外野手しかいません。1年目でオールスターに選出されること自体、夢のような出来事なので、1年目で最多得票を獲得することなど、想像もできません。21年のオールスターで史上初となる二刀流を披露した大谷ですが、今回も21年同様にホームランダービー、二刀流出場など、大谷による、大谷のためのオールスターの実現に注目が集まっています。

 昨年は出場辞退したホームランダービーですが、今回はMLB全体1位の本塁打を記録しているので、使命感が強い大谷は、球界を盛り上げるために出場すると思います。大谷以上にオールスターの先発投手にふさわしい成績を残している投手が複数人いるので、21年のように先発投手兼指名打者での二刀流出場の可能性は低いと思いますが、日米を熱狂させたWBC決勝の再現なら実現の可能性があると思います。

 指名打者でスタメン出場して、途中交代で一度ベンチに下がり、9回に投手・大谷として再出場。大谷の出現でオールスターのルールも変更されているので、再出場が可能なルールを史上初めて行使していただきたいと思います。今年のオールスターは、どんな演出の「ショータイム」になるでしょうか。(大リーグアナリスト)

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◆ 大谷翔平とトラウトの“6年目も変わらない”リスペクト「勉強させられっぱなし」…ツーショットが映ると球場が熱狂する“トラウタニ”の現在

斎藤庸裕氏/情報:NumberWEB)

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両リーグトップとなる25号本塁打を放つなど、好調を続ける大谷翔平。活躍の裏には、「MLB最高の野手」と言われるチームメイト、マイク・トラウトの存在があった。2018年のエンゼルス加入時から変わらない“信頼関係”を、現地で取材を続ける斎藤庸裕氏が振り返る。

 本拠地アナハイムでのエンゼルスの試合前には、これまでの歴史や栄光、最近のプレー映像が、球場の大型スクリーンに流される。

 2002年のワールドシリーズ制覇などの懐かしいシーンから始まり、大谷翔平投手(28)の本塁打や、日本人初のサイクル安打を達成した時の映像を挟み、締めくくりはいつも大谷とマイク・トラウト外野手(31)のツーショットだ。トラウトが大谷の肩に左手を回し、肩を組んでいる後ろ姿。球場全体の熱気が高まり、盛り上がる中で選手達はフィールドに向かう。

 18年に大谷がメジャーに挑戦して以来、中心選手としてチームを支えてきた2人。互いに刺激を受け、喜びも悔しさも共有してきた。いまや、両選手のアーチ競演は「トラウタニ弾」として定着。トラウトは今季、4月2日に大谷とそろって1号本塁打をマークした試合後、「トラウタニだろ? 気に入っているよ。トラウタニにとっても、いい日になったね」と、自らコンビ名のフレーズを口にして笑顔を見せた。

大谷翔平が語る「トラウトへの変わらないリスペクト」
 今ではチーム内も含め、他球団の監督や選手から2番、3番でベストプレーヤーが2人並んでいると評される。昨シーズンの4月下旬、互いに切磋琢磨していることについて、大谷はこう答えた。

「それはないですかね。誰がどう見ても一番はトラウト選手じゃないかなと思うので、僕は引き上げられてって感じですし、実質(自分は)去年しかいいシーズンはないので、それをしっかり続けることに意味があるというか、そこが一番大事かなと思います」

 ベスト選手と称されながら、トラウトへの変わらないリスペクトを示した。

なぜ大谷にとってトラウトは「最高のお手本」なのか?


 ここまでの成績を振り返ると、大谷は18年にデビューしてから3年間は故障に泣いた。1年目こそ新人王に輝いたが、右肘のリハビリで打者に専念した2年目は本塁打数が減った。3年目は投打でキャリアワースト。4年目から好成績を続けているが、それまでは体の状態も含めて不安定だった。

 一方で、トラウトは12年に新人王を獲得して以来、19年まで安定して活躍。17年と21年こそケガで出場数が減り、ここ数年は故障を防ぐため定期的に休養日を設けるようになったが、14年、16年、19年とMVPを獲得した。「MLB最高の野手」と称され、毎年、相手バッテリーから徹底的に研究される中でも、それを上回る結果を残してきた。

 大谷にとっては、故障なく安定して結果を残し続けることが、目指すべきことの1つであり、トラウトはまさにそれを実践してきたお手本とも言える。逆にトラウトも二刀流でプレーを続ける大谷に対して「アンビリーバブル。見ていて楽しい」と敬意を払う。

 

大谷はトラウトに「勉強させられっぱなし」


 21年に満票でMVPを獲得した時の、トラウトに対する大谷の言葉が印象深い。

「一緒にやることで勉強になったり、バッティングに関しては勉強させられっぱなしのところがある。そこを見てきたからいろいろ対応できた部分はあると思いますし、本当に一緒のチームで良かったなと思っているので」

 最高の選手と互いが称え合い、リスペクトを向ける。その信頼関係は変わらない。

 今春3月のWBC日米決戦では、侍ジャパンの大谷が米国代表の主将トラウトを三振に打ち取り、世界一を勝ち取った。両者による、最高のシナリオで幕を開けた23年。シーズン開幕後も、そろって今季1号を飾った。今年の主役は大谷とトラウトになる。そんな気がしてならない。

(「メジャーリーグPRESS」斎藤庸裕 = 文)

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 ■ NOTE

 

いい勝ち方だ!嬉しい勝ち方かな!

 

大谷がホームランを打って、接戦を制すさよなら勝ち。

 

前カードの悪い流れを断ち切る、カード頭の勝利は大きい。

 

そして明日は、先発大谷だ。