2023年1月7日

 

(NOTE)

 

NumberWEBにコラムを執筆された佐藤春佳氏が見過ごさなかった事象。

 

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 ■ 今日の大谷翔平【関連NEWS】

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特になし

 

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 ■ ワールド・ベースボール・クラシック【関連NEWS】

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柳田悠岐外野手:

◯ ソフトバンク・柳田悠岐外野手(34)が、3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場を辞退したことが6日、明らかになった。球界関係者によると、2023年シーズンに集中するためで、すでに日本代表の栗山監督らに意向を伝えたもよう。柳田は21年東京五輪で侍ジャパンの一員として金メダル獲得に貢献。11月の日本代表強化試合には参加していなかった。昨季は117試合に出場し、打率・275、24本塁打、79打点。シーズン最終戦でオリックスに逆転優勝を許した悔しさを胸に、2月1日の春季キャンプに向けて調整を続けている。

※サンスポより

 

田中将大投手:

◯ 楽天・田中将大投手(34)が7日、3月の開幕まで約2カ月となったWBCに向けて「自分としても選ばれたい」と改めて出場意欲を見せ、「僕としてはダルさんの存在は一番大きい」と尊敬するダルビッシュとの共闘を熱望した。6日には先行メンバーとしてエンゼルス・大谷ら12人の選出が発表されるなど、徐々に完成形に近づきつつある侍ジャパン。田中将は「どんな役割でも自分のベストを尽くしたい」と話し、「時期は早いので、上げていかないといけない」といつもより早めの調整で準備を進めている。2度のWBCや一昨年の東京五輪など、国際試合の経験も豊富な右腕。熱い思いを胸に、自身の名前が呼ばれることを待っている。

※デイリースポーツより

 

岡本和真内野手:

◯ 巨人・岡本和真内野手(26)が7日、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を改めて熱望した。東京都内で丸、吉川、OBの井端弘和さんとトークショーに参加し、「選んでもらいたいなと思っています」と語った。昨年11月の侍ジャパンの強化試合に出場。打率5割4分5厘と存在感を示した。6日に先行発表された12人には入らなかったが、吉報を待つ。約1000人のファンの前で「今年の僕はメチャクチャ打つと思う」と力強く語った。シーズンは3割、40本塁打、100打点以上を目指す。トークショーでは書き初めを行い、「笑顔」と書いた。「常に笑顔を心がけていれば、いいことが待っていると思う」。WBCで世界一になり、秋は巨人で日本一になり、笑顔ばかりの1年にする。

※中日スポーツより

 

高橋由伸氏:

◯ 大谷のWBC出場が6日、正式発表され、メジャーを席巻する二刀流の起用法をスポーツ報知評論家が占った。「打」では高橋由伸氏が「2番・DH(投手)」で鈴木、村上と続く主軸の構成を提言した。

 

「攻守のカギはやはり、大谷になる。個人的な考えは『2番・投手&DH』だ。条件は、他に頼れる1番バッターがいれば。理想は大谷、鈴木、村上をくっつけて2~4番。相手は警戒続きで疲れるし、『この3人で点を奪うんだ、世界一を取るんだ』といった意思表示にもなる。

 

では、現状の1番候補は誰か。現役メジャーリーガーのヌートバーを推す声もあるが、優勝を狙う上で、未知数な点が矛盾する。実績あれば置いてもいいが、昨年108試合で打率2割2分8厘と低く、一発勝負の大会で起用するには怖い。映像では動ける良い選手に見えるが、実際輪に加わって、話し、プレーしてから判断すべきだろう。

 

私は吉田正を推す。打率、出塁率が高く、あの長打力は魅力的だ。大谷はチャンスメイクもできるが、前に走者も置きたい。はまらなければ、1番に大谷を据え、鈴木、吉田正、村上の4人を並べる。左に好打者が多く、鈴木の置き場所がポイントになりそうだ。

 

ちなみに、大谷の救援は今大会では厳しいのではないか。準備が何より大事なプロの世界において、例えば接戦の終盤で、ブルペンと打席の行き来はリスクが大きい。経験も少ない。もちろん理想ではあるが、現実的なのは先発だろう。

 

ここで問題に挙がるのが『1番・大谷』。昨年もエンゼルスで経験済みだが、今回は短期決戦。特に後攻めの場合は、投げた直後の打席になる。投打ともに能力全開で臨んでほしいから、リスクは少なくしたい。このように全体のバランスを考えると『2番・大谷』が組めれば、ベストに感じる」

※スポーツ報知より

 

宮本和知氏:

◯ 大谷のWBC出場が6日、正式発表され、メジャーを席巻する二刀流の起用法をスポーツ報知評論家が占った。「投」では宮本和知氏が抑え起用のススメを説いた。

 

「指名打者でスタメンから、最後はDHを解除して抑え―という方法を使うべきだね。二刀流の大谷にしかできないことだし、勝たなきゃいけない中、世界が注目する舞台で魅せることも大事。それはまた、栗山監督にしかできない起用だと思うんだ。オンリーワンの二刀流選手として育てられ、2人の間には深い絆がある。DHで先発して、監督が『最後(抑えで)、行ってくれ』と言えば、大谷は首を縦に振ってくれると思う。

 

先行発表6投手のうち、経験のない朗希を除く5人は全員リリーフもできる。リリーフに大事なのはコントロール。球の勢いだけの投手には“懸け”の部分が出てくるけど、この5人は大丈夫。セットアッパーだってできるし、全員がオールラウンドピッチャーだよ。

 

ただ、本来先発の彼らをリリーフで使う時の注意点が2つ。必ず『〇回から』と前もって伝えることと、イニングの頭から起用すること。投げるまでのルーチンを大事にしてあげたいね。

 

それにしても、このメンバーに戸郷が入っているのがうれしいなあ。投手コーチの時、『智之(菅野)の次のエースは戸郷』という思いだった。感慨深いなあ」

※スポーツ報知より

 

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 ■ 注目記事&コラム

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◆ 大谷翔平 世界一奪還に向けて必勝宣言 背番号16への思い明かす

柳原直之氏/情報:スポニチ)

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3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの栗山英樹監督(61)が6日、都内で会見を開き、エンゼルスの大谷翔平投手(28)ら代表選手12人を先行発表した。同席したWBC初出場の大谷は、チームにとって09年以来3大会、14年ぶりとなる世界一奪還に向けて必勝宣言。14年日米野球での侍ジャパンデビュー以来つけている背番号16への思いも語った。

 半袖で登壇した大谷の心は、熱く燃えていた。都内ホテルの会見場。世界一に輝いた06、09年WBCで使用したデザインを基調とした紺色のユニホーム姿で力強く宣言した。

 「優勝だけ目指して、勝つことだけを考えていきたい」

 昨年8月、日本ハム時代の恩師でもある栗山監督と米国で面談し、出場を打診された。即答は避けたが、オフに帰国後、「自分の考えをまとめて連絡させていただいた」と電話で出場意思を伝えた。根底にある思いは、17年の前回大会の出場を右足首痛の影響で断念した悔しさ。「前回、出られなかったし、自身としても初めてのWBC。楽しみにしながら頑張りたい」。21年にア・リーグMVPに満票で輝くなど、米球界でも超一流の選手へと進化した後に、無念を晴らす時が来た。

 シーズン開幕直前の大会でもあり、二刀流での出場はいまだ決まっていない。それでも、栗山監督の隣に座った大谷は「おそらく誰が監督でも出たいなという気持ちは前向きだった」とジョークを交えて場内を沸かせ、「勝つことだけを考えて。それ以外は何でもいい」と言い切った。

 背番号はエンゼルスでの「17」ではなく、14年日米野球以来、侍ジャパンでつけている「16」を選んだ。14年は年上の岸(当時西武、現楽天)と日本ハムでの背番号「11」が重なったため。ただ、「背番号はあまり大きなこだわりはない」と話した一方で、「前回(大会に右足首痛で)出られなかったのが一番。自分にとって日本代表は16番という印象が強い」と説明した。17年の前回大会でも背負う予定だった番号を7年越しに背負う。関係者によれば、「17」も選べた中で「16」を自ら選んだという。

 06、09年の2連覇はテレビで見届けた。イチローが決勝打を放った09年の韓国との決勝を思い出に挙げ「いつか自分がここでプレーできたら面白いだろうなっていう一つの夢として持っていた」と話した時には、少年のように目を輝かせた。

 大谷は「勝つ」「勝ちたい」などの言葉は会見中に計6回、「優勝だけ」は2回繰り返した。「野球を始めてから今日まで、1位以外を目指したことはない。自分の中で目標の一つである大会で勝ちたいと思うのは自然の流れかな、と」。憧れの舞台での頂点しか見ていない。(柳原 直之)

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◆ 大谷翔平の遠慮なし“ツンデレ発言”→ピリピリ空気が一変…WBC会見後、舞台袖の会話に見た栗山監督との“リアルな師弟関係”

佐藤春佳氏/情報:NumberWEB)

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主役の登場に、カメラのフラッシュが一斉に光った。都内で行われた野球日本代表「侍ジャパン」の記者会見。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた代表発表の席に大谷翔平は、ペコリと頭を下げながら待ち受けるテレビカメラ15台、報道陣約120人の前に姿を現した。紺色の代表ユニフォームからのぞく腕は筋肉が隆々と浮き上がり丸太のよう。一段とパワーアップした体躯に、記者の間から思わず「デカい……」の呟きが漏れた。

 

「翔平」呼びを封印。その裏に…

 

 二刀流のスーパースターが日本で記者会見に登場するのは、昨年11月に日本記者クラブで行われた帰国会見以来。メディア側に事前に大谷の出席は伝えられていたものの、実際に登壇するまでは情報解禁NGという“厳戒会見”だった。

 

 ピリピリとした空気をまとっていたのは日本代表・栗山英樹監督も同じだ。WBC代表30人のうち大谷やダルビッシュ有、鈴木誠也らチームの核となる12人を先行して発表するという初の大仕事。大谷登場に先立って行った単独の会見では、「全力で頑張ったら良いということではなく、必ずや世界一になって皆さんに喜んでもらう」と厳しい表情で決意表明。日本ハムの監督時代から面識のある選手は記者の前でも愛情を込めてファーストネームで呼ぶのが“栗山流”だが、この日は「ダルビッシュ投手」、「大谷選手」などと口にし、慣れ親しんだ「翔平」呼びも封印したほどだ。

 

 目指すは2009年の第2回大会以来の世界一。メジャーリーガーも参集するドリームチームを率いてとなれば、重圧は想像を絶するほどだろう。そんな指揮官の緊張を解いたのは、他ならぬ愛弟子の言葉だった。

 

「優勝だけ目指して、勝つことだけ考えていきたい」

 

 並んで座った大谷が意気込みを語り始めると、思わず頬が緩む。

 

「日本のトップの選手たちが一つのチームで他の国のトップ選手と対戦するのを見るだけでもワクワクしていたので……」

 

“ツンデレ発言”に漂う信頼感

 

 日本が初代王者となった2006年の第1回大会の頃は11歳だった大谷が当時の思い出を明かすと、その一言一言に大きく首を頷かせ、息子を見つめる父親のように目を細めた。

 

「栗山監督の選手愛を感じたことのあるシーン」について聞かれた大谷がニヤリと笑い、「あんまり感じたことはないです」と答えると、左手で頭を抱えて体をのけぞらせながら大爆笑。「一人一人の選手と会話する監督だと思うので、あまり一緒にプレーしたことない選手も数日でお互いを知ることができると思いますし、集まる選手は何の不安もなくプレーできるんじゃないかな」と続けた愛弟子の“ツンデレ”ぶりに、指揮官の目尻は下がりっぱなしだ。

 

 さらに、「出場を決めるにあたり栗山監督の存在は大きかったか?」と聞かれた大谷が「そうですね……本人を目の前に本当に申し訳ないんですけど」と悪戯っぽく切り出すと、栗山監督は思わず首を垂れて苦笑い。「おそらく誰が監督でも出たいなと、気持ちは前向きだったと思う」と口にしたのち、「ただ、自分のことを知ってくれている監督が指揮をとってくれるのは、選手にとっては大きいこと。決断する容易さは栗山監督であったからこそ、というのはあるんじゃないかな」と再び“ツンデレ”を繰り出すと師匠はひとたまりもなく、嬉しそうに目を瞬かせるばかりだった。

 

 大谷と栗山監督。2012年のドラフト指名時から続く師弟関係には、特別な絆がある。

 

 その才能を信じ、時に周囲から批判を浴びながらも起用してきた指揮官はまさに二刀流の生みの親。前人未到の道を切り開く日々には、綿密なコミュニケーションと二人三脚の試行錯誤があった。メジャー挑戦後、名実ともに世界一の選手となった大谷がWBC出場を決めた背景に栗山監督の存在があったことは疑いようもないが、それを安易なエピソードとして披露しないのも大谷らしいところ。指揮官の頬を緩ませた“ツンデレ”は、誰より心を許している証だろう。

 

この日唯一の「翔平」呼びは会見後に…

 

 一方、世界一を目指す栗山監督にとってもその存在は頼もしいばかりだ。会見で、代表入りした若い選手たちが憧れのスターと同じ時間を過ごし学ぶことを心待ちにしていると伝え聞いた大谷は、サラリとこう口にした。

 

「僕はダルビッシュさんとやるのは楽しみですけど、勉強したいというのは二の次で、本当に勝つことだけ考えてやっていきたい。他の選手たちもそういう気持ちを持ってプレーするのがベストじゃないかな、と思いますけど。実際に大会が終わってみて、ここが勉強になったと感じることはあると思うけれど、(大会中は)そういうことを抜きにして、本当に対等にやっていきたいなと思います」

 

 チームの旗印や指南役としてではなく、あくまで貪欲に勝利を求める一人の“侍”として集うことを強調した大谷。「勝ちたい」と何度も口にし、「野球を始めてから今日まで、1位以外目指したことはない。負けていいと思ったことはない」と話すその思いを噛み締めるように栗山監督は何度も深く頷いていた。

 

 この日の会見で終始封印していた「翔平」呼びだが、最後にこんなシーンも見られた。

 

 二人のフォトセッションが終わり舞台袖のバックステージに戻った指揮官。大谷の通訳の水原一平氏と話し込んだのち、愛弟子の背中に呼びかけた。

 

「じゃあ!翔平、またな!」

 

 最後に飛び出した「翔平」呼び。すっかり緊張がほどけたその顔に、この日一番の笑顔が浮かんでいたことは言うまでもない。

 

(「プロ野球PRESS」佐藤春佳 = 文)

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◆ 大谷翔平、WBCは先発投手&DHか 指揮官の言葉にエ軍への配慮…担当記者が読む起用法

小谷真弥氏/情報:フルカウント)

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野球日本代表「侍ジャパン」は6日、大谷翔平投手(エンゼルス)ら一部メンバー12選手を発表した。都内ホテルで行われた記者会見には栗山英樹監督、大谷が出席。両者から注目される二刀流の起用法についての明言はなかったが、栗山監督から「球団との確認が必要」と“ヒント”が……。エンゼルスを取材する担当記者が大谷の起用法を占った。

 

「自分にできることを精一杯やりたい」という二刀流・大谷は、どのような姿で侍ジャパンを引っ張るのか。ミナシアンGMは「彼がやりたいと言うなら何も問題もない。ライトでもセンターでもクローザーでも、やりたいことは何でもやっていい」と一貫して大谷に任せる考えを示しているが、チームを考えれば、WBCでも「先発投手+指名打者」での起用が予想される。

 

 厄介なのはWBCの開催時期だ。侍ジャパンは3月9日から1次ラウンドを戦い、最後まで勝ち進めば米国時間21日が決勝戦。つまりエンゼルスの30日のレギュラーシーズン開幕戦(アスレチックス)の9日前だ。仮に打者に専念すれば、絶対エースとなった右腕が開幕前に1か月も実戦投球から離れることになり、少ない球数で済むクローザーならクローザーで球数を増やすなど開幕へ向けた調整を行えない。

 

 加えて大谷はメジャー全63試合登板でリリーフ経験はゼロだ。ミナシアンGMは「何でもやっていい」と言っているとはいえ、年俸3000万ドル(約40億3000万円)でメジャーを代表するスターを預かる立場の栗山監督なら……。やはり色々とリスクの少ない先発投手での起用が最有力だ。

 

 1次ラウンド4試合のWBC本番では先発投手は4人いれば回る。今回のメンバー先行発表では大谷を含めて、ダルビッシュ有、戸郷翔征、佐々木朗希、山本由伸、今永昇太の6投手が発表された。どの投手も所属チームでは先発投手として起用されているが、戸郷は昨年11月の強化試合で第2先発として登板。滑りやすいと言われる大会使用球に慣れないなどの好不調や不足の事態に備えて、ダルビッシュ、佐々木、山本、今永、大谷の5投手が先発として準備するのだろうか。

 

 打者としては一昨年にリーグ3位の46本塁打を放ち、昨季も34本塁打。メジャーを知る強打者を指名打者として起用しない手はない。そんなこんなで先発投手+指名打者の二刀流を予想するものの、漫画でも描けない活躍を見せてきた大谷だ。世界一奪回へ大いにフル回転する姿を期待したい。

 

小谷真弥 / Masaya Kotani

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◆ 大谷翔平初WBCへ「優勝だけ目指す」 会見中「勝つ」「勝ちたい」計6度の決意

安藤宏太氏/情報:スポーツ報知)

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3月に行われる第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場する侍ジャパンのメンバー12人が6日、先行発表され、初出場となるエンゼルス・大谷翔平投手(28)をはじめダルビッシュ、村上、山本ら中心選手が順当に選出された。都内で行われた会見に栗山英樹監督(61)と出席した大谷は「勝つことだけ考えてやっていきたい」と3大会ぶり世界一への熱い思いを語った。残り18選手は今月下旬に発表され、全30選手が出そろう。

 

 熱い思いを、力強い言葉に乗せた。背番号16のユニホームを着てマイクを持った大谷は、初のWBCへの決意を明かした。

 

 「優勝だけ目指して、勝つことだけ考えていきたいなと思っている。前回(17年)出られなかったですし、自身としても初のWBCなので、楽しみにしながら頑張りたいと思っています」

 

 これまでWBCには縁がなかった。17年は右足首痛で辞退。21年東京五輪も出場できなかった。それでも、11歳だった06年の第1回大会、14歳だった09年の第2回大会には憧れた。韓国などとの死闘を制して頂点に立った感動が脳裏に深く刻み込まれている。

 

 「僕自身が一番野球を楽しい時期に、そういうプレー、試合を見せてもらって、いつか自分がここでプレーできたらおもしろいだろうなと、ひとつ夢として思っていた」

 

 一番の原動力は「夢」だった。打者では指名打者で中軸を担うことが確実で、投手では先発だけではなくほぼ経験のない救援登板にも意欲を示している。エンゼルスとの調整段階にあって、どの時期からチームに合流できるかも未定。侍ジャパンでは自身初となる二刀流の起用法にこだわりはなく、調整法も流動的だが、覚悟は決まっている。

 

 「勝つことだけを考えて、それ以外はなんでもいいかなと思う。野球を始めてからきょうまで、1位以外を目指したことはない。負けていいと思ったことはない。自分の中で目標の一つである大会で勝ちたいというのは自然な流れ」

 

 村上(ヤクルト)、佐々木朗(ロッテ)ら大谷とプレーするのを夢見る選手もメンバー入り。どんな選手ともタッグを組んで、世界一を狙う意気込みは十分だ。

 

 「ダルビッシュさんとやるのも楽しみですけど、勉強したいというのは二の次。勝つことだけ考えてやっていきたい。大会が終わって、個々の勉強になったと感じることはあると思いますけど、やっている時は、そういうことを抜きにして本当に対等に頑張りたい」

 

 全員に敬語から 言葉ではなくプレーで引っ張るのが大谷スタイル。不安を口にしたのは初対面の選手とのコミュニケーションだ。この日は、隣に座った栗山監督を笑顔でイジる余裕もあったが、謙虚な姿勢は変わらない。

 

 「自己紹介からだと思います。年齢も上なのか下なのかちょっと分からない選手もいると思うので、とりあえず最初は全員敬語から入りたいなと思います(笑い)」

 

 会見では「勝つ」「勝ちたい」と計6度も口にした。頂点に立つことだけを考えている大谷。侍ジャパンの先頭に立つときが迫ってきた。(安藤 宏太)

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◆ 大谷翔平は先発&DHに救援起用 最後は胴上げ投手が理想 二刀流を使い切る…担当記者の目

岸慎也氏/情報:スポーツ報知)

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栗山監督は大谷の起用法について「契約球団との確認が必要」と現時点で明言を避けている。一方で昨年は「勝つために目いっぱいいきたい」と二刀流を示唆している。指揮官はけがをさせないことを大前提に大谷を“使い切る”と見る。

 

 まずは、1次ラウンド(R)の初戦、3月9日の中国戦、もしくは10日の韓国戦で先発&DH。球数制限のルールは未発表だが、前回と同じなら65球。時期は例年より早いものの合わせられるはずだ。その後、中5日、もしくは6日で、負けたら終わりの準々決勝でDHからの中継ぎ待機に回る。8回、もしくは9回、投げるイニングと球数を決め、重要な場面を託す。

 

 米・マイアミの決勝Rでは状態を見ながら準決勝、決勝のどちらかで救援起用。理想は胴上げ投手だ。もちろん、他の投手の兼ね合いもあり、準決勝以降はダルビッシュや山本の抑え起用も考えられる。(侍ジャパン担当・岸 慎也)

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◆ 大谷翔平、トークでも侍ジャパン牽引 WBCメンバー12人先行発表 「勉強したいという気持ちは二の次…勝つことだけ」

片岡将氏/情報:夕刊フジ)

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3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表の一部メンバーが6日、先行発表。都内ホテルでの会見には栗山英樹監督(61)とともに大谷翔平投手(28)=エンゼルス=も登場し、進化したトークスキルで会見を沸かせた。

 

WBCへの参加は正式に決まったが、気になるのはその合流時期。2月17日からの宮崎合宿からか、それとも3月の開幕直前になるのかはキャンプ地の宮崎では一大関心事だ。そこに地元紙が切り込むと「日程的に強化試合、どのタイミングでメジャーの選手が出れるか少しハッキリしていないところがある。臨機応変に対応したいなと思っている」。合流時期は未定としつつも「宮崎はフェニックスリーグでお邪魔したことがあっておいしいお店だったりとかは知っている」とサービストークで宮崎にアピール。

 

さらに出場にあたっての栗山監督の存在の大きさを問われると「本人の目の前で申し訳ないんですけど、おそらく誰が監督でも出たいという気持ちは前向きだったと思う。恐らく変わることはなかったとは思います」と隣の恩師をずっこけさせて爆笑をさらったが、「ただ、自分のことを知ってくれている監督。選手にとって大きいところではあるので決断の容易さ、しやすさは、栗山監督であったからこそ」とフォローも忘れない。

 

自身にとって憧れのダルビッシュとの初共闘でもあり、大谷自身へのあこがれを語る若手も多いが大谷は違った。

 

「僕は確かにダルビッシュさんとやるのも楽しみですけど、勉強したいなという気持ちは二の次。本当に勝つことだけを考えてやっていきたい。他の選手たちもそういう気持ちを持ってプレーするのがベストじゃないか。実際に大会が終わってみて、『ここは勉強になったな』ということは、後に感じることはあると思うんですけど、やってるときには、そういうことは抜きに対等に頑張りたい」

 

仰ぎ見るのではなくあくまで対等のチームメートだとピシャリ。早くもチームの中心として存在感を増している。 (片岡将)

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◆ 大谷翔平が来ない? 侍ジャパン合宿地の宮崎から悲鳴…二刀流不参加なら死活問題に

(情報:日刊ゲンダイDIGITAL)

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宮崎の飲食店経営者から悲鳴が上がった。

 

 3月のWBCに向け、6日に侍ジャパンの栗山英樹監督(61)と日本代表入りが決まったエンゼルスの大谷翔平(28)が会見。2月17日から予定されている宮崎県での合宿について質問された大谷がこう答えたのだ。

 

プロ注目の「スーパー1年生」投手が“甲子園”からこつぜんと消えた理由

 

「日程的にどのタイミングでメジャーの選手が強化試合に出られるのか、はっきりしていない。(侍ジャパンへの)合流に関しては、それによって自分が向こう(米国)で実戦をしてからこっち(日本)に入った方がいいと思えばその方向で行きたいし、それよりもサインプレーを含めてチームへの合流を早くした方がいいと思えば早く(日本に)来るかもしれない。臨機応変に対応したいと思っています」

 

 宮崎での合宿には参加しない可能性もあるとしたのだ。

 

「2009年のWBCの合宿は、そりゃすごかったですから」

 

 宮崎市内で和食店など3軒の飲食店を営む50代の経営者がこう言うように、当時マリナーズに所属したイチロー、レッドソックスに在籍した松坂大輔らが参加した第2回WBCでの宮崎合宿には、7日間で実に24万5000人超のファンが宮崎に集結。ホテルも飲食店も“WBC合宿景気”で沸きに沸いた。13年の第3回大会の合宿は約8万5000人、17年の第4回大会が約5万2000人だったことを考えれば、メジャーリーガーの集客力は凄まじかった。

 

「今回はダルビッシュに鈴木誠也、そして大谷翔平というメジャーのスーパースターが宮崎に来るというので、仲間内でも09年のイチローフィーバー以上のソロバンを弾いていたんですが…。2月はプロ野球のキャンプもあるとはいえ、かつてほどの観光客が来ないから、経済効果は減っている。これで大谷選手が来なかったら、コロナ禍とのダブルパンチで死活問題ですよ。なんとかならんやろうか」(前出の飲食店関係者)

 

 二刀流からの朗報を、宮崎県民は固唾を飲んで待っている。

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