2022年11月6日

 

(NOTE)

 

 

 

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 ■ 今日の大谷翔平【NEWS】 -----------------------------------------------------------------

 

特になし

 

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 ■ 球界情報

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ダスティ・ベーカー監督:

◯ アストロズが2017年以来、5年ぶり2度目の世界一を果たした。20年からチームを指揮する73歳の名将ベーカー監督にとって、監督生活25年目で初の頂点。「すごくうれしいが、実感が湧かない」と素直な心境を吐露した。ここまで長い道のりだった。1993年にジャイアンツの監督に就任してから、5チームを率いて全てのチームを地区優勝に導いたが、世界一の称号は遠かった。2002年、昨年と2度ワールドシリーズの舞台に立ったが、いずれも敗れた。「ここに至るまでに経験した試練や苦難に感謝している」。勝てなかったことで、さらに、野球への情熱を燃やした。半世紀以上離れた選手にも耳を傾け、経験を伝えた。MVPを獲得したペーニャは「監督は自分にとってレジェンドであり、選手たちの良さを最大限引き出してくれる」と語った。黒人監督として史上初の2000勝を達成した年にワールドチャンピオンに輝いた。「アフリカ系アメリカ人は同じことを達成するためには、2倍の能力を身につけなければならない」。亡き母が何度も口にしていた言葉を常に胸に刻み、前に進んできた。2017年にチームは王者となったが、その後に球団ぐるみでのサイン盗みが発覚。「汚れた勝利」とみなされたが、今回はベーカー監督のもと、一丸となってタイトルをつかんだ。「スキャンダルが明るみに出て、このチームに雇われて運命だと思った」。名将に導かれて真の王者となった。

 

ジェレミー・ペーニャ内野手:

◯ アストロズの新人ペーニャが、新人野手としては史上初のワールドシリーズMVPに輝いた。試合後、グラウンドの壇上でトロフィーを掲げ、「これが夢に見てきたことだ。ヒューストンが大好きだ」と絶叫した。リーグ優勝決定戦でMVPに輝き、ワールドシリーズでも25打数10安打、1本塁打と大活躍。新人とは思えない落ち着きと勝負強さでチームを牽引した。「チームメートのおかげで自信を持ってプレーできた」と仲間に感謝した。チームの顔の一人だったコレアがツインズに移籍。その後釜として開幕前から注目を集めた。今季の挑戦を振り返り、「船は周りにある水のせいで沈むのではなく、船の中に水が入るから沈むという言葉がある。とにかく自分を強く持って、自分らしいプレーをし続けた」

 

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 ■ 注目の記事&コラム

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◆ 大谷翔平にしか見えぬ景色 W規定到達で分かったこと

丹羽政善氏/情報:日本経済新聞)

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すごい、すごいとさんざん煽(あお)った割には、大谷翔平(エンゼルス)の一言で規定投球回数と規定打席の到達の話題は、さっと潮が引くがごとく、勢いを失った。1900年以降の近代野球では初。おそらく今後も、大谷以外は達成できないであろう偉業の一つであることに変わりはないが、本人がそこに価値を見いだしていなかった。

 

10月5日のシーズン最終戦に先発した大谷は、すでにクリアしていた規定打席に続き、規定投球回数にも達したが、意義を問われて首をひねった。

 

「無理して狙いにいくところではないかな」

 

すっかり肩すかしをくらったが、それがたどり着いたものにしか見えない現実的な景色。ただ、無理したところで、それに見合うものがないと把握できたことは、無駄ではなかった。

 

こんな話を思い出した。2004年、イチロー(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)は米大リーグのシーズン歴代最多となる262安打を記録した。しかしあの年、4月の月間安打は26本で、打率は.255と出遅れている。1つ要因があった。上からの指示で、初球から積極的に打ちに行くことを自粛するよう求められたのだ。当時の打撃コーチだったポール・モリターが、後にこう振り返っている。

 

「『初球はボール気味』がイチローの攻めのセオリーになっていた。それを見逃せば1ボール。1ボールになるだけで、相手が2球目にストライクを投げる確率が高くなる。ベース上の勝負ならば、イチローに分がある」

 

イチローも納得して受け入れた。当時、「ある程度たくさんのピッチャーを見させてもらって、リスクを冒して1球目から攻撃しなくてもいいと考えられるピッチャーもたくさんいるわけですよ」と話し、続けている。

 

「つまり、1ストライクと追い込まれてからでも、十分対応できるピッチャーっていうのはいますから。その人たちに対して、1球目から、もちろんチャンスもあるんだけど、そこでリスクを冒す必要性というのはだんだん少なくなってきたんですよ、僕の中では」

 

ただ、狙ったような結果が出なかった。すると、マリナーズは早々に指示を撤回。モリター氏は、「『自由に打ってもらって構わない』という話をした。そうしたら、途端に打ち出した。あれは私が打撃コーチとして与えた最高のアドバイスだった」と苦笑しながら述懐した。

 

一方で、イチロー自身は、一連の経緯をポジティブに捉えていた。

 

「僕にとっていい経験だったと思っています。決して無駄なことではないですし、野球っていうのは無駄なことを考えて、無駄なことをしないと、伸びない面もありますから」

 

やってみない限り、正解、不正解は分からない。無駄が、次のステップになることもある。

 

話を大谷に戻すと、彼は自身で口にしたように、少々無理をした。

 

前半、中5日以内で先発したのは15試合中3試合。後半は13試合中9試合。9月10日の試合で右中指にマメが出来、次の試合こそ中6日とやや登板間隔を空けたが、その後の3登板はいずれも中5日で投げた。治りきらないまま投げ続けた結果、最終戦ではマメが潰れ、途中降板している。そもそもエンゼルスは早い段階でプレーオフの進出レースから脱落しており、マメができた状態で投げる理由もなければ、後半の疲れがたまる時期に中5日で投げ続ける必要もなかった。

 

しかし9月半ば 、「本来はあまりこだわらないようにしている」という規定投球回数について本人が、「いってみないとそれが本当にそうなのかどうなのか(意味を持つのかどうか)分からないので、1回、いってみるっていうのは大きい」と意欲を示したことで、チームもローテーションを調整するなどして協力した。

 

結果として分かったのは、冒頭でも紹介したように、「無理して狙いにいくところではない」だったが、大谷は「2つやりながら規定に乗るかどうか。自分として目指すべき数字なのかどうかというのは、やっぱりやってみないと分からない。それが分かったのがよかった」と自分に言い聞かせるように言ってから、強調した。

 

「安定して出られれば、どちらもいける範囲内の数字だなっていうのはもちろん認識しましたけど、ペースとか、自分の体調を無理して崩していくところではない」

 

中5日で投げ続けたことも、マメができた状態で投げ続けたことも、ある意味、無駄ではあった。ただ、優先すべきものの順位を改めて頭の中で整理できた。

 

規定投球回数は、例えば、防御率のタイトル争いには必要な要素だが、投打で安定したパフォーマンスを続ける上で不可欠な休養とのバランスを考えた場合、そこまでこだわることなのか。ましてや、"史上初"の肩書が欲しくてプレーしているわけでもない。

 

合理性も結局は、重ねた無駄の数で決まる。矛盾するようだが、イチローや大谷のように道なき道を歩むものにとっては、その繰り返し。それはただ、彼らのためでもあり、あとに続く若い選手への道標となる。

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◆ 大谷翔平はいつ侍Jに合流? 日本Rからの参加ならイチロー超えのフィーバーは確実

(情報:日刊ゲンダイ)

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代表内での期待は大きい。エンゼルスの大谷翔平のことだ。  

 

前回(2017年)大会の優勝国・米国や中南米の強豪国は複数の現役メジャーリーガーが参戦予定。日本が09年大会以来の世界一を果たすには、大谷の存在が不可欠だ。本人も出場に意欲を見せているとはいえ、問題は本当に参戦できるのか、参戦したとしてもいつから合流するかである。 

 

前回大会で唯一のメジャーリーガーとして参戦した青木宣親(アストロズ=当時)は宮崎での合宿を回避し、米国で自軍のキャンプ参加後、1次・日本ラウンド直前に代表へ合流した。大谷が代表入りし、日本Rから参戦することになれば、青木と同様の形になるだろう。ただ、来年2月の宮崎合宿から「完全参戦」する可能性もゼロではない。  

 

そこで想起されるのが第2回大会が行われた09年だ。あのイチロー(マリナーズ=当時)が宮崎合宿から参加。練習が行われたサンマリンスタジアムは7日間で約25万人を動員。宮崎市内から球場までの道路は連日、大渋滞となった。  

 

宮崎県観光協会の関係者に話を聞くと、「具体的な対策、準備は県が中心となり、これから検討していきます」と前置きした上で、「大谷選手が参加すれば、イチロー選手の時のような大フィーバーになる可能性があります。大谷選手の参加可否によって警備、輸送などの受け入れ態勢は変わると思います」と話した。  

 

チケットの売れ行きにも大きく影響しそうだ。 「5、6日の強化試合は完売したが、9、10日の豪州との強化試合(札幌ドーム)は残席がある。WBCの日本ラウンドは、先行発売は好調も、チケット代が非常に高い(ネット裏のプレミア指定席SSで2万4000円=1次R.1日通し券)。1次Rの対戦相手をみても韓国はまだしも中国、豪州と格下が相手。前回大会は1次、2次Rでほぼ4万人以上を動員しながら、完売せず。今回はチケット代が大幅に値上げされた。グッズ収入も含め、大谷がいるいないで日本Rの主催である読売の収益は大きく変わるはず」(代表関係者)  

 

日本Rから参戦できればいいが、米国で行われる決勝Rから合流するケースも考えられる。そうなれば戦力、人気面の打撃は小さくない。  

 

侍ジャパンの真打ちは本当に参戦するのか。栗山監督や主催者は固唾をのんで見守っている。

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◆ 世界一アストロズ MVPペーニャ「ずっと夢見てきたこと。ヒューストンの人たち、大好きだよ」

奥田秀樹氏/情報:スポニチ)

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 ワールドシリーズ(WS)第6戦は5日(日本時間6日)、ヒューストンのミニットメードパークで行われ、アストロズが6回にヨルダン・アルバレスの3点本塁打で逆転勝ちし、4万2958人の満員のファンの前で、2017年以来の2度目のWS制覇を成し遂げた。MVPにはジェレミー・ペーニャ内野手が新人野手として初の栄誉に輝いている。

 

  6回の逆転本塁打をおぜん立てしたのはペーニャだった。5回までフィリーズ右腕ザック・ウィーラーに、ペーニャの左前打を含む2安打に抑えられていたが、1死1塁から96・2マイルのシンカーを打って中前打、一、三塁のチャンスをつくった。  

 

3番アルバレスを迎えたところで、フ軍のロブ・トムソン監督が左腕ホセ・アルバラドを起用。ウィーラーを70球で交代させた。しかしこれが裏目、アルバレスがカウント2―1から98・9マイルのシンカーを中越えに高々と打ち上げる3点本塁打。球場全体でオレンジのラリータオルが振られた。  

 

この逆転の場面について、慎み深く、先輩思いのペーニャは彼らしくこう振り返った。  

 

「大きかったのは自分の前に(三塁ゴロを打った)アルテューべが全力疾走で併殺を防いだこと。ハッスルすることは教えられない。彼はいつだってハッスルしている。手本を示している。そういうところを尊敬している。だから自分も次の人にバトンをつなごうと思った。そしてヨルダンに仕事をしてもらった」  

 

第5戦までの活躍で、ミニッツメイド・パークの地元ファンは、1打席目からペーニャが打席に立つと「MVPコール」を送っていた。そんな中でも力まず、大事な試合で2安打。シリーズ通算25打数10安打の打率4割、1本塁打、3打点、そして守備の要、遊撃で度々好守を見せた。  

 

ア・リーグ優勝決定シリーズに続き、ワールドシリーズでもMVP。これは史上9人目の快挙。新人では2人目だ。新人のワールドシリーズMVPは、1959年のラリー・シェリー(ドジャース)、1997年のリバン・ヘルナンデス(マーリンズ)に続き3人目で、新人野手では初めてとなった。  

 

試合後のセレモニー。MVPのトロフィーを頭上で持ち上げ、少しはにかみながら上下に振る。「ずっと夢見てきたこと。ヒューストンの人たち、大好きだよ」と言って、おなじみの感謝のハートマークを両手で作った。  

 

2つのシリーズで連続MVP受賞について聞かれると「チームメートが自分らしくやらせてくれたおかげ。毎日しっかり準備する重要性を教えてくれた。でも個人賞よりみんなで勝ち取ったトロフィーの方をカメラで撮ってほしい」と言い、白い歯を見せて手を叩いた。  

 

会見場には小さなドミニカ共和国の旗を持って現れた。国を代表してこの勝利を得たことをどう感じるかと聞かれると「言葉にするのは難しいけど、ドミニカの人たちに捧げたい」とスペイン語で話した。(奥田秀樹通信員)

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