2022年8月24日

 

(NOTE)

 

日本時間早朝からエンゼルスの売却公表情報が、一般ニュースまで賑わした。

 

まさかの急報!?

 

ちょうど1ヶ月程前、オールスターブレイクの7月22日、ライターの丹羽政善氏がオーナーの球団売却の可能性にも触れていたが、その時の自分はモレノ氏が手放すはずがないと書いた。理由は高齢ともなれば、最後は儲けやビジネスよりも、自分の趣味趣向を優先すると思ったからだ。

 

これで大谷の未来は、またさらに混沌としてきそうだ。

 

オーナーの趣味趣向は、全くの未知数だからなあ。

 

きょうのニュースを見ていると、エンゼルスのオーナーになってからのモレノ氏の功績には、ほとんど触れられていない。

 

自分からすれば、大谷を二刀流でメジャーに迎えてくれたこと、チーム編成をローテ6人制など考慮してまで二刀流を自由にやらせてくれたこと。

 

これは評価に値すると思う。

 

他のオーナーや球団では、果たしてどうなっていたやら・・・!?

 

他にソーシア元監督が、メディアのインタビューに登場。トラウトと大谷について語った。

 

「2人は忠誠心の強い選手。2人が力を合わせ、先発と中継ぎを補強すれば、ポテンシャルはある。2人はエンゼルスで育った若くて実力のある選手。この2人がチームに残留することになっても私は驚かない。彼らがチームの方向転換を進めて、オレンジカウンティに再び、ワールドシリーズ優勝をもたらしてくれるのではないかと思う」

 

二人のチームに対するロイヤリティを良く知るソーシア氏ならではのコメントと受け取った。

 

野球に真摯に向き合う二人、模範となる二人がリーダーシップを発揮するチームで、強くなれないのはなんとも悲しい。

 

二人揃っての歓喜の瞬間は、最高だろうなあ。

 

そんな日を見てみたい。

 

※コロナ自宅隔離5日目(起点数え6日目)完全平温。軽い喉の炎症のみ。

 

-----------------------------------------------------------------  ■ 試合データ -----------------------------------------------------------------

 

米国時間:2022年8月23日

日本時間:2022年8月24日(水曜日)

8時08分開始

ロサンゼルス・エンゼルス

対タンパベイ・レイズ

@トロピカーナ・フィールド

 

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エンゼルスは、3回先発ホセ・スアレスがレイズ2番のマヌエル・マーゴーと4番ハロルド・ラミレスにタイムリーを打たれ2点の先行を許す。6回に2番マイク・トラウトのソロ本塁打で1点差に迫るが、その裏5番アイザック・パレデスにソロ本塁打を打たれ再び2点差。7回には、2番手ジェシー・チャベスと3番手トゥーキ・トゥーサントが6点を失い万事休す。

 

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 ■ 今日の大谷翔平 -----------------------------------------------------------------

 

スタメン3番DH

 

【出場成績/打者】

3打数 1安打

通算打率.265

 

 

◆第1打席:

(結果)レフト前ヒット

(状況)1回2死/走者無し

(投手)コリー・クルバー/右

(コース/球種)カットボール

※相手先発はサイ・ヤング賞2度のベテラン右腕クルバー。初回二死無走者は2ストライクからの3球目、内角高めのカットボールに詰まりながらも左前に運んだ。

 

 

◆第2打席:

(結果)サードフライ

(状況)4回無死/走者無し

(投手)コリー・クルバー/右

(コース/球種)シンカー

※真ん中のシンカーを打ち損じて三飛に倒れた。

 

◆第3打席:

(結果)レフトフライ

(状況)6回1死/走者無し

(投手)コリー・クルバー/右

(コース/球種)シンカー

※2番トラウトが天井直撃を直撃する飛距離429フィート(約131メートル)の直後で連続アーチが期待された。1ストライクからの2球目をフルスイングしたが、打球は右足を直撃。苦もんの表情を浮かべて痛がった。結局カウント1―2からの5球目、外角高めのシンカーを逆方向へ。高々と上がった打球に歓声が上がったが、左翼手が余裕を持って捕球した。

 

◆第4打席:

※8回に1―11となった直後に三塁を守っていたゴスリンが登板した影響でDHが解除。遊撃に入ったベラスケスと交代した。

 

 

【試合後コメント】

・なし

 

【その他情報】

・エンゼルス元監督のマイク・ソーシア氏が23日、地元のスポーツテレビ番組のインタビューで、大谷翔平とマイク・トラウトの2人が、球団売却後もチームに残留する可能性があると語った。「2人は忠誠心の強い選手。2人が力を合わせ、先発と中継ぎを補強すれば、ポテンシャルはある。2人はエンゼルスで育った若くて実力のある選手。この2人がチームに残留することになっても私は驚かない。彼らがチームの方向転換を進めて、オレンジカウンティ(アナハイム)に再び、ワールドシリーズ優勝をもたらしてくれるのではないかと思う」と述べた。

 

 

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 ■ 試合情報 -----------------------------------------------------------------

 

【試合コメント】

フィル・ネビン監督代行:

「(球団売却を公表したモレノオーナーについて)彼は私にも非常によく接してくれた。この組織にとって素晴らしいオーナーだったし、今もそうだろう。20年間で6度、タイトル(ア・リーグ西地区の優勝)に輝いた。人々は最近の交渉ごとにフォーカスするが、エンゼルスのあるアナハイムや地域にとって、非常に大きく貢献した。今日の試合に集中している。何も変わることはない」

 

マイク・トラウト外野手:

「(モレノ・オーナーについて)キャリアの全てをここで過ごしてきたし、アルテ(モレノ・オーナー)は僕や、僕の家族も気にかけてくれていた。大きな契約をするときにはリスクも伴うが、僕を信じてくれた。感謝しても、感謝しきれない。(チームは14年以来、プレーオフ進出から遠ざかっており、今季も現時点で52勝70敗のア・リーグ西地区4位に低迷)もちろん、僕は勝ちたい」

 

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 ■ 球界情報

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ノア・シンダーガード投手:

・フィリーズのノア・シンダーガードは22日の本拠地レッズ戦で7回3安打1失点と好投。今季8勝目(8敗)を挙げた。大谷翔平も所属するエンゼルスから今月トレード移籍。新天地では、シンダーガードが先発した4試合でフィリーズは全勝で、12年ぶりの快記録を樹立。シンダーガードが投げれば負けない。この日は5回にソロを浴びるも失点はこれだけ。奪三振は1つだけだったが、たった89球で7回3安打1失点の快投。移籍後3勝目を挙げた。プレーオフ進出を狙うフィリーズはシンダーガードが登板した試合は4戦無敗。米専門局「MLBネットワーク」公式インスタグラムは、初先発からチームが4戦全勝するのはフィリーズ史上2010年のロイ・ハラデイ以来だったと伝えた。

 

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ジャスティン・バーランダー投手:

・アリーグ西地区首位のアストロズは23日、地元ヒューストン(テキサス州)で同中地区2位のツインズを4―2で下して79勝45敗。先発したジャスティン・バーランダー(38)は6回を無安打、無失点、10奪三振に抑えて両リーグ単独トップの16勝目(3敗)を挙げた。バーランダーは91球を投げ、出した走者は振り逃げの1人のみ。2020年9月19日にトミー・ジョン手術を受けて昨季は全休したが、復帰した今季は勝利数に加え、防御率(1・87)も両リーグの1位となっている。

 

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 ■ 気になる記事&コラム

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◆ トラウトが戦列復帰後初アーチで通算1500安打達成もエンゼルス大敗 大谷翔平は3打数1安打

(情報:MLBジャパン)

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 エンゼルスは2点ビハインドの6回表にマイク・トラウトの25号ソロで1点差に迫ったものの、2番手のジェシー・チャベスらリリーフ陣が大量失点。1対11でレイズに大敗を喫し、4連敗で今季ワーストの借金19となった。レイズ先発のコリー・クルーバーはトラウトに被弾したが、6回5安打1失点の好投で8勝目(7敗)をマーク。エンゼルス先発のホセ・スアレスは6敗目(4勝)を喫した。

 

 3回裏にマニュエル・マーゴとハロルド・ラミレスのタイムリーで2点を先制されたエンゼルスは、6回表にトラウトが通算1500本目の安打となる25号ソロを放って反撃。トラウトにとって、これが戦列復帰後の初アーチとなった。ところが、6回裏にアイザック・パレイデスの15号ソロでリードを広げられると、7回裏にはクリスチャン・ベサンコートの8号ソロ、ヤンディ・ディアスのタイムリー二塁打などで大量6失点。8回裏にも2本のタイムリー二塁打で2点を追加され、最後は野手のフィル・ゴスリンを登板させて白旗をあげた。

 

 エンゼルスの大谷翔平は「3番・DH」でスタメン出場。1回表二死走者なしの第1打席でレフトへのヒットを放ったが、4回表先頭の第2打席はサードフライ、6回表一死走者なしの第3打席はレフトフライに倒れ、3打数1安打だった。8回裏の野手登板の際にDHが解除されたため、守備に入ったアンドリュー・ベラスケスと交代。今季の打率は.265、OPSは.870となっている。

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◆ エンゼルスのモレノ・オーナーが球団売却を検討中 「エンゼルスを20年間保有できて光栄だった」

(情報:MLBジャパン)

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日本時間8月24日、エンゼルスのアルテ・モレノ・オーナーが球団売却を検討中であることが球団から公式発表された。現在76歳のモレノは球団売却も含め、様々な可能性を検討するためのプロセスを開始したという。モレノは「エンゼルスを20シーズンにわたって保有できたことは大きな栄誉であり、特権でした」とのコメントを発表。このコメントから判断する限り、モレノがエンゼルスを手放す可能性は極めて高いと言えそうだ。

 

 モレノは2003年に1億8400万ドルでウォルトディズニー社からエンゼルスを買収。それ以降に6度の地区優勝を成し遂げたが、2016年以降は7年連続で負け越しのシーズンが続いており、マイク・トラウトや大谷翔平という球界屈指のスター選手を抱えながらもポストシーズンの舞台から遠ざかっている。

 

 そのトラウトは日本時間8月24日のレイズ戦の試合前にメディアの取材に応じ、モレノ夫妻との関係が良好であることを明言。新しいオーナーに何を求めるかについては「勝ちたい」と語るにとどめ、今後の物事の推移を見守る意向を示した。

 

 モレノ政権のエンゼルスはスター選手と大型契約を結ぶことが多かった一方、自軍の選手、特に先発投手の育成に苦労してきた。アルバート・プホルス(現カージナルス)、ジョシュ・ハミルトン、C・J・ウィルソンなど、大物FA選手との大型契約が機能しなかった例も多く、現在もアンソニー・レンドンが大型契約の期待を裏切り続けている。

 

 今年のトレード・デッドラインでは、モレノが大谷の放出に難色を示したことが報じられたが、大谷の存在が球団の価値に大きな影響を与えることは明白であり、モレノが大谷放出を拒絶したのは当然と言えるだろう。球団売却までどれくらいの時間を要するかは不明だが、新しいオーナーがどのようなスタンスで球団を運営していくかが大谷の去就を左右するのは間違いない。

 

 メジャーリーグで球団売却が成立したのはメッツが最後。2020年10月に現オーナーのスティーブ・コーエンが約24億ドルで球団を買収した。なお、エンゼルスだけでなく、ナショナルズでも現在、球団売却への動きが進められている。

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◆ 【解説】エンゼルス売却劇的発表の背景 来オフFA大谷の処遇絡む「最高値」で売却のタイミング

四竈衛氏/情報:日刊スポーツ)

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 大谷翔平投手(28)が所属するエンゼルスのアート・モレノ・オーナー(76)が23日(日本時間24日)、球団の売却を検討すると発表した。同オーナーは声明で「エンゼルスを20シーズンにわたって保有したことは光栄で特別なことだった。この難しい決断は深く考えるに値するものだったが、私と私の家族は最終的に今がその時との結論に至った。売却までの間は、ファン、従業員、選手、提携企業のことを最大限に考えて引き続き球団を運営する」などとコメントした。

 

     ◇    ◇    ◇

 

 解説 モレノ氏が球団売却を劇的に発表した背景に、来オフ、FAとなる大谷の処遇が絡んでいることは言うまでもない。8月2日のトレード期限前、大谷との延長契約が難航するエ軍に対し、ヤンキース、ドジャースなど資金力豊富な強豪球団がトレードを打診。エ軍側は具体的な交換要員を提示するなど交渉が本格化した。最終的にはモレノ氏が大谷放出を拒否し残留が決まったが、その数週間後、同氏は球団の売却計画を劇的に発表した。メジャーの顔とも言われるトラウト、大谷のパッケージが顔を並べる状態で、突如「売り手」に回った。

 

 現実的に、今のエ軍の資産価値は「大谷不在」であればより低くなる。裏を返せば、「大谷残留」ありきの売却。大谷の放出を阻止した上で球団売却に踏み切るのは、ビジネス的には当然なのかもしれない。モレノ氏にすれば23年以降、大谷が退団するか否かは新オーナー次第。子息が球団経営に熱心でないこともあり、「最高値」で売却できるタイミングが「その時」だったに違いない。

 

 今後は、大谷と新オーナーの意思次第。ただ、常に「勝てるチーム」を求める大谷が23年以降、再建途上のエ軍でプレーする選択をするとは考えにくい。【MLB担当=四竈衛】

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◆ ファン目線の改革を断行も大谷とトラウトの才能を浪費…エンジェルス身売りを表明したオーナーの“功罪”<SLUGGER>

久保田市郎氏/情報:)

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現地時間8月23日、エンジェルスはオーナーのアート・モレノが球団売却の意向を発表した。

 

 モレノは球団が発表した声明で「20年間にわたってエンジェルスを所有してきたことは大変な名誉だった」としながら「最終的に今こそ(身売りの)時期だとの結論に達した」と説明している。

 

 1946年にアリゾナ州で生まれたモレノはベトナム戦争に従軍した後、アリゾナ大でマーケティングを専攻。卒業後は屋外広告ビジネスで大成功を収め、2003年にウォルト・ディズニー社からエンジェルスを1億8000万ドルで買収。MLB史上初のヒスパニック系オーナーとなった。

 

 当時のモレノは「理想のオーナー」に限りなく近い存在だった。オーナー就任後最初にしたことは、エンジェルス・スタジアムのチケットとビールの値下げ。自ら客席を練り歩いてファンの声に耳を傾け、ファンサービス向上に努めた。

 

 一方で、02年に創設以来初の世界一に輝いたチームの戦力を維持するべく、補強にも惜しみなく資金を投じた。ブラディミール・ゲレーロやバートコ・コロンといった大物選手をFAで獲得し、名将マイク・ソーシア監督の存在もあってチームは04年以降の6年間で5度の地区優勝と黄金時代を作り上げた。ファーム組織からも次々に有能な選手が登場していた当時のエンジェルスは、間違いなくMLBきっての「模範球団」だった。

 

 観客動員も、03年に球団史上初めて年間300万人を突破すると、その後もコロナ禍前年の19年まで17年連続で大台をクリア。かつては完全にドジャースの影に隠れていたチームの存在感を大きく押し上げた。

 

 だが、10年代に入ってから徐々に歯車が狂っていく。

 

 11年オフに球界最強スラッガーのアルバート・プーホルス、12年オフには同じく元MVPのジョシュ・ハミルトンと「超」がつく大物選手をFAで獲得したが、どちらも目を覆わんばかりの失敗。12年にメジャーデビューを果たしたマイク・トラウトの超人的な活躍もあって14年には5年ぶりの地区優勝を果たしたが、翌年からは7年連続で負け越しが続いている。

 

 15年以降のチームの低迷は、モレノの「独断専行」に因る部分も大きい。大物FA野手を好んで獲得する一方で、チーム全体のバランスやマイナー組織の向上には関心を寄せず、GMが成立させたトレードに介入して破談に追い込んだこともあった。

 

 近年は監督もGMも短期間で入れ代わり、チームのビジョンが見えないままいたずらにトラウトと大谷の才能を浪費するシーズンが続いた。ついには、「大谷やトラウトのスターパワーがもたらす観客動員や広告料収入を勝つことよりも優先しているのではないか」との声が出るほどになった。

 

 そして結局、モレノは一度もワールドシリーズ優勝を達成できないままチームを売却する運びになった。

 

 だが、ビジネスとしては大成功だった。経済誌『Forbes』によると、エンジェルスの現在の資産価値はMLB9位の22億ドル。モレノが買収した当時と比べて、実に10倍以上に跳ね上がっている。今回の身売りでモレノ自身は莫大な利益を得るが、30歳を過ぎて背中に爆弾を抱えるトラウトの超大型契約、来年オフにFAとなる大谷、そしてMLBワーストクラスのファーム組織を置き土産にしてアナハイムを去る。

 

 今回の身売り報道を受け、地元紙『Orange County Register』のジム・アレクザンダーは「(退任を祝う)パレードの申し込みがアナハイム市に殺到する様子が思い浮かぶ」と強烈にこき下ろした。

 

「球団史上最高のオーナー」になるはずだった男は、「大谷とトラウトの偉大な才能を浪費し、チームの暗黒時代を招いたオーナー」として歴史に記憶されることになるのだろうか。

 

文●久保田市郎(SLUGGER編集長)

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