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2022年6月27日

 

(NOTE)

 

メジャーの世界では意図的な報復行為が有ると、元OBの経験談や様々なメディア情報から知識として知ってはいたが、オープナーを活用しての明らかな報復行為をはじめてみた。

 

選手や関係者からは、それらを認めるコメントの数々。

 

 

大谷には、最も似つかわしくない大乱闘劇。

 

チーム全体に刺激を与える意味では、考え方によっては意味ある行為なのかもしれないが、結局はこの刺激をへて、選手個々にどれだけプレーで応えることができるか否か。

 

頼むぜ。

 

あきらめたら終わりだから!

 

-----------------------------------------------------------------  ■ 試合データ -----------------------------------------------------------------

 

米国時間:2022年6月26日

日本時間:2022年6月27日(月曜日)

5時08分開始

ロサンゼルス・エンゼルス

対シアトル・マリナーズ

@エンゼルスタジアム

 

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エンゼルスは、6回2番手ホセ・スアレスがマリナーズの1番エーブラハム・トロにソロ本塁打を打たれ先制を許す。しかし7回、8番ルイス・レンフィフォがソロ本塁打を放ち同点。その後2死1、2塁のチャンスに、4番デービッド・マッキノンがタイムリーを放ち逆転。8回から3番手オリバー・オルテガが無失点で抑えて、接戦を勝ち抜いた。

 

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 ■ 今日の大谷翔平 -----------------------------------------------------------------

 

スタメン3番DH

 

【出場成績/打者】

2打数 0安打 2四球

通算打率.259

 

◆第1打席:

(結果)四球

(状況)1回1死/走者1塁

(投手)マルコ・ゴンザレス/左

(コース/球種)

※フルカウントから外角高めキワどいコースを見極めた。

 

◆第2打席:

(結果)四球

(状況)3回2死/走者1塁

(投手)マルコ・ゴンザレス/左

(コース/球種)

※外角キワどいコースが全て外れて、ストレートのファーボール。

 

◆第3打席:

(結果)ライトライナー

(状況)5回1死/走者1、2塁

(投手)マルコ・ゴンザレス/左

(コース/球種)内角/シンカー

※両軍無得点の五回1死二塁から前打者トラウトが申告敬遠。1死一、二塁の第3打席はゴンザレスの初球、内寄り低めのシンカーを捉えたが、時速172キロのライナー性の打球は深く守った右翼手のグラブに収まった。

 

◆第4打席:

(結果)レフトフライ

(状況)7回1死/走者1、2塁

(投手)アンドレス・ムニョス/右

(コース/球種)

※1-1の七回1死一塁の場面では再びトラウトが申告敬遠を受け、勝ち越しのチャンスが訪れる。大谷は左腕ムニョスの初球、外寄りスライダーを積極的に打ったが、高く上がった打球は左飛だった。

 

【試合後コメント】

・なし

 

【その他情報】

・2回表、エンゼルス先発ウォンツが投じた初球がマリナーズ4番ウィンカーの臀部に直撃するとウィンカーがエンゼルスベンチの声に反応して激高。1回表にも2番ロドリゲスに対する投球が背中の後ろを通過し一発触発の空気のなかでの死球に両チームが入り乱れ約5分におよぶ大乱闘騒ぎに。第1打席を終えベンチ裏に下がっていた大谷は乱闘の途中から参戦すると乱闘の輪のなかに入りマリナーズの選手を背中から抱きかかえ止めに入る。乱闘による大谷のケガを心配した水原一平通訳は大谷を必死に守りマリナーズ選手を背中から抱きかかえる大谷の背中を抱きかかえる水原通訳という珍しい光景となった。

 

 

 

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 ● 試合情報 -----------------------------------------------------------------

 

【試合コメント】

フィル・ネビン監督:

「先週から同じチームと8試合を戦っていれば、このようなことは起こるもの。それがベースボール。時に醜い出来事もある。それが、今日起こっただけ」

 

「このチームの監督代行となったとき、私がこのチームをどれだけ誇りに思っているか皆さんに伝えたと思う。その思いは今日のことを受けてさらに強くなった」

 

「今日の試合がどのような形で語られるのかは分かっているが、あれだけすばらしい投手陣相手に逆転勝利は素晴らしい」

 

アンドリュー・ワンツ投手:

「初先発にかなり興奮していた。(1回のフリオ・ロドリゲスへの危険球は)すり抜けてしまった。汗で滑りやすかった。汗をかいていたんだ。デーゲームで投げるのは初めてだったから。ウィンカーへの投球は内角へのカットボールで、それを引っ張ってしまった。言えるのはそれだけさ」

 

「あんなことになるとは思ってもいなかった。自分は先発することに集中していて、そのことしか考えていなかった(相手側が何か言ったのかと聞かれると)僕の知る限りは、何も言っていない」

 

「(前日25日の9回にはトラウトが頭部付近の投球を受けてヒヤリとする場面があり“伏線”となったとみられるが)昨日はその間に治療を受けていて見ていなかったので、背景はよく分からない。(トラウトのことは)今日の自分の投球には影響しなかった」

 

「僕らが団結し続けることの表れにもなっただろう。一致団結してプレーすれば、いいことが起きるものだ」

 

ホセ・スアレス投手:

「僕らが彼らよりもいいチームだということを証明するために、いい投球をしたいと思っただけだよ」

 

ライセル・イグレシアス投手:

「我々は家族なんだ。より団結力を高めることに繋がるはずさ(とチームメイトを想った行動だったと言う)ポストシーズンに進出できるよう、一戦一戦しっかり戦っていきたい」

 

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スコット・サービス監督:

「今日起こったことは、試合中に起こってはいけないことだ。感情が高ぶっていたが、何が起きたかは明白だ。我々にボールを投げるために、オープナーの投手にした。手に負えなくなった(エンゼルスが救援専門だったワンツをオープナーとして先発に選んだことについて、“死球要員”としての起用だと疑った)」

 

マルコ・ゴンザレス投手:

「(この日の試合を迎えるにあたっての雰囲気を)ピリピリしていたのは相手の方だったと思う。僕ら側は、この試合に引きずるべきことはなかった。昨日の9回も、僕らは試合に勝とうとしていた。向こうがピリピリした理由が分からない」

 

「(初回のロドリゲスへの投球を)向こうはあれでメッセージを送ってきた。非常に余計なメッセージだった。そのあとで他の選手に死球を与えたことで、向こうの立ち位置が分かった。彼らの本性が見えた。昨日の9回のことを受けて、まだ子どものフリオ(・ロドリゲス)を標的にするなんて。品位のかけらもない。意図があったことは明白だ。とても張り詰めた状況だった。重傷者が出なくてホッとしている。あの事態から得られる“最高の結果”だ」

 

「あの後は冷静になるのが難しかった。今日は娘の1歳の誕生日だったから、娘に勝ち星をプレゼントしたいと思って投げた。残念ながら勝ち切れなかったが、自分の役割は果たせた」

 

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 ● 気になる記事&コラム

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◆ 大乱闘勃発で両軍合計8人退場の一戦をエンゼルスが制す 大谷翔平は2打数0安打2四球

(情報:MLBジャパン)

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 エンゼルスは1点ビハインドの7回裏にルイス・レンヒーフォの3号ソロで追いつくと、さらに二死1・2塁からデービッド・マキノンのタイムリーで勝ち越しに成功。2対1でマリナーズとの接戦を制し、本拠地エンゼル・スタジアムでの3連戦の被スイープを回避した。エンゼルス2番手のホセ・スアレスが今季初勝利(2敗)、3番手のオリバー・オルテガがメジャー初セーブをマーク。マリナーズ先発のマルコ・ゴンザレスは8敗目(4勝)を喫した。

 

 大乱闘が勃発したのは2回表だった。エンゼルス先発のアンドリュー・ウォンツがこの回先頭のジェシー・ウィンカーに死球。前日の試合でマイク・トラウトへの危険な投球があったことへの報復とみられ、ウォンツは初回にもフリオ・ロドリゲスの背後を通過するボールを投げて両軍に警告が与えられていた。ウィンカーの死球をきっかけに両軍ベンチから選手が飛び出す大乱闘となり、両軍合計8人(マリナーズのスコット・サービス監督、ウィンカー、ロドリゲス、J・P・クロフォード、エンゼルスのフィル・ネビン暫定監督、ライセル・イグレシアス、ライアン・テペラ、ウォンツ)が退場を命じられた。

 

 エンゼルスの大谷翔平は「3番・DH」でスタメン出場し、2打席連続四球のあと、ライトライナーとレフトフライに倒れて2打数0安打2四球。凡退した2打席はいずれもトラウト敬遠直後の得点機だったが、得点を生み出す一打を放つことはできなかった。今季の打率は.259、OPSは.830となっている。

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◆ MLB識者も「手足が出るのは久しぶり」大谷翔平も巻き込まれた8人退場、ド迫力の乱闘劇はなぜ起きた

(情報:AMEBA TIMES)

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エンゼルスの大谷翔平投手が「3番・DH」で先発出場した試合で、両軍で計8人が退場となる大乱闘が起きた。2回、エンゼルス先発のワンツが、先頭のマリナーズ・ウインカーの臀部あたりに死球を当てたことがトリガーとなり、両軍の選手、スタッフがベンチ、ブルペンから総出の大ゲンカ。あちこちで殴り合い、蹴り合い、取っ組み合いの騒動に、球場も騒然となった。MLB識者も「手足が出るのは久しぶり」と驚いたド迫力の乱闘劇はなぜ起きたのか。

 

 乱闘が始まったのは2回だが、伏線はあった。まず前日の試合で、エンゼルスの主砲トラウトが、頭部をかすめるような危険なボールを投げ込まれ、打席内で倒れる場面があった。その場では乱闘には発展しなかったが、昨季のけがから復活し、今季はOPSでメジャートップ、ホームラン数でもメジャー2位の22本塁打と大活躍中で、特にマリナーズ戦ではめっぽう強く、最も多くマリナーズからホームランを打っている選手になっていた。MVPを3度も獲得し、球団だけでなくMLB全体にとっても至宝と言われるトラウトだけに、危険なボールでけがをさせられてはたまらない。本拠地のエンゼルスファンからも大きなブーイングが飛んだ。

 

 やられたらやり返す。スポーツマンシップを考えれば褒められたものではないが、MLBの世界には、この精神は今もある。この日の試合で1回、エンゼルス先発のワンツが、マリナーズ・ロドリゲスに対して、背中を通すような危険なボールを投げ込んだ。これが前日の報復なのか、それとも単なる投げ損ないか定かではないが、1球によって球場は騒然。エンゼルス・ネヴィン監督代行、マリナーズ・サービス監督、双方から声が飛び、審判団もすぐさま警告試合を宣告した。このまま収まり、スムーズに試合が進めばよかったが、ことはそう簡単には進まず、2回の先頭打者だったウインカーが死球を受けると、サービス監督からはすぐさまワンツに向けて「退場だ!」というような声を飛ばした。さらにウインカーは、エンゼルスベンチからの声に反応すると激怒。右手首を手術し、ギプスをはめていたレンドンに向かって突進すると、ここから両軍入り乱れての大乱闘に発展した。大谷も乱闘に参加し相手選手らを抱きかかえ、さらに大谷を守ろうと通訳の水原一平氏が体を張るシーンもあったが、計8人の退場者を出してようやく試合が落ち着いた。

 

 ABEMAの中継で解説を務めていたAKI猪瀬氏も「手足が出る乱闘は久しぶり。メジャーの乱闘ですね」と驚くほどだったが、確かにMLBでもここまでの大乱闘は珍しくなっている。いざ始まればベンチ、ブルペンにいた選手、スタッフも駆けつけるのがお決まりになっているが、もみ合いまで静まるケースも多い。前日からの伏線、さらにチームに蓄積されていたフラストレーションが、一気に噴出したような格好だ。乱闘が終わったころにはサービス監督もユニフォーム姿がぐちゃぐちゃになり、その激しさを物語ることになったが、何はともあれ大谷をはじめ各選手に大きなけががなかったのは、ファンとしてもホッとしたところだろう。

(ABEMA『SPORTSチャンネル』)

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◆ 川崎宗則、エンゼルス×マリナーズの乱闘劇を斬る 「これはもう、わざとです」自身の経験から分析

(情報:中日スポーツ)

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大リーグでも活躍した現BCリーグ・栃木の川崎宗則内野手(41)が27日、TBS系の情報番組「ひるおび」に生出演。26日(日本時間27日)のエンゼルス-マリナーズ戦で起きた死球を巡る乱闘について解説し、「これはもう、わざとです」と断言した。

 

 このカードでは前日の試合でエンゼルスの主力マイク・トラウト(30)の頭部付近に投球がかすめるプレーがあり、これが伏線となり、エ軍のワンツ投手が相手の4番打者に死球を与えたことから乱闘に発展。試合は17分間中断し、両軍監督を含む計8人が退場処分になった。大谷翔平(27)も乱闘を止めようとしたが、水原一平通訳(37)に制止された。

 

 川崎はきっかけになった投球を「これはもう、わざとです」と断言。前日のトラウトへの投球を受け、「この日は『ちょっと行こうぜ』と、ピッチャー陣が話してる。僕ら野手陣も『今日あるよ~』って指令が来てます」と、自身の経験から分析した。

 

 さらに「なのでベンチでみんな待ち構えるわけです。野球なんかしてないですよね、その日は」と選手が臨戦態勢であった可能性も指摘し、「160日メジャーって試合あるんですよ。野球ばっかりしてるからストレスたまるんですよね。すがすがしいですよ、この後はみんな」。ガス抜きの一つになっていることも付け加えた。

 

 司会の恵俊彰(57)は「審判は輪に入らず?」と傍観する審判員らに疑問を抱いた様子。これについて川崎は「審判は止めに入らないです。誰が暴言を言ったか、殴ったかをジャッジしてるんです」とその場で退場や罰金処分を決めていると説明し、「僕みたいな日本人は超有利。『バカヤロー』と言っても分からない。だから僕は罰金取られなかった」と笑わせた。

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◆ 大谷翔平は2年連続で米球宴に選出されるのか?

(丹羽政善氏/情報:THE PAGE)

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もしもテレビの瞬間視聴率のようなデータが、オールスターのファン投票でも公開されたとしたら、エンゼルスの大谷翔平(27)が2本の3ランなどで8打点を挙げた21日(日本時間22日)のロイヤルズ戦、8回まで2安打無失点に抑え13三振を奪った22日(日本時間23日)の同カードは、凄まじい跳ね上がり方をしたのではないか。この2日間の活躍に加えて、大谷は25日(日本時間26日)のマリナーズ戦でも3試合ぶりの16号同点アーチを放ち、2年連続となるオールスター出場の可能性をグイっと引き寄せた。

 

第1回中間発表ではDH部門アルバレスに次いで2位

 

 空気も変わった。22日の登板後の囲み会見では、オールスター出場に関してダイレクトに聞かれている。

 

「オールスターで投げる、あるいは、ホームランダービー出場に興味は?」

 

 今年初めての質問だったが、その質問に違和感はなかった。大谷自身も、抵抗なくこう答えている。

 

 「選ばれないと出られないですし、オールスターまでは、選ばれるように頑張るしかないので、選ばれたら選ばれたでまた考えたいなと思っています」

 

 実際、大谷のオールスター選出の可能性はどうなのか。

 

 米大リーグ機構は21日、オールスターのファン投票の第1回中間発表を行った。大谷は55万5056票で、ア・リーグ指名打者部門の2位。1位は、ヨルダン・アルバレス(アストロズ)の83万5669票。

 

【ア・リーグ指名打者部門】

1. ヨルダン・アルバレス(アストロズ) 83万5669票

2. 大谷翔平(エンゼルス)   55万5056票

3. J.D.マルチネス(レッドソックス) 30万7706票

4. ダニ・ジャンセン(ブルージェイズ) 29万7484票

5. ミゲル・カブレラ(タイガース) 24万8312票

 

 アルバレスは、中間結果が発表された当日、OPSが1.037でメジャー全体のトップ。19本塁打(4位)、打率.312(11位)、出塁率.405(3位)、49打点(7位)とすべてにおいて非凡で、妥当な結果か。※ カッコ内はリーグ内の順位

 

 一方の大谷は、むしろ予想を上回った。2位にはおそらく、6月に入って打率が下降しているものの、5月に.406と打ちまくったJ.D.マルチネスが、熱狂的なレッドソックスファンの支持を受けて入ってくるのでは、と想定されていたのである。大谷の2位には、昨年の余勢を駆って、という側面も否定できなかった。

 

 数字的にも微妙。ファン投票が始まった8日の時点で、大谷の成績は打率.242、11本塁打、OPSは.765まで下がっていた。投手としては9試合に先発し、3勝4敗、防御率3.99。47回1/3を投げて65三振はさすがだが、44安打、21失点で、被本塁打が8本。厳しい数字が並んだ。折しもチームは14連敗中。その間、打者としては47打数9安打、打率.192、2本塁打、4打点、OPS.716。投手では、2試合に先発し、0勝2敗。9回を投げて、14安打、9失点。防御率は9.00。これでもしファン投票で1位にでもなっていたら、陰でなんと言われたか。いや、炎上をウリにしているメディアは、嬉々として批判したのではないか。

 

劇的に潮目が変わったのは6月9日のこと。その日、大谷は7回を投げて4安打、1失点で4勝目を挙げたが、打者としても5回に逆転2ランを放ち、投打でチームの連敗を「14」で止めた。その試合を含め22日までは、投手として3試合に先発し、3勝0敗、防御率0.43。21回を投げて、9安打1失点、25奪三振、5四球。被本塁打は0で、許した長打は二塁打2本だけ。打者としては12試合に出場し(投手として先発した3試合含む)、46打数16安打(.348)、4本塁打、13打点、5四球、11三振、出塁率.396、OPS1.092。今季通算でも打率を.260まで上げ、OPSも.822まで回復した。

 

 それぞれに手応えもあるよう。大谷は、キャリアハイタイの11試合連続安打を記録した16日、「(ボールの)見え方がいい」と状態を口にし、こう続けている。

 

「たまたま出ているヒットじゃなくて、しっかりと打っているヒット」

 

 偶然ではなく、必然。11試合のうち4試合が複数安打でもあった。同じ日、投手としては6回を3安打、無失点に抑え5勝目を挙げたが、やはり「すごい思い通りにいっているというわけではなかったですけど、甘く入ってもファールになるぐらいの球質で投げられていたので、そこはよかった」と満足げ。その日は41%がスライダーで、配分が40%を超えたのはキャリア5度目。当然スライダーの話かと思って確認すると、「全部(の球種)です」と間髪入れず言い切った。

 

 その後も、そこで得た自信を継続。22日は最初の2人にこそヒットを許したが、その後、8回を投げきるまで、許した走者は四球の一人だけ。圧巻だった。

 

 オールスターに選ばれるには、まず、ファン投票ということになる。投手については選手間投票とコミッショナーオフィスによる選抜だ。

 

 ファン投票は2段階あり、「フェーズ1」の投票期間は6月30日まで。ここでそれぞれのポジションの上位2名(外野手は上位6人)が、「フェーズ2」という決選投票に進む。フェーズ2の投票期間は7月5日から8日まで。フェーズ1の得票数は持ち越されず、全員がゼロからのスタート。おそらくフェーズ1では、アルバレスがギリギリで大谷の追い上げをかわしそう。しかし、6月9日以降の勢いを考えれば、フェーズ2は大谷の方が有利ではないか。

 

 仮にここで指名打者としてオールスター出場を決められなくても、投手で、という可能性も出てきた。防御率が2点台に下がり、他の候補選手と比べても、十分に勝負できる数字だ。

 

【ア・リーグ オールスター候補(先発投手)】

大谷翔平(エンゼルス)  6勝4敗 防御率2.90

アレク・マノア(ブルージェイズ)  9勝2敗、防御率2.05

ジェイムソン・タイヨン(ヤンキース)  8勝1敗 防御率3.19

ジャスティン・バーランダー(アストロズ) 9勝3敗 防御率2.22

ローガン・ギルバート(マリナーズ)  8勝3敗 防御率2.44

シェーン・マクラナハン(レイズ)  7勝3敗 防御率1.81

フランバー・バルデス(アストロズ)  7勝3敗 防御率2.90

マーティン・ペレス(レンジャーズ)  5勝2敗 防御率1.96

ネスター・コルテス(ヤンキース)  6勝3敗 防御率2.31

ディラン・シーズ(ホワイトソックス) 5勝3敗 防御率2.68

ゲリット・コール(ヤンキース)  6勝2敗 防御率2.99

※いずれも25日試合終了時

 

 ここで選に漏れても、投打でそれぞれそれなりの数字を残しているので、コミッショナーオフィスによる総合的な判断で選出される可能性が非常に高くなった。今回の開催地のドジャースタジアムは、半ば地元開催でもあり、復調に頬を緩めているのは、誰よりも米大リーグ機構かもしれない。

 

 ところで22日の試合後に、大谷はホームランダービーへの出場意欲についても聞かれている。早い選手だと4月にはもう出場の打診があるが、「シーズン中、どこで投げるかとかによっても変わってくるので、一番はシーズンを無理なく過ごすのが一番ですし、その予定によって多少変わってくるかなと思う」と大谷。判断は前半最後の登板日との兼ね合いになるようだが、「もちろん、光栄なことなので前向きに考えたい」と出場に含みをもたせた。

(文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)

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