2022年6月4日

 

(NOTE)

 

勝負の綾?というものか。

 

BS1の解説、今中氏も言っていた。フィリーズの攻撃、2回無死1塁。6番ベームのセカンドゴロで併殺が取れなかった。補給したレンフィフォから2塁への送球も逸れたし、2塁で1アウト取った後のウェイドから1塁への送球も逸れた。

 

この後、7番マトンに四球。8番モニアクに3ランホームランを浴びて、下位打線に痛い失点を喫し負けムードに入っていった。

 

半ば勝負は諦めたが、大谷の一発だけは期待していた。

 

個人的ジンクスをもっている飛行機移動中の一発を信じてチェックしていたが、ダメだった。

 

流れが悪いなあ。

 

現代ビジネスの「朝オータニ」記事のように、活力を再び!頼む。

 

-----------------------------------------------------------------  ■ 試合データ -----------------------------------------------------------------

 

米国時間:2022年6月3日

日本時間:2022年6月4日(土曜日)

8時05分開始

ロサンゼルス・エンゼルス

対フィラデルフィア・フィリーズ

@シチズンズ・バンク・パーク

 

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エンゼルスは、初回先発チェース・シルセスがフィリーズ1番カイル・シュワバーに先頭打者本塁打を浴びて先制を許す。2回には8番ブライソン・ストットに3ラン本塁打を浴び序盤から4点ビハインド。シルシスは、この回途中で降板。5回には2番手ハイメ・バリアが3番ブライス・ハーパーに3ラン本塁打と7番ニコラス・マトンにタイムリーを浴びて8点差。6回には、1番シュワバーと3番ハーパーにこの日2本目のソロ本塁打を浴びて10点ビハインド。打線は相手先発ザック・エフリンに8回を無失点に抑えられ完封負け。チームは9連敗。

 

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 ■ 今日の大谷翔平 -----------------------------------------------------------------

 

スタメン2番DH

 

【出場成績/打者】

3打数 0安打 2三振 1四球

通算打率.240

 

◆第1打席:

(結果)見逃し三振

(状況)1回無死/走者1塁

(投手)ザック・エフリン/右

(コース/球種)外角/カーブ

※先頭打者のウォードがレフト前ヒットで出塁し、迎えた大谷の第1打席。相手先発・エフリンが投じた初球のシンカーが外角高めに決まると、西岡氏は思わず「今日もアウトコース広いですね」と漏らす。2球目、大谷は高めの直球を強振すると、もう少しでホームランという打球はレフト方向へのファールに。追い込まれてからの3球目、外角低めに決まったカーブはやや外れているように見えたが、球審はストライクをコール。大谷も納得がいかなかったのか、首を横に振りながらベンチに戻った。この見逃し三振に西岡氏は「バッターとしてあそこ(3球目)を追いかける必要はなくて。もう割り切って、次の打席に立つ時には新しい気持ちでいくべきですね」と指摘。

 

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◆第2打席:

(結果)四球

(状況)3回2死/走者無し

(投手)ザック・エフリン/右

(コース/球種)

 

 

◆第3打席:

(結果)セカンドライナー

(状況)6回無死/走者無し

(投手)ザック・エフリン/右

(コース/球種)チェンジアップ

※チェンジアップをひっかけて二直に終わった。

 

 

◆第4打席:

(結果)空振り三振

(状況)8回1死/走者無し

(投手)ザック・エフリン/右

(コース/球種)外角/直球

※フルカウントから外角ツーシームにタイミングが合わず、空振り三振を喫した。

 

【試合後コメント】

・なし

 

【その他情報】

・大谷は、フィリーズの本拠地シチズンズバンクパークでのプレーは、メジャー5年目で初めてである。

 

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 ● 試合情報 -----------------------------------------------------------------

 

【試合コメント】

ジョー・マドン監督:

「ヤンキースも、今日の先発投手(エフリン)も我々に対していい投球をした(と相手の強さを認めつつ)、(スコア的に)見た目も酷い。それはわかっている。とにかく今は打線が沈黙している。そして守備でもいくつかミスを犯した。悪いことは連鎖する」

 

「(ただ、ドラスティックな変化を求めるのではなく)同じプランを持ち続けていく。(連敗が止まり状況が変わるまでは)皆にとって辛いこと。ファンを含めてね」

 

ブライス・ハーパー選手:

「彼はスーパースター。華がある。今夜の試合は良くなかったが、みんな成功する姿を見たいんだ。それがこのゲームを素晴らしいものにする。選手が活躍すればチームは勝ち、試合は良いものになりファンを楽しませることになる」

 

 

【その他情報】

マイク・トラウト外野手:

・トラウト自身がフィリーズの本拠地フィラデルフィアにほど近い米ニュージャージー州南部の街で育ったということで開かれた会見。報道陣から大谷のプレーぶりについて問われた。

 

「彼のプレーを見て、毎日インタビューをしている。(メディアの人たちに)勘違いしないでほしいが、長いシーズンを過ごす中で彼にとっては恐らく疲れることだと思う。だけど彼はそれを表に出さない。報道陣の皆さんに対して敬意を払っている」

 

「普段から知られていることだけど、彼がリトルリーグでプレーするようなメンタリティで試合をしている姿を見るのは最高なこと。調子がいい時でもそうでない時でも、姿は変わらない。毎日もっといい選手になろうとしている。だから昨年MVPがとれたんだよ」

 

 

ジョー・ジラルディ監督:

・フィリーズは、開幕からの51試合で22勝29敗を調子が上がらず、ナショナル・リーグ東部地区で首位メッツから12ゲーム差の3位に低迷。デーブ・ドンブロウスキー編成本部長は我慢の限界を迎え、日本時間6月4日にジョー・ジラルディ監督の解任を発表した。「すべてをジョーの責任にするつもりはない」と語ったドンブロウスキーだが、「チームは苦戦しているし、私はガッカリしている」ともコメント。ベンチコーチのロブ・トムソンが暫定監督に就任することも発表された。今季のフィリーズはニック・カステヤノス、カイル・シュワーバーらを獲得して戦力を強化。年俸総額は2億3000万ドルを超えており、球団史上初めてぜいたく税の課税ラインを超過した。ところが、ここまで22勝29敗と低迷。ドンブロウスキーは「我々はもっといいチームだと思う。最も重要なのは状況を好転させることだ。そのためには違った声が必要なんだ。トムソンはジョーとは違った形で選手やコーチ陣と関係を築いてくれるだろう。きっとそれは上手くいくと思う」と語り、監督交代というカードを切ることになった。

 

 1969年以降、1シーズンに複数の監督が20試合以上で指揮を執ったチームは174チーム存在するが、そのうちポストシーズン進出を果たしたのは14チームだけ。割合で言うとわずか8%に過ぎない。直近では2009年のロッキーズが最後である。ヤンキース時代も含めてジラルディの下でベンチコーチを務めてきたトムソンは、シーズン途中での監督交代からのポストシーズン進出という難しいミッションに挑むことになる。トムソンは「私は少しジョーとは違うんだ。その違いについて言及するつもりはないけれど、準備は万端だよ。選手とのコミュニケーションも上手くいくと思う」とコメント。ドンブロウスキーは「我々はポストシーズンに進出できると思っている」と語っているが、トムソンは状況を好転させ、その期待に応えることができるだろうか。

 

 

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 ● 球界情報

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ヨルダン・アルバレス選手:

・アストロズの指名打者ヨルダン・アルバレス(24)が球団と6年1億1500万ドル(約150億円)の契約延長で合意した。MLB公式サイトが報じた。契約金が500万ドル。年俸は23年が700万ドル、24年が1000万ドル、25年が1500万ドル、26年から28年は2600万ドルと上昇していく。アルバレスの今季の年俸は76万4600ドルで、このオフに初めて調停権を取得する予定だった。6年契約は調停の3年間と、FA権を得てからの3年間をカバーすることになる。アルバレスは打撃の人。左翼で守備に就くこともあるが、米データサイト「ベースボール・リファレンス」によると守備のWAR(同じポジションの代替え可能選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか)ではマイナス評価だ。

 

 一方で攻撃のWARは新人王になった19年が3・6、21年が3・2、今年はシーズン4分の1を過ぎたところで1・8だ。WAR「1」には800万ドルの価値があると言われている。アストロズは17年の世界一メンバーの中から、18年にアルテューベと5年、19年にブレグマンと5年、21年にマクラーズと5年と、契約延長に合意してきた。一方で、スプリンガー、コレアとは合意できず、2人ともFA権を得てチームを去っている。アルバレスと同時に、このオフに調停権を得るタッカーとも延長交渉を進めていたが、合意には至っていない。

 

 

 

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 ● 気になる記事&コラム

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◆ エンゼルス大敗で9連敗、貯金わずか1に 大谷翔平は3打数0安打1四球で打率.240、OPS.768

(情報:MLBジャパン)

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8連敗中のエンゼルスは、ニューヨークからフィラデルフィアへ移動してフィリーズとの3連戦がスタート。その初戦は監督交代で活気を取り戻したフィリーズに投打とも圧倒され、0対10で大敗して9連敗となった。フィリーズ先発のザック・エフリンは8回104球を投げて被安打5、奪三振6、与四球1、無失点の快投で2勝目(4敗)をマーク。エンゼルス先発のチェイス・シルセスは2回途中4安打4失点でノックアウトされ、2敗目(1勝)を喫した。

 

 初回にカイル・シュワーバーの13号先頭打者アーチで先制したフィリーズは、2回裏にブライソン・ストットのメジャー初アーチとなる1号3ラン、5回裏にブライス・ハーパーの11号3ラン、ニック・メイトンのタイムリー三塁打、6回裏にシュワーバーの14号ソロ、ハーパーの12号ソロと次々に長打が飛び出し、大量10点をリード。エフリンは地元凱旋のマイク・トラウトを4打数ノーヒットに封じるなど、今季1番の快投を見せ、4月26日(現地時間)以来となる2勝目を手にした。

 

 エンゼルスの大谷翔平は「2番・DH」でスタメン出場し、3回表の第2打席で四球を選んで出塁したものの、それ以外の3打席は見逃し三振、セカンドライナー、空振り三振に倒れ、3打数0安打1四球2三振。前日のダブルヘッダー第2試合に続いて2試合連続のノーヒットに終わり、今季の打撃成績は打率.240、出塁率.318、長打率.450、OPS.768となっている。

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◆ 出村義和さん71歳で死去…スポーツ報知で03年からMLBコラム担当

(蛭間豊章氏/情報:スポーツ報知)

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スポーツ報知でメジャーリーグのコラムを長年書き続けていたスポーツ・ジャーナリストの出村義和さんが2日、神奈川・藤沢市内の自宅で死去した。71歳だった。最近は間質性肺炎で通院。2日も病院から元気に自宅に戻っていたが、夜に入って容体が悪化したもよう。葬儀、告別式は家族葬で行う。

 

 野茂英雄投手が1995年にメジャーデビューして以降、日本人のメジャー担当記者は増えてきたが、その草分け的存在が1980年代から現地で見続けてきた出村さんだった。

 

 95年にヤンキースの貴公子デレク・ジーターのメジャー昇格を取材。現役最高の選手と言われるエンゼルスのマイク・トラウトの2011年のデビューも、現地からいち早く発信した。

 

 11年7月9日、トラウトの送りバントが投手の一塁悪送球を誘って初安打となった試合を取材。「記念のボールは球団スタッフに頼んでニュージャージーの実家に贈ってもらうことにした」というコメントを紹介した。その日はトラウトの憧れだったジーターが東海岸のデーゲームで通算3000安打を打った日。出村さんはトラウトに「あと、2999本だね」と声をかけると笑顔が返ってきたという。その後3度のMVPに輝いた若者は1468安打まで伸ばしている。出村さんの取材にはメジャー選手へのリスペクトとともに愛情がこもっていた。

 

 お酒を飲むと、学生時代、歌手になった小林麻美さんの家庭教師をしていたことをうれしそうに話していた出村さん。報知との関係は2003年、松井秀喜さんのヤンキース入りを機に毎週「NY特球便」のコラムがスタート。現在は「MLB NOW」としてウェブコラムで20年目を迎えただけに、もっと昔話や現状のメジャーの問題点についての原稿を読み続けたかった。ご冥福をお祈りします。(蛭間 豊章=ベースボール・アナリスト)

 

 ◆出村 義和(でむら・よしかず)1950年9月24日生まれ。法大社会学部、ユタ州立大ジャーナリズム科卒。ベースボール・マガジン社で週刊ベースボール編集長などを経て86年からフリー。拠点をニューヨークに移し、米大リーグだけでなく、政治、ビジネスなどを発信。帰国後は「J SPORTS」のメジャー中継の解説に加え、年に数回渡米し生のメジャー情報を発信していた。

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◆ 大谷翔平の“打撃不振”は本当に「飛ばないボール」のせいなのか?50試合出場時点の成績を昨年と比較すると…<SLUGGER>

(情報:THE DIGEST)

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昨シーズン、球史に残る大活躍を見せて満票でMVPを受賞した大谷翔平(エンジェルス)。とりわけ、リーグ3位の46本塁打を放つなど“打者・大谷”の活躍が印象的だった。昨季は惜しくも逃したホームラン王タイトル獲得も期待された今季、ここまではやや低調な出足となっている。50試合出場時点の成績を昨季と比較してみよう。

 

【50試合出場時点での今季&昨季成績比較】

※( )はリーグ順位

・.785(22位)【OPS】.927(6位)

・.247(42位)【打率】.263(31位)

・11(5位タイ)【本塁打】15(3位タイ)

・32(5位タイ)【打点】40(6位)

・.321(35位)【出塁率】.339(40位)

・.464(16位)【長打率】.597(3位)

・130(20位)【wRC+】145(6位)

 

 端的に言って、今季の大谷は“昨年比”で言えば確かに不調だ。打率や本塁打など多くのスタッツで前年を下回り、OPSに至っては前年から150ポイント近くも悪化している。

 

 ただ、もう少し掘り下げてみると、また違う“姿”が見えてくる。

 

 まず、今シーズンのメジャーリーグは“飛ばないボール”が完全導入された影響で、全体の打撃成績が昨年と比べて大きく低下している。MLB平均のOPSは.686で、昨年の.731から50ポイント近くも違う。

 

 実際、ホームラン確実と思われた打球がウォーニングトラックで失速するシーンがよく見られる。大谷にしても、5月25日のレンジャーズ戦で放った打球がフェンス手前で捕球されたり、5月31日のヤンキース戦はアーロン・ジャッジにセンターへの大飛球をジャンプ一番キャッチされていた。どちらも、去年までのボールだったらスタンドインしていた可能性は高い。

 

 ただ、ボールが飛ばなくなったのはどの打者にとっても同じ。そのことを差し引いても、今季の大谷はいまひとつ爆発力に欠けている点は否めない。

 

リーグ平均の打者を100とした時、どれだけ得点増に貢献したかを示す「wRC+」という指標がある。これは球場補正もかけられており、年度ごとに打撃力の傑出度を比較することも可能だ。

 

 昨年の大谷は、打率や出塁率こそ高くなかったが、圧倒的なパワーを発揮したことで強打者として台頭。50試合時点ではリーグ6位のwRC+145を記録していた。だが、今季はリーグ24位の125まで後退している。先に述べた通り、wRC+は年度ごとのリーグ平均を基に算出される。つまり、今季の投高打低という環境も踏まえた上で、大谷の打者としての貢献度が下がっていることを意味しているのだ。

 

 スタットキャストの各指標を見ると、特に長打量産に関連する項目で昨年と比べて大きく違う点がいくつかある。その中でも、特に注目したいのが平均打球角度とハードヒット%(初速95マイル以上の打球の割合)だ。それぞれ、昨季の最終成績と比較すると次のようになる。

 

打球角度 16.6度→12.6度

ハードヒット% 53.6%→44.8%

 

 試合を見ていても、今季の大谷はひっかけたような当たりが多く、なかなか打球が上がらない印象が強いが、この2つの指標はその印象が正しいことを裏付けている。相手の研究が進んだこともあり、なかなか自分の思うような打撃ができていないことは間違いないだろう。

 

 もう一つ、カギを握るのがチェンジアップだ。ここまで打率.152、0本塁打とまったく打てておらず、空振り/スウィング率も32.4%とかなり高く、最近は相手投手が明らかにチェンジアップを軸に攻めていることがよく分かる。

 

 このチェンジアップに意識がいっているのか、対4シームの成績も昨年の打率.252、長打率.524から.211/.421と悪化している。相手がアジャストすれば、自分もそれにアジャストしなければならないのがメジャーリーグ。大谷は今、新たな壁に直面していると言っても過言ではないだろう。

 

 もっとも、シーズンはまだこれから。昨季の大谷も6月、しかも15日からの13試合で11本塁打と大爆発して月間MVPを受賞した。果たして今季もあの猛打を再現することができるのか。夏が近づくにつれ、大谷のバットが火を噴くことを期待したい。

 

構成●SLUGGER編集部

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 大谷翔平を応援するだけで改善!うつ病に効く「朝オータニ」の威力

(情報:現代ビジネス)

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84歳の名女優も大谷に夢中

 

 「大谷さんが全力で頑張っている姿を見ると朝から、すごく元気が出ます。プレーしているときの顔がひたむきな野球少年のままなのよ。それが良いのよねぇ。本当に魅力的な選手です」

 

 こう大谷翔平(27歳)への愛を語るのは、女優の冨士眞奈美さん(84歳)だ。

 

 今年も列島が大谷に沸いている。投手としてはここまで3勝を挙げ、打者としても開幕直後こそやや出遅れたが、復調ムードだ。5月には満塁ホームランを含む2打席連続弾を打つなど、現在11本塁打と徐々に波に乗ってきた(成績は6月3日時点)。

 

 朝のメジャーリーグ中継で大谷が活躍している姿を見ると、その日少し憂鬱だったとしても、どこか気分がスッキリする。冒頭の冨士さんのように、朝に大谷を応援する「朝オータニ」で元気をもらっている人は数多くいるだろう。大谷ファンの50代主婦もこう話す。

 

 「昨年ステイホームの鬱々とした日々において、大谷選手の存在は本当に心強かったです。テレワークやオンライン授業を受けている夫や子どもの横で掃除をしたり、来る日も来る日も3食用意するのは相当なストレスで、おかしくなりそうでした。そんな息の詰まった毎日のなか、まさしく一服の清涼剤が大谷選手だったんです。大谷選手のホームランは角度も打球速度も素晴らしく、見ていて本当にスカッとする。私は今も必ず朝からリアルタイムで見ています」

 

大谷の応援で幸福感が高まる

 

 なぜ、大谷のプレーを見ていると、こんなに心地よいのだろうか。筑波大学助教で健康増進学を専門とする辻大士氏はこう語る。

 

 「大谷選手の活躍を見ることで、応援している人の脳内でドーパミンが放出され、幸福感が高まっていると考えられます。

 

 近年、スポーツ観戦がもたらすメンタル面への影響は注目されており、筑波大学では'19年に全国60市町村の2万1317人の高齢者を対象として、スポーツ観戦の頻度とうつ傾向との関連を調べました。その結果、『高齢者はスポーツを観戦するだけでうつのリスクが3割低くなる』ということがわかりました。これは現地観戦ではなく、テレビ観戦でも同様にメンタルに好影響が出るというものでした」

 

 なるほど、スポーツ観戦をすれば、メンタルに良いのはわかった。ならば別に大谷ではなく、近所の公園でやっている草野球を見ていても同じなのではないか。そう疑問を持つ人もいるかもしれないが、「大谷翔平」という100年に一人の逸材を応援することに、とてつもない威力があるのだという。本郷赤門前クリニックの医師・吉田たかよし氏がこう解説する。

 

ミラーニューロン効果の威力

 

 「まず大谷の試合が朝というのが大きい。朝の満たされる活動は一日全体の充足感にも繋がり、不眠の解消にもなります。

 

 また脳にはミラーニューロンと呼ばれる細胞があるのですが、ミラーニューロンは他人の行動を自分の脳内で仮想的に再現し、あたかも自分がやっているかのように心身が感じる作用をもたらします。すなわち、家でテレビ観戦をしているだけでも、選手と同じ感覚を得ることができるわけです。大谷が活躍をすれば脳の中では自分自身が活躍していると思い込んでくれる。だから、こころが満たされるのです」

 

 大谷を応援していれば、この「ミラーニューロン効果」で誰でも稀代のスーパースターと「同化」できるというわけだ。

 

 昨年、メジャーMVPに輝いたことからわかるように、大谷ほど喝采を浴びているスポーツ選手はいない。その最高の体験を脳内で自分のものとして受け止め、全能感を感じられる。こころが蘇るのも当然かもしれない。

 

 これはありふれたスポーツ選手への応援では絶対に起こらない、「朝オータニ」ならではの健康効果なのだ。

 

 「ミラーニューロン効果とは別に『栄光浴』という心理的な動きがあります。評価の高い人とのつながりを強調することで自己評価を高める効果があります。海外で大活躍している日本人という構図は、応援する側の栄光浴が働きやすい」(前出の吉田氏)

 

 大活躍している大谷と同じ日本人である―。

 

 この事実で自己肯定感が高まるという心理効果もあるのだ。

 

選手個人を応援できるメリット

 

 大谷が海外で活躍しているという点で、彼を応援する心理的メリットはまだある。例えば、国内のプロ野球チームだと、選手個人と一緒にその所属チームも応援する人は多いだろう。前出の辻氏が言う。

 

 「本来ならメンタル面に良く働くスポーツ観戦でも、自分が贔屓にしているチームが試合に負けると、イライラしてしまう人もいる。特に男性は贔屓のチームに入れ込み過ぎる傾向があります。サッカーで見られるフーリガンなどはその典型例で、勝敗が応援している人の精神に過剰な影響を与えるケースもあるんです。

 

 その点、大谷選手の場合は所属するエンゼルスの勝敗を気にしている人はあまりいない。メジャーだと特定のチームに入れ込むことなく、大谷選手個人を応援できる。これは精神衛生上、非常に良い。大谷選手が打ったり、好投すると満足するし、たとえ振るわなくとも、『残念だな』という程度で済みます」

 

 スポーツ観戦で逆にストレスを溜めているようでは元も子もない。メジャーで活躍する大谷個人を応援すれば、そんな心配は無用なのだ。

 

「オオタニサーン!」と叫ぶせ

 

 最後に「朝オータニ」の効果をさらにアップさせる方法を紹介しよう。

 

 「打った時はアナウンサーと一緒に『オオタニサーン! 』と叫んでいますよ」と、話すのは大谷の大ファンである女優の藤田弓子さん(76歳)。藤田さんのような積極的な応援スタイルが、実はより心身に良い。前出の吉田氏が言う。

 

 「『頑張れ! 』などなんでもいいので大きな声を出すと脳が活動的になります。また大谷が三振を取ったり、ホームランを打ったりしてガッツポーズをした場合、見ている方も同じポーズをしてみてください」

 

 同じ行動をすることで、ミラーニューロン効果による大谷へのシンクロが一層促されるのだという。

 

 「ニュースを見るとコロナだ、戦争だという暗い世の中です。なんとなく過ごしていると、どんどんしょんぼりしてしまいます。そういうときは何も考えずに大谷さんの試合を見るのがいちばんですよ」(藤田さん)

 

 朝起きてテレビの前で大谷を応援するだけでこころが整う。これ以上簡単な健康法はないだろう。

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