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2022年4月28日

 

(NOTE)

 

終わってみれば、粘投!熱投!

 

こういう試合を勝ち星に繋げらたことは、大谷個人にとってもチームにとっても大きい。昨季までなら、今日のような試合展開では星が付いて来なかった。

 

それにしても、胃が痛いNHK BS1の中継視聴だったなあ。

 

大谷の調子が初回からあがらなかったこともあるが、大谷が1球投げるたびに解説の武田一浩氏がボールに指がかかっていないと呟く。余計に心理的に追い込まれてく状態になっていった感じか。

 

試合後の大谷コメントの扱い方で、気になる点があった。

 

自分の印象では、日米メディアの質問に対し、一問一答形式で全てのコメントを文字起こししてくれているのは、野球専門メディアの『Full-Count』という認識があった。

 

しかし、今日の試合後会見に関しては、そうでは無かった。

 

それがわかったのは、『スポーツ報知』の目をひくヘッドライン。

 

大谷翔平「怒ることくらいもちろんありますけど…」 米メディアも心配「裏で物を破壊しているのでは…」

 

この件に関するコメントは、『Full-Count』の一問一答に無かった。そこで、他の『スポニチ』や『日刊スポーツ』の一問一答をチェックしてみると、他にも拾っていないコメントが散見された。

 

どうしてしまったのだろう!?『Full-Count』

 

そして、気になる件には、『スポーツ報知』がコメント時のニュアンスも伝えてくれた。

 

打率が2割3分8厘。10試合本塁打も出ておらず、本来の調子ではないが、ベンチや試合前のグラウンドではたびたび笑顔を見せていた。米メディアもこの日の取材ではそんな大谷の様子を心配して「裏で物を破壊したりしているのでは?」と質問していたが、大谷は素知らぬ顔で「怒ることくらいもちろんありますけど、本当にチームがいい流れというか、これで自分が打っていなくてチームが負けている状況は一番つらいと思うけど、チームが勝っているので、そこに救われている部分はあるかなと思います」と答えていた。

 

大谷は”素知らぬ顔”で応えたらしい!!

 

映像、見たかったなあ。

 

----------------------------------------------------------------- ■ 試合データ-----------------------------------------------------------------

 

米国時間:2022年4月27日

日本時間:2022年4月28日(木曜日)

10時38分開始

ロサンゼルス・エンゼルス

対クリーブランド・ガーディアンズ

@エンゼルスタジアム

 

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エンゼルスは、初回先発大谷翔平が1死1塁のピンチに3番ホセ・ラミレスに2ラン本塁打を浴びて先制を許す。その裏、1死3塁から3番マイク・トラウトのタイムリー2塁打と、5番アンソニー・レンドーンのタイムリーで早々に同点に追いつく。続く2回、無死満塁のチャンスに1番テイラー・ウォードのグランドスラムで逆転に成功。4回には4番ジャレッド・ウォルシュのタイムリー、6回には2番大谷自らのタイムリー2塁打で、追加点。

 

先発大谷は、2回以降、徐々に調子をあげて5回2失点で降板。6回以降、オリバー・オルテガは2回を無失点。アンドルー・ワンツは2失点、マイク・メイヤーズは1点を失うが、強力打線を抑え逃げ切った。チームは4連勝となり、この日敗れたマリナーズを抜き首位に躍り出た。

 

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 ■ 今日の大谷翔平-----------------------------------------------------------------

 

スタメン2番DH&投手

 

【出場成績/打者】

5打数 3安打 1打点 1得点

通算打率.238

 

◆第1打席:

(結果)セカンドゴロ

(状況)1回無死/走者2塁

(投手)ザック・プリーサック/右

(コース/球種)高め/チェンジアップ

 

◆第2打席:

(結果)セカンドゴロ

(状況)2回無死/走者無し

(投手)ザック・プリーサック/右

(コース/球種)外角高め/直球

 

◆第3打席:

(結果)センター前ヒット

(状況)4回2死/走者1塁

(投手)ザック・プリーサック/右

(コース/球種)内角低め/直球

 

◆第4打席:

(結果)ライトオーバー2塁打

(状況)6回1死/走者3塁

(投手)ローガン・アレン/左

(コース/球種)外角/スライダー?

※カウント1―2からの4球目、真ん中高めのカッターをフルスイング。快音を発したが打球速度108.2マイル(約174キロ)の弾丸ライナーは角度17度と上がらず、右翼手の頭を越える適時二塁打となった。これが本拠地12戦目で今季初打点、マルチ安打は5度目。

 

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◆第5打席:

(結果)ライト前ヒット

(状況)6回1死/走者3塁

(投手)ローガン・アレン/左

(コース/球種)外角低め/スライダー

 

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【出場成績/投手】

5回 86球

被安打5 奪三振4 四球1 失点2 自責点2 被本塁打1

今季2勝2敗 防御率4.19

 

◆1回投球:

1番マイルズ・ストロー/右

(結果)四球

(コース/球種)高め/スライダー

 

2番アメド・ロサリオ/右

(結果)走者1塁/ショートゴロ

(コース/球種)スライダー

 

3番ホセ・ラミレス/左

(結果)走者2塁/ホームラン

(コース/球種)外角高め/スライダー

※初回、先頭のマイルズ・ストロー外野手を四球で歩かせると、1死一塁から3番ホセ・ラミレス内野手にスライダーを右中間スタンドに運ばれ、先制2ランを献上。いきなり2点を失った。

 

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4番オーウェン・ミラー/右

(結果)セカンドゴロ

(コース/球種)真ん中低め/直球

 

5番ジョシュ・ネイラー/左

(結果)ライト前ヒット

(コース/球種)直球

※カットボール2球

 

6番フランミル・レイエス/右

(結果)見逃し三振

(コース/球種)カーブ

 

◆2回投球:

7番リッチー・パラシオス/左

(結果)ライト前ヒット

(コース/球種)真ん中/カーブ

 

8番ルーク・メーリ/右

(結果)走者1塁/レフトフライ

(コース/球種)内角低め/ストレート

 

9番アンドレス・ヒメネス/左

(結果)走者1塁/レフト前ヒット

(コース/球種)真ん中/スプリット

 

1番マイルズ・ストロー/右

(結果)走者1、2塁/空振り三振

(コース/球種)内角高め/直球

※96.9マイル(約156キロ)フォーシームで空三振。きょう最初の空振りを奪ったのが、ストローへの42球目だった。

 

2番アメド・ロサリオ/右

(結果)走者1、2塁/セカンドフライ

(コース/球種)外角/スライダー

※苦しい投球が続くなか、2死一二塁で打席に入ったロザリオに対し、大谷が投じた2球目が抜けてしまう。97マイル(時速約156キロ)のボールがロザリオの体をかすめるが、ロザリオがすんでのところでかわし事なきを得た。

 

◆3回投球:

3番ホセ・ラミレス/左

(結果)セカンドゴロ

(コース/球種)ストレート

 

4番オーウェン・ミラー/右

(結果)レフト線2塁打

(コース/球種)スプリット

 

5番ジョシュ・ネイラー/左

(結果)走者2塁/レフトフライ

(コース/球種)スプリット

 

6番フランミル・レイエス/右

(結果)走者2塁/空振り三振

(コース/球種)真ん中高め/直球

 

 

 

◆4回投球:

7番リッチー・パラシオス/左

(結果)セカンドゴロ

(コース/球種)直球

 

8番ルーク・メーリ/右

(結果)空振り三振

(コース/球種)直球

 

 

9番アンドレス・ヒメネス/左

(結果)レフトフライ

(コース/球種)直球

 

◆5回投球:

1番マイルズ・ストロー/右

(結果)セカンドフライ

(コース/球種)外角低め/スライダー

 

2番アメド・ロサリオ/右

(結果)ショートゴロ

(コース/球種)内角低め/直球

 

3番ホセ・ラミレス/左

(結果)レフトフライ

(コース/球種)外角/スプリット

 

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【試合後コメント】

――投球を振り返って。

「球数も多かったですし、ランナーもそれなりに出ていたので、なかなか苦しかったですけど、最低限の回は投げられた。そこは唯一いいところかなと思います」

 

――立ち上がりにラミレスに先制2ランを浴びた。

「素晴らしい打者なので、甘く入ったら打たれる可能性というのもありますけど。それにしても追い込んでいたので。なかなか、あそこでああいう球は初回でしたので、本当はいけないですけど、切り替えて。なんとか5回ぐらいまで投げられた」

 

――失点した直後に逆転してくれて、楽になったか。

「それはもちろんありますね。僕が失点して悪い流れになって、打線がいい流れにしてくれて、そこに救われて僕はいいピッチングが出来たと思います」

 

――5回まで投げ切った。どういう意識だったか。

「3回ぐらいから体の動きが良くなって、温まってきて、いい動きが多かった。こういう気温の時は入りが一番大事かなと思います」

 

――寒さが影響したか。

「寒さというか、初回に入るまでのブルペンの強度だったり、球数だったり、アップの仕方だったり。常に同じ気温ではないですし、これから遠征に行けば、まだまだ寒いところはあるので。そういう経験を生かしていきたいなと思います」

 

――打撃では3安打。投球からリズムが出たか。

「特に投げている時は多く打席の中で考えることはないので。そこがいい方向につながっているのかなというのはありますけど。ただ、全打席でそうすればいいかと言ったら、それでは結果は残らないので。しっかり考えて、どういうふうに打てばいいか。毎打席集中しながら、いい打席も悪い打席もやっていきたいなと思います」

 

――スプリットでなかなか空振りを取れなかった。

「途中から変化球ケアだったので。真っ直ぐで攻めていけばいいなと思っていったので。スタッシーと相談しながら、プランを変えるのも1つかなと思います」

 

――カーブにも助けられたか。

「わざわざカーブを狙う打者というのは少ないと思う。いつでもストライクを取れるボールが1個でも多くなれば、それだけ幅は広がるかなと思います」

 

――前日に屋外でフリー打撃をした。

「気分転換もですし、本来は打ちたい気持ちはありますけど、なかなかローテーションで回りながら、毎試合DHで出ながらとなってくると、練習を調整して、効率よく回すしかない。いつ入れるか考えながら、打てる時は打ちたいなと思います」

 

――効果はあったか。

「徐々にですけど、いい打席は増えていると思います。劇的な変化はあまり求めないようにしたいですし、本当に毎試合毎試合修正しながら、少しずつ上げていきたいなと思います」

 

――調子がよくない中で、軸になった球は。途中から配球が変わったか。

「スライダーケアは特に右打者は強かったので。途中から切り替えて、真っ直ぐでどんどん攻めようと。点差も点差でしたし、球数もかさんでいたので、なるべく長い回を投げるためにはどんどんストライクをいくしかないですし。そういう割り切りかなと思います」

 

――5回のターニングポイントは。

「ウォード選手のホームランじゃないかなと思います。そういう点差になれば、ある程度いくしかないですし。勝ちパターンの中継ぎが休みの日はなるべく多く投げないといけないので。初回をちょっとぬるめに入ってしまったのが、ちょっとミスかなと思います」

 

――全試合に出場している。体力面は。

「体力面は(問題)ないです。ただ、20連戦なので。みんな休みを入れながら行くと思いますし。最初から飛ばしすぎないように、全体の流れを見ながら、頑張りたいなと思います」

 

――前回登板からグラブを腹の前にセットして投球。

「癖ですね。一番は。球種の」

 

――バレてきている感覚あったのか。

「投げていれば打者の反応だったり、おかしいなというのは分かるものなので。本当は試合の時に気づいて、すぐに変えられればいいんですけど、なかなかそういうわけにはいかないので。毎試合どこか癖として出ているのかなというのは自分でも見たりしています。もちろんデータの人にも見てもらったりしています。自分のメカニックが崩れない中で、色々と変えていきたいなと思います」

 

――審判の判定で打撃を崩さないようにしているか。

「それを気にすることはないというか、気にしちゃいけないことなのかなと思います。枠の外をとられたら、僕のミスではないですし、いいところに投げた投手、審判の癖、捕手の配球だったりとか。必ず失投は来ますし、全球がコースに来るわけでない。なるべく甘く来た球を打つというのが打撃の基本かなと思います」

 

――地区首位に立った。

「開幕戦で投げましたし、打線の中でもいいところで打たせてもらっているので。自分の調子が上がらない時に勝っている状況というのはすごい救われてますし、逆に言えば、こういう状況が常に続くわけではないので。もしそうなった時に、自分がもう一段、いい状態で助けられるように。そういう状況にしたいと思います」

 

――ウォードにサイクル安打がかかっていた。1本のシングルを交換したいか。

「交換はしてあげたくないです。ただ、サイクルを打つ可能性が高い打席だったかなと思います」

 

――20連戦は疲労感より充実感は。

「充実感があるというより、ありがたいなという感じですかね。調子がそこまでよくない中で、ずっと信じて出してもらえるというのは感謝すべきことかなと思います。チームの勝利が上がってこなかった時に、そこで助けられる準備をしていきたいなと思います」

 

――打者で3安打。

「みんな調子がいいので、そこに救われている部分はありますけど、もっともっと貢献できる部分はあると思うので、もっといい打席が増やせればなと思います」

 

――トラウトが絶好調。

「見てて楽しいですね。ワードもそうですけど、調子のいいバッターっていうのは、打つ雰囲気しかないので、どこから見ていてても、楽しいんじゃないかなと思います」

 

――トラウトと大谷、野球界で1位、2位とも言われているが、切磋琢磨(せっさたくま)している部分はあるか。

「それはないですかね。それは誰がどう見ても1番はトラウト選手じゃないかなと思うので、僕は引き上げられてって感じですし、実質(自分は)去年しかいいシーズンはないので、それをしっかり続けることに意味があるというか、そこが一番大事かなと思います」

 

――打撃の調子がよくない中で笑顔が多いと思うが、ベンチの裏で物を壊したりするのか。

「怒ることくらい、もちろんありますけど、ただ本当にチームが、いい流れというか、これで自分が打っていなくて、チームが負けているっていう状況が、それこそ一番つらいと思うんですけど、チームが勝っているので、そこに救われている部分はあると思います」

 

 

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 ● 試合情報-----------------------------------------------------------------

 

【試合コメント】

ジョー・マドン監督:

(試合前)

「90~95球になるはずだ。その数字に到達するまでの道のりが重要。前回の登板はかなりいい出来だと思う。この先どうなっていくのか、見守りたい。もしうまく投げて、試合展開が難しい状況でなければ、もう少し投げるかもしれない」

 

 

(試合後)

「(大谷が好転した要因について)速球だ。序盤は変化球に少し頼り過ぎていた。積極的に試合に入っていけていなかった。速球を使って積極的になってからはよくなっていった。試合が進むにつれて調子が出てきた。彼はどんどん良くなり続けていた」

 

「(打撃の評価は)時間の問題だった。これまで少しタイミングが早かったが、今は前よりもしっかり引きつけられている」

 

マックス・スタッシ捕手:

「彼はメジャーリーガーたちを打ち取るためのさまざまな方法を持っている。ある日は速球が多く、ある日は前回登板のアストロズ戦で見たようなスライダーが多い。開幕・アストロズ戦はそれがカーブだった。だから、複数の手段を駆使して、とにかく打者の狙い球を予測し続けることが大事。きょうは直球は良かった。相手打者のスイングも直球に合っていなかった。驚異的な仕事をした」

 

テリー・フランコーナ監督:

(試合前)

「対戦したいかどうかは関係なく、球界にとって素晴らしい選手だ。(対戦せずに済むときは、あなたもショウヘイ・オオタニのファンか?)ああ。彼は世代を代表する選手だ。球界にとって素晴らしい存在だ

 

 

(試合後)

「我々は、彼のピッチカウントをまずまず増やすことができたが、彼は必要なときに97~98マイル(約156~158キロ)の投球をすることができた。自分の投球にとてもよい感触があるのは確かなようだ。早い段階でリードを許してしまうには、良くない相手だった」

 

「(スプリットを見送ることができていたのでは)多くのボールをあんなに速く投げるので、すべてのボールを打とうとすると、我々は苦労する。もし、その中から、(望ましくない)何かを取り除くことが出来れば、よりよいチャンスがあると思う」

 

ホセ・ラミレス内野手:

「スプリットに限ったことではなく、ボールをよく見て、ゾーン内に良い球が来たら良いスイングをする、ということを心掛けていた。概して、彼は優れた投手だ。しっかりと自分の球を投げることができる」

 

【その他情報】

テイラー・ウォード外野手:

・ウォード外野手が満塁弾含む3安打4打点の活躍で、大谷翔平の今季2勝目を後押しした。ウォードは、1993年12月14日生まれの28歳。カリフォルニア州立大フレズノ校から2015年MLBドラフト1巡目(全体26位)でエンゼルスに入団した、右投右打の外野手だ。

 

 入団直後は捕手としてプレーしていたが、18年に三塁手へコンバート。それを機に打撃成績を大きく向上させると、同年8月にメジャーデビューを果たし、40試合の出場で6本塁打をマークした。しかし、その後もメジャーとマイナーを行き来する生活が続く。

 

 19年から外野手としても出場し始めると、昨季は主に外野手として自己最多の65試合に出場した。また緊急で1試合だけマスクも被っている。そして今年、16日(同17日)テキサス・レンジャーズ戦から出場を始めると、下位打線から打棒をアピール。大谷に代わって新1番に抜擢された25日(同26日)には、1試合2本塁打と躍動した。きょう27日(同28日)は、二塁打、三塁打、本塁打の長打3本で勝利に貢献。規定未到達ながらOPSはマイク・トラウトをも凌ぐ1.347にのぼる。

 

 1番ウォード、2番大谷、3番トラウト。一発がある打者が並ぶことで、相手投手にとっては、一球の失投も許されないという相当大きなプレッシャーがかかる。それは、上位打線を打つ打者それぞれに良い影響をもたらすに違いない。

 

試合:11

打率:.395(38打数15安打)

本塁打:4本塁打

打点:9打点

三振:9三振

四球:11四球

OPS:1.347(出塁率.531+長打率.816)

 

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【メディア】

松坂大輔氏:

(情報:スポニチ)

「(立ち上がりに関しては)状態としては、一番良くなかったんじゃないか。初回から投げ急いでいる感じが見えて、タイミングが早いというか、体が少し突っ込み気味で腕が体についてこないような感じに見えた。

 

(初回のラミレスに喫した先制2ランも)曲がりきらなかった、一番投げたくないスライダーだったと思う。(2回1死一、二塁で1番・ストローから直球で三振を奪った場面に注目)試合を通して、初めてしっかり指に掛かった直球を投げられた場面だった。比較的早いイニングでいいボールを引き出せる。さすがだな、と。

 

大谷投手くらいのレベルになれば、修正する引き出しをいくつも持っている。大谷投手の凄みを感じた試合だった」

 

佐々木主浩氏:

(情報:日刊スポーツ)

「大谷は、試合中にうまく投球を修正した。初回は抜け球が多く、コントロールが定まっていなかった。本人は気温(19度)が低く体が動かなかったと話していたが、体が突っ込んだフォームになっていて、投げ急いでいる印象を受けた。 

 

3回から徐々に、右足にしっかり『ため』ができていた。この回からカーブを多投。カーブは球持ちを良くして、しっかり前で離さないと、すっぽ抜けてしまう。カーブを多く投げることで体の突っ込みが解消され、直球など他の球種も修正できた。20日のアストロズ戦で素晴らしかったスライダーはキレが悪かったが、カーブでストライクを取れていたのは、直球を生かすためにも、二重の意味で大きかった。 

 

調子が悪くても四球が1つだけだったように、ストライクゾーンで勝負できている。この日は、前回ア軍戦ではスライダーが43%を占めたのに対し、直球が半分近く(49%)を占めたが、今季はボールが走っているからどんどん押し込める。メジャーリーグの先発投手は球数がチームによって管理、制限されている。その分、球数を減らすためにも、ストライクゾーンへ積極的に投げることを推奨される。 

 

チームで1人だけ全試合出場を続けており、負担のかかる投打二刀流もあって、疲れが多少あるのかもしれない。長丁場を考えると、休みを取る必要性も感じる。年間を通じて、絶好調という試合は何試合もない。昨年までと違い、調子が悪い時にも組み立てを変えるなどしながら大崩れせずに試合をつくって、勝てたのは大きい。しっかり試合中に立て直した部分に、今季の成長を感じた試合だった」

 

谷繁元信氏:

(情報:日刊スポーツ)

「大谷は3打席目まで右腕のプリーサックと対戦した。見て明らかに思ったのは、スイングの始動時に右腰がわずかに浮き上がっていた。右腰が浮いてしまうと体の開きが早くなり、右肩が上がる。波打つようなスイングになり、あおり打ちのような形になっていた。いい状態ならレベル軌道になり、バットとボールの接点のゾーン(幅)が長くなるが、この打ち方だと「点」で合わせる感じになる。 

 

この状態だと、捕手からすれば攻めやすい。右腰が浮いてしまうと、外角低めに沈むボールにはかなりの距離ができてしまう。1、2打席目までは外角低めに変化球を配球する前に勝負が決まってしまっていたが、バッテリーにとって今の大谷を打ち取ることは難しくはない。 

 

確証はないし、大谷自身の感覚は違うかもしれない。ただ、本塁打からしばらく遠ざかり、最近は打球の角度もついていない。打球を上げようと無意識にスイングで角度をつけようと、右腰が浮いているように見える。 

 

だが4、5打席目の左腕アレンとの対戦で改善されていた。意識をしたのかは分からない。左対左の対戦で右肩の開きを我慢しようとしてか、自然と右腰の浮きが押さえ込まれていた。腰が水平に回り、インパクトゾーンが長く取れていた。左対左は打者が不利と言われるが、不振時に左腕と対戦することで矯正できることがある。かつて対戦した松井秀喜も同様なことがあったと記憶している。 

 

大谷も頭では今の状態を把握しているのかもしれない。ただ頭で理解していることを体で表現することは簡単なことではない。そもそも投手としては右腕で、打者としては左打ち。体の捻転の動作としては逆になる。むしろ、よくやれているなと感心させられる。右腰が浮くのも数センチほどの動きだ。それが突然、カチッとハマって、打ち出すことは十分に考えられる」

 

森繁和氏:

(情報:スポニチ)

「正直、初回はどうなることかと思った。最悪に近い部類だったろう。直球も走らず、ボールに力が乗っていない。前回登板で大きく横滑りして絶大な効果を発揮したスライダーも、変化の量がまるで違っていた。左打者には外角から大きく曲げてストライクゾーンに入れていたが、初回のラミレスの2ランはそのスライダーが外角に甘く入ったものだ。  

 

初めての空振りが2回1死一、二塁で1番ストローから三振を奪った場面。実に42球目だった。ここからも序盤、いかに苦労したかが分かる。キーポイントになったのは3回。前の打席で一発を打たれたラミレスを先頭打者で迎え、カーブ、スプリットも交えて9球かけて二ゴロに打ち取った。なんとか粘って初めて先頭打者を抑え、50球を過ぎたこのあたりからリズムが良くなった。打線が早い回に大量援護してくれたのも大谷には心強かっただろう。  

 

立ち上がりの悪さを改善するには、試合前のブルペン投球を10球ほど多くするなどの方法がある。ただ、序盤の投球を見ていて現在の大谷に必要なのは休養だと思った。投打でのフル出場の疲労は間違いなくある。なにより『投げっぷり』に力強さを感じなかった。前日には首脳陣が休養を取らせることを示唆し、可能性がありながら、本人が志願して出場していた。ならば監督が止めるべき。プレーオフ出場を目指す長いシーズンを見据えたら、休むべきタイミングは今だと思う。  

 

大谷に代わって1番に入り、この日満塁本塁打を放ったウォードやトラウトら、打線は非常に状態がいい。大谷をスタメンから外す選択肢をとりやすい状況だ。本来の大谷には、3回以降の投球が初回からできるよう求められる。それほど高いパフォーマンスを常に期待されている。二刀流。休養は投球だけでなく、打撃面でも好影響があると思う」

 

高橋尚成氏:

(情報:スポーツ報知)

「正直、投打どちらとも状態がいいとは言えない。でもその中で、2勝目&3安打と結果を出せるところがさすが大谷だ。  

 

今、下半身が先に出るクイックで投げる時が一番しっくりきていると思う。上半身と下半身の連動がうまくいっている。  

 

もともと上半身を強く使いたいタイプのピッチャーだけど、今は特に上半身から始動してる感じ。疲れていると、なおのこと得意な部分でカバーしようとするから、というのもあるかな。グラブの手と上げる足が一緒に本塁方向に動いてしまっている。  

 

でもやはり下半身から始動するように投球しないと、引っかけたり抜けたりする球が増えて、さらに球数を要するようになる。勝ち星を今後増やすには、6~7回と長いイニングは投げたいところだから、ここは修正していきたいところだね。  

 

打撃については、まだ大谷らしい飛球がない。彼の一番いい打球は、中堅から左中間への大きな当たり。そこらへんにホームランが出始めたら、もう手を付けられない。今は相手投手もインコースの胸元、足元で崩していくような攻めをせずに抑えられると思う。  

 

二刀流は単純に、普通の選手の倍、疲労も出る。でも野球が大好きだから、大谷はきっと『休み』は選択しないだろうな」

 

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 ● 球界情報

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加藤豪将内野手:

・ブルージェイズの加藤豪将内野手が27日(日本時間28日)、本拠地でのレッドソックス戦に「8番・二塁」で先発出場。4回の第2打席に待望のメジャー初安打となる二塁打を放った。二死無走者で迎えた4回の第2打席、二死無走者の場面でレッドソックスの先発右腕・ワカと対戦。2球目カットボールを捉えた打球は、左中間を襲う二塁打となった。メジャー通算8打席目で生まれた待望の初安打。加藤はベンチに向かって両手を挙げて、うれしそうな笑顔を見せた。7回に代打を送られ、この日は2打数1安打で打率は.200。チームは敗れたが、加藤にとっては忘れられない一日となった。

 

2013年のドラフト2巡目でヤンキースに指名された加藤は、2019年までヤンキース傘下でプレー。コロナ禍に見舞われた2000年はマイナーリーグが中止になるなど苦労を強いられたが、今季はブルージェイズとマイナー契約を結び開幕でメジャーのロースター入りを果たした。その後、一度は傘下3Aバファローに降格したが、14日(同15日)に再昇格。この日はメジャー3度目の先発出場だった。

 

 

 

 

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 ● 気になる記事&コラム

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◆ エンゼルス快勝で4連勝 大谷翔平は5回2失点&3安打1打点の活躍で今季2勝目をマーク

(情報:MLBジャパン)

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エンゼルスは大谷翔平が先制弾を浴びた直後の1回裏に2点を奪って同点とし、2回裏にテイラー・ウォードの4号グランドスラムで勝ち越しに成功。その後も追加点を奪い、終盤にリリーフ陣が3点を返されたものの、ガーディアンズに9対5で快勝した。今季4度目の先発登板となった大谷は5回86球を投げて被安打5、奪三振4、与四球1、失点2で今季2勝目(2敗、防御率4.19)をマーク。ガーディアンズ先発のザック・プリーサックは今季2敗目(1勝)を喫した。

 

 ホセ・ラミレスの5号2ランで先制されたエンゼルスは、1回裏にマイク・トラウトのタイムリー二塁打とアンソニー・レンドンのタイムリーで同点に追いつき、2回裏にウォードが4号勝ち越しグランドスラム。4回裏にジャレッド・ウォルシュのタイムリーでリードを広げ、6回裏には大谷とトラウトの連続タイムリー二塁打でさらに2点を追加した。8回表に3番手のアンドリュー・ウォンツが2点、9回表に4番手のマイク・マイヤーズが1点を失たが、9対5で勝利。連勝を4に伸ばした。

 

「2番・投手兼DH」でスタメン出場した大谷は、いきなりラミレスに先制弾を被弾したものの、2回以降は無失点。4回表と5回表はいずれも三者凡退に抑えた。打者としてはセカンドゴロ、セカンドゴロ、センターへのヒット、ライトへのタイムリー二塁打、センターへのヒットで5打数3安打1打点の活躍。今季の打率は.238、OPSは.691となった。なお、エンゼルスのテイラー・ウォードは満塁弾を含む4打数3安打4打点の活躍。6回裏に三塁打を放った時点でサイクル安打に王手をかけたが、7回裏の第5打席はライトフライに倒れ、快挙達成はならなかった。

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◆ 大谷が自ら駆け寄ってあいさつした選手とは…「接する人全てに敬意を払う」

(柳原直之氏/情報:スポニチ)

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珍しい光景だった。大リーグでエンゼルスの大谷に駆け寄ってくる選手は多いかもしれないが、大谷が自ら駆け寄っていく選手は片手で数えるくらいだろう。

 

 15日のオリオールズ戦の試合開始直前。大谷はブルペンに向かうオ軍救援右腕テートの元へ走って向かい、ユニホームの背中部分をつかんで引っ張った。驚いたような表情を見せたテートはすぐに笑顔になり、ハグを交わすと、しばらく2人で話し込んでいた。

 

 「大谷からのあいさつは予想していなかったので驚いたよ。クールな瞬間だったね。僕の叔父が小さな子供たちのために募金活動をしているので、何かサインをしてくれるかどうか確認しました」とテート。実は2人は同じ代理人事務所「CAAスポーツ」に所属し、同じ94年生まれの27歳。このオフはシアトルが発祥で、アリゾナにも拠点を構えるトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」でともに自主トレを積んだ仲で、ライブBP(実戦的な打撃練習)で対戦することもあったという。大リーグは労使交渉が長期化し、キャンプはおろか、開幕時期すら見えなかった。そんな中、ともに励まし合ったテートはチームは違えど“戦友”だった。

 

 テートは15年ドラフト1巡目(全体4番目)でレンジャーズに指名された有望株で、19年にオリオールズでメジャーデビュー。昨季はキャリアハイの62試合に登板するなど中継ぎとしてブレーク。今季もすでに8試合に登板している。

 

 「大谷は素晴らしい人間だ。彼は接する人全てに敬意を払っている。誰に対しても同じように接することができるのは、僕が尊敬していることの一つだよ」。人懐っこい笑顔で、丁寧に取材に応じる姿はこちらが恐縮するほど。テート自身も「接する人全てに敬意を払う人」だった。大谷が自ら駆け寄るほど慕う理由も分かった気がした。(記者コラム・柳原 直之)

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◆ 大谷 休養打診も志願の出場で1安打 今季初フリー打撃では140メートル特大弾

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(柳原直之氏/情報:スポニチ)

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エンゼルスの大谷翔平投手(27)が26日(日本時間27日)、ガーディアンズ戦に「2番・DH」で出場。4打数1安打1得点も、41打席ノーアーチとなった。試合前にはレギュラーシーズンでは昨季開幕戦以来となる屋外フリー打撃を解禁。33スイングで柵越え15本を放った異例の調整に表れた、復調の兆しを大谷担当9年目の柳原直之記者(36)が分析した。

 

 観客を迎える前の打撃練習で、叫び声が響いた。ケージ裏で見守った19年打点王のレンドンが「オー、ノー!!」。大谷の最後の33スイング目は、中堅にある球場名物の岩山「ロックパイル」右横の芝生エリア最上段に着弾した。推定飛距離140メートルの超特大弾だった。

 

 27日(日本時間28日)の先発登板もあり、この日は休養の可能性もあった。だが、ジョー・マドン監督と話し合い、18試合連続出場を決断。投球練習も行った上で、レギュラーシーズンでは約1年ぶりの屋外フリー打撃を実施した。試合前まで打率.211、3本塁打、9打点。本来の打撃が影を潜める中で選択した変化に、復調への兆しがあった。

 

 (1)飛距離 最終スイングだけでなく、31スイング目も「ロックパイル」上部への推定140メートル弾とコンスタントに特大弾を飛ばした。これまで屋内調整の理由を「外で打つともっと飛ばしたいとなり、余分な動きが出てくる」としていた大谷。今回は力感のないスイングでも鋭い打球を飛ばすことや、スイングと打球のズレの修正などを再確認したようだ。

 

 (2)角度 打球を上げようと腕に力が入るとラインドライブがかかり、逆に打球が上がらない。この日は高々と舞い上がる打球が多かった。24~26スイング目は中堅から右方向に3連発。屋外で打つことで、打球角度の確認も行った。

 

 (3)打球方向 今季の3本塁打は全て右方向。さらに全打球の44.7%が右翼方向と、強引に引っ張る打撃が目立っていた。フリー打撃では逆方向へもまんべんなく打った。13、23スイング目は左翼への柵越え。ボールを体の前に引きつけて打つ、本来の形が戻りつつある。

 

 試合では5回に鋭い打球で2試合ぶりとなる中前打。9試合本塁打なしだが、指揮官も「彼は今年も打つ。予言するよ」とあらためて強調。完全復活は近いとみている。(柳原 直之)

 

 《昨年の欠場3日のみ》開幕からチームの全18試合に唯一出場している大谷。昨年は「二刀流」の投打同時出場が20試合で、投手のみの出場が3試合。162試合中158試合に出場し、欠場は4試合だった。欠場のうち1試合は5月20日のツインズ戦のダブルヘッダー第1試合で、試合が行われた日に休んだのは3日のみ。昨年MLBで全試合出場はメリーフィールド(ロイヤルズ)、セミエン(ブルージェイズ、現レンジャーズ)の2人だけ。158試合以上出場は18選手で、1球団あたり0・6人しかいない計算となる。

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◆ 投手大谷翔平の「とても興味深い変化」 MLB公式が指摘した“スライダーの違い”とは

(情報:THE ANSWER)

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米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、本拠地ガーディアンズ戦に先発登板する。MLB公式サイトは今季序盤に「とても興味深い変化」を見せた投手6人をピックアップ。一番手で紹介された大谷について「現在の姿が、史上最高の投手オオタニだ」とMVPの昨季より良くなっている部分を指摘した。

 

 MLB公式サイトは「これらの6投手は22年に持ち球を向上させた」の見出しで記事を掲載した。大谷について「スライダーが今まで以上によくなっている」と指摘。「彼がこれより良くなりようがないと思ったでしょう? 打者オオタニがまあまあな中、対峙した打者40%から三振を奪っている投手オオタニはスペクタクル以外の何物でもない」とつづっている。

 

 大谷は8日の開幕戦に登板し、4回2/3を4安打1失点。15日は3回2/3を投げ、満塁弾を含む6安打6失点で2敗目を喫した。しかし、前回21日は6回1安打、自己最多タイの12奪三振で無失点。別人のような投球を見せ、6回1死までパーフェクトで今季初勝利を挙げた。3登板、打者59人に26奪三振。スライダーの向上が支えになっているという。

 

「すでに、彼の最高の持ち球の一つだったスライダーが異なる動きをしている。球速が82.2マイル(約132.3キロ)から84.8マイル(約136.5キロ)に上がった。より印象的なのは、16インチ(約40.6センチ)の横移動を維持している点だ」「不明瞭であればこれを考慮してほしい。変化には時間がいる。球速が上がればプレートまでの時間は短くなる。それでも、同じ変化をしているということは、より大きく曲がっているということだ」

 

 勝敗こそ1勝2敗だが、スライダーの違いを絶賛。「防御率4.40を無視するべきだといくら強調しても足りないくらいだ」と強調し、「なぜなら、全ての根本的な数値がそれ以上のパフォーマンスをしていると示しているからだ。現在の姿が、史上最高の投手オオタニだ」と記した。

 

 今季は打者よりも投手の方が目立っている大谷。4度目のマウンドはどうなるのか。スライダーにも注目だ。

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