2022年3月13日

 

(NOTE)

 

新労使協定合意から2日目、前日に続きFA戦線が賑わった。大谷の先輩でもある菊池雄星は、同じアメリカン・リーグのブルージェイズに決定した。

 

カート・スズキ捕手: 

エンゼルスと契約更新


スティーブ・シーシェク投手: 

ナショナルズと契約


ホセ・イグレシアス遊撃手: 

ロッキーズと契約


菊池雄星投手: 

ブルージェイズと契約


クリス・バシット投手: 

アスレチックスからメッツへトレード


アイザイア・カイナーファレファ遊撃手: 

レンジャーズからツインズへトレード


ミッチ・ガーバー捕手: 

ツインズからレンジャーズへトレード

 

スズキがエンゼルスへ残留することになった。この決定に大谷も関わったと指摘するメディアが存在した。エンゼルスの専門メディア『AngelsWin』は、「オオタニは昨年11月の時点で、球団にスズキと再契約できるかを尋ねていた。つまり今回の契約は、リーグMVPの幸せを保つためのものとなった」とある。

 

本当かな!?

 

私見では専門メディア独自の見立てだと思う。大谷は自身のこと以外で、チームメイトに影響を及ぼす助言を行う性格には思えないからだ。球団から相談されれば意見はすると思う。自身の為に、他選手の再契約を提案するような話は聞いたことがないからなあ。

 

 

シーシェクはナショナルズへ行ってしまった。貴重な中継であったが、FAだから仕方ない。先発補強が叫ばれているエンゼルスではあるが、中継の方が心配だな。目立った補強話を聞いてなかったような!?

 

イグレシアスは、早期に無事契約できて良かったと思う。雄星は大谷と同地区から対戦試合数が少ないブルージェイズ入りが決まった。マリナーズ残留はお金以前に、フロントや監督からの信用不安があったから、必要とされる球団へ良い条件で入れて良かったと思う。大谷との対戦が減るのは残念だが、昨季前半の活躍を年間通して見せてほしい。

 

大谷の天敵、バシットがメッツへ行った。同地区アスレチックスの戦力ダウンは嬉しくなくは無いが、大谷とのライバル対決が見られなくなるのは残念だ。(対戦が完全消滅する訳ではないが)代わりに、レンジャーズが着々と戦力アップを図ってきた。ガーバー捕手が入り、カイナーファレファが抜けた。打線は補強済みのレンジャーズだから、捕手強化は戦力アップに思った。アスレチックスに代わり強敵になりそうだ。

 

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 ● エンゼルス関連情報(&競合情報)------------------------------------------------------------------

 

エンゼルスが38歳のベテラン捕手カート・スズキと再契約へ 1年175万ドルで合意との報道

(情報:MLBジャパン)

 

・エンゼルスは自軍からFAとなっていたベテラン捕手カート・スズキと1年175万ドルで再契約を結ぶことで合意したようだ。現在38歳のスズキは攻守両面で衰えが目立っているものの、昨季はエンゼルスと1年150万ドルで契約しており、昇給を勝ち取った形となる。昨季はマックス・スタッシの故障もあり、スタッシとスズキが併用されていたが、今季はスタッシが正捕手に定着し、スズキは2番手捕手としてスタッシをサポート役に回ることが予想される。

 

 メジャー15年の実績を誇るスズキは、6度の2ケタ本塁打を含む通算139本塁打をマークし、ツインズ時代の2014年にオールスター・ゲーム選出、ナショナルズ時代の2019年にはワールドシリーズ制覇を経験しているものの、エンゼルスに加入した昨季は72試合に出場して打率.224、6本塁打、16打点、OPS.636という平凡な成績。以前から不安視されていた守備面でも守備防御点-12、10失策、盗塁阻止率18.6%と精彩を欠き、「ベースボール・リファレンス」が算出する総合指標WARはキャリアワーストの-0.4に終わった。

 

 今オフのFA捕手市場は史上稀に見る不作で、ヤン・ゴームスやマニー・ピーニャがトップ扱いという状況だった。彼らもすでに市場から消えており、エンゼルスが捕手を補強する選択肢はほとんど残されていなかったというわけだ。すでに投手陣との関係性を築くことができている点を評価し、スズキとの再契約に動いたのだろう。マット・タイスを2番手捕手に抜擢する選択肢もあったが、メジャーでは捕手として1試合も出場しておらず、マイナーで捕手としての経験を積ませる方針だと思われる。

 

 正捕手のスタッシは今季終了後にFAとなる。そうした事情もあり、エンゼルスは今季を昨季と同じスタッシとスズキという体制で乗り切り、タイスには次の正捕手候補としてマイナーでしっかり経験を積ませたいと考えているのかもしれない。

 

ナショナルズがベテラン救援右腕・シーシェックと1年契約で合意 175万ドル+出来高との報道

(情報:MLBジャパン)

 

・ナショナルズはエンゼルスからFAとなっていた救援右腕スティーブ・シーシェックと1年契約を結ぶことで合意に至ったようだ。契約条件は年俸175万ドル+出来高50万ドルであることが報じられている。メジャー通算668登板の実績を誇り、昨季も74試合に投げたシーシェックは7回もしくは8回を担うセットアッパーとして奮闘することになりそうだ。昨季はエンゼルスで74試合に登板して0勝2敗、21ホールド、防御率3.42をマークし、メジャー12年間では668試合に登板して32勝39敗132セーブ、103ホールド、防御率2.85という通算成績を残している。短縮シーズンだった2020年を除くと、シーズンの防御率が3.58を上回ったことはなく、70試合以上の登板と3点台前半以下の防御率を確実に計算できる、頼れるベテランリリーバーだ。

 

ロックアウト終了でFA契約が次々に成立 ホゼ・イグレシアスはロッキーズと1年500万ドルで合意

(情報:MLBジャパン)

 

・昨季エンゼルスとレッドソックスでプレーしたホゼ・イグレシアスはロッキーズと1年500万ドルで合意。FAのトレバー・ストーリーに代わって正遊撃手を務めることになりそうだ。ロッキーズがイグレシアスを獲得したことにより、ストーリーがロッキーズと再契約を結ぶ可能性は完全に消滅したと言えそうだ。現在32歳のイグレシアスは昨季エンゼルスとレッドソックスで合計137試合に出場して打率.271、9本塁打、48打点、5盗塁、OPS.701を記録。最大の武器である守備面ではキャリアワーストの守備防御点-22に終わるなど、衰えが目立ち始めている。

 

アスレチックスのチーム解体がついにスタート 先発右腕バシットを2選手とのトレードでメッツへ放出

(情報:MLBジャパン)

 

・年俸総額削減のために主力選手の大量放出が予想されているアスレチックスのチーム解体がスタートした。アスレチックスは昨季オールスター・ゲーム初選出の先発右腕クリス・バシットをメッツへ放出。アスレチックスがバシットの対価としてJT・ギンとアダム・オラーの2選手を獲得することを伝えている。現在33歳のバシットは昨季アスレチックスで27試合に先発して12勝4敗、防御率3.15の好成績をマークし、オールスター・ゲームに初選出。しかし、8月に打球が顔面を直撃するアクシデントがあったため、規定投球回をクリアすることはできなかった。短縮シーズンの2020年にはキャリア唯一の規定投球回到達を果たし、リーグ3位の防御率2.29を記録。今季終了後にFAとなり、年俸調停期間3年目となる今季の年俸は880万ドル前後と予想されている。アスレチックスはさらなる主力放出が予想されており、マット・オルソン、マット・チャップマン、ショーン・マネイアらの動向が注目される。

 

ツインズがトレードで好守のカイナーファレファを獲得 レンジャーズへ強打の捕手・ガーバーを放出

(情報:MLBジャパン)

 

・日本時間3月13日、ツインズはレンジャーズへミッチ・ガーバーを放出し、アイザイア・カイナーファレファとロニー・エンリケスの2選手を獲得するトレードが成立したことを発表した。ツインズは好守の遊撃手を獲得するために対価は決して小さくなく、2019年にシルバースラッガー賞を受賞した強打の捕手ガーバーを放出した。現在26歳のカイナーファレファは昨季レンジャーズで158試合に出場して打率.271、8本塁打、53打点、20盗塁、OPS.669を記録。2018年にメジャーデビューし、最初の2シーズンは捕手と内野手を兼任しながらユーティリティ的に起用されていたが、正三塁手を務めた2020年にゴールドグラブ賞を受賞し、遊撃へコンバートされた昨季も守備防御点+10と安定した守備を見せた。現在31歳のガーバーは新天地レンジャーズで強打の正捕手として期待される。メジャー3年目の2019年に93試合で打率.273、31本塁打、67打点、OPS.995と大ブレイクしてシルバースラッガー賞を受賞したものの、翌年は故障もあって23試合で打率.167と大不振。昨季も故障に悩まされたが、68試合で打率.256、13本塁打、34打点、OPS.875と強打復活の兆しを見せており、故障さえなければコリー・シーガーやマーカス・セミエンとともに打線の中軸を担うことになるだろう。

 

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 ● 気になる記事&コラム------------------------------------------------------------------

 

大谷翔平の今季成績は?各サイト予測システムではMVPの昨季より苦戦予想…“裏切り”に期待

(水次祥子氏/情報:日刊スポーツ)

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<カムカムMLB(1)>

 

新労使協定も締結され、いよいよMLBの開幕が近づいてきた。ニッカンスポーツコムでは「カムカムMLB」と題して、今日から今季のメジャーリーグの見どころを紹介する。第1回は「大谷の今季成績予想」について。

 

    ◇    ◇    ◇

 

日本人初の満票で昨季MVPに選出されるなど各賞を総なめにしたエンゼルス大谷翔平投手(27)は、今季は果たしてどんな成績を残すのか。

 

シーズン前に野球の各データサイトが独自の試算による成績予測を出している。最も有名なのは「Fangraphs」のZiPS予測システム。これは、選手のタイプ別に成績の変動傾向をビッグデータ化したものを使用し、予測する選手の過去成績を当てはめ、割り出している。

 

ZiPSの今季大谷成績予想は、打者としては586打席、131安打、38本塁打、101打点、21盗塁、打率2割6分1厘、WAR3・9。投手としては登板21試合、投球回111回3分の2、6勝4敗、防御率3・63、132奪三振、WAR2・4となっている。

 

昨季と比較すると、打席数は53減、安打数は7本減、本塁打数は8本減、盗塁は5減、打点は1増、打率は4厘上昇、WARは1・0減。投手として登板は2試合減、投球回は約19減、勝敗は3勝減と2敗増、防御率は0・45悪化、奪三振は24減、WARは1・7減となっている。

 

つまりZiPSの予想では、大谷の出場数が昨季と比べて15試合程度減少し、打率は上昇しているものの本塁打は昨季の13・9打席に1本のペースから15・4打席に1本のペースに落ち、投手としても昨季より苦戦することになる。

 

他のデータサイトはどうか。「Baseball Reference」の打者大谷の今季は567打席とさらに少なくなっており、成績も打率2割5分3厘、31本塁打、81打点、18盗塁とどれも下降とシビアな予想だ。数人の専門家によって開発された「スティーマー予測システム」が最も好成績を予想しており、打席数は昨季を超える640以上、打率は昨季と同じ、本塁打は39、打点は99、盗塁は24と高い数字になっている。

 

投手大谷については、この「スティーマー予測システム」とCBSスポーツ電子版のファンタジーページの予想成績が高い。前者は165投球回、11勝8敗、防御率3・69、192奪三振。防御率と負け数は昨季からやや悪化するものの、その他の数字は向上。後者は169投球回、10勝2敗、防御率2・56、168奪三振と昨季を上回る予想だ。

 

MLBの過去の事例を見ても、MVPに輝いた翌シーズンは大なり小なり成績が下がる例が多い。ZiPSなどはそうした過去の傾向に基づいての算出なのだろうが、大谷が良い意味で予想値を裏切るかどうか。昨季も各予想を大幅に上回る結果を出しているだけに期待したい。【水次祥子】

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大谷翔平は「とんでもない偉業をやる」――。エンジェルスが38歳のベテラン捕手と新契約を結んだ背景は?

(情報:THE DIGEST)

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MLBのロックアウト解除により、FA(フリーエージェント)選手たちの移籍動向が動き出している。5年ぶりの地区優勝を目指すエンジェルスは、ベテラン捕手との契約を更新した。

 

 現地時間3月12日、エンジェルスは、昨シーズン終了後にFAとなっていたカート・スズキと1年175万ドル(約2億円)で再契約を締結した。

 

 現在38歳のスズキは、アスレティックスやナショナルズなどメジャー5球団を渡り歩き、通算1584試合に出場したベテラン捕手だ。もっとも、昨シーズンは正捕手だったわけではない。72試合に出場して、打率.224、6本塁打、16打点と打撃成績は鳴かず飛ばず。シーズン後半戦は、31歳のマックス・スタッシにマスクを譲った。

 

 今オフのFA市場に捕手が少なかった事情もある。だが、エンジェルスが新契約を締結した背景には、このベテラン戦士と、今季の開幕投手が有力視されている大谷翔平との相性があると見られている。昨シーズンは大谷が登板した23試合のうち、約7割となる16試合で先発マスクを被った。

 

 優れたブロッキング技術と卓越したリードで、偉才の女房役として奮闘したスズキ。そんな38歳を求めたのは、他でもない大谷だったという。エンジェルスの専門メディア『AngelsWin』は、「オオタニは昨年11月の時点で、球団にスズキと再契約できるかを尋ねていた。つまり今回の契約は、リーグMVPの幸せを保つためのものとなった」と伝えている。

 

 当のスズキも日本の至宝をリードする喜びを惜しまず口にしてきた。昨年4月のレンジャーズ戦で大谷が1072日ぶりの勝利を挙げた際には、「彼とのバッテリーは格別だよ」と高揚感を隠さなかった。

 

「いままで野球をしてきて、あんな選手は一度も見たことがない。間違いなく特別なアスリートであり、スペシャルなピッチャーだ。彼が投げるときは、いずれはノーヒッターか完全試合か、なにかとんでもない偉業を達成しても不思議ではない。本当にマスクを被るのが楽しいんだ」

 

 大谷とは、「彼がマウンド上で本当にやりたいことはなんなのかを常に理解して、同じ答えを導きだそうと心がけている」とも語っていたスズキ。そんな頼りになる古強者は、エンジェルス浮上のキーマンとなるかもしれない。

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代理人ボラス氏の戦略的勝利!菊池雄星が3年42億円でブルージェイズ入り

(菊地慶剛氏/情報:スポナビ)

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【ブルージェイズ入りが報じられた菊池投手】

 

 現地時間の3月10日に急転直下でMLBと選手会が新労使協約に合意し、同日夜に正式にロックアウトが解除されたことで、各チームは急ピッチで戦力補強を始めている。

 そんな中ロックアウト前から積極的な補強を続けてきたブルージェイズが、菊池雄星を獲得したようだ。MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者がTwitter上で報告している。

 ヘイマン記者のツイートはこちらから閲覧できる。

 ツイートにもあるように、契約内容は3年で総額3600万ドル(約42億円)に上るようだ。

 

【代理人ボラス氏の戦略的勝利】

 

 昨シーズン終了後、菊池投手とマリナーズ双方がオプション権を有していた。マリナーズが予想通り、4年間で総額6600万ドル(約77億円)というチームのオプション権を破棄した後、地元メディアも含めて誰もが菊池投手が1年1300万ドル(約15億円)のオプションを行使すると考えていた、

 だが菊池投手はマリナーズとほぼ同時に、オプション権を破棄してFAになる道を選択したのだ。菊池投手の決断にジェリー・ディポトGMも、「彼は残ると思っていた」と驚きを隠そうとしなかった。

 もちろん菊池投手の判断には、代理人のスコット・ボラス氏のアドバイスがあったのは明らかだ。彼は「150キロ台後半のボールを投げる左腕投手を欲しがっているチームはたくさんいる」と、強気な姿勢を崩さなかった。

 ヘイマン記者のツイートではインセンティブがついているかどうかまでは判明しないが、オプション権の年俸を超えることはできなかったが、それに近い額で3年契約を獲得したのだから、まさにボラス氏の戦略的勝利といえるだろう。

 

【ブルージェイズはMLBトップクラスの先発投手陣に】

 

 しかもマリナーズの時と違い、ブルージェイズは先発投手陣が充実しており、菊池投手への個人的負担がかなり軽減されることになりそうだ。

 昨シーズン2桁勝利を挙げているホゼ・ベリオス投手と柳賢振投手に加え、ロックアウト実施前にケビン・ゴースマン投手の獲得に成功しており、いわゆる「3本柱」が揃っている状態だ。

 もちろん菊池投手も昨シーズン前半の投球を披露できれば、彼ら3人に匹敵する活躍が期待できることを考えれば、今シーズンのブルージェイズの先発投手陣はMLBの中でもトップクラスの陣容を揃えたといえる。

 まさにブルージェイズ、菊池投手双方が満足できる契約になったようだ。

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