■今日の大谷翔平【NEWS】

・大谷が政府から国民栄誉賞を打診され、辞退していたことが分かった。松野博一官房長官が記者会見で明かした。大谷側は「まだ早いので今回は辞退させていただきたい」と回答したという。松野氏は打診理由を「大変な活躍だった。祝意を表したかった」と説明。辞退の意向には「さらなる高みに向けて、精進に集中するという強い気持ちと受け止めている。国民とともに来シーズン以降の一層の活躍をお祈りしたい」と語った。

 

 

■関連情報

アーロン・ループ投手:

日本時間11月23日、エンゼルスはメッツからFAとなった救援左腕アーロン・ループを獲得したことを発表した。契約条件は2年1700万ドルで、2022年と2023年の年俸が各750万ドル、2024年は年俸750万ドルの球団オプション(またはバイアウト200万ドル)となっている。現在33歳のループは、今季メッツで65試合に登板して防御率0.95という自己最高の成績をマーク。なお、ロースターの40人枠を空けるために、左腕ヘクター・ヤンがDFAとなった。

 

 先発ローテーションに1年2100万ドルでノア・シンダーガードを獲得したエンゼルスが、今度はブルペンにメッツからFAとなった投手を加えた。ループは今季メッツで65試合(うち2先発)に登板して56回2/3を投げ、6勝0敗、17ホールド、防御率0.95、57奪三振をマーク。4月に防御率0.00を記録したあと、5月に4.70と崩れたものの、6月は0.00、7月は0.87、8月は0.82、9月は0.00と抜群の安定感を誇った。右打者の被打率.211に対し、左打者を被打率.167に抑えている。

 

 ループは2009年ドラフト9巡目(全体280位)指名でブルージェイズに入団し、2012年7月にメジャーデビュー。2013年に64試合で防御率2.47、2014年も71試合で防御率3.15を記録し、ブルペンの一角を担って活躍したが、それ以降は安定感を欠くシーズンが続き、2018年途中にフィリーズへトレードされた。2019年は左肘痛もあってパドレスでわずか4試合の登板に終わったものの、2020年はレイズで24試合に登板して防御率2.52と復活。そして、今季はメッツで素晴らしい活躍を見せた。

 

 シンダーガード獲得時点でペイロールは1億5000万ドル前後となり、ペイロールが今季と同レベルと仮定した場合、残り3000万ドルほどしか使えないことになるが、そのうち750万ドルをループに投入。今後は守護神ライセル・イグレシアスとの再契約、さらなる先発投手の獲得などを目指すものとみられる。なお、エンゼルスが再契約を狙うと予想されていたアレックス・カッブはジャイアンツとの交渉が進展中であることが報じられている。

 

 

タイラー・ウェイド内野手:

・日本時間11月23日、エンゼルスは後日指名選手1名もしくは金銭とのトレードでヤンキースからタイラー・ウェイドを獲得したことを発表。現在26歳のウェイドは、今季ヤンキースで自己最多の103試合に出場し、打率.268、0本塁打、5打点、17盗塁、出塁率.354、OPS.677をマークしたが、ルール5ドラフトの有望株プロテクトに伴うロースター変更によりDFAとなっていた。エンゼルスの今後の補強次第では、正遊撃手候補となる可能性もありそうだ。

 

 ウェイドは2013年ドラフト4巡目(全体134位)指名でヤンキースに入団。2017年に初めてAAA級へ昇格して85試合で打率.310、7本塁打、31打点、26盗塁、OPS.842の好成績を残し、この年の6月にメジャー初昇格を果たした。メジャーとAAA級を往復するシーズンが3年続いたが、昨季は1年を通してメジャーでプレーし、60試合中52試合に出場。今季もマイナーでの出場は1試合もなく、代走要員や守備要員として貴重な戦力になっていた。

 

 ヤンキースでは内外野の複数ポジションを守れるユーティリティ・プレーヤーとして重宝され、今季は遊撃で31試合(うちスタメン14試合)、三塁で27試合(同9試合)、二塁で19試合(同6試合)、中堅で10試合(同1試合)、左翼で8試合(同4試合)、右翼で7試合(同1試合)に出場。今季でサービスタイムが3年を超えて年俸調停権を取得しており、来季の年俸は70万ドル前後と予想されている。

 

 エンゼルスは今年9月にホゼ・イグレシアスを解雇し、それ以降はジャック・メイフィールドやルイス・レンヒーフォが遊撃のポジションに入ったが、レギュラー格の遊撃手の補強がなければ、ウェイドが正遊撃手争いに加わる可能性は十分にある。現時点ではメイフィールド、レンヒーフォ、ウェイド、アンドリュー・ベラスケス(今月上旬にヤンキースからウエーバーで獲得)らによる正遊撃手争いが予想される。

 

 

■注目記事

福本豊氏:

国民栄誉賞辞退の理由は「国民の模範となれる自信持てなかった」…立ちションベン発言に言及(スポーツ報知)

 

斎藤庸裕氏:

大谷効果!米アマ球界で二刀流急増 そう遠くない「二刀流VS二刀流」対決(日刊スポーツ)

 

■NOTE

辞退は想定内、当然そうなるだろうと思った。

 

国民栄誉賞辞退の理由は「国民の模範となれる自信持てなかった」…立ちションベン発言に言及(スポーツ報知)

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米大リーグのア・リーグMVPに選出されたエンゼルスの大谷翔平投手(27)が政府から国民栄誉賞を打診され、辞退していたことが22日、分かった。松野博一官房長官(59)が会見で明かした。野球界では1983年に当時世界新記録の通算939盗塁を達成した福本豊氏(74)=スポーツ報知評論家=、元マリナーズのイチロー氏(48)に続く3人目の同賞辞退となった。

 

 ボクが国民栄誉賞を辞退した理由は、おもしろく伝えられている。「立ちションベンができなくなるから」と言って断ったと。真意はそうじゃない。国民の模範となれるか? そう考えると、自分の行動に自信が持てなかった。酒は飲むし、当時はたばこも吸うし、マージャンもしていた。とてもじゃないが、品行方正と呼べる人間じゃなかった。だから、辞退させてもらった。そんなたとえ話のひとつとして「酔っぱらったら立ちションベンもする」と言ったのが“福本伝説”みたいになってしまっているけどね。

 

 国民栄誉賞はそれほど重みがある賞。野球界のMVPなどとは違う。候補になっただけでも幸せなことだ。

 

 大谷の辞退理由はボクとは違う。野球一筋で取り組んでいる。私生活でも国民の模範となれるだろう。大谷本人が「まだ早い」と辞退したのも、さすがだ。今季の大活躍も、頂点じゃない。もっとすごいことをやってのけるはず。現役を引退する時にでもあらためて、授与を検討してあげればいいと思う。(福本 豊=スポーツ報知評論家)

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大谷効果!米アマ球界で二刀流急増 そう遠くない「二刀流VS二刀流」対決(日刊スポーツ)

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ア・リーグMVPに輝いたエンゼルス大谷翔平投手(27)の二刀流の活躍により、米野球界も着実に変わりつつある。全米大学体育協会(NCAA)1部に所属するカリフォルニア大バークリー校は、二刀流選手の育成を積極的に進める。大谷がメジャーに挑戦した3年前に比べ、チームの野手兼任投手の数は倍増した。同校のマイク・ニュー監督(43)が、現状を明かした。

 

「二刀流VS二刀流」の夢の対決は、そう遠くないかもしれない。日本記者クラブで15日に会見を行った大谷は、二刀流を目指す選手が増えつつあることについて「すごいうれしいことだと思いますね」と話した上で、二刀流対決には「そうなったら楽しい」と心を躍らせた。実際に、米アマチュア球界ではその傾向にある。カリフォルニア大バークリー校のニュー監督は「メジャーレベルで両方やっている大谷は、まさにMVP選手。多大な価値をもたらしてくれた」と声を弾ませた。

 

大学野球では、スカラシップ(奨学金)制度で有望な選手を獲得するケースが多い。かつては、大学側から「投手でやって欲しい」などと告げられ、1つのポジションでプレーする流れがほとんどだったという。だが、同監督は「もちろん、投手か野手か、どちらかで獲得する場合もあるが、両方できる選手を我々は好む。より多くの選手が二刀流でプレーできるか、尋ねてきている。我々の答えはいつも『イエス』だね。少しずつ(野球界が)変わってきていると思う。それを(大谷が)後押ししてくれた」と明かした。

 

実際に3年前、同校からタナー・ドッドソン投手(24)が、ドラフト2巡目で二刀流選手としてレイズに入団した。また、バークリー校では今年、チーム内の二刀流選手は6人で、3年前の3人から倍増。中でも最も能力が高い二刀流が、3年生のスティーブン・ゾバック外野手兼投手だ。5月23日のカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)戦では、5番左翼で出場し、5打数1安打。2点差の9回はクローザーとして登板し、1安打無失点でセーブを挙げた。

 

同監督は、来季以降は先発で起用する考えもあると明かした。「外野を守らせて、指名打者(DH)で起用して、先発する。大谷と似たような役割になるかもしれない」。メジャーレベルで、シーズンを通じて投打二刀流で戦えることを証明しただけではない。大谷はいまや、米アマチュア球界のお手本にもなっている。【斎藤庸裕】

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