■今日の大谷翔平【NEWS】

・メジャーリーグでは2019年から「シーズン終了後のオールスター・チーム」を選出する「オールMLBチーム」の表彰がスタートしており、日本時間11月11日に2021年の「オールMLBチーム」のファイナリストが発表された。同20日午前7時までファン投票が行われ、ファン投票の結果と特別委員会の選考を50%ずつの割合で合計してファーストチームとセカンドチームが選出される。日本人選手では大谷翔平が先発投手と指名打者の2部門でノミネートされた。なお、ファーストチームとセカンドチームはそれぞれ先発投手5名、救援投手2名、外野手3名、その他のポジション各1名が選出される。

 


 

・大谷翔平の代理人を務めるネズ・バレロ氏が10日(日本時間11日)、GM会議の会場内で取材に応じ、あらためて二刀流で大活躍した今季を「これまでに見たことのないようなこと」などと振り返った。来季が2年契約の最終年で23年オフにフリーエージェント(FA)となるため、早くも契約延長の話題が出ているものの、同氏は「我々は契約や延長のことは話さないのがポリシー」と、慎重な態度に終始した。またバレロ代理人は大谷の球団への愛着を口にした。「エンゼルスについて言えることは、素晴らしい球団だということ。彼はチームにいることに心から喜んでいる。エンゼルスの一員でいることを好んでいる。みんな状況を見守っていくことになる」大谷の残留へはチーム再建が不可欠。ミナシアンGMは投手陣再建を最優先事項に挙げている。バレロ氏は「GMが本当に目指していることの1つは、強いチームを作り上げること。GMというものは特定の選手をターゲットにするプランを常に持っている。狙っている選手を獲得し、チームを強化できると願いたい。本当にダイナミックなチームになるために近いところまで来ている」とチーム改革への期待感を口にした。

 

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・DeNAベイスターズの田中浩康2軍守備走塁コーチ(39)が10日、「大谷翔平流走塁」を求めた。横須賀スタジアムで行われた秋季トレーニング。牧、森ら内野手陣が集められると、田中コーチは熱く言葉を投げかけた。「大谷翔平は、一塁までの到達が4秒09。これはすごいこと。これを目指してやってほしい」。大谷の一塁到達平均タイムはメジャーでも4位の数字。一塁への駆け抜け、左足でのベースの踏み方など細かく指導し、「こういうことが大切になる」と、ナインのベースランニングなどを見守った。
 

 

・大谷翔平の人間性が再注目されている。今季中に始まった投手に対する粘着物質検査で、大谷が見せた審判団への対応が、米投球分析家ロブ・フリードマン氏が選ぶ「ピッチングニンジャ・アワード」の年間ベスト粘着物質検査に選ばれた。再脚光を浴びたのは9月26日(日本時間27日)の本拠地・マリナーズ戦。ベンチへ戻る際に審判団から粘着物質チェックを受けたが、そんな疑惑の目にも爽やかなウインクで対応した。審判団の粘着物質検査については3度のサイ・ヤング賞を受賞したシャーザーらがイライラを隠そうとしなかったが、そんな中での“神対応”だった。

 

 

・エンゼルスの試合を地元で中継する「バリー・スポーツ・ウエスト」でレポーターを務めてきたアレックス・カリーさんが自身のツイッターを更新。カリーさんは今年8月でレポーターを“卒業”。現在は米TV番組「FOX Bet Live」でホストを務めている。ツイッターに投稿したのは番組内の映像で、カリーさんは大谷の4年間の歩みを振り返りながら今季の活躍を称賛している。「2018年に時を戻してみましょう。彼は新人王になりましたが、その時でさえ肘に故障を抱えていました。2020年の短縮シーズンでは、彼が(左膝手術やTJ手術から)復帰する準備が整っていなかったと、誰もが見分けることができました。2021年までオオタニの100%な姿を見ることは1度たりともありませんでした。そして彼はショーを見せつけたのです。シーズンの大半で本塁打数トップに立ち、マウンド上では100マイルの球を投げ三振の山を築いたのです。ショウヘイ・オオタニは100%ア・リーグのMVPになるべきです」

 

 

■関連情報

菊池雄星投手:

・マリナーズからFAとなった菊池雄星について、代理人を務めるスコット・ボラス氏が来季からの契約に自信を見せた。GM会議が行われている米カリフォルニア州カールスバッドで対応し。ボラス氏は菊池への期待を語った。「チームの方から私たちに来ている。そして彼らは『ユウセイが優先事項だ』と伝えているんだ。彼らは97マイル(約156キロ)を投げる左の先発投手を求めているからね。左で97マイル投げられる先発投手がどれだけいる? 5人か6人だろう。その中でFAとなると2、3人といったところだろう。97マイルを投げる左投手となると、全ての球団が欲しがるだろう。充実した投手陣を抱えていない限りはね。彼のような才能に対する需要は非常に大きい」 ワールドシリーズ終了後に球団、選手双方が来季のオプション(選択権)を行使しなかった。菊池がオプションを行使すれば、年俸1300万ドル(約14億3000万円)の1年契約で残留だった。「私たちは予期していたんだ。シアトルは若い先発投手がたくさんいる。ユウセイの需要はシアトル以外のところにあるだろうと思っていた。その決断(FA)は選手によるものだった」と語った。

 

 

田中将大投手:

・ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMがGM会議が行われているカリフォルニア州カールスバッドで取材に対応。楽天の田中将大投手について言及。報道陣から「タナカ」について問われたキャッシュマンGMは「素晴らしい人間であり、素晴らしい選手だ。間違いない。ただ、まだ球団の支配下にいるから、彼について話すことは許されていないんだ」と話した。またヤンキース専門メディア『Yankes Go Yard』は、「彼を放出した時とは、チーム状況が異なる」と、電撃復帰の可能性を次のように説いた。「コーリー・クルーバーが放出される可能性が高まったいま、タナカとの契約を絶った理由のひとつであるぜいたく税の問題はリセットされている。いまだトップクラスの実力を持つ日本人は間違いなく重要な戦力となりうるため、その動向を注視しなければならない。本人はいまだ態度を明確にしていないが、『MLBでやり残したことがある』とコメントした通り、ヤンキース復帰を匂わせている」

 

 

■注目記事

MLB公式ジャパン:

敏腕代理人として知られるスコット・ボラス 各球団の「タンキング」を「競争のがん」と痛烈批判

 

■NOTE

「強い」は大事だねえ。菊池投手の代理人、スコット・ボラス氏のこと。オフ前半、菊地の来期以降の契約に関するメディア論調は、マリナーズが保有する4年契約を更新せず、菊地側がもつ権利で1年生き延びるだろう位の弱い立場だった。それが、GM会議のボラス氏の発言で一変した印象。大物選手を複数抱える強腕代理人が、左腕の速球投手の需要を持ち出すだけで評価を変えたみせた気がした。実際は、菊地の新たな契約内容がまとまるまでわからないが、菊地にとっては心強い存在だろう。代理人選びも重要だし、「強さ」は大事だなあと思った次第。

 

 

敏腕代理人として知られるスコット・ボラス 各球団の「タンキング」を「競争のがん」と痛烈批判

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球界で最も影響力のある代理人として知られるスコット・ボラスは、各球団がより上位のドラフト指名権を得るために意図的に戦力ダウンする「タンキング」について「競争のがん」であると痛烈に批判した。今季はブレーブスがシーズン途中に獲得した選手たちの活躍もあり、1995年以来26年ぶりのワールドシリーズ制覇を成し遂げたが、それは「勝利を諦めた他球団がベテラン選手を放出した結果である」と指摘。メジャーの現状について「シーズンのある時点で半数のチームが非競争的になってしまう」と述べた。

 

 ボラスは「これはイースターバニー(=復活祭の卵を運ぶウサギ)が腐った卵を届けているようなものだ」と語り、半数のチームがシーズンの途中で勝利を放棄してしまう現状を批判。「どのチームも『地区優勝できないし、ポストシーズンにも届かないから、これしか選択肢がないんだ』と言って勝つことを諦めてしまう」と安易にタンキングに走るフロントオフィスを皮肉った。

 

 ブレーブスが7月に相次いで獲得した4人の外野手の活躍もあってワールドシリーズ制覇を成し遂げた今季を振り返り、ボラスは「私たちは60日間で優勝が決まるのを目にすることになった」とコメント。「8月1日の時点で勝率5割以下のチームでも、もはや競争する気のないチームから4~5人の選手を獲得することによって、わずかなコストでチームやシーズンの全体像を作り変えることができる。膨大な費用や計画、知性をかけて創造され、100勝以上を記録したチームが不利益を被ってしまうんだ」とメジャーの現状への懸念を表明した。

 

 ボラスは勝率下位のチームが上位のドラフト指名権を得られる制度について「底辺への競争の誘因になっている」と指摘。「シーズンのある時点で半数のチームが非競争的になり、主力選手をトレードし、シーズンを本来の目的とは全く違うものにしてしまう。トレードとは、従来は勝つために行うものだったはずだ」と批判した。

 

「負けを望むチーム」の存在が選手の年俸上昇の障害になると考えているボラス。選手会の役員8人のうち5人(ザック・ブリットン、ゲリット・コール、ジェームス・パクストン、マックス・シャーザー、マーカス・セミエン)はボラスの顧客であり、今オフの労使交渉では選手会側の主張に多少なりともボラスの意向が反映されることになるかもしれない。

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