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■試合データ

米国時間:2021年9月12日

日本時間:2021年9月13日(月曜日)3時8分開始

ロサンゼルス・エンゼルス対ヒューストン・アストロズ

@ミニッツメイド・パーク

 

 

エンゼルスは、初回先発ハイメ・バリアが1死1、2塁から4番ユリ・グリエルにタイムリーを打たれ先制点を許す。2回以降両軍無得点のまま5回、9番ファン・ラガレスがソロ本塁打を放ち同点に追いつく。しかしその裏、4回降板の先発バリアを継投した2番手ホゼ・キハダが1死1塁から5番カイル・タッカーに2ラン本塁打を浴びて勝ち越しを許す。打線は相手先発ランス・マクラーズに6回まで1点しか奪えず、7回以降はアストロズのブルペン3投手から1点も奪えず接戦を落とした。

 

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■今日の大谷翔平

【打者】先発2番DH

3打数1安打1四球

通算打率.259

 

第1打席:四球

(状況)1回無死/走者1塁

(投手)ランス・マクラーズ/右

(カウント)3B

(コース)外角真ん中

※初回無死一塁の打席でストレートの四球。マクラーズが4球連続で投じたナックルカーブを見送り、先制機をつくったが、後続が凡退した。

 

第2打席:セカンドゴロ

(状況)3回1死/走者無し

(投手)ランス・マクラーズ/右

(カウント)1B2S

(コース)真ん中低め

※3回1死、カウント1-2からのナックルカーブを引っかけ、二ゴロで凡退。

 

 

第3打席:ファーストゴロ

(状況)5回2死/走者無し

(投手)ランス・マクラーズ/右

(カウント)1S

(コース)外角低め

※1ストライクから外角低めのチェンジアップを打ち損じ、一ゴロに倒れた。

 

第4打席:ライト前ヒット

(状況)8回1死/走者1塁

(投手)ケンドール・グレーブマン/右

(カウント)1B1S

(コース)外角真ん中

※3打席無安打で迎えた八回1死一塁の打席は3番手右腕グレーブマンの初球にバントの構え。2点を追う展開。右へ寄るシフトでがら空きになった三塁側を狙ったものと見られるが、内角低めに外れるスライダーを見送ってボール。2球目のスライダーを空振りした後、外角チェンジアップをバットの先で捉えて右前へ運んだ。連続試合安打を「4」に伸ばした。1死一、二塁と好機を拡大したが、ここでも後続にあと1本が出ず。

 

 

■試合情報

ジョー・マドン監督:

(試合前)

・大谷の次回登板が17日(日本時間18日)からの本拠地アスレチックス戦以降となった。12日(同13日)、ヒューストンでのアストロズ戦前のオンライン会見でジョー・マドンが明かした。アスレチックスに対しては今季2試合投げ0勝1敗、防御率2・25。

 

(試合後)

「攻撃面でプレーする準備が整っていると、最初の2イニングは示した。若い投手が先発の機会を再び手に入れ、打線の強いチームを抑えた。ブルペンに関しては、我々は(昨日と)異なる選手たちを起用した。ここ3試合、9月のヒューストンを相手によく戦っている方だと思う。アストロズ打線は非常に優秀なので、容易な相手ではない」

 

 

■関連情報

ブラディミール・ゲレーロJr.内野手:

・ブルージェイズのゲレーロJr.内野手が12日(日本時間13日)、敵地・オリオールズ戦に「3番・指名打者」で先発出場し、2回の第2打席で44号ソロを放った。本塁打王争いでトップのエンゼルス・大谷翔平投手に並んだ。5点リードの2回2死。左腕ローサーから左翼ポール際へ44号ソロを放った。2試合ぶりの一発で6月28日(同29日)以来76日ぶりのトップに立った。9月6日(同7日)から8戦5発と状態を上げている。この時点で打率.320はリーグトップ。102打点はトップを走るホワイトソックス・アブレイユに5点差のリーグ3位タイにつけている。3冠王も視界に捉えている。

 

 

 

リアム・ヘンドリックス投手:

(スポーツ専門局「ESPN」のオーストラリア・ニュージーランド版の取材)

「(打たれた相手だからあんまり話したくないかもしれないけど、野球に詳しくないオーストラリアの人たちに彼の活躍とその理由を教えてくれますか?)アンビリーバブルだよ」

 

 「この100年間、真の意味での二刀流の選手はいなかった。最後にやったのは、野球を知っている人なら誰もが知ってるベーブ・ルースだよ。100マイル(約161キロ)を投げて、リーグトップの本塁打を打つんだから、投打どちらでもオールスター、驚異的。オールスターで僕が注目したのは、いかに彼がすばらしい人間か、ってことだった。(クラブハウスでは用意された莫大な量のボールにサインをする作業を一緒に続けながら)アニメについて語りあった。(お互いに「ドラゴンボールZ」のファンであることを分かち合ったという)」

 

「(4月以来となるエンゼルスとの3連戦が待ち構える)またホームランは打たれたくないけど、彼は一流の人間。打たれたけど、彼の活躍はうれしいんだ。人間としていい人には誰だって成功してほしいと思うと思うんだけど、彼はその一人で、彼に会ったことのある誰もが、彼に成功してほしいと思っていると思う」

 

 

■メディア

ジェフ・フレッチャー記者:

地元紙『オレンジ・カウンティ・レジスター』

 

 

ゲレーロJr.に追いつかれた大谷翔平、米記者が9月の傾向データ指摘「かなりはっきり」(THE ANSWER)

一番上が4月、一番下が9月のデータだが、全体的に見て今季の大谷は引っ張り方向の打球が多くなっている。それでも9月の右翼方向への打球は64.7%と他の月より高い傾向にある。月間13発と爆発した6月も引っ張った打球は51.9%だが、センター方向への打球も31.5%あり、9月の17.6%よりかなり高い。リーグトップタイの9本塁打を放った7月はライト方向47.9%、センター方向31.3%、レフト方向20.8%とバランスよく打ち分けていたようだ。フレッチャー記者は投稿の文面で「かなりはっきりとしたものだ」と傾向に注目していた。

 

大谷翔平、心配なのは「引っ張りモード」8月以降は右方向の打球が増え、流し打ちが減る(中日スポーツ)

大谷は右前安打を放つなど3打数1安打、1四球だった。心配なのは“引っ張りモード”。球団地元紙オレンジカウンティー・レジスターは「大谷はスランプ状態にとどまったまま」と報じ、同紙のフレッチャー記者は大谷の月別の打球方向をツイート。4~7月は引っ張り方向の打球が月間平均43・8%だったのに対し、8、9月は同61・5%と増加している。一方、流し打ちの打球は4~7月が同23・7%だったが、8、9月は同18%と減少している。ちなみに、大谷は7月13日の球宴前のシーズン前半は打率・279、33本塁打。後半は打率・224、11本塁打だった。

 

 この日もフェアゾーンに飛んだ2つの打球は、ともに右方向。8回は外角のストライクゾーンいっぱいに逃げていくチェンジアップを引っ張って右前に運び、中継局BSウエストのグビザ解説者は「いまだに“引っ張りモード”ですが、腕力で鋭い打球にしました。あのコースを引っ張って強い打球を打つのは、すごく難しいことです」と評した。マドン監督は8月12日、大谷の打撃が好調時に戻る際のバロメーターとして「(流し打ちで)左中間方向に打球が飛ぶこと」を挙げていた。

 

 

東京スポーツ:

大谷翔平 大丈夫だ!!ホームラン王へ決定的データ

 

斎藤庸裕氏:

並ばれた大谷翔平、引っ張り傾向続き打球上がらず 本塁打王争い正念場(日刊スポーツ)

 

大谷翔平、プレーオフ絶望のチームでどうモチベーション維持するか課題(日刊スポーツ)

 

福島良一氏:

大谷翔平、史上初の「50本塁打&30盗塁」へ 達成なら究極の存在に(日刊スポーツ)

 

菅敏氏:

「ウソやろ。そのタイミングで行くんかい!」大谷翔平の「神の手」に鳥肌(日刊スポーツ)

 

■NOTE

ついにゲレーロに44号ホームランが飛び出し、大谷は並ばれた。ゲレーロの居るブルージェイズは、9月に入り11勝1敗で今日現在、アメリカンリーグのワイルドカード争いのトップに躍り出てポストシーズン進出に向けて直走っている。目標もハッキリしているし、チーム状態もいいから、ゲレーロもモチベーションが高いのだろう。

 

大谷はといえば、マドン監督も番記者も課題は「引っ張りすぎ」と、前半戦に強みであったセンター返しを推奨しているが、結果はそうなっていない。アタマのいい大谷のことだから、そんなことは百も承知のはずだが、身体がついてこないのかなあ?センター返しに必要な下半身の粘りは疲労も重なって機能してこないのかなあ。

 

泣いても笑っても残り19試合。大谷の好材料は、東スポが記事にしていた本拠地10試合か。東スポは右翼フェンスの低さに有利説を唱えていて、控えめにファンの声援をあげているが、完全に逆だろう!大谷は、ファンの声援をドーピングにできるプレイヤーだ。大谷本人は、珍しく?ホームランキングを獲りたいと公言している。ここはゲレーロやペレスとの競争意識よりも、50本目指すことを楽しんでチャレンジして欲しいな。ファンの声援に応えて楽しむ大谷なら、疲労やメカニックの問題も吹き飛ばし、やり遂げてくれるような気がする。オールスター前のように。そんな19試合が見たいぜ!

 

エンゼルス打線振るわず借金3 大谷翔平は1安打1四球、ゲレーロJr.に44本塁打で並ばれる※MLB.JP

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 エンゼルスは先発のハイメ・バリアが4イニングを4安打1失点に抑えるなど、投手陣が強打のアストロズ打線を3得点に封じたものの、打線が振るわず1対3で敗戦。フアン・ラガレスの6号ソロによる1点しか奪えず、再び借金3となった。アストロズ先発のランス・マカラーズJr.は6回3安打1失点の好投で今季12勝目(4敗)、4番手ライアン・プレスリーは今季24セーブ目をマーク。エンゼルス2番手ホゼ・キハーダが今季初黒星(0勝)を喫した。

 

 バリアは初回にユリ・グリエルのタイムリーで先制を許したものの、2回裏に三者三振を奪い、4回裏は二死満塁のピンチを脱出。ジョー・マドン監督は「球数は多かったけれど、彼はしっかり戦ったと思う」と及第点を与えた。エンゼルスは5回表にラガレスが6号ソロを放ち、1対1の同点に追いついたが、5回裏に2番手キハーダがカイル・タッカーに25号勝ち越し2ランを被弾。8回表一死1・2塁のチャンスを生かせず、そのまま1対3で敗れた。

 

 エンゼルスの大谷翔平は今日も「2番・DH」でスタメン出場し、四球、セカンドゴロ、ファーストゴロ、ライトへのヒットで3打数1安打1四球。2度の出塁でチャンスを作り出したが、残念ながらチームの得点にはつながらなかった。4試合連続安打となり、今季の打率は.259、OPSは.972。3試合ぶりの一発は生まれず、本塁打王争いではブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)に並ばれた。

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エンゼルス・大谷翔平 大丈夫だ!!ホームラン王へ決定的データ※東スポ

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 ア・リーグの本塁打王争いでエンゼルスの大谷翔平投手(27)が大ピンチだ。12日(日本時間13日)に敵地ヒューストンでのアストロズ戦に「2番・DH」で出場するも3打数1安打ながら、期待の45号は出なかった。一方、ライバルのブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手(22)はオリオールズ戦で2回に44号弾、ついに追い付かれた。42本のロイヤルズのサルバドール・ペレス捕手(31)、さらにはブルージェイズのマーカス・セミエン内野手(30)が39本で急浮上。4人とも残り19試合。大谷は日本人選手初のキングに輝くことはできるのか。カギはエンゼル・スタジアムとバレル率だ。

 

 45号が期待された大谷だったが、3番手の右腕グレーブマンと対戦した8回一死一塁はカウント1―1からライナーで右前に運んだ1安打に終わった。角度が付いていれば…という打球だった。出場4試合連続安打としたが不完全燃焼だ。

 

 先発右腕マクラーズとは初回無死一塁がストレートの四球、3回二死一塁は二ゴロ、5回二死無走者は一ゴロと無安打に終わった。

 

 本塁打王争いでオールスター戦前に33本塁打放ち、2位ゲレロに5本差をつけて独走状態だったが、後半に入り失速。52試合で11本塁打、9月は9試合で2発だけ。

 

 一方、ライバルは量産している。ゲレロは8月中旬までペースを落としたが、9月に入り5発と一気に追いついた。3位のペレスはもっとすごい。8月に12本塁打放つなど後半戦21本。9月も4本塁打とペースは落ちない。さらに伏兵セミエンも後半戦17本塁打、9月7発と猛追してきた。

 

 残り19試合は4人とも同じだが、対戦カードでは大谷が不利。地区優勝およびプレーオフを争う上位球団との対戦が16試合。ブルージェイズは上位9試合、下位10試合でロイヤルズは上位13試合、下位6試合となっている。

 

 このままでは逆転でタイトルを奪われそうだが、大谷にとって大きなプラス材料がある。一つは地の利。本拠地エンゼル・スタジアムで10試合残していることだ。今季ここまで25本塁打放っており、本拠地でのシーズン最多本塁打記録を塗り替えたほど相性は抜群。大谷が完璧に捉えれば関係ないが、右中間のふくらみがなく、右翼フェンスが2・44メートルと低く本塁打は出やすい。ファンの「MVP!」コールや大歓声も力になるだろう。

 

 2つ目はバレル率。これはメジャーで近年、注目されている指数で長打になりやすい打球の初速と打球を打ち出した角度を組み合わせたものだ。初速は98マイル(約158キロ)以上で、角度は30度前後とされる。大谷のバレル率はメジャートップの23・1%で、2位はパドレスのフェルナンド・タティス内野手(22)で21・9%。20%を超えているのは2人だけ。

 

 米大リーグ機構公式サイトは11日(同12日)に「2021年に最も向上した選手たち」と題する特集を掲載。「大谷のバレル率は昨年の10・7%から大幅アップした。今季は別の惑星にいるレベル」と紹介した。

 

 バレル率ではペレスの15・2%、ゲレロの14・9%、セミエンの9・9%に大差をつけている。つまり、大谷が最も本塁打になりやすい打球を打っているということだ。

 

 徹底マークと四球攻めを乗り越え、大谷が日本人選手初の本塁打王に輝く――。

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並ばれた大谷翔平、引っ張り傾向続き打球上がらず 本塁打王争い正念場​​​​​​​※日刊スポーツ

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本塁打を期待される中、大谷は初球でバントの構えを見せた。2点を追う8回1死一塁で、1発出れば同点の場面だった。実際にバントはせず、3番手の右腕グレーブマンの3球目、外角チェンジアップを捉えて右前へ低い打球のクリーンヒット。4試合連続の安打となったが、角度がつかず、打球は上がらなかった。

 

9月は9試合の出場で29打数6安打の打率2割7厘、2本塁打と調子が上がってこない。この日は1打席目で四球、2打席目は二ゴロ、3打席目は一ゴロに倒れた。凡打はともに外角の変化球をひっかけた打ち損じ。アストロズ3連戦では8打数3安打で右越えの本塁打を1本放ったが、安打と凡打も含めて8本の打球は全て右方向だった。1日のヤンキース戦後、マドン監督から指摘された引っ張り傾向が残っている。

 

チーム休養日を挟み、強豪ホワイトソックスとの3連戦から13連戦が始まる。シーズン大詰め、日本人初の本塁打王のタイトル争いも一進一退の状況になってきた。現状では外角球を引っ張っても打球に角度が出にくい。センター方向へ、本来の打撃が求められる。

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大谷翔平、プレーオフ絶望のチームでどうモチベーション維持するか課題​​​​​​​※日刊スポーツ

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残り3週間、大谷にとってメンタル面のコントロールが鍵となりそうだ。日本人初の本塁打王、ベーブ・ルース以来103年ぶりの「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」など、数々の記録が期待される。本塁打王については、「もちろんとりたい気持ちもあります」と意欲を燃やす一方で「とりたいというだけでとれるものでもないですし、いい打席を毎日毎日、続けられたら。基本に忠実に、1打席1打席、大事にしたい」と話した。結果を求める貪欲さと、基本の好球必打を心掛ける冷静さ。いかに、このバランスを取っていくか。

 

大観声や大舞台でアドレナリンが出て、集中力が増すタイプでもある。前半戦から後半戦にかけては、チームへ貢献する過程の中で結果として数字がついてきたと言っても過言ではない。一方で現状は、プレーオフ(PO)進出が見込めない。もちろん毎試合、勝ちにはこだわるが、若手の積極起用などチームは来季を見据えた戦いが目立つ。大谷自身「モチベーションを高く維持していくのはチームとしても個人としても、なかなか難しい部分はある」と心境を明かしている。

 

PO進出を目指し、チームに求められる打撃で自然に結果が“ついてくる”のではなく、どちらかと言えば個人の成績で結果を”つかみにいく”という状況だろう。新人王をとった1年目とも違い、今は目の前に明確な数字があり、ライバルもいる。PO進出への戦いで勢いに乗るゲレロとは対照的に、来季を見据えながらタイトル獲得を目指していく。新境地に足を踏み入れ、試練に立ち向かう大谷。立ちはだかる壁を何度も越えてきた、その底力の見せ時だ。【MLB担当=斎藤庸裕】

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大谷翔平、史上初の「50本塁打&30盗塁」へ 達成なら究極の存在に※日刊スポーツ

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エンゼルス大谷翔平投手(27)が8月29日、球団史上初の40本塁打&20盗塁を達成しました。さらに大リーグ史上初の「50本塁打&30盗塁」達成なるかにも、話題になっています。

 

大リーグでは、シーズン30本塁打&30盗塁以上のいわゆる「30-30」が、パワーとスピードを兼ね備えたエリートの勲章になっています。

 

さらに1980年代以降はパワー、スピードとも進化し、88年にホセ・カンセコ(アスレチックス)が史上初の「40-40」を達成。その後も、96年バリー・ボンズ(ジャイアンツ)、98年アレックス・ロドリゲス(マリナーズ)、2006年アルフォンソ・ソリアーノ(ナショナルズ)と計4人が記録しています。

 

他にもシーズン50本塁打&20盗塁以上の「50-20」があり、後に殿堂入りした1955年ウィリー・メイズ(ジャイアンツ)をはじめ4人が達成。達成者が同人数なので、同等の価値があると言えます。

 

大谷は12日(日本時間13日)現在、メジャートップタイの44本塁打、ア・リーグ5位タイの23盗塁。残り19試合で史上5人目の「50-20」どころか、「50-30」も可能性があります。

 

もし前人未到の「50-30」を達成したら、歴史的な快挙と言えます。なぜなら、昔からどのチームの監督もホームラン打者にはどんなに足が速くても、ケガ防止のためあまり走らせないからです。

 

12年に大谷の同僚マイク・トラウト外野手(30)は新人で30本塁打&49盗塁をマークして「30-30」を達成。ア・リーグ盗塁王にも輝きました。しかし、17年は「40-40」も期待されましたが、二盗を試みた際に左手親指の靱帯(じんたい)を損傷。自身初の負傷者リスト入りとなり、6週間も戦線離脱しました(最終的には33本塁打&22盗塁)。翌18年には三盗を試みて滑り込んだ際に右手首を捻挫(同39本塁打&24盗塁)。以降、あえてスピードはあっても盗塁を自重するようになり、最近2年間は計3盗塁しか決めていません。

 

また、大リーグでは近年、全体的に盗塁が減少傾向にあります。15年から高度分析システム「スタットキャスト」の導入により、新たな打撃理論「フライボール革命」の流行が影響しています。ホームランが増加し、盗塁の価値が減少。今季は低反発球の採用によって本塁打数は減っているものの、1967年以降では最も低い1試合平均0・45盗塁だけ。かつては毎年のように「30-30」を達成する万能選手がいましたが、最近はあまり見られなくなりました。

 

だからこそ、大谷が投手でもホームラン打者でも一流の成績を残しながら、ケガのリスクを恐れず、これだけ積極果敢に盗塁を試みる姿勢には畏敬の念を抱くばかりです。投打二刀流を貫いての「40-20」だけでも仰天なのに、2ケタ勝利を挙げ、未到の領域「50-30」まで到達したなら、まさに「走攻守」で究極の存在として、100年後まで語り継がれます。ベーブ・ルースも脱帽でしょう。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

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「ウソやろ。そのタイミングで行くんかい!」大谷翔平の「神の手」に鳥肌※日刊スポーツ

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8月31日、本拠地アナハイムでのヤンキース戦5回、一塁ベンチ内側のカメラマン席で撮影中に思いもよらない素晴らしいプレーに遭遇しました。

 

申告敬遠後、三塁まで進んだ大谷翔平。打者はジャレド・ウォルシュで2死一、三塁の場面です。その時点で想定する次のシーンは、ホームランで生還する大谷、安打で生還する大谷、アウトで肩を落としてベンチに戻る大谷。

 

う~ん、ホームには戻って来てほしいと願っていたら、まさか、まさか! 一塁走者が二塁へスタートし、私の目の前の捕手が二塁へ送球。大谷は投手の頭上をボールが越えた瞬間、本塁へダッシュした。

 

「ウソやろ。そのタイミングで行くんかい!」と思った矢先にクロスプレー。ファインダーでもベース上の手が一瞬見え、タイミング的にもセーフだと確信しました。すぐにパソコンで取り込み画像を確認したら、それはもう鳥肌ものです。

 

スタートを切って滑り込む瞬間の表情、捕手をかわしてホームにタッチした、まさに「神の手」。毎日、神がかったとしか言いようのないプレーを撮影させてもらえて、本当に幸せです。【菅敏】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「カンビンの観たい撮りたい伝えたい」)

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