■試合データ

米国時間:2021年7月17日

日本時間:2021年7月18日(日曜日)10時10分開始

ロサンゼルス・エンゼルス対シアトル・マリナーズ

@エンゼルスタジアム

 

 

エンゼルスは、2回2死満塁の好機に1番デビッド・フレッチャーがタイムリーを放ち3点先制。3回には6番テイラー・ウォードのタイムリーで1点。4回には9番ジャック・メイフィールドのソロ本塁打で1点。5回に先発アレックス・コブはマリナーズ2番ミッチ・ハニガーの犠牲フライで1点を失うが、7回途中に降板するまで、この1失点のみの好投。5回には6番ウォードの2ラン本塁打が飛び出し、先発菊池雄星を打ち崩した。9回に4番手アレックス・クラウディオが2番ハニガーに3ラン本塁打を浴びるが逃げ切った。チームは貯金1に戻した。

 

 

■今日の大谷翔平

【打者】先発2番DH

5打数 0安打 4三振

通算打率.273

 

第1打席:ショートフライ

(状況)1回無死/走者2塁

(投手)菊池雄星/左

(カウント)2B2S

(コース)外角低め

※1番のフレッチャーが二塁打を放ち迎えた無死二塁の好機。カウント2-2からの5球目。スライダーをたたくと遊飛に倒れた。

 

 

第2打席:見逃し三振

(状況)2回2死/走者2塁

(投手)菊池雄星/左

(カウント)1B2S

(コース)外角低め

※フレッチャーが2死満塁から走者一掃の二塁打を放ち3点を先制した直後。なお2死二塁の好機。カウント1ボール2ストライクから、最後は外角への96マイル(約154キロ)にバットが出ず見逃し三振に倒れた。

 

 

第3打席:空振り三振

(状況)4回2死/走者無し

(投手)菊池雄星/左

(カウント)1B2S

(コース)外角低め

※全球スライダー攻めに空振り三振に倒れた。

 

 

第4打席:空振り三振

(状況)6回2死/走者2塁

(投手)エリック・スワンソン/右

(カウント)フルカウント

(コース)真ん中

※フルカウントから97マイル(約156キロ)の速球に対して空振り三振。

 

第5打席:空振り三振

(状況)8回1死/走者2塁

(投手)ラファエル・モンテロ/右

(カウント)2B2S

(コース)内角低め

※9ー1で迎えた8回1死二塁の場面。なんとか1本打ちたかったところだったが、カウント2ー2から膝元のスライダーに空振り三振。快音は響かなかった。

 

 

その他情報:

・ホームランダービー参加で得た賞金15万ドル(約1650万円)を球団スタッフ約30人に配ったという記事に対し、世界6階級制覇王者で現WBA世界ウエルター級休養王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)までが反応。パッキャオは、フォロワー数266万人を抱える自身のツイッターで大谷の記事を引用。「God Bless Shohei Ohtani(大谷翔平に神のご加護を)」とのメッセージを添えた。自身の練習風景などを主にツイートしている中で、“異質”な投稿は際立っていた。

 

・花巻東高対決が見られない…ネット上では18日、大谷翔平VS菊池雄星が激突した「エンゼルスーマリナーズ」の一戦をNHKが放送しないことに不満の声が上がった。今季も多くのメジャー中継を放送するNHKBS1ではこの日、生中継がなく、東京五輪の事前特集を放送。SNSでは「五輪が始まる前なのに、もう大谷の中継を潰して五輪特集をやっているNHK」など残念がる声も寄せられた。

 

・1試合4三振は渡米後自己ワーストタイ。2019年8月30日レッドソックス戦(8打数無安打4三振)以来自身2度目。

 

・この日、実況を務めた近藤祐司氏「現地も今言っていますが、『マドン監督は休みを与えますかね?』という議論になっています」と紹介。解説を務めたメジャーリーグアナリスト・福島良一氏「明日デーゲームで、明後日(現地19日)移動してオークランドで先発でしょう。となると、明日休ませた方がいいかもしれません。明後日のアスレチックス戦はピッチングとしてもバッティングとしても期待したいんですよ。明日のゲームを大谷なしで勝つということを考えるのも1つの選択ですよね」と分析した。

 

・地元中継局の実況ウォルツ氏は解説グビザ氏「マドン監督は彼に休養日を与えることを考えると思いますか?」と質問。グビザ氏は「ショウヘイ・オオタニとジョー・マドン監督のコミュニケーションは素晴らしい。明日の試合に勝つ確率を考えれば彼をラインアップに入れる方が良いでしょうね」と返答。あす18日のマリナーズ戦はデーゲーム。ウォルツ氏は大谷が19日のアスレチックス戦で先発することが決まっていることを挙げ、登板前日の休養日に触れながら「あなたは正しいと思う」とグビザ氏の意見に同意した。

 

 

■試合情報

ジョー・マドン監督:

(試合前)

「いくら褒めても足りないくらい。非常に落ち着いていて、しかも優雅。(大谷はホームランダービーでバットを振り続けてヘトヘトな姿を見せていたが)彼がHRダービーに出場することについて私は問題ないと思っていた。」

 

「(相次ぐ主力の離脱もありながら、粘りの戦いを続けている)実のところ非常に嬉しく思う。我々はチームの非常に大きな戦力を欠いている状態。先発投手も苦戦している。今問題を抱えながらも勝率5割の位置にいる。(前日にも大谷の2点打などで9回土壇場でサヨナラの好機を作ったことに)昨日の選手たちの努力を見ただろう? 私は本当に嬉しかった。選手たちはあのようなプレーを毎晩見せてくれる」

 

(試合後)

「(大谷について)少しボールを引っ張りに行っていたのかもしれない。私は特に心配していない。彼は問題ないと確信している。最初に投げた投手(菊池)は手強い相手。手強い左腕だ。明日は大丈夫だろう」

 

デビッド・フレッチャー内野手:

・フレッチャーは、3本の二塁打で5打点を稼ぎ、連続試合安打26に伸ばした。花巻東対決で注目されたこの試合。主役となったのはフレッチャーだ。初回先頭で二塁打を放つと、2回2死満塁の第2打席では高めの変化球を捉えた。左中間へ走者一掃の適時二塁打。ネクストに控えていた大谷も、走者とハイタッチして喜んでいる。8回にも2点二塁打を放ち、この日5打点。7月は12試合で55打数26安打、打率.473と大当たりだ。

 

 

ペリー・ミナシアンGM:

「(大谷がこれほどの選手になると思ったか)驚きはない。才能という点では、この地球上の人類で最高だからね。彼にとって、健康でいることと自信のコンビネーションが非常に大事。健康で自信がある状態ならば、天井知らず。見ていてすごく楽しい存在だ」

 

「(投打の片方の結果がもう一方に影響し、翌日に持ち越すことがあるか)そうは思わない。メンタルという点で、彼は周囲の誰よりも強い。全面的に彼を信頼している。強い精神力でオフも献身的な努力をしてきた。彼は結果を持ち越さないことの大事さを分かっている」

 

「(具体例として挙げたのは、前日の同カード)昨日も最初の数打席は荒かったが、スポットライトが当たる大事な打席ではビッグ・ヒットを放った。ここぞという場面では待ち切れないという態で、そして結果を出す。あわや大逆転勝利という試合で大きな役割を果たした。この男は、大舞台でギアを挙げられる驚異的な能力がある」

 

カート・スズキ捕手:

・米ネットラジオ局KHON番組出演

「まるでテレビゲームで創り出す完璧なキャラクターのような選手。(テレビゲーム)MLBザ・ショーとかでね。投手では100マイル(161キロ)でストライクが取れ、打者では500フィート(152メートル)弾をかっ飛ばし、やろうと思えば40盗塁もできるし、3割も打てる。本当に、本当にスペシャルな選手。打席に立つ度にホームランを期待してしまう」

 

「(投手大谷は)本当に賢い。常に修正できるし、打者を観察し、ただ100マイルを投げるだけでなく、スイングを読み、自分の投球の感覚をつかむことにたけている。身体能力に加え、インテリジェンスがあり、かなりクレージーだ」

 

菊池雄星投手:

「(思うような投球ができなかった理由は明確だという)少しボールに勢いがなかったかなと思います。メカニックに何かあるとは思っていない。こういう夏場ですから、疲れを取りながら次の試合までにボールの勢いを取り戻したい」

 

「(7日のヤンキース戦で、5回5失点と乱れたのに続く連敗。シーズンが進むにつれて、研究されていると感じるか)相手どうこうよりも、自分のボールが投げられていない。ストレートの強さがないところで打たれている。まっすぐ、カットに強さがなくスライダー多めに。スライダーはいい形で空振りもとれたので、次につながる」

 

「(注目されたエンゼルス大谷との対決は3打数無安打に封じた。徹底したスライダー攻めで)左打者に関してはいいところにスライダーが決まったと思っています」

 

「(13日にデンバーで行われたオールスターゲームに初選出されたものの、体調不良で登板は回避していた。食事ができない事態もあり、体重も)結構減りました。そこらへんのことを言うつもりもないですけども、シーズン中しっかりと管理するのが大事かなと痛感しています」

 

「1年間どんなにいい年でもこういう時期がある。どれだけ早く修正できるかが大事になってくる」

 

 

■メディア

張本勲氏:

TBS系テレビ「サンデーモーニング」

「(球場が)デンバーですからね。海抜1600メートルだから。球が飛ぶんだよね。日本の富士山の半分くらいのところだから。それでも日本人がホームラン競争に出た、というのは誇らしいね。逆に私は日本のプロ野球、アメリカに『どうだ、参ったか』と言ってやりたいくらい」「エンゼルスはダメですよ。戦力がないもん。ないから大谷を酷使してるわけよ。ホームラン王を獲ってもらいたいのよ。ピッチャーもバッター(打率)も並の数字だから。ホームランだけだから、今頼りは。ただ他の選手のできない走る、投げる、打つ、4拍子も5拍子も持った選手だから話題になってるのよ。人気もあるしねえ。だから今33本だから、残り72試合くらいでホームラン王になってくれたらねえ。こんな時期だけども感染対策をして銀座で2、3軒貸し切りたいわな」

 

掛布雅之氏:

阪神・佐藤輝に助言 大谷翔平が見本「腕先行の打撃を」(サンスポ)

草野球チーム「掛布塾オールスターズ」が17日、大阪市内で行われた「SKY CUP」の1回戦に15-5で大勝し、公式戦初勝利。試合後、掛布氏は阪神・佐藤輝(近大)について言及。米大リーグの大谷のような腕先行の打撃が理想だと説いた。

「腕が先行していかないといけない。佐藤(輝)は手が先行しないから変化球に合う。大谷は手が〝走って〟から(軸回転で)回る。手が体の前を〝走る〟感覚がある。(スイング中に腕が遅れて直球への対応で〝後手〟を踏んでしまうと指摘した上で)疲れもあるし、本人も内角高めのボール球を振ってはいけないと頭ではわかっている」

 

アメリカ版「Yahoo Sports」:

大谷翔平の歴史的シーズンを追う「注目すべき17の要素」を米メディアが紹介!後半戦の見どころは?(THE DIGEST)

「二刀流で人気スター、ショウヘイ・オオタニの歴史的シーズンを追う17の要素」と銘打った記事を掲載。紹介されている17要素は以下の通り。

1:ホームランの合計を追う

2:前代未聞のパワースピードを追う

3:「オオタニはどこにでもいる」という気持ちを定量化する

4:WARが積み重なるのを見る

5:ジェイコブ・デグロム(メッツ)の成績と比較する

6:マイク・トラウト(エンジェルス)のベストシーズンのペースを維持できるか見る

7:オオタニの成果を分割して考える

8:ブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)とのア・リーグMVP争いを楽しむ

9:イチローとの関連を考える

10:主要とするスプリットを評価する

11:上等なピッチングから目を離さない

12:外野手として出場するため警報を鳴らす

13:三塁打を数える

14:塁打数を集計する

15:スタットキャストが優秀かどうか確認する

16:ショータイムの時の独自のダジャレをつくる

17:感動する瞬間を見る

 

TBS「サンデー・ジャポン」:

米国で大谷翔平の「彼女」騒動&写真拡散 ソフトボール選手と サンジャポが真相追う(デイリースポーツ)

大谷に米国で「噂のガールフレンド」騒動が発生したと、18日のTBS「サンデー・ジャポン」が紹介。「日本人の知らない大谷情報」として「JAPON TIMES」のコーナーで伝えた。「女子ソフトボール選手の彼女がいた」として、セクシーな女性が大谷に抱きついて笑顔でおさまり、大谷が照れたような顔をしている、拡散された写真が紹介された。女性はソフトボール選手のカマラニ・ドゥンさん(24)だそう。しかし、その写真はカマラニさんが3年前にインスタ投稿したもので、他の選手と撮影した2ショット写真もあるという。番組が真相を追った結果として「誰かが『大谷選手の彼女』として勝手に写真をアップし、瞬く間に拡散し、ネットニュースでも報じられた」と解説した。

 

加藤紀子氏

教育ジャーナリスト『子育てベスト100』著者

大谷翔平を生んだ「大谷家流子育て」居心地の良いリビングが子供を伸ばす(ポストセブン)

 

三尾圭氏:

大谷翔平、今季中にも総額400億円以上で契約延長か?!(スポナビ)

 

水次祥子氏:

ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」

球宴で会って単独インタビューまで…熱狂的大谷フリークの解説者が話題に

 

佐々木亨氏:

大谷翔平が語る得だと思う自己評価。「いい状態の時もそれを超える技術を試してみたい」(webSportiva)

 

■NOTE

ニュースにもなっていたが、今日は大谷VS菊池の注目試合にも関わらずNHKBS中継が無かった。明日以降の中継予定も未だ入っていない。これは嫌な兆候だ。東京オリンピックの絡みだろうか?!今日の大谷は、珍しい4つの三振。疲れが無いといえば、嘘になるだろうなあ。けど、おそらく大谷のことだから言い訳はしないだろう。今季、何度か同様の疲労懸念はあったが、数試合でリカバリしてきた。試合に出続けながら慣れていく、慣らしていく。今日の三振課題は本人もしっかり分析するだろうし、明日の修正力に期待しよう。

 

 

フレッチャー5打点の大暴れで26試合連続安打 大谷翔平が4三振、菊池雄星は7失点※MLB.JP

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エンゼルスは絶好調のデービッド・フレッチャーが2本のタイムリーを含む3本の二塁打を放ち、1人で5打点を叩き出す大活躍。連続試合安打を26に伸ばし、球団史上単独2位に浮上した。9対1と大量8点をリードした9回表に4番手アレックス・クラウディオがミッチ・ハニガーに22号3ランを浴び、クローザーのライセル・イグレシアスを投入せざるを得なくなったものの、9対4で快勝。7回途中1失点の好投を見せたアレックス・カッブに今季7勝目(3敗)が記録された。

 

 フレッチャーが3安打5打点、テイラー・ウォードが8号2ランを含む3安打3打点を記録するなど、エンゼルス打線が14安打9得点の猛攻を見せるなか、「2番・DH」でスタメン出場した大谷翔平は5打数0安打4三振と沈黙。マリナーズ先発の菊池雄星と対戦した3打席はショートフライ、見逃し三振、空振り三振に終わり、その後も2打席連続で空振り三振を喫した。1試合4三振は自己ワーストタイで、今季の打率は.273、OPSは1.035に悪化。フル稼働したオールスター期間の疲労の影響が心配される。

 

 一方、マリナーズ先発の菊池は大谷を完璧に抑えたものの、自己ワーストタイの7失点で今季5敗目(6勝)。2回裏にフレッチャーのタイムリー二塁打で3点、3回裏にウォードのタイムリー二塁打で1点を失うと、4回裏はジャック・メイフィールドに1号ソロ、5回裏にはウォードに8号2ランを被弾して失点を重ねた。前半戦の最終登板に続く大量失点となり、一時3.18まで向上した防御率は3.92に悪化。次回登板ではこの悪い流れに歯止めをかけたいところだ。

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大谷翔平を生んだ「大谷家流子育て」居心地の良いリビングが子供を伸ばす※ポストセブン

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 メジャーリーグの前半戦だけで33本のホームランを放ち、オールスターゲームでも二刀流を実現。いま、野球界でもっとも注目される大谷翔平(27才)だが、その野球人生は決して順調なことばかりではなかった。2017年には左太腿の故障に悩まされ、メジャー入り後も1年目のオフに右ひじを手術、2年目に左ひざを手術、3年目の2020年もコロナの影響でリハビリの途中で公式戦に入り、思うようなシーズンを過ごせなかった。

 

 しかし、「悪い時にどうするかが一番大事」と語る大谷。こういった思考法について、『子育てベスト100』の著者で教育ジャーナリストの加藤紀子さんはいう。

 

「これは、発達心理学の世界的な権威であるスタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック教授が提唱した『グロースマインドセット』というもので、壁にぶつかったときにそれを挑戦や学びとして肯定的に受け止め、困難にも立ち向かえるしなやかな心を指します。

 

 近年はビジネス界でも注目されており、“激変する世界の中で生き残るには、社内の人材にグロースマインドセットを浸透させることが最も重要”といわれています。失敗を恐れたり、困難にひるんだりすることなく、大舞台で伸び伸びとプレーする大谷選手は、典型的なグロースマインドセットの持ち主です」

 

 こういった前向きな考え方を生んだ家庭環境は、いったいどのようなものだったのか。

 

「お父さんの徹さんは社会人野球の選手で、お母さんの加代子さんはバドミントンの選手。お兄ちゃんも野球が上手で、もともと身体能力に恵まれているおうちなんです。翔平くんも落ち着きのあるいい子だったけれど、まさか、これほど活躍するとは‥……」

 

 そう語るのは、大谷の幼少期を知る、実家の近隣住民だ。大谷が18才まで過ごしたのは岩手県水沢市。積雪量が少なく、冬でも比較的暖かい穏やかな気候の土地だ。

 

「お母さんが健康管理に気を使っていたのが印象的でした。特に食べ物は、自分も運動をしていたからか、市販のお総菜を並べることはなく、いつも手作りでした。スポーツ一家でみんな体が大きいから、ギョーザは10人前以上を手作りしていて、『ギョーザの日は大変なの』とお母さんが笑っていたのを覚えています」(近隣住民)

 

それでいて、食事中に両親が「もっと食べろ」「好き嫌いをするな」とうるさく注意することはなかった。大谷本人だけでなく、両親にも幾度となく取材を重ねてきたスポーツライターの佐々木亨さんが指摘する。

 

「大谷家はおおらかなお母さんを中心に温かい家庭でした。お母さんが大切にしたのは、とにかく楽しい雰囲気をつくって、みんなでワイワイと食べること。休みの日にはホットプレートを使ったご飯にして、家族で料理をつつき合うのが定番だったそうです」

 

 身長193cm、体重95kgという肉体の基礎は、一家だんらんから生まれたというわけだ。そんな家族の憩いの場は、2階建ての自宅の1階にあるリビングだった。

 

「大谷家は玄関からリビングを通らないと自分の部屋に行けない造りで、子供たちは皆リビングでご飯を食べて勉強もし、ソファで寝転んでいたそうです。大谷選手も2階にある兄と共同の部屋はほとんど使わず、自宅にいるときはずっとリビングにいて、ソファでそのまま眠っても起こされなかったこともあったそうです。

 

 大谷選手は『実家のリビングは居心地がよかった』と話していて、ぼくも実際にお邪魔したときに、ご両親の醸し出す空気感がとても温かかったことをよく覚えています」(佐々木享さん)

 

 こうした大谷家のルールは「安心感」と「主体性」を育むのに最適であると、前出の加藤さんは分析する。

 

「子供の成長で重要なのは、自分が無条件で受け入れられていると実感できる『心理的安全性』を手に入れること。大谷家のリビングでの光景はこれにあたります。加えてソファで寝落ちしても起こさないことにも教育的な意味がある。ソファで寝ると充分に眠れず、それによって翌日の学校でつらくなることも、子供が身をもって体験することで自らの行動を改めるきっかけになるのです。

 

 最近の親は、なんでも先にお膳立てをしがちですが、主体性を育むには、子供自身が体験して気づくことが大切です」

 

父親は大谷の所属するリトルリーグの監督を務め、練習中は厳しく指導したが、家で息子を叱ることはほとんどなかった。寛大で子供の自主性を何より尊重した両親が唯一、決め事としたのは「子供の前で夫婦げんかをしない」こと。

 

「お母さんは『夫婦が言い争いをすると家庭がどんよりして、子供たちが親に気を使うようになるから注意していた』と語っていました。もちろん夫婦なので時には諍いもあったそうですが、たとえ夫婦げんかになったとしても、絶対に長引かせないようにしていたそうです」(佐々木享さん)

 

 これも子供の能力が開花するうえで大きな意味を持つ。

 

「夫婦が仲よくすることはドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)でも“東大合格家庭の十か条”に入っていました。子供は目の前で夫婦げんかをされると心理的に落ち着かず、親に遠慮がちになります。逆にいつでも親と安心して話せる穏やかな家庭なら、ありのままの自分をさらけ出せ、自己肯定感が高まる。家庭環境こそ、大谷選手のグロースマインドセットのルーツでしょう」(加藤さん)

 

※女性セブン2021年7月29日・8月5日号

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大谷翔平、今季中にも総額400億円以上で契約延長か?!※三尾圭氏

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今季開幕前にロサンゼルス・エンゼルスと2年総額850万ドルで契約を延長した大谷翔平。この契約は2022年シーズン終了まで有効で、今季年俸は300万ドル、来季年俸は550万ドルだ。

 メジャー1年目はリーグ最低年俸の55万ドル、2年目は65万ドル、3年目だった昨季は70万ドルと年俸は超格安だった大谷は、年俸調停の資格を得た今季は前年比で4倍以上に跳ね上がったが、まだメジャー平均(417万ドル)には届いていない。

 今季前半戦はMVP最有力候補に挙げられた大谷は、開幕前に結んだ契約の終了を待たずに超大型の再契約を結ぶかもしれない。

 大谷が結ぶ超大型の再契約の内容を予想する前に、メジャーの契約延長トップ10を見てみたい。これはフリーエージェント(FA)でチームを移ったときに交わした契約ではなく、所属チームがFAでの放出を避けるために結んだ契約である。

 

1位:マイク・トラウト(エンゼルス)12年総額4億2650万ドル、外野手

 大谷のチームメイトでもあるトラウトは、26歳だった2019年3月にエンゼルスと12年総額4億2650万ドルで契約を結び直した。

 23歳だった2015年に6年総額1億4450万ドルでエンゼルスと再契約しており、この契約は2020年まで有効だったが、エンゼルスは契約終了の2年前に4億ドル超えの再契約を提示することで、メジャー最高の選手の流出を防いだ。

 エンゼルスは大谷に対しても、契約が終わる2022年シーズン終了後まで待たず、早ければ今季中にも再契約に向けて動くと思われる根拠がここにある。トラウトは12年契約を結んだ2019年シーズン途中に27歳の誕生日を迎えたが、大谷も27歳になったばかりである。

 

2位:ムーキー・ベッツ(ドジャース)12年間総額3億6500万ドル、外野手

 2020年1月に年俸調停を避けてボストン・レッドソックスと2700万ドルで1年契約を結んだベッツは、その1ヶ月後にトレードでドジャースへ放出された。

 ドジャースはベッツ獲得直後から長期再契約に向けて動き始め、シーズン中の7月に12年3億6500万ドルで合意。ベッツがこの契約に合意した年齢は、今の大谷と同じく27歳だった。

 

3位:フランシスコ・リンドーア(メッツ)10年総額3億4100万ドル、遊撃手

 ベッツ同様に、トレードで新チームへ移籍した直後に10年の大型契約を結んだのがリンドーア。

 今年1月にクリーブランド・インディアンズからニューヨーク・メッツへトレードされると、まずは年俸調停を避けて1年2230万ドルで単年契約。リンドーア・サイドとメッツの話し合いは続き、開幕直後の4月5日に来シーズンから始まる10年3億4100万ドルで合意した。リンドーアも再契約時には27歳だった。

 

4位:フェルナンド・タティースJr.(パドレス)14年総額3億4000万ドル、遊撃手

 大谷が大型契約を結ぶ際に参考になりそうなのが、タティースJr.が今年2月にサンディエゴ・パドレスと結んだ14年総額3億4000万ドルの契約だ。

 トラウトとベッツはMVPを獲得している実績があるし、リンドーアも再契約を結ぶ前に4年連続してオールスターに選ばれていたが、タティースJr.の場合は22歳と若く、契約前に2年間しか活躍していない。

 契約期間は14年間と長期に渡るが、今季の年俸は100万ドル、来季は500万ドル、2023年は700万ドル、24年も1100万ドルと安く抑えられており、年俸が2000万ドルを超えるのは2025年になってから。25年から契約が終了する2034年までは10年間総額で3億600万ドルになる。ちなみに25年シーズンのタティースJr.は26歳になっている。

 

(以下割愛)

 

大谷の新契約は?

 

 上位3人のベッツ、トラウト、リンドーア、そして8位のアレナドと10人中4人が、27歳の年に大型契約を結んでおり、今27歳の大谷が来季開幕までにエンゼルスと再契約を結ぶ可能性は高い。

 契約期間は11年。現行契約の残り1年に、新契約10年を加えた11年だと予想する。この場合、大谷が契約を完了するのは38歳で、今季のカブレラ、来季のボットと同じ年齢となる。契約最後の2、3年は衰えてしまい、不良債権と化す可能性は高いが、今季を含めた若い時期に格安年俸で働いてもらえたので、球団側もその程度のリスクを抱えないと選手を引き留めることは難しい。

 最も気になるのが金額だが、タティースJr.の契約が基準となりそうだ。

 タティースJr.はメジャー1年目の2019年のrWARが4.2で、20年は2.8。大型契約を結ぶ前のメジャー通算rWARは7.0だった。

 大谷はメジャー1年目の18年が4.0、19年は2.3で、メジャー最初の2年間の合計rWARは6.3。タティースとほぼ同じレベルの貢献度を残した。

 タティースの契約の最後の10年間は総額3億600万ドル。大谷も10年3億ドルと予想するが、これはあくまでも打者・大谷の部分。

 二刀流選手として投手・大谷の評価額は5年1億ドルか?5年としたのは、体力的なことを考えると、32、33歳を過ぎても二刀流を続けるのは肉体的な負担が大きく、その頃には打者に専念すると考えるから。

 ただし、日本球界でも、メジャーでも、最初は「二刀流は無理」と言われながらも、前例のない活躍を続けてきた大谷には、30代半ばを前に二刀流を断念するとの考えも無意味なのかもしれない。

 以上の資産を考えると、来季開幕前までに大谷が結ぶ新契約は11年総額4億ドル(約440億円)!

 メジャー歴代最高の選手になる可能性を秘めているトラウトの12年総額4億2650万ドルに匹敵する金額となる。

 エンゼルスは2011年12月にアルバート・プホルスと結んだ10年総額2億4000万ドルの大型契約が今季限りで終わるので、大谷に大型契約を提示することは可能。年俸2120万ドルのジャスティン・アップトンとの契約も2022年が最終年なので、2023年から大谷に3500万ドル以上の高年俸を払う予算も捻出できる。

 2003年から球団オーナーを務めるアート・モレノ氏は、プホルスやトラウトなどお気に入りの選手には大金を払うことは厭わない。しかも、大谷は日本のテレビ局からの莫大な放映権料をもたらすだけでなく、球場内に数多くある日系企業の広告、グッズ売上など、多額な収入を球団にもたらしてくれる。

 メジャーでは最も稼ぐのはホームラン打者であり、現役最強のホームラン打者であり、唯一の二刀流選手でもある大谷がメジャー最高年俸選手になるのは当然。

 1つだけ計算できないのが、お金に執着しない大谷の金銭感覚。メジャーに来るときも、あと2年遅らせれば巨額の契約を手にできたのに、少しでも早くメジャーでプレーするために、メジャー最低年俸でプレーする道を選んでいる。

 果たして、エンゼルスは大谷を引き留めるために、どの規模の契約を提示するのか?そして、大谷はその提示に対して、どのような反応をみせるのだろうか?

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球宴で会って単独インタビューまで…熱狂的大谷フリークの解説者が話題に※日刊スポーツ

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エンゼルス大谷翔平投手(27)の熱狂的なウォッチャーが、大谷ファンの間で話題になっている。

 

その名はベン・バーランダー(29)。米FOXスポーツの解説者で、人気ポッドキャスト「フリッピン・バッツ・ポッド」のパーソナリティーだ。2度のサイ・ヤング賞と1度のMVPに輝いたあの先発右腕ジャスティン・バーランダー(38=アストロズ)の弟でもあり、2017年まではタイガース傘下のマイナーで5年間プレーした元プロ選手でもある。

 

バーランダー氏自身、もともとは二刀流選手だった。バージニア州のオールドドミニオン大時代から外野手兼投手としてプレーし、マイナー時代は主に野手だったが数回登板した経験がある。そんな経歴があるためか、二刀流で大ブレーク中の大谷にぞっこん。ツイッターでも大谷について頻繁につぶやき、大谷が打席で球審から際どい判定を受けたときは「ありえない判定」などとブーイング。熱狂的ファンさながらに、大谷愛を隠さない。

 

そんなバーランダー氏がオールスター戦のずいぶん前から「オオタニに会いに行く」というミッションを掲げ、自身のポッドキャストなどで大々的に宣言。オールスターの開催地コロラド州デンバーで実際に大谷と対面する使命を遂行し、単独インタビューまで達成した。その様子は自身のSNSなどで公開しており、実に楽しそう。そのときに撮った大谷とのツーショット写真は、今では同氏のツイッターアカウントのアイコンになっている。さらにオールスター後の後半戦初戦の日には、エンゼルスタジアムまで足を延ばし、長蛇の列に並んで大谷のボブルヘッドをゲットし大喜び。何ともほほ笑ましく、愛すべきキャラの持ち主である。

 

プロとしてはマイナーで芽が出ず、メディア大手のFOXで解説者に転身できたのは偉大な兄のコネによるものかと思いきや、そうではなく自力でチャンスをつかんだそうだ。マイナー時代は昼から夜11時まで試合と練習に没頭し、深夜に帰宅しても疲れ過ぎてすぐには寝付けないため、ゲームをするのが日課だったという。野球ゲーム「MLBザ・ショー」にはまり、そのうちゲーム実況配信をするようになり、そのトークが面白いとファンが増え、あるときFOXのデジタルコンテンツを担当する幹部の目に留まったのがきっかけだった。実はなかなかの苦労人。好きなものにはどこまでも没頭する性格ゆえに、今は熱狂的大谷フリークとしてすっかり有名に。次はどんな大谷愛を見せてくれるのか、楽しみだ。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」)

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大谷翔平が語る得だと思う自己評価。「いい状態の時もそれを超える技術を試してみたい」​​​​​​​※webSportiva

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どれだけ周りが熱狂し、その一挙手一投足に注目が集まったとしても、大谷翔平は常にこう言うのだ。

 

「積み重ねですね」

 

 大谷のメジャー4年目の今シーズン、前半戦は投手として4勝1敗、打者としては打率.279、33本塁打、70打点、12盗塁の成績を収めた。その活躍が認められ、日本人選手として初めてホームランダービーに出場し、オールスターでは史上初となる投打"二刀流"でプレーした。

 

 その歴史を塗り替える数々の偉業は、日々の積み重ねが大事なんだという思考と、現状に満足しない姿勢のもとで生み出されているものだと思う。

 

 右ヒジの靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)、さらに左ヒザの二分膝蓋骨の除去手術を経て迎えた2019年の冬、大谷はこのように語っていた。

 

「毎年『大事だな』という積み重ねですね。日本でのプロ1年目も『すごく大事だな』と思っていました。レギュラーを獲るとか、試合に安定して出場するとか、結果を残すとか......次の年に向けてかなり大事な年だと思っていました。そして2年目も『ここが勝負の年』と思ってやりましたし、3年目は最多勝などいろいろ受賞できましたけど、バッティングが悪かったので次の年はそこを頑張って、(投打)どっちもいい成績を収めたい......だからまた『勝負の年だな』と。メジャー1年目もそうでしたし、バッター1本でいった2年目もその地位を確立する『勝負の年』と思ってプレーしていました。本当、そんな感じです」

 

 今でこそ『Two-Way-Player(二刀流選手)』としての地位を確実なものとしたが、2018年に海を渡った当初は、アメリカ国内に『二刀流』に対して懐疑的な目を向けられていたのは事実だ。

 

 メジャー1年目は前半戦の活躍はあったものの、投手としてはシーズン途中で離脱してオフシーズンには右ヒジを手術。2019年は打者一本で挑むシーズンとなったが、秋に左ヒザを手術した。そして2020年シーズンは、コロナ禍でゲーム数が極端に減少したとはいえ、投手としてはわずか2試合に先発しただけで、打者としても打率1割台、7本塁打に終わった。

 

ピッチングについて、「結果的に状態、フィジカル的に(マウンドに上がるのが)早かったですね」と言い、バッティングについては「(7本目のホームランが)唯一よかったぐらい」と悔しさを押し殺した。

 

 順風満帆どころか逆境の連続だったが、積み重ねてきた日々が結果として表れ始めたのが今シーズン。「二刀流」に対しての懐疑的な目が、期待と歓喜に変わっていった。かつて大谷は、メジャーでの二刀流についてこのように語っていた。

 

「バッターとしてその地位を確立して、信頼を築きたい。ピッチャーとしてはなおさらですね。(メジャー移籍)1年目に少ししか投げていないので、はたして本当に投げられるのかという疑問をチームメイトやスタッフ、ファンの方は持っていると思うので、なんとかチームを勝利に導いて、信頼を勝ち取らなければいけないと思っています。それは1試合や2試合で確立できるものではないので、1年を通してアピールしたい」

 

 まだまだ道半ばである。今シーズン前半戦の成績に対しても、もっとやれたと思っていたところはあるだろうし、満足などしていないはずだ。「大谷翔平」というプレーヤーを、自分自身こう表現する。

 

「良くても悪くても、どんどん変えていくというのはいいところじゃないかなと思います。現状を守りにいかないという性格ではあるので......すごくいい状態の時でも、それを維持していこうというよりも、それを超える技術をもうひとつ試してみようかなと思います。挑戦してみようかなというマインドがあるのは、得なところだと思います」

 

 立ち止まらない、挑み続ける──そのマインドで、大谷翔平はこれからも新たな歴史を刻んでいくに違いない。

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