■試合データ

米国時間:2021年5月10日

日本時間:2021年5月11日(火曜日)

ロサンゼルス・エンゼルス対ヒューストン・アストロズ

@ミニッツメイド・パーク

 

 

エンゼルスは1回オープナーの先発、ジュニア・ゲラがアストロズ3番アレックス・ブレグマンに先制タイムリーを許す。2回には8番マイルズ・ストローにも追加タイムリーを浴び降板。2番手ホセ・スアレスに継投するが、2番マイケル・ブラントリーにもタイムリーで追加点を許し序盤はアストロズペースの展開。打線は4回4番ジャレッド・ウォルシューのタイムリーで1点。6回には4番ウォルシュ、5番ジャスティン・アップトンの連続本塁打と8番フィル・ゴスリンのタイムリーで同点。続く9番ドリュー・ピュテラはスクイズバントに成功し逆転。6回以降ブルペン陣が奮闘し、クローザーの6番手ライセル・イグレシアスまで無失点に抑え前日に続く接戦を制した。

 

■今日の大谷翔平

【打者】2番DH

5打数 0安打 3三振

今季通算打率.266

 

第1打席:空振り三振

(状況)1回1死/走者無し

(投手)ルイス・ガルシア/右

(カウント)2S

※外角低めのチェンジアップ

 

 

第2打席:空振り三振

(状況)3回2死/走者無し

(投手)ルイス・ガルシア/右

(カウント)1B2S

※外角低めのチェンジアップ

 

第3打席:空振り三振

(状況)5回2死/走者無し

(投手)ルイス・ガルシア/右

(カウント)2S

※内角低めのカーブ

※2球目、ライトポール際の大飛球を放つが惜しくもファール

 

第4打席:セカンドゴロ

(状況)6回2死/走者1、3塁

(投手)ブルックス・レイリー/左

(カウント)1B

※内角低めの直球、打球速度110マイル(約177キロ)の強烈な打球はセカンド正面へ

 

第5打席:ファーストゴロ

(状況)8回2死/走者3塁

(投手)ケント・エマニュエル/左

(カウント)フルカウント

※外角真ん中のスライダー、離れてボールをキャッチしたグリエルと1塁ベースへの競争となるが僅か及ばず

 

 

その他情報:

・エンゼルスの球団公式マガジン2021年2号で、大谷翔平が表紙を飾った。球団が10日までにリリースし、公式サイトでダウンロードすることもできる。表紙は「SHO TIME」のタイトルとともに、登板中の大谷の写真を掲載。記事にも大谷の「SHO TIME特集」が掲載され、今季の大谷のここまでのハイライト見出し、大谷の活躍を示すツイッターの投稿が紹介された。大谷は2018年2号と新人王に輝いた後の2019年1号でも表紙を飾っており、単独での表紙は3度目。2018年以降ではトラウトの4度に次ぐ回数となった。

 

 

・エンゼルスは11日、球団公式ツイッターで本拠地6連戦の最優秀選手の投票を実施し、大谷翔平が断トツでトップに立っている。投票から6時間半経った時点で総得票数約6500票の8割以上を獲得してトップに(11日10時現在)

 

■試合情報

ジョー・マドン監督:

(試合前)

「(明日の大谷は?)両方やりたがっている。話をしたら(打者でも)行きたいと言うので、現在はそれができるように調整中だ。投球に関することが最優先だ。何も変わってはいない。DHに加えてマウンドでも活躍を続けられるようにしている。同じパターンだ。(本塁打王を獲得する可能性について)ああ、もちろんだ。今は会話を大切にして日々、コミュニケーションをとりながら起用しているが、シーズンが進行すれば疲労困憊してくるはずだ。だから、それには気をつけねばならないが、今はフレッシュだし、本拠地は気候がいい。あの気候は現状を長く維持する助けになる」

 

ドリュー・ブテラ捕手:

「オオタニについて可能な限り学びたいと思う。どの球を投げたいのか、そしてミットをどこに構えてほしいのかについて学んでいきたい。(2014年の日米野球では米国代表として来日し大谷を間近で見たこともある) 非常に感心させられた。彼についてはシリーズが始まる時からたくさん話題になっていた。母国で活躍し、成功を収める姿をこの目で見れたのは素晴らしいことだったよ」

 

■メディア

斎藤庸裕記者:

日刊スポーツ(署名入り記事)

エンゼルス大谷翔平メジャー初の中5日「二刀流選手」へ登録切り替えへ

 

フジテレビ「S-PARK」:

鉄人・大谷翔平が着ける黒いバンドの正体。右腕をケガから守る秘密兵器を実体験(FNNプライムオンライン)

 

週刊ポスト:

松山英樹と大谷翔平 世界で成功できる肉体改造と柔軟性の秘密(NEWSポストセブン)

 

AERA:

大谷翔平の投球「球界で最も打たれない球」と絶賛の声 課題の制球力には楽観的な見方

 

■note

前日の投手戦に続き、今日の試合も前半オープナーのゲラやスアレスが大きく崩れかかったが、何とか堪えてその後のブルペン陣は無失点に抑えて勝ち切った。同地区強豪のアストロズ3連戦の初戦をものにした、この勝利は大きい。大谷は5タコ。最初の3連続三振はガルシア投手に厳しいコースに攻められ続けた。残りの2打席も安打とならなかったが、大谷がたびたび口にするボールの見え方は、見の逃し方をみている限り悪くなかったように素人目に映った。切り替えていこう。明日、大谷はリアル二刀流で先発予定。ここを勝ちきれば強豪相手の2カード連続の勝ち越しが決まり、チームが勢いづく。ここぞの試合で、プレッシャーに強い大谷の投打に渡るフル回転を期待したい。

 

エンゼルス大谷翔平メジャー初の中5日「二刀流選手」へ登録切り替えへ※日刊スポーツ

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エンゼルス大谷翔平投手(26)がメジャー4年目で初の中5日で先発マウンドに上がる。11日午後7時10分(日本時間12日午前9時10分)開始のアストロズ戦で今季5度目の登板に臨み、2勝目を目指す。10試合に先発した1年目は全て中6日以上を空けて登板。2試合の登板だった昨年も中6日だった。今季はここまで投打を合わせて全34試合に出場。登板前日の10日は5打数無安打で連続安打が4試合で止まったが、状態は万全だ。

 

前回、5日のレイズ戦では5回0/3で1安打無失点も、救援陣が逆転されて2勝目はお預けとなった。今回の登板で1回1/3以上を投げれば、投球回20イニング以上かつ野手で20試合の先発出場(1試合3打席以上)の条件を満たし、投手登録から「Two-Way-Player(二刀流選手)」に切り替わる。投手と野手に二刀流選手が加わることで、チームのロースター構成でも柔軟に対応できるようになる。

 

また、DHを解除して投打で起用するプランについて、マドン監督は「彼は(両方)やりたいと言っている。我々も、それに向けて調整する」と話した。リアル二刀流での出場なら今季3度目で、本塁打を打てばメジャー単独トップとなる可能性も十分にある。現在チームは16勝18敗でア・リーグ西地区の最下位。3連勝と上位浮上へ、大谷の活躍が鍵となる。【斎藤庸裕】

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鉄人・大谷翔平が着ける黒いバンドの正体。右腕をケガから守る秘密兵器を実体験※FNNプライムオンライン

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“二刀流”というベーブ・ルース以来、約1世紀ぶりの衝撃を与え、日本のみならずアメリカをも魅了しているエンゼルス・大谷翔平。

 

現地のメジャー中継では、大谷だけを特集したVTRが流れるなど、数多のモンスターたちが在籍するMLBで“特別扱い”を受けるなど、注目度は計り知れない。

 

唯一無二のパフォーマンスを披露しながら、今シーズン全32試合に出場。

 

現地時間5月2日(日本時間3日)ではマリナーズ戦でデッドボールを受け、翌3日レイズ戦の先発登板を回避するも、9号ホームランを繰り出す。5日(日本時間6日)には、伝家の宝刀“スプリット”を武器に、5回を7奪三振と堂々たるピッチングを披露。

 

6日(日本時間7日)には、リーグトップに並ぶ10号ホームラン。

 

大谷は先月も登板翌日にホームランを放ち、今シーズン2度目。これは現代野球において、史上初の記録となった。

 

そんな鉄人ぶりで全試合出場を続ける大谷は「こんなに続けて出たことはもちろんないですけど、思っていたよりもそんなに疲れていない」と話している。

 

コンディションの見える化でケガを防ぐ

そんな大谷を手助けしている秘密兵器は、大谷が毎日肘に着けている黒いバンドだ。

 

その正体は、ウェアラブルデバイス「motus BASEBALL(モータス・ベースボール)」。

 

投球動作を分析するためのデバイスで、肘のコンディションを見える化。2018年に右肘のトミージョン手術を受けた大谷の右腕をサポートしているものだという。

 

実際に宮司愛海アナが装着し、腕を動かしてみても「違和感がない」というこのバンド。使い方は簡単で、センサーをバンドの内側に入れた状態でボールを投げると、アプリ上に瞬時に数値が表示される。

 

腕の角度や腕の振りのスピードなども分かる中で、注目するべきポイントはアームストレス。

 

1球投げるごとに肘にかかる負荷を数値化したもので、宮司アナが1球投げると、アームストレスが「4」や「5」。

 

メジャーリーガーは平均「75」。こうした数字を見てどれくらいの力を入れていいか、その基準を確認できるという。

 

大谷も練習中に計測し、これらのデータを毎日蓄積して肘の疲労状態を数値化し、オーバーワークになれば警鐘を鳴らしている。ケガを未然に防ぎ、コンディションをキープしているという。

 

日本で取り扱うオンサイドワールドの八木一成さんは「感覚値ではなく、客観的なデータをもとに安全にプレーしています。この数値を見ながら、ケガをしないギリギリのラインと、調子を落とさないギリギリのラインでコントロールしながら取り組まれていると思います」と明かす。

 

今シーズンはこうした数値化されたデータを参考にしながら、練習量を自身でコントロールしているという大谷。

「1日トータルどれくらい動いたかというところを計算しながら、今日は練習量を落とした方がいいとか、そのバランスを1日1日考えるところかと思います」と話している。

 

大谷をケガから守る黒いバンドは、鉄人・大谷のフル回転を支えていた。

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松山英樹と大谷翔平 世界で成功できる肉体改造と柔軟性の秘密※NEWSポストセブン

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日本人として初めてマスターズを制した松山英樹と、MLBでも二刀流を実現しつつある大谷翔平。世界最高峰のスポーツシーンで大活躍する彼らに注目すると、「体が大きくなった」ことに気づく。かつては世界との体格差を補うため、日本人は細かい技術で闘うなどと言われたが、いま世界の舞台で闘うためには、日本人も世界基準のパワーが必要不可欠となっている。

 

 昨年2月のMLBスプリングトレーニング(ST)に筋骨隆々の姿で現われ周囲を驚かせた大谷。体型はその後も維持しており、今年のSTでは体重102kgだった。この時点でMLB挑戦時からは5kg、日本ハム入団時からは16kg増量だが、現在はさらに巨大化しているようだ。5月3日、大谷に本塁打を打たれたレイズの投手・グラスノーは試合後、こう証言している。

 

「僕は104kgだけど僕よりはるかにデカいよ。絶対109kg以上あるはずだ」

 

 今や他のメジャーリーガーをも驚かせる体格なのだ。また松山も、日本ツアー時代より約10kg増量。マスターズ初出場の頃(2011年)と比べると約20kg増となる肉体改造に成功した。

 

 ゴルフは競技の性質上、パワーよりテクニックが重要だと考えられがちだが、それは大きな間違いだ。R&AとUSGAのレポートによると、ここ20年で主要ツアーの平均飛距離は約20ヤード伸びた。それに合わせてコースも伸び、500ヤード超えのパー4も珍しくない。実際、マスターズが開催されるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは全長7445ヤードにもなる。飛距離を稼げなければ勝負にならないのだ。

 

 世界で闘うにはパワーが不可欠という時代。大谷も松山も最先端のトレーニングや食事指導により、効果的に筋肉をつけ体重を増やしてきた。だが闇雲に体を大きくするばかりでは、ケガのリスクを孕む。プロ野球・オリックスの山岡泰輔投手のパーソナルトレーナーを担当する、野球パフォーマンスアップのスペシャリスト・高島誠トレーナーが解説する。

 

「筋肉をつけた結果ケガをするのは、筋肉で可動域が狭くなっているのに、無理して以前と同じ動きをしようとするからです。軽自動車にF-1のエンジンを載せたからといって速く走れるわけではなく、足回りなどを強化しなければ車体が耐えきれず壊れてしまいますよね。それと同じで、筋力トレーニングをして“出力”だけ上げても意味はなく、人間も“足回り”を強化しなくてはなりません」

 

その足回りに相当するのは「身体の柔軟性」(高島氏)。つまり、関節の可動域の広さだ。かつては筋肉を大きくすることばかりに重きが置かれていたが、現在の理論では、可動域を広げるトレーニングも重視されている。

 

 大谷、松山が成功できた理由もこの「柔軟性」にある。松山はプロ転向1年目で故障したことをきっかけに、近年は入念なストレッチを心がけている。元々体が硬かったが、現在は直立状態から両足を前後に180度開脚できるほど股関節が柔らかくなった。

 

 一方、大谷の身体の柔軟性は日本時代から有名だ。両手の甲を腰に当てながら、両肘を正面に向けることができるほど肩関節の可動域が広い。大谷も松山も、強くて大きいだけではなく、“しなやかさ”も兼ね備えた肉体を武器に闘っているのだ。

 

「心・技・体」という名言があるが、世界で戦うアスリートに求められる順番は「体・技・心」。そんな時代がやってきている。

 

文/田中周治

 

※週刊ポスト2021年5月21日号

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大谷翔平の投球「球界で最も打たれない球」と絶賛の声 課題の制球力には楽観的な見方〈AERA〉

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投打で活躍を続けている大リーグ・エンゼルスの大谷翔平。負傷や度重なる手術を乗り越え進化する“リアル二刀流”に、日米の野球ファンが沸いている。米国では大谷の投球を分析し、高く評価する声も。AERA 2021年5月17日号で取り上げた。

 

*  *  *

 三振奪取率が高い要因として挙げられるのが、落差の大きいスプリットと鋭く横滑りするスライダーだ。大リーグ公式サイトは大谷が登板した3試合を分析している。「球界で最も打たれない球が帰ってきた」と銘打ち、スプリットで19打数無安打18奪三振と驚異的な成績を紹介。「これはクレージーだ」と独特の表現で高く評価している。

 

 また、フォロワー数が28万人を超える野球アナリストのロブ・フリードマン氏は自身のツイッターに、大谷が今季初勝利を挙げた4月26日のレンジャーズ戦後、直球とスライダーを投げる動画を重ねた「オーバーレイ動画」を投稿。動画を見ると捕手がボールを受ける位置はほぼ同じだが、軌道は全く異なる。スライダーは外角ボールゾーンから滑るように曲がり、ストライクゾーンに食い込んでくる。通称「バックドア」だ。フリードマン氏はこう絶賛した。

 

「97マイル(約156キロ)の直球と82マイル(約132キロ)のバックドアスライダー。このスライダーがどれだけホームプレートから遠く離れたところから来たかわかるだろう」

 

■制球力に楽観的な見方

 

 課題もある。制球力だ。今季計18回3分の2を投げて19四球。直球が真ん中に集まりやすく、変化球も抜け球が目立つ。ただ、この数字に関しては楽観的な見方が多い。

 

「大谷は18年10月にトミー・ジョン手術を受けて、19年は登板なし。昨年も2試合登板のみでまだブランクがある。試合を重ねれば制球力は徐々に上がってくるでしょう。神経質になる必要はないと思います」(スポーツ紙大リーグ担当)

 

「リアル二刀流」で最も怖いのが故障だ。打者として相手チームの脅威となっている大谷は厳しいマークに遭っている。4月5日のアストロズ戦で八回に代打出場すると、スライダーが右太もも付近を直撃。大谷は一塁へ歩きながら珍しく相手投手をにらみつけ、元同僚の捕手が仲裁に入るしぐさを見せた。5月2日のマリナーズ戦でも一回に相手左腕の150キロ速球が右ひじのエルボーガードと上腕の境目付近を直撃。バットを放り捨て、ひざをつくとしばらく動くことができなかった。

 

翌3日のレイズ戦は先発登板を回避したが、指名打者で出場したこの試合で六回にバックスクリーンへ9号本塁打を放ち、首脳陣、選手たちを驚かせた。今後も投手では6人制の先発ローテーションの一角を担い、打者では週3~5試合に指名打者で出場すると予想される。

 

「フル出場は難しいので本塁打王は難しいかもしれませんが、30本塁打は達成可能な数字だと思います。問題は投手としてどれだけ投げられるか。今でも十分すごいですが、30本塁打と2桁勝利を達成すれば、革命的な快挙だと思います」(地元紙のエンゼルス番記者)

 

 野球界の常識を変える大谷の活躍から目が離せない。(ライター・牧忠則)

 

※AERA 2021年5月17日号より抜粋

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