■試合データ

米国時間:2021年5月2日

日本時間:2021年5月3日(月曜日)

ロサンゼルス・エンゼルス対シアトル・マリナーズ

@T-モバイル・パーク

 

 

エンゼルスは4回先発ディラン・バンディが、6番ディラン・ムーアにライト前適時打で先制点を許す。5回には1番ミッチ・ハニガーに犠牲フライで追加点を献上。打線はマリナーズ先発のジャスティス・シェフィールドに6回を無失点。継投のブルペン陣からも1点も取れず5安打完封を喫し、貯金は再び0に戻る。

 

■今日の大谷翔平

【打者】2番DH

3打数0安打2盗塁

今季通算打率.263

 

第1打席:死球

(状況)1回1死・走者無し

(投手)ジャスティス・シェフィールド/左

(カウント)1B2S

※内角高め93・4マイル(約150キロ)の直球が右肘上部を直撃。当たった場所は右肘に装着している防具に守られていたが、大谷は苦悶の表情でその場でうずくまった。ベンチからマドン監督とトレーナー、水原通訳が駆け寄り状態を確認。治療を受けることなく、一塁へ向かった

※左腕は一塁上にいる大谷の方を向き、左手で自身の胸を2度たたいて「悪かった」のジェスチャー。これに対し、大谷は軽く首を横に振りつつ、プロテクターを持った右手のひらをシェフィールドに向けて挙げ、「大丈夫。気にしないで」との意を示した

※次打者トラウトの打席でけん制球を受けた後の初球ですかさず二盗。捕手が送球を諦めたほどの完璧なスタートで今季5盗塁

※4番レンドンの2球目にも今季初となる三盗に成功し、今季6盗塁目を記録

※MLB公式サイトのデータ解析システム「スタットキャスト」担当のデビッド・アドラー記者「ショウヘイ・オオタニ:秒速28.3フィート(約時速31.0キロ)のスプリントで二盗、秒速29.2フィート(約時速32.0キロ)のスプリントで三盗。MLBの平均は秒速27フィート(約時速29.6キロ)だ」と大谷の快足がメジャー平均を優に上回るものだったと紹介

※中継局「バリー・スポーツ・ウエスト」で解説を務めるエンゼルスOBのマーク・グビザ氏は、「彼はリッキー・ヘンダーソンと共通するところがありました。ヘンダーソンは『俺に当てるなら、あっという間に三塁まで行ってやるぞ』という感じでした。ショウヘイはそれをしていましたね」

 

 

第2打席:セカンドゴロ(失策)

(状況)3回2死・走者無し

(投手)ジャスティス・シェフィールド/左

(カウント)1S

※真ん中148キロのシンカー

 

第3打席:ショートフライ

(状況)5回1死・1塁

(投手)ジャスティス・シェフィールド/左

(カウント)1B1S

※初球、抜けた129キロのスライダーが頭部付近を襲い上半身を反って投球をかわした

※内角高めのスライダーを打ち上げた

 

第4打席:セカンドゴロ

(状況)7回2死・2塁

(投手)アンソニー・ミシェビチ/左

(カウント)初球

※この回から登板のウィル・ベスト(右)がフレッチャーに2塁打を打たれ、左腕ミシェビッチへ交代

※内角145キロのカットボールを積極的に打ったが、時速167キロの打球はシフトを敷いて一、二塁間を守る野手の正面へ

 

その他情報:

・三盗は18年9月10日レンジャーズ戦、同28日アスレチックス戦に次いで日米通算3個目。今季盗塁は6個となりア・リーグ3位。シーズン37個ペースになる。本塁打は49本ペースだが、大リーグ史上で06年ソリアーノ(ナショナルズ)ら4人しかいない同一シーズン40本塁打、40盗塁の可能性もある。

 

■試合情報

ジョー・マドン監督:

(試合後)

--大谷の状態は?

「試合中に確認した限りでは、痛みがあるようだ。ただ、今夜、そして明日の朝、その痛みがどうなるかは分からない。彼は明日、先発する予定なので、その点で確認する必要がある。現時点で、どうこう言えない」

 

--いつ判断することになるのか?

「朝かな。まずは、アダム(・ネバラ=アスレチック・トレーナー)に連絡して、大谷とも話をすることになる。痛みがなければいいが、あるとしたら、その対処を考えなければいけない」

 

--プランB(大谷が先発を回避する場合のシナリオ)について話すのは早すぎる?

「もちろん、プランBはあるが、まずは(明日朝)確認したい」

 

--死球の直後、大谷はどの程度の痛みを訴えた?

「当たったのは(神経が通っていてしびれを感じる)尺骨なので、その痛みは想像できると思う。ただ、試合が進むにつれて、『良くなっている』と話していた」

 

--投げるだけではなく、打撃にも影響がある?

「そうは思わない。ただ、あの瞬間、強い痛みがあっただけだから。ひじのパッドの端っこに当たったが、直後の痛み以上のことはなかった」

 

--明日、仮に投げられるとしても、打席に立つことはない?

「必ずしも、そうとはかぎらない。先程言ったように、まずは状態を確認したい。すでに、トレーナーの診断を受け、試合中にアイシングをしていた。今は、待つしかない」

 

--盗塁のシーンは?

「二盗と三盗。リベンジを狙っていたな、と分かった。そういうのもひっくるめて、いいな。それ以降の打席も良かった。死球の影響を感じさせなかった」

 

 

ディラン・バンディ投手:

「自分は長いことバッティングしていない。11年くらいかな。でも、腕が腫れているのに投げるのは大変なんだからな。すぐに回復し、グラウンドに戻って来てくれると信じている」

 

■メディア

エンセルス専門メディア『HALO HANG OUT』:

「オオタニは価値が高すぎる!」エンジェルス専門メディアは大谷翔平の先発回避を支持「彼はローテーションの救世主じゃない」(THE DIGEST)

「今のオオタニはエンジェルスにとって価値が高すぎる。今、リスクを犯すべきではない。デッドボールを受けた後もオオタニがプレーをし続けられたのは、不幸中の幸いだ。それが長期的な怪我や肘に支障をきたすものではなかったからだ。しかし、以前にデッドボールを受けたマイク・トラウトが強制的に休養させられたように、オオタニも現時点でリスクを犯すべきではない。彼はここ2年で大きな怪我を負った選手だ。先発投手として2018年からわずかに5度の先発機会(そのうち今シーズンが3度)しかない。それだけに今オオタニにとって最も重要なのは、ハイレベルなピッチングをするためにより快適な状況を保つことにある」

 

斎藤庸裕記者:

日刊スポーツ(署名入り記事)

大谷強打者の宿命、登板前日死球リスク 出塁後はすかさず2盗塁でリベンジ

 

三尾圭氏:

スポーツフォトジャーナリスト・スポーツナビ・コラム

8本塁打はア・リーグ2位タイ、6盗塁は3位タイ。「30-30」が現実味を帯びてきた大谷翔平

 

ベースボール専門メディア「Full-Count」:

4月だけで8本塁打量産、好調の要因は? 大谷翔平が見せる昨季からの“変化”と“進化”

 

■note

 打撃好調の大谷に対し、そのうち起こるであろうと危惧していた肘への死球。よりによって明日先発登板を控える前日ゲームで起こるとは。前回、アストロズ戦の死球時にみせた怒りの感情は微塵にも出さず、1塁上では笑顔までみせて大丈夫対応。しかしすぐ様、果敢に二盗を決めてみせて、またすぐに三盗まで奪取してみせた闘争心には感服。ただでは、転ばん男だ。やられたら、アグレッシブなプレーでやり返す、凄い男だ。明日の先発は期待しないで、打者大谷だけでも拝めれば少ないGWの休息日になるのになぁ。さて、どうなるか?今年の大谷は、毎日目が離せないぜ!

 

大谷、右腕に150キロ死球で絶叫 今季初2盗塁も初の2戦連続無安打 ゼロ封負け※デイリースポーツ

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 「マリナーズ2-0エンゼルス」(2日、シアトル)

 

 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が「2番・指名打者」で出場し、3打数無安打1死球、2盗塁。今季初の2戦連続ノーヒットで打率を・263とした。チームは今季初のゼロ封負けで再び、勝率は5割となった。

 

 「あ゛ーっ!」。大谷の絶叫が敵地フィールドに響き渡った。

 

 初回1死走者なし。カウント1-2から左腕シェフィールドが投げた150キロ直球が二刀流の右肘の上部を直撃した。当たった場所は右肘に装着している防具に守られていたが、大谷は苦悶の表情を浮かべ、その場にうずくまった。ベンチからマドン監督とトレーナー、水原通訳が駆け寄り、状態を確認。治療を受けることなく、一塁へ向かった。

 

 塁上では何度も右腕を振ったり、左手で押したりして状態を確かめた大谷。しかし、頭の中はチームの勝利のために何ができるか、を考えていた。次打者トラウトの打席でけん制球を受けた後の初球ですかさず二盗。捕手が送球を諦めたほどの完璧なスタートで今季5盗塁目を記録すると、4番レンドンの2球目に今季初となる三盗に成功。後続が倒れて先制点はならなかったが、塁上で投球動作をするなど、痛みに耐えながらの激走でチームを盛り立てた。

 

 攻守交代後に一度はベンチ裏に姿を消したが、約10分後にベンチに戻った大谷。自身の打席を待つ間に50回以上も右腕の曲げ伸ばしを繰り返すなどして、最善の状態を保つことに努めた。

 

 三回の第2打席は二ゴロ失策。打席に入る直前に右腕を回し、初球の内寄り低めのスライダーをファウルにした後、148キロシンカーを鋭くはじき返し、二塁のエラーを誘う。トラウトの四球で二塁に進み、レンドンの右飛で三進したが、ここまであと1本が出なかった。

 

 敵地スタンドがどよめいたのは、1点を追う五回の打席だ。初球、抜けた129キロスライダーが頭部を襲った。上半身を反って投球をかわした大谷は続く高めの145キロシンカーをファウルにし、内角高めのスライダーを打ち上げて遊飛に倒れた。

 

 2点を追う七回2死二塁の第4打席は二ゴロ。4月30日の対戦で二ゴロに封じられた中継ぎ左腕ミシェビッチの初球、内角145キロカットボールを積極的に打ったが、時速167キロの打球はシフトを敷いて一、二塁間を守る野手の正面だった。

 

 エンゼルスは前日の試合で2打席連発を含む4打数4安打4打点と爆発した5番ウォルシュが2つの併殺打を記録するなど、好機を生かせず。今季初のゼロ封負けで6回2失点の先発バンディを援護できなかった。

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「オオタニは価値が高すぎる!」エンジェルス専門メディアは大谷翔平の先発回避を支持「彼はローテーションの救世主じゃない」※THE DIGEST

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「うぉっ……」。大谷翔平の叫び声が、敵地セーフコ・フィールドに響き渡った。

 

 現地時間5月2日、シアトル・マリナーズ戦に「2番・DH」で先発したロサンゼルス・エンジェルスの大谷。その初回に巡ってきた第1打席だった。リナーズ先発のジュスタス・シェフィールドが投じた4球目、93.4マイル(約150キロ)のフォーシームが右肘に直撃したのだ。

 

 絶叫してうずくまった背番号17は、痛みを堪えながら立ち上がると、プレーを続行。直後に連続盗塁を決めて3塁まで進んだが、塁上では何度も右腕を振ったり、左手で押したりして状態を確かめていた。

 

 大谷は最終的にゲームセットまでプレーし続けたが、指揮官のジョー・マッドンが「ショウヘイは痛みを感じている」と語るなど、翌日の先発登板に向けて不安の残る状況となった。

 

 今季4度目の登板に向けて機運が高まっていたなかでのアクシデントには、専門メディアも不安を募らせる。エンジェルスをこよなく愛する『HALO HANG OUT』は、「まだ明日投げられるか判断するのは早い」と語ったマッドン監督の見解を伝えたうえで、「今のオオタニはエンジェルスにとって価値が高すぎる。今、リスクを犯すべきではない」と記した。

 

「デッドボールを受けた後もオオタニがプレーをし続けられたのは、不幸中の幸いだ。それが長期的な怪我や肘に支障をきたすものではなかったからだ。しかし、以前にデッドボールを受けたマイク・トラウトが強制的に休養させられたように、オオタニも現時点でリスクを犯すべきではない。

 

 彼はここ2年で大きな怪我を負った選手だ。先発投手として2018年からわずかに5度の先発機会(そのうち今シーズンが3度)しかない。それだけに今オオタニにとって最も重要なのは、ハイレベルなピッチングをするためにより快適な状況を保つことにある」

 

 さらに「オオタニに圧力をかける必要はない」とも強調した同メディアは、こう続けている。

 

「今後のチームを考えても、今の彼を先発ローテーションの救世主に据えるべきではない。エンジェルスにはメジャー2年目のグリフィン・キャニングを除いて経験豊富な投手陣が揃っている。オオタニを162試合も出場させ、勝負所で投手として起用するためにも、今は負荷をかける理由はない」

 

 最後に「もちろん明日のマウンドに立てるなら最高だ。彼の放つエキサイティングな空気はチームを変える」と期待も込めた同メディア。マッドン監督は「明朝にどれだけ痛みが残っているかで判断する」と語るにとどめたが、はたして登板はあるか――。

 

構成●THE DIGEST編集部

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大谷強打者の宿命、登板前日死球リスク 出塁後はすかさず2盗塁でリベンジ※日刊スポーツ

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今季、死球は既にシーズン自己最多の3つ目。そのうち2つはエルボーガードに当たった。外角球へ踏み込ませないため、内角高めの速球で厳しく攻められている証拠だ。強打者の宿命だが、登板前日の出場は死球を受けるリスクと隣り合わせでもある。予定されていた3日(同4日)のレイズ戦先発について、同監督は「痛みも全くなく大丈夫なのか。もし痛みがあるなら、調整しなければいけない。プランBはある」と、翌日の状態を踏まえた上で先発変更も視野に入れていることを明かした。

 

一方で、常に全力の大谷らしさも発揮した。死球を受けてしばらく痛みに顔をゆがめたが、出塁後はすかさず二盗に成功。さらに2死二塁から4番レンドンの打席で三盗を決め、日米通じて自身初の1試合2盗塁をやってのけた。「二盗、三盗でリベンジしたのを見ただろう」とマドン監督もニンマリ。今季6盗塁はメジャー全体で5位タイでにつけ、トップレベルの盗塁技術を改めて証明した。

 

この日は3打数無安打で今季初の2試合連続ノーヒットに終わった。「(痛みが)影響していたようには見えなかった。試合が進むにつれて良くなってきたとも言っていた」と同監督。投打で同時出場するリアル二刀流での起用も含め、先発予定の当日に判断を下す。【斎藤庸裕】

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8本塁打はア・リーグ2位タイ、6盗塁は3位タイ。「30-30」が現実味を帯びてきた大谷翔平※三尾圭氏

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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が、5月2日(日本時間3日)に行われたシアトル・マリナーズ戦で、メジャーでは4年目で自身初となる1試合2盗塁を記録。今季の盗塁数をアメリカン・リーグ3位タイとなる6個とした。

 大谷はここまで26試合全てに出場して、打率.263、8本塁打(リーグ3位タイ)、20打点、6盗塁(リーグ3位タイ)を記録。このペースを保つことができれば、162試合で50本塁打、125打点、37盗塁というとてつもない記録を残すことになる。

 長丁場のメジャーリーグのシーズンで、二刀流として活躍する大谷が全試合にプレーすることはまずなく、シーズンが進むにつれて適度な休みを挟んでいくことだろう。

 メジャーの歴史の中で4度しか達成されていないシーズン40本塁打、40盗塁の「40-40」を大谷がクリアするのは難しそうだが、30本塁打、30盗塁には手が届くかもしれない。

 「30-30」もエリートの証であり、これまでに41選手しか達成していない。

 大谷のチームメイトであるマイク・トラウトは、新人だった2012年に30本塁打、49盗塁(盗塁王)で30-30クラブの仲間入りを果たした。

 大谷はシーズン最多本塁打は新人だった2018年に放った22本塁打、シーズン最多盗塁は19年の12盗塁だが、今季は大幅な自己記録の更新が期待できる。ちなみに日本球界での自己最多は2016年の22本塁打、7盗塁。

 大谷が30-30を達成すれば、メジャーでは日本人初の快挙。日本人メジャーリーガーは20-20の達成者もおらず、2005年にイチロー(シアトル・マリナーズ、15本塁打、33盗塁)と井口資仁(シカゴ・ホワイトソックス、15本塁打、15盗塁)が達成した15-15が最高。

 今季好調な大谷は、オールスター戦までに15-15を達成するかもしれない。

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4月だけで8本塁打量産、好調の要因は? 大谷翔平が見せる昨季からの“変化”と“進化”※フルカウント

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 今季ここまで目覚ましい活躍を見せているエンゼルスの大谷翔平投手。打者としては、ここまでリーグ2位の8本塁打を放ち、投手としても3試合に先発している。“リアル二刀流”でも2試合に出場するなど、連日、日米の野球ファンを楽しませてくれている。

 

 特に光っているのが打者としての働きだ。ここまで25試合に出場して99打数26安打8本塁打20打点、打率.263を残している。不振に苦しんだ昨季は44試合で7本塁打に終わり、今季は4月の1か月間だけで、昨季の本塁打数を上回るアーチをかけた。

 

 わずか7本塁打に終わった昨季と一変した姿を見せている大谷だが、昨季とは一体どこに変化があるのか。セイバーメトリクスの指標、データを基に探ってみた。なお、データ、指標は5月1日(日本時間2日)現在のもの。

 

 様々な指標で昨季を超える数字を残している大谷だが、その中でも特に大きな変化を見せているデータがある。その1つが初球からスイングしていく割合を示す「First Pitch Swing%」だ。メジャー1年目の2018年は「32.2%」、2年目の2019年は「37.4%」だったが、昨季は「28.6%」と30%を切っていた。それが今季は大幅に改善。1日(日本時間2日)現在で45.1%と大幅に上昇している。

 

8本塁打中6本が初球ないし2球目までに打ったもの

 

 今季はその初球を打った打席が13打席あり、12打数5安打2本塁打4打点1死球、打率.417の好成績が出ている。昨季は初球を打った打席はわずか9打席しかなく、1安打1本塁打3打点の打率.111だった。

 

 また、今季の特徴としては早いカウントで打ちに行き、そして結果を残している。1ボールからの2球目を打ちにいった打席は9打数4安打3本塁打3打点で打率.444、1ストライクからの2球目は7打数4安打1本塁打3打点で打率.571、1ボール1ストライクからの3球目は8打数4安打0本塁打3打点で打率.500となっている。

 

 8本塁打のうち6本塁打が初球ないし2球目を打ったものとなり、積極的に早いカウントから打ちにいく姿勢が本塁打量産に繋がっていることが良く分かる。野球界では初球や早いカウントでの打率は高く、追い込まれるなど打者が不利なカウントになるにつれ、打率は下がっていくとされる。大谷のこの成績も、早いカウントからの“好球必打”が要因にあると言えるだろう。

 

「Barrel%」23.2%は名だたる強打者を上回りメジャートップ

 

 また、打球内容にも“進化”の跡が見て取れる。その1つが“バレル”と呼ばれる指標だ。バレルゾーンとは長打が出る確率の高い打球速度と打球角度が合わさったゾーンのこと。大谷はここまで16本の打球をこのバレルゾーンに飛ばしており、これはレッドソックスの大砲ラファエル・デバースと並び、メジャーでトップタイだ。

 

 さらには打球数に占めるバレルゾーンの打球割合を表す「Barrel%」は23.2%となっており、これはメジャー全体で単独トップの数字。メッツのピート・アロンソやフィリーズのブライス・ハーパー、チームメートのマイク・トラウトら名だたるホームランバッターをも上回っている。また、今季の打球速度の最速は119マイル(約191.5キロ)で、これはヤンキースのジャンカルロ・スタントンの120.1マイル(約193.2キロ)に次ぐメジャー2位となっている。

 

 早いカウントからの積極的なバッティング、そして、長打になりやすいとされるバレルゾーンへと打ち出すことのできる技術とパワー。メジャー4年目を迎えた大谷翔平の打撃は、大きな“変化”と“進化”が詰まっている。

 

Full-Count編集部

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