■試合データ

米国時間:2021年4月26日

日本時間:2021年4月27日(火曜日)

ロサンゼルス・エンゼルス対テキサス・レンジャーズ

@グローブライフ・フィールド

 

 

エンゼルスは、1回5番ジャレッド・ウォルシュのライト前タイムリーで先制。しかしその裏、先発大谷翔平が、レンジャーズ4番ネート・ロウの3点本塁打と7番デビッド・ドールの犠飛で4点を失い逆転される。2回2番大谷の2点タイムリー2塁打と3番マイク・トラウトのレフト前タイムリーで3点を追加し同点。3回には6番ジャスティン・アップトンと7番アルバート・プホルスの連続本塁打とトラウトの2塁打で3点を先行。先発大谷は2回以降立ち直り、レンジャーズ打線を5回まで無失点。後続ブルペン陣も無失点で抑えて勝利。貯金を再び1に戻した。

 

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■今日の大谷翔平

【投手&打者】先発2番・投手

5回、75球(内ストライク42/56%)

被安打3奪三振9四死球3失点4自責点4

今季通算防御率3.29

 

3打数2安打2打点3得点1四球1三振

今季通算打率.300

 

 

【投手】

◆1回:

1番ウィリー・カルフーン/左

サード・内野安打

(カウント)1B1S

※153.8キロの直球。打ち取った打球が、守備シフトで無人の三塁線に転がり内野安打となる

 

2番アイザイア・カイナーファレファ/右

センター・ライナー

(カウント)1B

※スライダーで打ち取る

 

3番ジョイ・ガロ/左

四球

(カウント)3B1S

※外角直球が外れる

 

4番ネート・ロウ/左

ホームラン(3ラン)

(カウント)1B

※甘く入ったスライダー

 

5番アドリア・ガルシア/右

四球

(カウント)3B

※外角に直球が外れる

 

6番ニック・ソラック/右

死球

(カウント)1B1S

※内側への直球がシュート気味に当たってしまう

 

7番デイビット・ドール/左 

ライト・フライ 犠飛

(カウント)3B1S

※初球外角にショートバウンドで暴投となり2・3塁へ進塁させてしまう

※外角への直球をライトへ

 

8番ブロック・ホルト/左

見逃し三振

(カウント)2B2S

※内角へ切り込むスライダーを見逃し

※初回だけで29球を要する苦しい立ち上がりになった

 

◆2回:

9番ホセ・トレビノ/右

レフト・フライ

(カウント)初球

※153キロの直球、内側に外れるボール気味の球を打ってくれた

 

1番ウィリー・カルフーン/左

ショート・ゴロ

(カウント)1B

※96マイルの真ん中よりの直球

 

2番アイザイア・カイナーファレファ/右

空振り三振

(カウント)2B1S

※スプリット

 

◆3回:

3番ジョイ・ガロ/左

空振り三振

(カウント)1B2S

※ワンバウンドのスプリット

 

4番ネート・ロウ/左

サード・ゴロ

(カウント)初球

※真ん中の直球、強烈な当たりもショート付近のレンドンの正面へ

 

5番アドリア・ガルシア/右

空振り三振

(カウント)1B2S

※ワンバウンドのスプリット

 

◆4回:

6番ニック・ソラック/右

見逃し三振

(カウント)2B2S

※内角から曲がるスライダー

 

7番デイビット・ドール/左 

空振り三振

(カウント)2S

※外角のスプリット

 

8番ブロック・ホルト/左

見逃し三振

(カウント)フルカウント

※外角から曲がるスライダー

 

◆5回:

9番ホセ・トレビノ/右

見逃し三振

(カウント)2B2S

※外角低めいっぱいのスプリット

 

1番ウィリー・カルフーン/左

ファースト・ゴロ

(カウント)3B1S

※真ん中直球を1塁線にミートされるが、プホルスがしっかり好捕

 

2番アイザイア・カイナーファレファ/右

センター前ヒット

(カウント)1B

※真ん中直球をセンターへ返される

 

3番ジョイ・ガロ/左

見逃し三振

(カウント)2S

※外角いっぱいの抜けたスプリットがストライク判定

 

 

【打者】

第1打席:四球

(状況)1回1死・走者無し

(投手)ジョーダン・ライルス/右

(カウント)3B1S

※初球の93マイル(約149.7キロ)の直球をファウル。フルスイングに、スタンドがどよめいた

※直球が外角に外れて四球

※2死一、二塁から5番ウォルシュの右前打の間に、二塁ベースから一気に本塁へ生還。レ軍の強肩の右翼手ギャロが本塁へレーザービームを見せたが、かいくぐってスライディングしながら先制のホームイン

※先制のホームを踏んだ際、29.3フィート(秒速8.9メートル)のスピード。MLBに導入されたデータ解析システム「スタットキャスト」担当のデビッド・アドラー氏が言及

 

 

 

第2打席:ライト線2塁打(2打点)

(状況)2回2死・走者1、2塁

(投手)ジョーダン・ライルス/右

(カウント)1S

※高めの149.2キロ直球を右翼線にはじき返した。打球速度113.8マイル(約183キロ)。

※トラウトのレフト前タイムリーで同点のホームイン

 

 

第3打席:空振り三振

(状況)3回1死・走者1、2塁

(投手)ジョーダン・ライルス/右

(カウント)2B2S

※初球右翼ポール際へ大ファウル、最後は81マイルの低めカーブに空振り

 

第4打席:セフティバント・投手左前安打

(状況)6回無死・走者無し

(投手)ジョーダン・ライルス/右

(カウント)初球

※89マイルの高め直球

※日米通じて初めてのセーフティーバントを決めた。全体的に右方向へ寄る相手守備シフトの裏をついて三塁側へバント

※18年7月7日(日本時間8日)ドジャース戦で3打席連続でセーフティーバントを狙うなど、これまでも何度か試みたことはあったが、今回は見事に成功させた

 

 

試合後コメント:

――3年ぶりの勝ち星。満足感はあるか。

「野手の人が打ってくれたので、チームとしては大きい。個人的には初回のことがある。そんなに手放しでは喜べないかなと思います」

 

――マドン監督のもとで投打で「制限なし」でプレーしている。

「今まではある程度、登板前日が休みだったりとか決まっていたので。こういう風になるのは初めてですけど、自分がどれだけチームに利益をもたらせるかどうかを毎試合毎試合、自分としては見せないといけないので。そういう気持ちで毎試合やりたいなと思います」

 

――初回4失点したが、2回から立ち直った。

「自分自身で点を取ったのはすごく大きなことでないかと思う。あの回で同点になって振り出しに戻って、気持ちを切り替えることが出来たのかなと思います」

 

――バント安打もあった。

「向こうの中継ぎ投手が素晴らしくて、なかなかこっちもリズムつかめなかった。ああいう時はきれいなヒットというよりも、虚を突くようなヒットの方が効果的でないかと思いました」

 

――マドン監督が会見で「マメが出来た」と言っていた。

「心配はないです。スプリットの方のマメでかなり小さい。僕としては、もう1イニングいけるかなと思いつつですけど、そこは中継ぎのみんながいるので交代になりました」

 

――2打点3得点の活躍は投球の自信につながったか。

「そこと打撃は別なので。打撃で仕事ができるのはすごく気持ち的には楽になると思うんですけど、投球は投球で区別して。初回と2回以降はやっぱり自分の中で変化があると思っているので。それをいかに初回からしっかり出せるかが今後の試合かなと思います」

 

――カットボールのような球種があった。あれはスライダーか、新しい球か。

「あまり気にしていないというか。小さくて速いのと、大きく曲がるスライダー。どちらのスライダーでもありますし、カットとも言えるかなと思う。あまり呼び方はどっちでもいいかなと思っています」

 

――28日も打者で出場したいか。

「そうですね。個人的には」

 

――前回は制球力が「ゼロ点」と言っていた。

「5点ぐらい」

 

――以前は変化球を軸にして修正していたが、真っすぐで押していた。

「相手の反応を見ながらでいいのかなと思っていたので。逆にスプリットもノーノーから投げたりとか、スプリットの制球がいいなと思ったので、スプリットを投げていましたし、そこは臨機応変にやっていきたいなと思っています」

 

――制球力はメンタル面が大きいのか。それともメカニックか。

「やはりメカニックだと思いますね。初回と2回以降はやっぱりメカニック的にも違いますし、メンタルによってメカニックが崩れることはあると思うんですけど、直接的にメンタルが直結することはないかなと思います」

 

 

 

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その他情報:

・球団によると、メジャー最多本塁打の選手が先発登板するのは1921年6月13日のベーブ・ルース(ヤンキース)以来100年ぶり。当時のルースはメジャー1位の19本塁打でタイガース戦に「3番・投手」で先発。5回5安打4失点で勝ち投手となり、打撃では3打数2安打2本塁打3打点2四球と活躍。

 

・MLB公式サイトなどによると、ア・リーグの投手が2安打以上かつ3得点以上を記録したのは71年ジム・ペリー(ツインズ)以来、50年ぶり。さらに9奪三振の数字が加わると、67年ルイス・ティアント(インディアンス)以来、54年ぶりだという。

 

・中継局KCOPが放映した試合前の宣伝動画は、あおり文句も派手だった。「大谷を表現するとき、最も際立って使われる言葉は“must see(必見)”だ。100マイル(約161キロ)を投げ、450フィート(約137メートル)をかっ飛ばす? もちろん。メジャー史上初を連発? 間違いない。投手がメジャーで本塁打トップ? 賭けてもいい。大谷翔平は、次に何をやってのけるのか? あなたもわれわれも妄想する。さあ、ショータイム(大谷の愛称)だ。見逃したくはないだろう?」

 

■試合情報

ショー・マドン監督:

(試合前)

「打撃と投球は土俵が異なるが、どちらか一方で調子が良ければ他の要素にも影響すると思う。マウンド上で感触が良くないというわけではないし、実際彼は良い感触を持って投げている。大事なことは直球の制球力とストライクを取るということ。投球がうまくいけば、打撃もその恩恵を受けて、うまくいくことにも繋がり得ると私は確かに思っている」

 

「投球を重ねるにつれて、制球力も良くなっていくと私は確信している。彼のことを注意深く見守って、絶えず話しかけていく。私はショウヘイを信じている。彼が(球速を)下げる必要があると判断すれば下げるだろう」

 

「(球数制限の予定は?)制限はない。球数制限をかけて試合に入るつもりはない。(トラウトと同じように「オオタニが苦手なことは?」と問われて)私にもまだわかっていない。彼は心を開いているから会話も以前(昨年)よりスムーズになっている。彼はとても楽しい時間を過ごしている。昨年は若干付き合い方にもぎこちなさのようなものも時折あったが、今は違う。昨年私が見た姿と異なるものだ」

 

(試合後)

「どんどん良くなり続けている。直球もリズムに乗ってきている。カウントで優位に立てば、あのスプリットも使える。(1回と2回以降の投球の違いには)彼は試合が進むにつれて波に乗っていき、投球が良くなる。リズムに乗ろうとしているときにスリーランは打たれたくはないもの。試合中の修正に満足している」

 

「彼はバント安打を含めてあらゆることをした。今日の彼のプレーを見て面白いと感じないなら、野球の試合を見て面白いと感じることはできないだろう」

 

「(大谷を勝たせたい気持ちが16安打の要因になっているか?)エンジェルスの選手たちは、オオタニが成し遂げていることの真価を認めているんだ。みな優れたメジャーリーガーだ。フィールド上では野手や投手のどちらかでプレーしている。だからこそ、オオタニが投打二刀流をこなしているのを見ると、いかにそれが難しいことか、皆が十分に理解しているよ」

 

マイク・トラウト:

(試合前)

「フィールドでプレーする中で、ショウヘイは自分らしくいると思う。ジョー(マドン監督)は思うがままにプレーさせている。投手をして、2番で打撃をして。過去何年かは体を回復させるために休みを取っていたけど、(今年は)『打ち続けたい』という風になっている。毎試合見ることは特筆すべきこと。チームに彼がいることは幸運なことだと思う」

 

「僕は(メジャーリーグで)打つことがどれだけ難しいか理解している。彼のプレーを中堅のポジションから見ている。スプリットは厄介な球だし。彼のことを非常にうれしく思っている。とても謙虚な選手だし、毎日向上心がある。素晴らしいチームメートだし、クラブハウスに彼がいるのも素晴らしいことだ」

 

「怪我で上手くいかないこともあったけど、今、彼は自身の能力を発揮している。みんなそれを楽しんでいる。球界にとっても素晴らしいこと。見ていて楽しいよね。(オオタニが苦手なことはあるのか?と問われると)英語だと思うけど、彼はマスターしているよ。話しかけても彼は毎回僕の言っていることを理解している。彼が苦手なこと……答えが分からないな」「ベンチにいるのは退屈だ」

(試合後)

「(大谷の投球について聞かれると)2、3回あたりからスイッチが入っていたね。翔平の後ろで守っていると、あまりやることがない。2ストライクからのスプリットは、打つのが不可能だった。(6回の)バント安打は初めて見たが、驚きはなかった。チームの勝利のため、できることは何でもやるヤツだから。翔平を毎晩見るのはグレートだ。味方で良かったし、対戦しなくていいのもハッピーだ。とにかく、このまま健康でいってほしいね」

 

クリス・ウッドウォード監督:
(試合前)

「スプリッターとスライダーが一級品。ただこの前、対戦したばかりなので、スライダーは見極められるのではないか。それだけで、ウチの打線は十分やれる。ただスプリッターは速球とほぼ同じ軌道で曲がるので、見極めが厳しい。ただ見たばかりなので、願わくばそれが有利に働けばと思う」

(試合後)

「尻上がりに球速も上がり、後半は打てそうな速球が来たと思ったら目の前から消えてしまうようなスプリッターだった。勝つぞという執念を彼から感じた。投げるだけでなく打撃でも、彼がやってのけていることはすごい。信じられない」

 

カイナーファレファ内野手:

(試合前)

「彼は本当にナスティ(エグイ)投手。失投してくれることを願うよ」

 

・この試合、マイク・トラウト選手が「3番中堅」で3試合ぶり、アンソニー・レンドン選手も「4番三塁」で10日以来の先発メンバーに名を連ねた。

 

・この試合で、韓国プロ野球で活躍した33歳のオールドルーキーがデビューした。レンジャーズの左腕ヤン・ヒョンジョン投手が2番手として、4-7の3回2死二、三塁で救援。4番レンドンを二飛に打ち取り、ピンチを断った。続投した4回も3者凡退で終えた。 韓国ではKIAのエースとして通算147勝(95敗)をマーク。2017年には20勝6敗でシーズンMVP、韓国シリーズでもMVPに輝き、同国史上初のダブルMVPを獲得した。今年2月にレ軍と契約。3Aからこの日初昇格した。 (日刊スポーツ)

 

■メディア

槙原寛己氏:

大谷、リアル二刀流の難しさと良さと ゲームの中での見事な修正は大きな収穫(スポニチ)

「ターニングポイントは2回の打席だろう。ゲームの行方をまた分からなくさせる2点二塁打。レベルが違いすぎて恐縮だが、私も経験がある。先発投手はヒットを打つと乗ってくる。気持ちも楽に、前向きになったはずだ。2回裏の投球からはほぼ完璧だった。 ここまで見事に修正できたのは、精神面に加えて、ゲームの中で「この日の自分の球」を見つけられたから。右打者への「インスラ」、左打者には「バックドア」となるコースへのスライダー。ボールゾーンからストライクへ、曲がり幅の計算もできていた。逆のコースへの、右には外角低め、左には膝元へのスライダーは今一つだったが、この球が鍵になった。4回の2つの見逃し三振はいずれもこの球。スプリットは元々問題ない。真っすぐも指にかかればある程度どのコースでもファウルを奪える。このことを覚えれば、投球がもっと楽になってくる。」

 

佐々木主浩氏:

大谷翔平3回から手首が立った 恐怖心与える荒れ球も武器に(日刊スポーツ)

「2回以降、何が変わったのか。私が感じたのはリリース時の「手首の角度」だった。1回は右手首が寝てしまって、横振りのような形に見えたが、3回からは手首が立ったように映った。スプリットが真っすぐに落ち始めたのが、その証しだろう。阪神藤浪もその傾向が出る時があるが、投手はスライダーなど変化球を大きく曲げようと意識しすぎると、手首が寝る場合がある。2回の最後の打者をスプリットで空を切らせて感覚をつかんだのか、手首が立ち、リリース時のインパクトが強くなったことで真っすぐも威力が増した。大谷自身は制球力を「5点」と自己採点したが、現状の投球では荒れ球は武器といえる。メジャーの打者も恐怖心からなかなか踏み込めず、ストライクゾーンで勝負さえできれば抑えられる」

 

スポーツ整形外科・山崎哲也部長:

横浜南共済病院(300人以上のプロ野球選手の関節手術を執刀)

【専門家の目】大谷翔平は「故障前と同レベルに戻っていると感じる」(日刊スポーツ)

「映像を見る限り、投球パフォーマンスは故障前と同レベルに戻っていると感じます。3年弱を要しましたが、勝利投手は打線などの兼ね合いも必要。医師の立場で判断材料にするのは、手術からメジャー復帰登板までの期間です。TJ手術の執刀例が圧倒的に多い米国の論文によれば、メジャー投手の完全復帰までの期間は術後平均約20・5カ月。大谷投手(664日)は2カ月ほど長いだけで、翌年に左膝も手術したことを考慮すれば、術後のスケジュールプランとしては決して遅くはないと思います」

 

元巨人監督・堀内恒夫氏:

「初回から4点取られた時はどうなることかと思ったけど 終わってみれば打って投げてで勝利投手 凄いや 本当の二刀流だね」

 

斎藤庸裕記者:

日刊スポーツ(署名入り記事)

【記者の目】大谷翔平はマメできても続投意欲 故障回避へ強い自制心が必要

 

中日スポーツ:

投手・大谷、2回以降は別人 1回は29球を費やしてストライク率38%、そこから4イニングは46球で67%

 

スポーツ文化総合サイト「THE ANSWER」:

大谷翔平、横滑り変化の“完璧バックドア”に米驚愕「常軌を逸脱」「打者は悪くない」

 

ビエッティ・プロデューサー:

放送局CBSスポーツ

「大谷の7本塁打はリーグ最多タイ、奪三振率(9イニング相当)14・5は、規定投球回数クリア組でリーグトップ。しかもメジャー全体で得点5位、打点6位…爆笑するしかない」

 

バスガーシアン・アナウンサー:

中継局KCOP

「ユニコーン、スーパーヒーロー、漫画のキャラクターだ。彼がやっていることは、とにかくあり得ない。同じ貢献をさせるには、FA選手と6人くらい契約しなければ」

 

マーク・グビザ解説者:

中継局KCOP

「投手の3得点なんて、見たことあるか?(メジャー6年ぶり、リーグ11年ぶり)投手が二塁から弾丸ライナーの打球で生還するなんて、何回見られるだろう…」

 

ゴンザレス記者:

スポーツ専門局ESPN

「これをフルシーズン続けられるのかは分からないが、彼がトライし続けるのを、間違いなく死ぬほど祈っている」

 

ジェフ・フレッチャー記者:

「オレンジ・カウンティー・レジスター」紙・エンゼルス担当8年目

ナイスガイな大谷翔平、イチローばりに球史に名を残すだろう…米国人担当記者が語る(スポーツ報知)

「取材を通じての印象だが、彼はとてもナイスガイだと思う。チームメートたちとも、たくさん冗談を言い合っているようだしね。私はメジャーリーグを取材するようになって20年以上たつが、世界中の一流選手がそろう最高峰の舞台で投打の二刀流が実現できるということは、本当に信じられないほどすごいことだと感じる。シーズンが始まる前は打者としては打率2割6分、16本塁打、65打点、投手としては8勝、防御率4・24くらいと予想していたが、少なくとも打撃の方は上方修正しないといけない。私がこれまでに見てきた日本人のベストプレーヤーはイチローだが、大谷も球史に名を残すだろう。それくらい歴史的なことを今まさに、彼はやっているからね」

 

清原和博氏:

関西テレビ『こやぶるSPORTS超』4月26日放送

「(大谷投手とかどうですか?真剣勝負してみたいと思いますか?と問われて)あぁ…やっぱ完璧すぎますよね。顔もね(笑) あんまりね、あれだけ綺麗な可愛らしい顔してると、闘争心が湧かないと思いますね」

 

■note

初回ロウに3ランホームランを打たれたときには、本当にどうなるかと思った。良くぞ持ち直した。そのキッカケは、大谷も戦前自ら打てる利点を語っていたように、自身のバットからだった。第2打席の2点を返すライト線への強烈な2塁打は、大谷の執念の一打だったようにみえた。絶対自分のバットで取り返してみせるというオーラを感じた。

 

その大谷の執念の一打が、エンゼルス・ナインの闘志に火をつけた。マイク・トラウトは、3試合欠場明けのこのビッグショウに、初回から燃えていたと思うが、3回のアップトンとプホルスの連続ホームランは、彼等のプライドが打たせたように思う。ここで打たなきゃ男じゃねえ位の闘志で打席に入っていたんじゃないだろうか。奮闘している大谷へ、勝ちをつけてあげたい援護射撃に涙が出そうになった。ウォルシュの3安打も、イグレシアスの2安打1ホームランも、スズキの2安打も、フレッチャーの安打も、存在感だけで相手を凌駕するレンドンも、みんな大谷のハッスルプレーに火をつけられたように思えた。

 

そもそも、3番トラウトと4番レンドーンがスタメン復帰して、5番にブレイク中のウォルシュがいて、6番アップトンと7番プホルスのラインナップは、エンゼルスの強みそのものである強力打線。そこに油を注いだのが大谷だった。

 

ファイターズ時代、栗山監督が何度も説いてきた、「二刀流」の目的は、チームが勝つための最強兵器だ。今日の試合は、その二刀流シナジーの効果が存分に発揮されたゲームだったように思う。大谷の八面六臂の活躍とともに、エンゼルスの闘いも益々楽しみになってきた。

 

投手・大谷、2回以降は別人 1回は29球を費やしてストライク率38%、そこから4イニングは46球で67%※中日スポーツ

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ナイスガイな大谷翔平、イチローばりに球史に名を残すだろう…米国人担当記者が語る※スポーツ報知

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エンゼルスの大谷翔平投手(26)が25日(日本時間26日)、敵地のアストロズ戦「2番・DH」で先発。同点の8回にバックスクリーン右へ決勝の7号アーチを放った。本塁打争いのトップに立つのは日本人初の快挙となった。メジャー入りからずっと成長を見守ってきた大リーグ取材歴24年目、エンゼルス担当8年目の「オレンジ・カウンティー・レジスター」紙のジェフ・フレッチャー記者が大谷の魅力を語った。  

 

故障に苦しんだ昨年までと比べて、今年の大谷は体の状態がいいから、リラックスしているようだ。とても鍛えているから、以前よりもさらに体が大きくなったと評判になっているよ。取材を通じての印象だが、彼はとてもナイスガイだと思う。チームメートたちとも、たくさん冗談を言い合っているようだしね。私はメジャーリーグを取材するようになって20年以上たつが、世界中の一流選手がそろう最高峰の舞台で投打の二刀流が実現できるということは、本当に信じられないほどすごいことだと感じる。ただ、ルーキーだった2018年以来、けがなどがあって、その実力を十分に見せられなかったため、人々はそれがどれほどまれで、値打ちがあることかを分かっていなかった。今年は思う存分、二刀流としてプレーし、その貴重な姿を人々に見せることを心から望んでいる。シーズンが始まる前は打者としては打率2割6分、16本塁打、65打点、投手としては8勝、防御率4・24くらいと予想していたが、少なくとも打撃の方は上方修正しないといけない。私がこれまでに見てきた日本人のベストプレーヤーはイチローだが、大谷も球史に名を残すだろう。それくらい歴史的なことを今まさに、彼はやっているからね。

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槙原寛己氏 大谷、リアル二刀流の難しさと良さと ゲームの中での見事な修正は大きな収穫※スポニチ

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【槙原寛己 視点】リアル二刀流の難しさと良さ。両者が如実に表れた。初回裏の投球には、今日はどうなるのかと不安にさせられた。表の攻撃で二塁から長駆先制の生還。普通の投手なら、ダイヤモンドを全力で駆けてから先発マウンドに上がることはなかなかない。その弊害が出た。  

 

2週続けて対戦のレンジャーズ打線。前回抜群だったスプリットは当然頭にある。そこも考え、初回はスプリットをほとんど投げず、スライダーと直球で組み立てた。だが、スライダーは曲がりが悪く、腕が下がって顔や体から離れ気味に投げていた。これが直球にもリンクし、抜けるシュート回転が続いた。良い時はもっと上から投げ下ろす角度があった。  

 

ターニングポイントは2回の打席だろう。ゲームの行方をまた分からなくさせる2点二塁打。レベルが違いすぎて恐縮だが、私も経験がある。先発投手はヒットを打つと乗ってくる。気持ちも楽に、前向きになったはずだ。2回裏の投球からはほぼ完璧だった。  

 

ここまで見事に修正できたのは、精神面に加えて、ゲームの中で「この日の自分の球」を見つけられたから。右打者への「インスラ」、左打者には「バックドア」となるコースへのスライダー。ボールゾーンからストライクへ、曲がり幅の計算もできていた。逆のコースへの、右には外角低め、左には膝元へのスライダーは今一つだったが、この球が鍵になった。4回の2つの見逃し三振はいずれもこの球。スプリットは元々問題ない。真っすぐも指にかかればある程度どのコースでもファウルを奪える。このことを覚えれば、投球がもっと楽になってくる。  

 

まめの影響もあり降板したのか、まだまだ投げられそうだった。私自身はまめはほとんどできたことなく悩まなかった。体質もあると聞く。今後もローテーションで回ってほしいのはやまやまだが、今は打撃も状態がいい。登板間隔をうまく空けながら、マドン監督ならば上手にやりくりできるのではないか。  

 

これだけ投打に加えて走れば、誰でも疲れる。終盤の表情にものぞいた。それだけ他の誰にもできない凄いことをやっていることは間違いない。何よりもゲームの中で、これだけしっかり投球を修正できたことは大きな収穫になった。(スポニチ本紙評論家)

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【専門家の目】大谷翔平は「故障前と同レベルに戻っていると感じる」※日刊スポーツ

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日本を代表するTJ手術の権威は、ここまでのプレーぶりをどう見るのか。のべ300人以上のプロ野球選手の関節手術を執刀した横浜南共済病院のスポーツ整形外科・山崎哲也部長(59)に見解を聞いた。  

◇   ◇

 映像を見る限り、投球パフォーマンスは故障前と同レベルに戻っていると感じます。3年弱を要しましたが、勝利投手は打線などの兼ね合いも必要。医師の立場で判断材料にするのは、手術からメジャー復帰登板までの期間です。TJ手術の執刀例が圧倒的に多い米国の論文によれば、メジャー投手の完全復帰までの期間は術後平均約20・5カ月。大谷投手(664日)は2カ月ほど長いだけで、翌年に左膝も手術したことを考慮すれば、術後のスケジュールプランとしては決して遅くはないと思います。 TJ手術で本当に大変なのは、つらくて長いリハビリです。途中で痛みが出たりして、思うようには進まない場合もあります。同論文によれば、97・2%がマイナー戦で登板できても、メジャー復帰できたのは82・7%。5人に1人は本来の能力が戻りません。術後に「球が速くなる」というのは都市伝説的な面があり、リハビリの努力なくして完全復活は困難です。大谷投手はリハビリが肉体強化にもつながったようで、パワーなど打者のスケール感が増したような気がしました。 ただ体を大きくすることは、「二刀流」にすべてプラスに働くとは限りません。体重が増えると体は硬くなり、動きの切れも鈍りやすい。また、打者では有効な腕っぷしの太さも、投手では一定程度を超えると良さを消す可能性があります。ベストな「均衡点」は二刀流にしか分からない難しさがあります。一般的に右投げの場合、左打ちの方が右打ちより肘への負荷は大きいもの。体調面の不安が解消されても、肩肘のケアには引き続き細心の注意を払いたいです。
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大谷翔平、横滑り変化の“完璧バックドア”に米驚愕「常軌を逸脱」「打者は悪くない」※THE ANSWER

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米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手は26日(日本時間27日)、レンジャーズ戦に「2番・投手」で先発出場。打っては3打数2安打2打点、投げては5回3安打4失点で、2018年5月20日以来となる白星を手にした。大谷が投じた、外角ボールゾーンから鋭く曲がるスライダーの実際の映像を米記者が公開。米ファンからは「美しい」「常軌を逸脱している」などと反響が寄せられている。 【動画】「常軌を逸脱」「まじかよ…」と米驚愕! 外角から横滑りして見逃し三振…大谷が投じた“完璧バックドアスライダー”の実際の映像  大きな変化だった。大谷の4回のマウンド。2者連続三振を奪って迎えた左打者ホルトへ、最後は外角ボールゾーンから変化するスライダーを投じた。キレよく、変化量も大きい82マイル(約132キロ)が、横滑りするようにストライクゾーンへ曲がる。見事なバックドアに、ホルトは手が出なかった。見逃し三振に、大谷は跳ねるようにベンチへ向かった。  実際の投球映像を、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者が自身のツイッターに公開。「ショウヘイ・大谷によるエグいバックドアスライダー」と文面で紹介したほか、「ピッチングニンジャ」の愛称で知られる米国の投球分析家ロブ・フリードマン氏も「オオタニのバカげた82マイルのバック・フロント・スライダー」と記し、同様の動画を自身のツイッターで公開した。
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【佐々木主浩】大谷翔平3回から手首が立った 恐怖心与える荒れ球も武器に※日刊スポーツ

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正直、レンジャーズ戦の大谷のピッチングは評論するのが「難しいな」と感じる投球だった。1回は本塁打と3四死球などで4失点。ただ2回以降は1安打8奪三振と立ち直り1072日のぶりの勝利を挙げた。

 

2回以降、何が変わったのか。私が感じたのはリリース時の「手首の角度」だった。1回は右手首が寝てしまって、横振りのような形に見えたが、3回からは手首が立ったように映った。スプリットが真っすぐに落ち始めたのが、その証しだろう。

 

阪神藤浪もその傾向が出る時があるが、投手はスライダーなど変化球を大きく曲げようと意識しすぎると、手首が寝る場合がある。2回の最後の打者をスプリットで空を切らせて感覚をつかんだのか、手首が立ち、リリース時のインパクトが強くなったことで真っすぐも威力が増した。

 

前回登板(20日レンジャーズ戦)では、踏み出した左足が着地後に動きすぎることを指摘した。今回の登板でも大きく変わらなかったが、あの体の回転力で、あれだけのボールを投げるパワーを受け止めるには必要な動きで、左膝への負担を軽減するすべなのではないかと思い直した。「普通じゃない」出力を持ち、それをコントロールする方法も規格外なのではないか。

 

大谷自身は制球力を「5点」と自己採点したが、現状の投球では荒れ球は武器といえる。メジャーの打者も恐怖心からなかなか踏み込めず、ストライクゾーンで勝負さえできれば抑えられる。過去にも言ったがダルビッシュ、大谷はメジャーでも「力対力」の勝負ができる投手。荒れ球も現状のスタイルでいいだろう。

 

理想をいえば、体重移動時に軸足となる右足にもうひとタメ欲しいところ。フィニッシュの後に右肩が前に出て、つんのめってるような感じが消えれば、もう少し安定する。とにかく、プレーも結果も「次元が違う」。心配なのは体調面だけで、首脳陣がいかに負担を減らす起用をするかが、今後の二刀流のカギを握る。(日刊スポーツ評論家)

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【記者の目】大谷翔平はマメできても続投意欲 故障回避へ強い自制心が必要※日刊スポーツ

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エンゼルス大谷翔平投手(26)が18年5月20日のレイズ戦以来、1072日ぶりの白星を手にした。レンジャーズ戦で5回3安打4失点、9奪三振。DH解除のリアル二刀流として「2番投手」を担い、打っては2安打2打点3得点。6回の第4打席では日米で初のバント安打もマークした。

 

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その負けん気に、観客の声援が加わり、大谷はアドレナリン全開でプレーする。時にそれが、故障につながる原因にもなる。開幕直前の3月29日ドジャース戦で右手中指のマメがめくれ、中5日で4月4日ホワイトソックス戦に先発。降板前にマメは再発していたと明かしたマドン監督は言った。「彼はそのことを誰にも伝えていなかった」。

 

その後約2週間、先発ローテを外れる結果となった。3年前の18年6月6日ロイヤルズ戦では、異変があったにもかかわらず、5回のマウンドに上がろうとした。当時の捕手マルドナドがベンチの監督を呼んで交代。その後、右肘の張りを訴えた。

 

周りが気付かない時もある。ならば、自制が必要。大谷ももちろん「それはしなければいけない」と理解はしている。実際この日の登板でもスプリットによる小さなマメができたが「もう1イニングいけると思いつつですけど、中継ぎの皆もいるので交代するという感じになりました」とマドン監督と投手コーチに異変を伝え、75球で降板した。

 

度重なる故障で、まだメジャーではシーズンを通してプレーしたことがない。一方で、二刀流の調整は「僕にしか分からない」と言う。だからこそ、マドン監督との意思疎通と自制心が不可欠で、これが完全復活への鍵となる。【MLB担当 斎藤庸裕】

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