昨日の大谷翔平は、本拠地でのシカゴ・ホワイトソックス戦に2番DHでスタメン出場し、5打数無安打1三振だった。チームは、乱打戦を制し2連勝、勝率を5割に戻した。試合前には、正捕手のマーティン・マルドナド捕手がヒューストン・アストロズへ電撃トレードされたり、全日本女子バレーボールチームのメンバーが表敬に訪れたりと、大谷翔平にとっては慌ただしい一日となった。この試合は、日本時間の早朝に行われた為、久しぶりにライブタイムで見れたが、前日に放ったような大きな一撃は拝めなかったが、マルドナド捕手が電撃トレードされたこの日に、12年間マイナー生活だった苦労人、フランシスコ・アルシア捕手が昇格メジャーデビューし、早速ホームランを放った記念すべきシーンは見ることができたことは、今後のアルシア捕手への思い入れも持てて良かったと思う。

 

 さて、愛くるしい表情が印象的だった大谷翔平の女房役のマルドナド捕手がトレードされたことも衝撃だったが、その事実以上に、エンゼルスが今季のポストシーズンを諦めたようなトレードを敢行したことに驚きを覚えた。きょうから同地区2位で、ワイルドカード争いのライバルとなっているシアトル・マリナーズとの3連戦を前に、この措置をとったことが意外に思えた。故障者続出している背景もあろうから、圧倒的な快進撃をもって、逆転に転ずる可能性は低いと判断したのだろうか。このあたりの背景詳細を、早速、MLB現地事情に詳しいスポーツライターで近畿大学法学部非常勤講師の菊池慶剛氏がコラムにまとめてくれている。菊池氏のコラムによると、このトレードで今季のポストシーズンを諦めたエンゼルスは、ソーシア監督との契約更新は行わず、来季は新たな監督を迎えるのではないかということと、大谷翔平を招聘し二刀流を指示してきた、ビリー・エプラーGMも来季までの契約ゆえに、大谷翔平にとっても、今後の起用法や二刀流へのチャレンジに影響を及ぼしかねない事象ではないかと伝えている。

 

 普通の見立てたは全くその通りだろうが、今季すでにセンセーショナルな二刀流への可能性を充分発揮してみせた大谷翔平に、エプラーGM以上に二刀流チャレンジへの確約を行ったのではないかと言われる、オーナーのアルトゥロ・モレノ氏がいるかぎり、そこまで心配しなくていいのではないかと勝手に思っている。モレノ氏は、子供の頃から野球好きで、球団買収は永年の夢だったという。一野球ファンとして経営する姿勢はファンの間で高い支持を得ていて、例えばチケット価格や球場内のビールが高すぎるとして値下げに踏み切ったことはモレノ氏を語るエピソードとしてよく知られている。そんなモレノ氏が、二刀流の魅力やパイオニアとしての価値を見出し、熱望して獲得した大谷翔平を、仮に新たな監督を採用するとなった場合に、チームの戦略や采配の条件に入れない訳はないと思う。


 

大谷翔平、今季初の“5タコ” 正捕手放出のエ軍は“代役”の一発などで2連勝

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 エンゼルスの大谷翔平投手は26日(日本時間27日)、本拠地ホワイトソックス戦に「2番・DH」で2試合連続スタメン出場も、5打数無安打に終わった。チームは12-8で勝利し、2連勝を飾った。

 エンゼルスは初回にトロピアーノがアブレイユに先制ソロを浴びるも、その裏にカルフーンが同点ソロ。大谷は同点で最初の打席に入ったが、右腕コービーの内角高めへのツーシームに見逃し三振。前日から3打席連続見逃し三振に倒れた。

 トロピアーノは2回にもパルカにソロ本塁打を被弾。1-2となって迎えた3回、大谷は1死二塁の好機で打席に立つも、痛烈な打球は二塁手の正面に飛びニゴロに終わった。しかし、その後、アップトンにタイムリーが飛び出し、エンゼルスは同点に追いついた。

 4回にはキンズラーのソロ本塁打で1点を勝ち越し。大谷は5回先頭で第3打席を迎えるも、ここもニゴロに倒れる。だが、エンゼルス打線はこの後に好機を作り、シモンズの2点三塁打に相手失策が絡んで一気に3点を加えた。

 大谷は6回1死二塁の好機では2番手左腕セデーニョのカーブを打つも右飛。エンゼルスは7回にトロピアーノが3被弾で1点差に迫られるも、その裏にアルシアがメジャー初ヒットとなる3ラン。試合前に正捕手のマルドナードが同地区のライバル・アストロズに電撃トレードされたが、代わりにこの試合でメジャーデビューを飾った28歳のスタメン捕手が大仕事をやってのけた。大谷は直後の7回2死二塁の場面でも一ゴロに倒れ、今季初の“5タコ“。打率は.270に低下した。

 大谷に快音は響かなかったものの、エンゼルスはその後も追加点を入れ、前日の11得点に続いて12得点の猛攻。2連勝を飾った。
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 中田久美監督率いる全日本女子バレーボールチームが26日(日本時間27日)、大谷翔平投手が所属するエンゼルスの本拠地エンゼルスタジアムを訪れ、同選手を激励した。

 チームはアナハイムを拠点にしている米国代表と強化試合を行うため、21日に現地入り。この日は休養日だったため、同監督が久光製薬の監督時代に大谷が試合を観戦した縁で、この日の訪問が実現した。

 大谷との対面が決まった時の選手たちはかなり驚いたようで「『えーっ!』って感じでした。結構練習を詰めてここまできて久々のオフだったので、いい刺激のある、抜き過ぎないオフになると思います」と中田監督。試合前のフィールドで記念撮影を行い、サインをもらう選手たちを見ながら「夢に向かって挑戦するというのはすごく勇気、覚悟のいることだと思うので、違う競技ですけど、世代がそんなに離れていない人が一生懸命頑張っている姿を選手にも見せて東京2020(五輪)につなげたいなという思いがあります」と話した。

 チームは今月末まで米国に滞在し、8月にインドネシアで開催されるアジア大会、9月に開催国として迎える世界選手権に臨む。
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大谷女房役の正捕手マルドナード、アストロズに電撃放出「少し驚いたが…」

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 エンゼルスは26日(日本時間27日)、アストロズに正捕手のマーティン・マルドナードをトレードで放出したことを発表した。代わりにマイナーの若手左腕パトリック・サンドバル投手、25万ドル(約2780万円)のインターナショナル・ボーナスプール(海外若手選手との契約枠)を手にしている。

 マルドナードは昨季ゴールドグラブ賞を獲得した31歳。今季加入した大谷翔平投手の女房役としても信頼関係を築き、大きな役割を果たしていた。強肩を誇り、キャッチング技術も高く、打撃では今季打率.223、5本塁打、32打点の成績を残している。

 昨季世界一のアストロズは強打を誇る正捕手のブライアン・マッキャンが故障中。捕手の補強を画策していた。マルドナードは「少し驚いたが、同時に自分が(今季終了後に)フリーエージェントになることも分かっていた。そして、我々(エンゼルス)は思うようにプレーできていなかった。結局のところ、ビジネスなんだ。チームのためにベストを尽くさなくてはならない」と話した。

 メジャーでは、プレーオフ進出が厳しくなったチームが契約終了間近の主力を優勝を狙うチームに放出し、再建のために代わりに若手有望株を獲得するトレードが7月終了間際に活発化する。
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 エンゼルスの大谷翔平投手は26日(日本時間27日)、本拠地ホワイトソックス戦に「2番・DH」で2試合連続でスタメン出場し、5打数無安打に終わった。試合前には、女房役としてキャンプから信頼関係を築いていたマーティン・マルドナード捕手のアストロズへの電撃トレードが決定。ハグで別れを惜しんだ大谷は「たくさん勉強させてもらった」と元女房役に感謝した。

 チームが12得点を挙げた一戦で、大谷は“蚊帳の外”の5タコ。試合後には「今日に関しては自分の方の問題かなと思うので、しっかりどこが悪かったのかを考えて次につなげたいと思います」と淡々と話した。

 一方で、試合前にはメジャーならではの出来事もあった。7月末のトレード期限を前に、エンゼルスが正捕手のマルドナードを同地区のライバル・アストロズに電撃放出。代わりにマイナーの若手左腕パトリック・サンドバル投手、25万ドル(約2780万円)のインターナショナル・ボーナスプール(海外若手選手との契約枠)を手にした。

 キャンプ中からスペイン語も交えて多くの会話を交わしてきた女房役との別れ。試合前のクラブハウスでは、大谷とマルドナードがハグをかわす場面もあった。マルドナードは、報道陣から大谷との別れが寂しいかを聞かれて「もちろんだよ」と話したが、二刀流右腕は感謝の思いを明かした。

「個人的にはすごい残念ですけど、頑張ってほしいですし、同地区なのでまたやる機会もあると思うので。たくさん勉強させてもらいましたし、今度は向こう側で対戦した時にまた勉強になることもたくさんあると思います」

 大谷はこう話した上で、「最近投げられてなかったので、なかなかキャッチボールは……ブルペンもそうですけど一緒にやる機会はなかったので、できれば僕がマウンドにいて、マルドナード選手が打席に立てるように僕がしっかり頑張りたいなと思います」と、投手と打者としての対戦を“熱望“した。

 順調に行けば今季中に投手としても復帰できる可能性がある大谷。マルドナードが捕手として何度も止めてくれたスプリットで“恩返し”の三振を奪う場面も生まれるかもしれない。
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 エンゼルスのフランシスコ・アルシア捕手(28)が、メジャーデビュー戦で4打数2安打4打点、1本塁打と大活躍した。マーティン・マルドナド捕手(31)のアストロズ移籍が発表され、正捕手不在のチーム状況でアルシアが緊急昇格。いきなり「8番捕手」でスタメン起用された。7回1死一、三塁から右翼スタンドへ1号3ラン。8回にも適時打を放った。デビュー戦で4打点は球団初の快挙となった。12年間マイナーで過ごし、今季初めてメジャーに昇格したアルシアは「素晴らしい瞬間。ずっと長い間、この時を待っていた。ポジティブに、ここ(メジャー)でプレーするためにやってきた。自分を誇りに思う」と目を潤ませ、感慨に浸った。今季終盤戦でバッテリーを組む可能性がある大谷翔平投手(24)も、アルシアの大活躍を笑顔で祝福していた。
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 7月31日のトレード期限(あくまでウェーバー無しでチームが自由にできるトレード)が迫る中、エンゼルスが現地26日、正捕手であるマーティン・マルドナド選手のアストロズへのトレードを発表した。

 今シーズンのマルドナド選手はトレードされるまで、103試合中77試合で先発捕手とを務め投手陣を牽引した。特に大谷翔平選手とは登板した9試合中8試合でバッテリーを組み、6月6日に右ヒジ内側側副じん帯を損傷した際も、真っ先に大谷選手の異常に気づいた良き理解者でもあった。マルドナド選手を失った影響は決して小さくないだろう。

 今回のトレードは、負傷離脱中の正捕手のブライアン・マキャン選手の穴を埋めたいアストロズの補強策であり、エンゼルスが見返りに獲得したのは今シーズン1Aに所属していた21歳左腕投手と外国人選手契約金プール(大谷選手の際にも契約金として使用されたプール資金)を補充する25万ドルだという。この「主力選手を放出して有望選手を獲得する」という構図は、まさにエンゼルスが今シーズンのトレード市場で“売り手”に回ったことを意味するものだ。

 トレードを報じたMLB公式サイトも冒頭から、「エンゼルスが渋々ながら売り手としての運命を受け入れたように見える」としている。言い換えれば、ア・リーグ西地区で首位アストロズに15ゲーム差つけられ4位に甘んじ、ワイルドカード争いでも10ゲーム差離されている現状を考慮した上で、エンゼルスが今シーズンのプレーオフ進出を諦め、その照準を来シーズン以降に切り替えたということになるのだ。

 これにより俄然注目を集めることになりそうなのが、マイク・ソーシア監督の去就問題だ。本欄でも今年1月の段階で『大谷翔平に託された名将マイク・ソーシアの命運』を公開している通り、シーズン終了後に契約が切れるソーシア監督は、プレーオフ進出を至上命題として今シーズンに臨んでいたといってもいい。しかもこのオフは大谷選手をはじめ大型補 強を断行し、高い評価を受けながらシーズン開幕を迎えていた。にもかかわらず、こんな早い時期にプレーオフ進出を諦めざるを得ない状況に陥ってしまったのだから、ファンを含め周囲の失望感は計り知れないだろう。

 さらに2009年1月に10年間の契約延長を結んだ際のソーシア監督は、指揮した9シーズンで5度のプレーオフ進出を果たし、そのうち2002年にはワールドシリーズ制覇も達成したほどの名監督ぶりだったが、契約延長後は2014年に地区シリーズで敗退したのを最後に、たった2度しかプレーオフに進出できていないのだ。やはり現役監督として最長の19年間指揮してきたソーシア政権に赤信号が点滅し始めたと見て間違いない。

 もしソーシア監督が勇退となれば、それに伴い来シーズン以降の大谷選手の起用法も微妙に変わってくることになるだろう。もちろん大谷選手獲得で中心的役割を果たしたビリー・エプラーGMがいる限り、二刀流に前向きな新監督を招聘することになるのは間違いない。しかし登板間隔や指名打者としての起用法など、すべてにおいてソーシア監督を踏襲するとは限らない。

 しかも、だ。実はエプラーGMも来シーズンで契約が切れるのだ。ジェリー・ディポト前GM(現マリナーズGM)を引き継ぎヤンキースから引き抜かれたエプラーGMも、ここまで決して期待通りのチーム運営をできているわけではない。このままチームが低迷を続け、彼も来シーズン限りでチームを去るようなことになれば、大谷選手の二刀流を支えてきた体制が崩れてしまいかねないし、投打の起爆剤になるはずだった大谷選手の二刀流としての起用そのものが見直される可能性も否定できない。

 現時点ではマルドナド選手がアストロズにトレードされたに過ぎないが、それが意味するもの、今後チームにもたらすものは相当に大きいと考えるべきだ。優勝争いとは別の視点で、シーズン後半戦のエンゼルスに注目せざるを得ないようだ。

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