きょうのエンゼルスは、敵地でのレッドソックス戦に6対9で敗れ、今季2度目の5連敗。試合は、2回に先発ヒーニー投手が6点を失う苦しい序盤戦から、7回にはシモンズ選手のタイムリー等で一時は同点に追いついたが、その裏には中継ぎ5番手のアルバレス投手が2失点を許し、連敗ストップとはならなかった。大谷選手がDL入りした今月6月8日からは、6勝12敗と大きく負けが先行し、残念な状況ではあるが大谷選手の存在価値の大きさを物語る結果となっている。

 

 明日に、大谷選手の再診断を控えている最中、エプラーGMは、MLBネットワークのラジオに出演し、診断に問題が無ければ、打者としての復帰の可能性が高い主旨の発言を行ったことを、各メディアが報じている。そして、東スポ電子版では、今年巨人に再入団した上原投手がオールスターに選ばれた取材コメントを拾っている最中に、大谷選手の現況についてもコメントを拾っている。注目すべきコメントは、大谷選手の故障要因として度々話題がのぼる「変化球の多投説」に関して、真っ向から反論している点である。上原投手は、「スプリットやスライダーで痛めたという話は違うと思いますよ。スプリットでヒジを痛めると言いますが、僕は今もそればっかり投げているけれど、ヒジにメスは入れていない。だからその理論は違うと思っている。」とコメントし、上原投手が考える故障要因は、「環境の変化と、やっぱりボールが滑るっていうのが一番でしょう。滑ることによって(より強く)ボールを握らないといけないんでね。握るっていうことはヒジに負担がかかるんです。」ということで、滑り易いボールの変化が肘に影響したのでは、という説を強く唱えている。これは、しばしば渡米1年目の日本人投手が陥っている状況を鑑みれば、大きな有力説と考えられるかもしれません。この要因を解決するためには、メジャーのボールに慣れて、肘の使い方をメジャー流にアジャストすることが必要なのかもしれません。大谷選手の得意とする適応力を発揮すれば、上原投手のように変化球を多投しても問題がおきない身体の状態をつくることができるかもしれませんね。

 

エンゼルスGM明言「大谷は打者として復帰」

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 エンゼルスのエプラーGMはMLBネットワークラジオに出演し、右肘内側側副靱帯損傷のため10日間の故障者リストに入っている大谷翔平投手(23)について「今月初めに受けたPRP注射の効果がどうであれ、打者として復帰することになりそうだ」と語った。また、同GMは大谷が今季中に登板することを望んでいるものの、投手としての復帰ができなくてもDHとして出場させる方針を固めていることも明かした。チームの遠征に帯同していない大谷は28日(同29日)にロサンゼルスで再検査を受ける。ソーシア監督も「グッドニュースが入ることを望んでいる。投げる前に、バットをスイングできるのではないかと思うが、これは私が感じていること。次のステップに関しては、メディカルスタッフが我々にどのような指示を出してくれるのかを待つ」とまずは打者での復帰を期待する。前日の時点で貯金2、ア・リーグ西地区4位と苦しむチームを救えるのは大谷しかいない。
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 右肘側副じん帯の損傷で故障者リスト(DL)入りしているエンゼルスの大谷翔平選手(23)が、シーズン中のトミー・ジョン(靭帯再建)手術を回避し、今季は、少なくとも打者として復帰する可能性が出てきた。27日(日本時間28日)にエンゼルスのエプラーGMがMLBネットワークラジオに出演、「球団医は、もしDH専念なら、すぐに復帰できた」と発言したことを受けて、球団公式サイトは、同日、「(PRP治療の)結果がどうあれ、打者として復帰しそうだ」と一度報じ、その後同サイトから削除されている。

 同番組中に、エプラーGMは「球団医は、もしDHだけなら、すぐに復帰できたが、投手としても期待しているので、PRP治療の措置を取った。それは、損傷が癒えるように、(同治療で安静が必要な)3週間の猶予を買ったようなものだ」と発言。少なくとも打者としての戦列復帰が可能とみている。

 トミー・ジョン手術からの復帰には個人差があり、通常1年から1年半と言われている。今すぐ手術に踏み切っても、シーズン終了後に手術を受けても、復帰は2020年のシーズンとなるタイミングの問題もある。そのため、手術の可能性は残しつつも、とりあえず、今季残りのシーズンを打者専念で全うするという報道になったようだ。

 エンゼルスのソーシア監督は同日、遠征中のボストンでのレッドソックス戦の前に、記者に対応。「その記事はみていないが、私自身も投げることより、打つ方が先に可能になるとは考えている。木曜日(28日)の再検査結果を受けて、次のステップへの方向性が出るだろう。いいニュースが聞ければいいと願っている」と語った。
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「打者・大谷」の復帰浮上 エンゼルス監督が見解「確かにそう思っている」

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 右肘内側側副靭帯損傷で故障者リスト(DL)入りしているエンゼルス・大谷翔平投手は、打者として先に復帰するのか。ビリー・エプラーGMが「打者・大谷」の起用に前向きな姿勢を見せたことを受け、マイク・ソーシア監督も同様の見解を示している。米記者が伝えている。エプラーGMは27日(日本時間28日)にMLBネットワークラジオに出演した際、今季、指名打者(DH)として復帰する可能性が高いことに言及。球団側は大谷を今季再びマウンドに送る希望をもって多血小板血漿(PRP)注射などの処置を選択したと説明し、DHだけの起用ならすでに医師から許可が出ていた可能性があることも明かした。この発言は米国でも一斉に報じられており、これを受け、MLB公式サイトのエンゼルス番を務めるマリア・グアルダード記者は自身のツイッターでソーシア監督の見解を速報。指揮官は「彼は木曜日に検査を受ける。そして、いい知らせが聞けることを願っている。自分の感覚に過ぎないことだが、彼が投手として出場する体勢が整う前に、打者として出場することになると確かに思っている。医療スタッフからの指示を待って、次のステップがどうなるか決めていく」と語ったという。28日(同29日)に右肘の再検査を受ける予定の大谷。注目の診断を前に、「打者・大谷」に関しては復帰に前向きな見解が示されている。
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 エンゼルスは27日のレッドソックス戦に6―9で敗れ、今季2度目の5連敗を喫した。エンゼルスは4―6とビハインドの7回に6番・シモンズの適時二塁打などで同点。しかし、その裏に登板した5番手・アルバレスが2失点、さらに6番手・ジュエルも1失点を喫して連敗ストップとはならなかった。今季のエンゼルスは3月、4月を16勝12敗と勝ち越したが、5月は14勝15敗と負け越し。6月もここまで11勝13敗と苦戦しており、大谷が故障者リスト入りした8日からは6勝12敗と大きく負け越している。
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11年ぶり選出!上原が語った「球宴の重み」と「大谷観」

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 日米の夢舞台を経験したレジェンド右腕が語る“球宴の重み”とは――。巨人・上原浩治投手(43)が「マイナビオールスターゲーム2018」(7月13日=京セラ、14日=熊本)のファン投票セ・リーグ中継ぎ投手部門でトップ選出された。ただ11年ぶりの出場にも、その胸中は複雑。球宴の価値を巡る熱い思いを告白した。またメジャーで苦闘する後輩右腕へ向けては“上原節”で厳しくも温かいエールを送った。

 ぶっちぎりのトップ選出にも上原の顔に笑みは浮かばなかった。球宴ファン投票の最終結果を受けると「複雑な気持ちが一番です」と率直なコメントを発した。

 今年の舞台は地震で被害を受けた熊本と大阪。それだけに出場意義は感じている。会見では「出るからには結果を出したい」と話した。ただ上原にとっての球宴は、最高の選手たちが最高のプレーを披露する場。自分は出場に足る結果をまだ残せていない。選出に「複雑」と反応したのはそんな心境からだった。

 球宴への思いを本紙にはこう明かした。

「選んでもらったことに関してはうれしいし、本当にありがとうございます、という気持ちです。でも本来、僕は出るべきではない。オールスターは僕の中では真剣勝負。成績を残した上位の人たちだけでやってほしいな、と思っていますから。もっと価値を高めていかないといけない。そういう思いはすごくある」

 上原にとって、忘れられない経験がある。レッドソックス時代の2014年、メジャー6年目でア・リーグ選抜として米オールスター戦に初出場した。そこでMLBのスター選手たちが笑顔を浮かべることなく、必死にプレーする姿に感銘を受けた。

「日本と違って1試合しかないし(出場するのは)30球団の中から選ばれた人たちですから。(選手は)本当に名誉として受け止めている。実際に試合も真剣勝負だしね。うれしいけれど、楽しめるほどじゃない。シーズンのようなドキドキ感がありましたね」

 近年はNPBでも選手を中心に球宴は1試合制にすべきとの声がある。上原は「ファンにとっても、選手にとっても、すごい価値があるものだっていうふうにしないと。『選ばれたい』って心の底から思われるようなものにしてほしい、というのはあります」と球宴の価値向上を願った。

 その上原も出場した米オールスター戦への出場が期待されていたエンゼルス・大谷翔平投手(23)が、今月上旬アクシデントに襲われた。右ヒジ内側側副靱帯を損傷して故障者リスト(DL)入りし、現在はPRP(多血小板血漿)注射を受けて経過観察中となっている。

 実は大谷が華々しいデビューを飾った開幕当初から、上原はプレーに注目しつつも先を案じていた。

「活躍は素直にすごい。けれど、まだ始まったばかり。これが果たして3か月、4か月と続くかどうか…」

 では起きてしまった現実を今、どう見ているのか。

「やっぱりそうなってしまったか、というね。予想通りといえば、予想通りなのかな」と語ると、熱狂する周囲へ向けてけん制球を投げた。

「2か月、3か月の結果でみんな騒ぎすぎだよね。厳しいようだけれど、やっぱり選手は1年間やってナンボなんですよ。だからイチローさんというのは“バケモノ”なんです。けがをせずに1年間やり続けることの方がより評価されるようになっていかないとね」

 シーズン通じてパフォーマンスを発揮する難しさを知るからこそ、現状の大谷を評価はできない。自身もオリオールズでの1年目は故障に苦しんだ。6月に右ヒジ腱の部分断裂が判明し、手術は回避したものの以降のシーズンを棒に振った。湿度や球の違い、スプリットの多投…、様々な原因がささやかれたが、当時の自分と大谷を重ねて上原はこう分析する。

「環境の変化と、やっぱりボールが滑るっていうのが一番でしょう。滑ることによって(より強く)ボールを握らないといけないんでね。握るっていうことはヒジに負担がかかるんです」

 一方で変化球の多投説には真っ向から反論した。

「スプリットやスライダーで痛めたという話は違うと思いますよ。スプリットでヒジを痛めると言いますが、僕は今もそればっかり投げているけれど、ヒジにメスは入れていない。だからその理論は違うと思っている。いまだにアメリカはそのへんの考え方が遅れているね」

 クールな現状分析は、日米の荒波を乗り越えてきた先輩から後輩へのエールに聞こえる。

「僕の立場では『頑張ってください』しか言えませんよ。ただ経験していけば、どんどん成績も安定して収めていくだろうし、彼の場合は今年が勝負なわけじゃない。評価もまだできないでしょう。(投手と野手)両方やるのか、片方やるのか。どうなるかは分からないけれどもね」

 自身11年ぶりとなる日本の球宴で、上原はどんな姿を見せてくれるのか。そして右腕も注目する大谷の今後はどう展開していくか。
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