【5/13 Game043 vsSF ◯】3勝目!7回0封8K「投げ心地が、今のところ良い」
2026年5月14日-------------------------------------------------------------■ 今日の大谷翔平-------------------------------------------------------------【試合概要/公式戦】米国時間:2026年5月13日日本時間:2026年5月14日(木曜日)11時10分開始ロサンゼルス・ドジャース対サンフランシスコ・ジャイアンツ@ドジャースタジアム【スタメン】投手限定※ロバーツ監督はこの日の試合でDHから外れ、今季4度目の投手専念日となった大谷について、試合前に言及。「体を少しリセットするために数日与えたいということ。2日休んだからといって、昨夜やっていたことから外れてしまうとは思わない。彼は自分の体やメカニックに非常に敏感な選手。目的は体を少しリセットさせること」「(前日の打撃に関して)昨夜の3打席は、しっかり捉えていたし、逆方向に本塁打を打った。正しい方向に進んでいると思う。本人もあの一本にはかなり喜んでいた」【出場成績/投手】7回 105球被安打4 奪三振8 四死球2 失点0 自責点0今季3勝2敗 防御率0・82 QS7(連続) 🙌最強投手 #大谷翔平 今季3勝目! 今季最多の105球を投じ 7回4安打無失点8奪三振🔥 🥇防御率0.82はダントツでメジャートップを維持しています!!#日本人選手情報 日本人選手のハイライト映像は 公式YouTubeチャンネルでチェック👉https://t.co/KlupB0F2Sq pic.twitter.com/44DLAJo4X1— MLB Japan (@MLBJapan) May 14, 2026※大谷翔平が7回4安打無失点8奪三振と好投し、防御率0・82でメジャートップに立った。4-0の7回、1死からアダメス、チャプマンにこの試合初めて連打を浴び一、二塁のピンチを背負った。それでも次打者・ギルバートをスイーパーで中飛に打ち取ると、二塁走者・アダメスがアウトカウントを間違えていたのか、三塁に向かって走っていたため戻ることができず、併殺プレーでピンチをしのぎ、右拳を高く突き上げ喜んだ。ベンチに戻ると、ロバーツ監督とグータッチ。笑みを見せた。※大谷翔平が〝うっかりミス〟でボークを取られた。3回二死、アラエスに四球を与えると、大谷はなぜかワインドアップのモーションに。すかさずアラエスが走ったことで二塁に送球したが、ボークを取られてしまった。走者がいればセットポジションのところだが、大谷は走者の存在を忘れていたようで、バツが悪そうに顔をしかめている。しかし、続くラモスを中飛に仕留め、4回から5回にかけて4者連続三振に仕留めるなどギアを上げた。アラエスとは攻守交代の際に顔を見合わせて苦笑い。 Nasty movement on Shohei Ohtani's sweeper 😮💨 pic.twitter.com/5luT1iOK0n— MLB (@MLB) May 14, 2026 Shohei Ohtani. Gr8tness. pic.twitter.com/lOTiNZdWmX— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) May 14, 2026 Shohei Ohtani had it all working tonight 🔥 https://t.co/wvXqN5iXpG pic.twitter.com/5ZMZJq0m2S— MLB (@MLB) May 14, 2026 Freddie Freeman makes a slick play 👏 pic.twitter.com/SkezlRRWi5— MLB (@MLB) May 14, 2026 Shohei Ohtani strikes out the side with paint! 🎨 pic.twitter.com/UDBxUnAygc— MLB (@MLB) May 14, 2026【コメント】◯ 試合後メディア対応――どんなプランを持って登板を?「自分のやるべきことを重視しながら、相手の打線の反応を見て、ウィルと話してコーチと話してやっていきました」ーースイーパー多かった。打者反応見て?「投げるべき時は投げるし、単純にボールのキレがいいか悪いかってところもあるので、その点で言えば悪くはなかったです」ーー防御率が0・82に「投げ心地が今のところ良い。今日もランナーたまった場面、最後のフライもそうですけど、抜けるかどうかでそこは数字は大きく変わってくるので、あまりまだ気にする段階ではないかなと思います」――二刀流、復帰シーズン配慮しながらだが「今のところケガなく来てるのはいいことですし、オフェンス側でそこまでチームの助けに今のところなっている場面が少ないので、そこがしっかりと自分の形に納得できる形に戻ってくれば、よりチームに貢献できるんじゃないかなと思います」――今日は打者として出ないが決断に納得してるか「そこはいろんな人と話しながら休みをいれる時は入れながら、最後の昨日の打席なんかは比較的良かったと思うので、明日のオフを利用しながら自分の納得できる形を出た時にできれば、有効に使えるんじゃないかなと思います」――年齢重ねて二刀流の負担は難しくなってきているのか「どうなんですかね。今が一番いいと思っていますし、まだまだ若いと思っているので、頑張りたいなと思います」――今日明日と打者休み。どう過ごす「休みももちろん大事ですけど、やることはしっかりやって、また次出た時にそれが発揮できるように、そういう日にしたいなと思います」――打撃不調は投球へのプレッシャーは「もちろんどっちも絶好調にこしたことはないですけど、逆を言えばどっちかで勝利に貢献できるポイントってのがあるって切り替えの一つになるので、そういう意味では打撃が悪くてもマウンドで貢献したいなって気持ちで毎回、マウンドにはいってます」――球の質、ピッチング組み立て、これまでと比べて今がベストなのか「前回は点取られましたけど、ボールの質的には前回の方が良かったと思うので、トータルで見たら今年はいい投げ心地の年なのかなと思いますけど、そうやって1試合1試合、感覚がちょっとずつ代わったりするので、バッティングもそうですけど、いいのを継続するのはそれだけ難しいことではあるのかなと思います」――打撃が崩れてしまった原因は自己分析は、死球、WBC、連続出塁など「単純に実力不足なんじゃないかなと思いますし、好調もあれば不調もあると思いますけど、そういったものも含めて実力のうちだと思うので、そういったものを長引かせない引き出しの多さであったりとか、好調を長く維持できる引き出しの多さであったりとか、そこも含めて選手としての力量なのかなと思っています」――昨日のHRはゾーン外の難しいボール「いろいろ試しながら、これがよくなるんじゃないか、あれがよくなるんじゃないかなって過去に経験してきた失敗も含めて、どういう失敗が多い時はこういうふうな意識の方がよくなるんじゃないかって試しながらいったときに、一昨日はそれが良い方向に出てはいました」――スパイクロゴにデコピンもいて長女も1歳になった。デコピンは家族でどんな存在か「スパイクはまぁ、毎回そこにあるので、特に変わってはないですけど、1年でも長く生きて欲しいなって、ただそれだけですね」【NEWS】◯今季3勝目を目指したマウンドは、愛犬のデコピンが刺繍されたスパイクを履いての登板。家族愛溢れる“装備”にMLBも公式Xで反応。「ショウヘイ・オオタニが履いているスパイクの舌革部分にはデコピンの写真が描かれている」と、スパイクの拡大写真を公開した。◯MLB公式サイトのサラ・ラングス記者はナ・リーグで防御率が公式記録となった1912年以降、開幕7先発の防御率では1981年フェルナンド・バレンズエラがマークした0.29に次ぐ史上2位の記録と伝えた。大谷は7先発で4度目の自責ゼロとなった。今季は44イニングでわずか4点しか自責を許していない。 今回、取材して大谷投手の2026年バージョンのピッチングフォームを生で前、横、上から見て感じたことがいくつかありました。 ①ピッチャーズプレートは1塁側の最も端を踏む。しかも、つま先がセンター寄り、かかとがホーム寄りに斜めに入る… pic.twitter.com/xNW9R6yORF— 田中大貴 Inflight.Co.,Ltd/sports anchor (@daiki_1980) May 14, 2026-------------------------------------------------------------■ 試合データ-------------------------------------------------------------【戦評】 翌日に今季初の休養日が設けられることが明言されているドジャースの大谷翔平が投手専念で本拠地でのジャイアンツ戦に先発。立ち上がりにピンチを招いたが、そこを無失点でしのぐと、その後はスイーパーが冴えてジャイアンツ打線を寄せつけず、7回4安打無失点、8三振、2四球の好投を見せた。打線の援護もあり、今季3勝目をマーク。防御率はメジャートップの0.82となった。 大谷は今季ここまでとは打って変わって、打者の左右を問わずフォーシームとスイーパーを中心に据えるスタイルでジャイアンツ打線を抑えた。初回、2死から3番エリオット・ラモスへの四球と4番ラファエル・デバースのヒットで一、三塁とされたが、ここでギアを上げ、若き長距離砲の5番ブライス・エルドリッジを100マイル(約161キロ)の直球で追い込み、最後はひざ元へのスイーパーで3球三振に仕留めた。 立ち上がりを無失点で切り抜けた大谷はそこから調子を上げ、四回には先頭のデバースから3者連続で三振を奪うなど、ジャイアンツ打線を寄せ付けず。フォーシームとスイーパーで4つずつ、計8つの三振を奪う力投で危なげなく試合を進めた。 大谷を援護したい打線は三回、先頭の9番サンティアゴ・エスピナルがジャイアンツ先発のロビー・レイの真ん中付近への直球を引っ張り、左中間への1号先制ソロ。続く1番ムーキー・ベッツも甘く入った直球を捉えてレフトスタンドへ負傷者リストからの復帰後初アーチとなる3号ソロを放ち、2者連続本塁打で2点をリードした。 四回には無死二塁から6番テオスカー・ヘルナンデスが外角低めの変化球をバットの先で上手く外野へ運び、ライトへのタイムリーでリードを3点に広げると、さらにチャンスが拡大し、8番アレックス・コールの犠牲フライでさらに1点を追加した。 援護点をもらった大谷はその後も安定感のある投球を続けたが、七回に6番ウィリー・アダメスと7番マット・チャップマンに連打を浴びて1死一、二塁のピンチに。ここで8番ドリュー・ギルバートの打球は左中間への大きなフライとなったが、フェンス際で中堅手のアンディ・パヘスが捕球。二塁走者のアダメスが大きく飛び出しており、これが併殺となってピンチを切り抜けた。 その後はタナー・スコット、カイル・ハートがそれぞれ1イニングをいずれも走者を背負いながらも無失点で抑え、完封リレーを完成させた。大谷は2登板続けて7イニングを投げ切り、4月15日(同16日)のメッツ戦以来およそ1カ月ぶりとなる白星。ドジャースは連敗を「4」でストップした。※「MLB.JP」【コメント】デーブ・ロバーツ監督:(試合後)ーー大谷について「今日は速球で攻めていたと思います。ファストボールが本当に良かった。勢いがありましたし、99マイルも何度も出ていた。打者を圧倒していました。アラエスは彼に対していい打席をいくつか見せましたが、それ以外はかなり支配的だったと思います」ーー7回100球を超える起用について「もし打者として出場していたら、そこで降ろしていたかもしれません。ただ今日は打席に立っていなかったですし、登板前にも少し余裕があり、次回までにも休みが取れる見込みでした。そういう計算もあります」ーー開幕から高いレベルで投球を維持していることについて「彼は野球界最高の投手になりたいと思っている。そして今、それを実行しています。準備の部分に非常に集中しているのが分かりますし、登板日にはそれをしっかり遂行しています」ーー大谷が打撃不振だからこそ、投球への責任感が強くなっていたのか「彼は打者として数字を残そうとしている。でも状態が良くない時は難しい。打者として苦しみ、感覚が良くない時は大変。一方で、投手としては試合を支配できる。チームも苦しんでいたし、彼はこの連敗を止めることを自分の責任として受け止めていたと思う」ムーキー・ベッツ内野手:「どんどんストライクを投げ込んでいたし、四球も(あまり)出さなかった。だって、ショウヘイだからね。彼についての言葉は尽くされている。『ザ・ベスト』だ」「ただ、ヒットを打って、チームを助けようとしただけ。ここ最近、チーム全体として苦しい状況が続いていたから。自分が力になれるのは分かっていたし、それができてよかった」 ベッツ、大谷翔平の投球について 「彼についてはもう言葉では言い表せないよ。まさに『He’s the best(最高の選手)』 「ストライクをどんどん投げていたね。四球も少なかったし、まあ彼はショウヘイだからね」 https://t.co/FF1yaI5VGq— 【SS】大谷速報&スポーツ速報 (@30R9gmaMUy3guDJ) May 14, 2026ウィリー・アダメス内野手:「(結果的に大谷を救う痛恨の走塁ミスを犯した)アウトの数を見失ってしまったんです。読みも間違っていました。もちろん、試合であってはならないミスです。試合でこれほど恥ずかしい思いをしたことはありません。あんなミスは絶対にしてはいけないと分かっています。私のミスです。私の責任です」「(ミスを犯す直前、二塁上で相手遊撃手のベッツと雑談を交わしていた。集中力に問題があったという指摘もある)いつもそうしているんです。もしそれが原因なら、2日に1回はミスをしていることになります。完全に私のミスです。あってはならないことです。言い訳はできません」トニー・ビデロ監督:「彼はいつも集中力が高い。常にハイテンションでアグレッシブにプレーする。だから、それが今回のミスに影響したかどうかは分からないが、明らかに読み間違いだったのだろう」-------------------------------------------------------------■ 注目記事&コラム-------------------------------------------------------------◆サイ・ヤング賞は“夢物語”から“本命級”へ(ゴジキ/ヤフーエキスパート)###日本時間5月14日、ドジャースの大谷翔平はジャイアンツ戦で7回105球、4安打無失点、2四球、8奪三振の快投を見せ、チームの4連敗を止める4-0勝利に導いた。今季3勝目を挙げ、防御率は0.82。今季7登板すべてでクオリティースタートを達成し、規定投球回にも再到達した。投手専念で臨んだこの登板は、単なる好投ではなく、2026年の大谷が本気でサイ・ヤング賞と投手タイトルを狙えることを示した一戦だった。サイ・ヤング賞は“候補”ではなく“中心グループ”現時点での大谷の投手成績は、7登板、44回、防御率0.82、50奪三振、WHIP0.82。MLB公式の選手ページでも、44回、50奪三振、WHIP0.82という数字が掲載されている。被打率も.161で、走者を出さず、三振を取り、長いイニングを投げるという、サイ・ヤング賞候補に必要な要素をほぼすべて満たしている。5月中旬時点で防御率0点台というだけなら、まだ“小サンプルの快記録”で片づけられる。しかし大谷の場合、7登板すべてで6回以上を投げていることが大きい。短いイニングで防御率を守っているのではなく、先発として試合を任され、その中で失点を抑えている。これがサイ・ヤング賞レースでの説得力になる。最優秀防御率:現時点では最有力。ただし最大の敵は規定投球回最も現実味があるタイトルは、最優秀防御率だ。5月14日時点の0.82はMLB全体トップと報じられており、同じナ・リーグの有力候補と比べても圧倒的に低い。たとえばポール・スキーンズは防御率1.98、ブライス・エルダーは1.81、クリス・セールは2.20、クリストファー・サンチェスは2.11。大谷は現時点で、彼らに大きな差をつけている。ただし、防御率タイトルには規定投球回という壁がある。MLB公式の規定では、投手が防御率などの率系タイトルで対象になるには、チームの予定試合数1試合あたり1.0投球回が必要になる。つまりフルシーズンなら基本的に162投球回が目安になる。大谷はここまで44回。162回に到達するには、残り118回が必要だ。今季の大谷は1登板平均約6.3回を投げているため、このペースならあと19登板ほどで規定到達ラインに乗る。逆に言えば、登板間隔を広げすぎたり、投手専念日を増やしても登板数そのものが減ったりすれば、防御率タイトルの最大の障害は相手投手ではなく、投球回になる。奪三振王:可能性はあるが、現時点では追う立場奪三振タイトルは、現時点ではやや難しい。大谷は44回で50奪三振。奪三振率は9回あたり約10.2で十分に高いが、ナ・リーグの上位にはミジオロウスキーの80奪三振、サンチェスの67奪三振、今永の59奪三振、セールとスキーンズの56奪三振がいる。大谷は投球回が少ないぶん、積み上げではまだ後ろにいる。奪三振王を狙うには、2つの条件が必要になる。まず、登板数を25~27試合程度まで伸ばすこと。次に、今回のような8奪三振ではなく、10~12奪三振の登板を何度か作ることだ。大谷にはその能力があるが、二刀流の負荷管理を考えると、球団が毎回100球超を許すとは限らない。そのため、奪三振王は「狙えるが、本命ではない」という位置づけだ。サイ・ヤング賞を取るには奪三振王である必要はない。防御率、WHIP、投球回、試合支配力で高評価を取れれば、奪三振数でリーグ3~5位程度でも十分に受賞候補になる。最多勝:タイトルとしては厳しい状況最多勝は、現時点では最も読みにくい。大谷は3勝2敗。内容だけならもっと勝ち星が増えていても不思議ではないが、前回アストロズ戦では7回2失点でも敗戦投手になっている。勝利数は本人の投球だけでなく、援護点、ブルペン、試合展開に大きく左右される。ナ・リーグではセールやスキーンズがすでに6勝を挙げており、勝利数だけなら大谷は追う立場にある。大谷が最多勝を取るには、今後も7回前後を投げ続けるだけでなく、ドジャース打線が登板日に安定して援護する必要がある。サイ・ヤング賞の可能性に比べると、最多勝の可能性はかなり低めに見るべきだ。投手三冠:防御率は本命、奪三振と勝利数が壁投手三冠、つまり勝利数、防御率、奪三振の3部門制覇は、現時点ではかなりハードルが高い。防御率は本命級。だが、奪三振では上位を追っており、勝利数でも差がある。特に勝利数は本人の支配外の要素が大きく、二刀流運用によって登板数がやや抑えられる可能性もある。したがって、現実的なタイトル優先順位はこうなる。最優秀防御率が最も有力。WHIP、被打率系のリーダー争いもかなり有望。サイ・ヤング賞は本命グループ。奪三振王は追走圏。最多勝と投手三冠はかなり難しい。サイ・ヤング賞で最大の武器になるのは“安定感”サイ・ヤング賞は単一のタイトルではなく、投手としての総合評価だ。その意味で、大谷の最大の武器は防御率0.82そのものだけではない。開幕から7登板連続QS、44回で自責点4、50奪三振、WHIP0.82という安定感が強い。今回のジャイアンツ戦も、ただ無失点だったわけではない。初回に一、三塁のピンチを背負いながら無失点で切り抜け、4回には3者連続三振。7回には連打を浴びたが、守備にも助けられながらゼロで締めた。良い日だけ圧倒するのではなく、危ない場面でも失点しない。これは投票者にとってかなり印象が良い。内容指標も“上振れだけ”ではない防御率0.82はさすがに出来すぎに見えるが、Statcast上の内容もかなり優秀だ。Baseball Savantでは、投手・大谷の被wOBAは.226、xwOBAは.236、平均打球速度は87.6マイル、バレル率は3.3%。つまり、打球の質を抑え込んでおり、単に野手の正面に飛んでいるだけではない。もちろん、シーズンが進めば防御率は多少上がる可能性が高い。0点台を最後まで守るのは簡単ではない。ただ、xwOBAや被打球の質を見る限り、「実力以上に運だけで抑えている」とは言いにくい。少なくとも、防御率1点台前半から中盤で走り続けるだけの土台はある。最大のリスクは“二刀流の疲労管理”サイ・ヤング賞への最大の障害は、投球内容ではなく起用法だ。ドジャースは今回、大谷を打線から外して投手に専念させた。報道では、ロバーツ監督が大谷の打撃面の疲労を見ており、登板翌日にも休養日を与える方針だとされている。投手としては防御率0.82、44回、50奪三振、WHIP0.82と圧倒的だが、二刀流選手としての負荷は普通の先発投手とはまったく違う。ここはサイ・ヤング賞争いに直結する。登板日を投手専念にすること自体は、今回のようにプラスに働く可能性がある。一方で、疲労管理のために登板間隔が広がりすぎると、投球回が足りなくなる。大谷を投手タイトルに乗せるには、打者としての出場を調整しながら、先発登板数と投球回を確保するという、かなり繊細な運用が必要になる。現在時点のタイトル可能性最優秀防御率は、現時点では本命級。規定投球回に到達できるかが最大の条件だ。大谷が今の1登板6回超ペースを維持し、合計26~27先発に近づけば、かなり現実味がある。サイ・ヤング賞も、本命グループに入ったと見ていい。防御率、WHIP、奪三振率、被打率、連続QS、チームの連敗を止めた登板のインパクト。どれも強い。今後の焦点は、防御率を1点台前半で維持できるか、投球回を160回前後まで積めるか、そしてスキーンズ、セール、サンチェス、今永らとの直接的な比較で見劣りしない積み上げを作れるかだ。奪三振王は可能性あり。ただし現時点では追う立場。最多勝は低め。WHIP系と被打率系はかなり有望だが、スキーンズのWHIP0.64のように強力なライバルがいる。大谷は“投手タイトルを狙う二刀流”から“投手タイトル候補の中心”へ5月14日の7回無失点は、大谷の評価を一段変えた。これまでは「投手としても好調」だったが、今は「投手としてリーグ最高級」と言うべき段階に入っている。防御率0.82、WHIP0.82、50奪三振、7登板連続QS。数字だけなら、サイ・ヤング賞を語らない方が不自然だ。ただし、鍵はここからだ。防御率0点台の維持ではなく、投球回の積み上げ。奪三振王ではなく、毎登板6~7回を安定して投げること。そして、二刀流の負荷を管理しながら、投手としてのリズムを崩さないこと。5月14日時点の大谷翔平は、最優秀防御率の最有力候補であり、サイ・ヤング賞の本命級候補である。奪三振王や最多勝まで総なめにするには条件が多いが、投手としての総合評価ではすでにリーグの中心にいる。今季の大谷は、MVP候補としてではなく、純粋な先発投手としてタイトルを取りに行ける場所まで来ている。###◆ポケモンにハマるクリス・セールの素顔に迫る サイ・ヤング賞左腕が認める「大谷翔平にしかできないこと」(丹羽政善/スポナビコラム)###若いコレクターから憧れられる存在 クリス・セールが8日(※日時はすべて現地時間)のドジャース戦で先発。負け投手にはなったものの、7回を投げて、5安打、3失点(自責点2)、7奪三振。さすがという内容で、初回、大谷翔平から見逃し三振を奪ったが、外角低めに立て続けに真っ直ぐが決まり、大谷は一度もバットを振ることができなかった。 2打席目はショートゴロ。適時打を許した3打席目は内角高めを狙った初球がやや低めに。ボール球だったが、大谷が引っ張ると速い打球が一、二塁間を抜けていった。ただ、ミスがなければ大谷は空振りをしていたのではないか。いずれにしても2人の駆け引きには見応えがあった。 さてそのセール。3日前にはチームメートのディラン・リーと一緒にシアトル郊外のベルビューという街にいた。そこにはポケモンの米国本社があり、見学に訪れていたのである。 昨季終盤にはドジャースのアンソニー・バンダ(現ツインズ)、キケ・ヘルナンデス、ジャック・ドライヤー、ウィル・クラインらが同社に足を運んだが、リーとセールのポケモン好きも有名。それは前回の記事でも紹介したが、今回、2月にはリーから「5月の頭にシアトル遠征があるから、よろしく!」と連絡があり、実現した。 2人は見学中、未裁断のカードが壁一面に飾られている場所で足を止めると、しばし見入った。「イラストのデザイナーはどうやって決まるの?」と広報に尋ねるセール。「名前とか、よく考えつくよなぁ」。腕を組みながら唸った。ピカチュウなどキャラクターのぬいぐるみが飾られている場所では、マウンド上で見せる鋭い視線とは打って変わって目尻を下げている――同じ人なのか、というぐらい。 そのことを次の日、やはりポケモンカードを集めているマリナーズのジョージ・カービーに報告すると、「えっ、一緒に行きたかったのに」と残念そう。 その日は彼の登板日だったので声を掛けなかったのだが、彼のロッカーの小物を入れる引き出しには、ポケモンカードがぎっしり。「ここにあるものは、これからPCAに送ろうと思っているものなんだ」 メジャーリーガーとの会話でPCAという言葉が出たら普通はカブスのピート・クローアームストロングのこと。しかし、セールやカービーらとの会話ではカードの鑑定、および格付けを行う会社のこと。「ただ、2月に送ったカードがまだ、戻ってこない。混んでるみたい」 その通りで、昨今のトレーディングカードブームの影響が、そんなところにも及んでいた。「セールとも一度、話をしてみたい」 今回、それは叶わなかったようだが、レアカードを何枚も所有するセールは若いコレクターらにとって憧れの存在。昨年は、ジェーコブ・ミジオロウスキーから声を掛けられた。「オールスターのときだったかな。彼は裏地にルギアがプリントされたジャケットを着ていて、そこから話が弾んだ」 ポケモンの米国本社を後にし、ウーバーを待っている間に、セールがそう振り返った。データよりも大切にしている感覚 話がすっかりそれてしまったが、今回は彼と野球の話をする時間もあったので、それを紹介したい。 今年37歳になったセールは、トミー・ジョン手術を受けた影響で2020年から3シーズンは思うような結果を残せなかったが、ブレーブスに移籍した2024年、35歳で初のサイ・ヤング賞を獲得。昨年もオールスターに選ばれ、今年もここまで8試合に先発し、6勝2敗、防御率2.20。大谷がサイ・ヤング賞を狙うとしたら、間違いなく争うことになる1人だ。 そのセールが、「データのことは一切、気にしない」と意外なことを口にした。「試合中、コーチからこうなってるよ、とデータを伝えられることはあるけど、そういうことはすべて彼らに任せている。自分から数字を聞くこともない」 力の落ち始める30代中盤で復活した背景には、データの活用があるのかと思ったが、本人は無骨なオールドスクールタイプ。例えば、縦横の変化量、リリースポイント、エクステンションなどをその日の状態を確かめるための客観的データとして、確認することもない。 では、抑えた、あるいは打たれた要因をどう答え合わせしているのか。その問いにセールは、「試合中なら、相手の反応かな」と答えた。「甘いコースに投げてしまったとする。それでもファウルになるなら、押している、ということになる」 よって、気になることがあるとしたら、「相手に自分の球がどう見えているか」だという。「それは不可能だから、相手の反応からそれを探るしかない」 その点では、「翔平は有利だ」とセールは笑う。「彼は、打席でいろんな投手の球を見ている。例えば、球速はそんなに速くないのに、打ちにくい、という投手は確実に存在する。カブスの今永昇太のように。なぜか?ということを翔平は打席で実感した後、それを投手として応用できる。彼にしかできないことだ」37歳にして第一線で活躍し続けられる所以 一方で日々のルーティン、オフのトレーニングなどは実にストイック。 今回、ギリギリまでポケモンの米国本社に行く日程が決まらなかったが、セールの予定にどう合わせるかが、簡単ではなかった。間に入って調整をしたリーが、こんな話をしていた。「クリスは先発だから、登板間のルーティンが決まっている。朝ごはんを食べる時間(ナイターの翌日なら朝9時半)から、何時に何をするかまで。自分は予定を合わせられるけど、クリスは徹底しているから、日時は彼次第かな」 今回、セールが時間を取れたのは、7日に試合がなかった関係でドジャース戦の登板が中5日になったから。それで少し時間に余裕があった。 オフの日々もトレーニング中心。実は、日本へ行って各地のポケモンセンターを巡るのが彼の夢。ならば、オフに行けば?と提案したが、「引退するまでは無理かな」と首を振った。「トレーニングの予定が狂ってしまう。体を休めることも含めて計画を立てているので、長距離移動を伴う旅行は難しい」 37歳ながら、いまも100マイル近い真っ直ぐを投げられる一端である。 日々のルーティンゆえ、彼が試合前にメディアのインタビューに応じることも稀。着替えるときぐらいしか、クラブハウスにいない。今回のような機会がなければ、ゆっくり話すことも難しい。もちろん、一緒にいた時間の大半はポケモンの話が占めたが、わずかながらでも彼の野球観に触れることができたのは、貴重だった。 ただ、なんといっても驚いたのは彼の手の大きさ。これまで多くの選手と握手をしてきたが、セールの手は誰よりも大きかった。###◆打撃不振→12戦ぶり本塁打の大谷翔平…「カーショウ以来の大快挙」MVPとサイ・ヤング賞“W受賞への最難関”は防御率0点台よりも規定投球回数では(広尾晃/NumberWEB)### 大谷翔平が3・4月のナ・リーグ投手部門の月間MVPに選出された。 大谷はエンゼルス時代の2021年6月と7月、23年6月と7月、ドジャースに移籍してから24年9月、25年5月と計6回月間MVPを獲得していたが、いずれも打者部門。投手としては今回が初。投打での受賞は例によってMLB史上初だ。カーショウ以来W受賞者はいない 今季の大谷がサイ・ヤング賞を目指しているのは「公然の秘密」で、本人も否定していないようだ。トミー・ジョン手術(インターナルブレース手術含む)を2回経験している大谷は、次に右ひじを損傷した時は〈投手断念〉を決心しているとされる。そんな中で7月に32歳になる今季を「投手・大谷翔平」総決算のシーズンと考えているようだ。 サイ・ヤング賞はMLBの投手最高の栄誉とされる。創設当初はア・ナ両リーグで1人だったが、1967年から両リーグ1人ずつになった。 日本の沢村賞の場合「先発完投型の投手」で、選考基準も勝利数や完投数など一定の基準があるが、サイ・ヤング賞は「そのシーズン最高の投手」を選び、特段の規定はない。過去には79年ナ・リーグのブルース・スーター(カブス/6勝6敗37セーブ)のように、クローザーが受賞した例もある。 かつてはMVPとサイ・ヤング賞の「W受賞」もあったが、2014年のクレイトン・カーショウ(ドジャース)を最後にいなくなっている。現在では「最も活躍した野手はMVP、投手はサイ・ヤング賞」という棲み分けが定着したようだ。 サイ・ヤング賞もMVPと同じく全米野球記者協会(BBWAA)に所属する記者の投票で決まる。その中で近年はWAR(Wins Above Replacement)という指標が重視されている。 WARはその選手が「代替可能レベル(控え選手)」よりどれだけチームの勝利数を増やしたかを示す指標で、先発も救援も同列で比較できる。ただ、昨今の投票傾向を見ていると有権者である記者の認識はかなり動いているように思える。どの投手指標を見ても優秀 今季の投手・大谷の成績(現地5月5日終了時点)を見てみよう。 6試合2勝2敗37回21被安打2被本塁打 9与四球42奪三振、防御率0.97 この時点での防御率はナ・リーグ1位、WHIP(1イニングに許した安打、四球での走者数)も0.81で1位。被打率.160とK/BB(奪三振数÷与四球数=投手の安定感を示す指標)4.67はそれぞれ同僚タイラー・グラスノーに次ぐ2位だった。規定投球回数は「チームの試合数×1」のため、現在の大谷は規定投球回数未達で防御率ランキングを外れている。なお7日のアストロズ戦でグラスノーは腰痛のため緊急降板、気がかりではある。 先発投手の最低限の責務と言われるQS(クオリティスタート。先発で6回以上投げて自責点3以下)では、大谷は同僚の山本由伸らと並んで「6」。さらに開幕から6試合連続でQSをマークしている。 5月6日時点でのナ・リーグ投手のWARランキングを見ていく。データサイト『Baseball Reference』のrWARは以下の通り。1.サンチェス(フィリーズ)2.02.バーンズ(レッズ)1.83.ホームズ(メッツ)1.74.大谷翔平(ドジャース)1.5 データサイト『Fangraphs』のfWARはこうだった。1.サンチェス(フィリーズ)1.62.マクリーン(メッツ)1.53.大谷翔平(ドジャース)1.34.今永昇太(カブス)1.3 どちらのサイトで見ても大谷はトップクラスの評価だ。今季はフォーシームでグイグイ押している では投手・大谷は今季と昨季で、どのように変化したのだろうか? MLBのスタットキャストのデータから、投球の球種別構成比を前年と比較してみる。〈2026年〉フォーシーム 44%スイーパー 24%カーブ 13%スプリッター 12%シンカー 4%スライダー 2%カットボール 1%〈2025年〉フォーシーム 39%スイーパー 23%スライダー 11%カーブ 9%シンカー 7%カットボール 7%スプリッター 5% 構成比から、投球傾向の変化が見えてくる。 フォーシームの構成比が5ポイントも増えていて、今季は速球でぐいぐい押していることがわかる。スイーパーがこれに次ぐのは昨年同様だが、今季はカーブ、スプリッターの比率が増えている。緩急をつけたり、落としたり様々なシチュエーションで打者を打ち取っている。フォーシームの平均球速は今季が157.6km/h、昨年が158.4km/h、100マイル近い速球を駆使するMLB屈指のパワーピッチャーだ。規定投球回未達での受賞者9人中8人がリリーフ さて、あらためてサイ・ヤング賞獲得の可能性について考えてみよう。 大谷はエンゼルス時代の2022年に166回を投げて規定投球回数をクリア、この年は規定打席にも到達。一人の選手が規定投球回数、規定打席を同時にクリアしたのはMLB史上でもこの年の大谷だけ。まさに空前絶後だったが、rWARは6.3でシーズ(ホワイトソックス)の6.4に次いでア・リーグ2位、fWARはバーランダー(アストロズ)の6.1に次いで5.3で2位だった。 この年の投票ではバーランダー、シーズ、マノア(ブルージェイズ)に次ぐ4位だった。大谷がサイ・ヤング賞での得票を得たのはこの年だけ。大谷がサイ・ヤング賞を獲得するには、投球内容もさることながら「イニング数を投げる」ことが求められる。 過去に、規定投球回数未達でサイ・ヤング賞を獲った投手は9人いるが、そのうち8人は救援投手。唯一の先発は1984年ナ・リーグのリック・サットクリフ(カブス)で、150.1回16勝1敗、防御率2.69の成績だった。彼はこの年の開幕時はア・リーグのインディアンズで投げていたが、成績不振で6月にカブスにトレードされ、そこから見違えるような成績を上げた。7月4日から閉幕まで14連勝し、カブスを地区優勝に導いた。この派手な活躍が、記者の投票につながったのだろう。中6日で平均6回だと…規定投球回に達しない しかし普通で考えれば、大谷も「規定投球回数クリア」が必須となるだろう。 5月6日時点で残り125試合。ここから大谷の投球間隔とイニング数(現時点で37回)を想定してみる。 まず、中6日のペースでマウンドに上がると、大谷の残り登板数は18試合となる。 6回平均=108回→合計145回 7回平均=126回→合計163回 6回平均だと規定投球回数に届かず、平均で7回以上登板することが求められる。一方、中5日で投げるとなると、22試合登板となる。 6回平均=132回→合計169回 計算上は規定投球回に達する。とはいえ並行して打者出場することを踏まえれば――難関であることは間違いない。イニング数優先の中で防御率0点台となると 今季の大谷は「奪三振」「勝利」よりも「イニング数」優先となろう。そのうえで防御率が0点台をキープできれば、近代MLBでは1914年ダッチ・レオナード(レッドソックス)の0.96以来となる。また、このままQS記録を伸ばして2022年にフランバー・バルデス(アストロズ)が記録したMLB記録の「25試合連続QS」を破ることも考えられる。 大谷はこれまでも「そんな馬鹿な」という記録を次々打ち立ててきた。ゆえに、投手としてこうした記録も不可能ではないのだろう。そうなれば仮にWARがリーグ1位でなくても記者の票は大谷に集まる。 今季の打者・大谷は現地時間12日のジャイアンツ戦で12試合ぶりとなる7号本塁打を打ったものの、今のところパッとしない。 それでも投打合わせ技でWARは1位となる可能性が高い。チームメイトだったカーショウ以来となるサイ・ヤング賞とMVPの「W受賞」の可能性は高まる。 毎年この時期に「捕らぬ狸の皮算用」をしている感があるが、結構これが当たるのだから仕方がない。(「酒の肴に野球の記録」広尾晃 = 文)###-------------------------------------------------------------■ NOTE-------------------------------------------------------------